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点群ビューアで地盤面だけ抽出し体積計算の不要点を減らす3手順

点群ビューアで体積計算を行うとき、計測した点群をそのまま使えばよいとは限りません。現場で取得した点群には、求めたい地盤面だけでなく、重機、車両、資材、仮設物、植生、人、杭、構造物など、体積計算の対象に含めたくない点が混在していることがあります。こうした不要点を残したまま地表面を作成すると、本来の地盤形状とは異なる凹凸が生じ、土量の算出結果に影響する可能性があります。

特に「体積計算 点群ビューア」と検索する実務担当者にとって重要なのは、単に点群を表示できるかではなく、どの点を計算対象として残し、どの点を除外するかを適切に判断できることです。点群の取得精度が高くても、対象外の物体まで地盤として扱えば、体積計算の結果をそのまま施工数量や出来高の判断に使いにくくなります。

そこで本記事では、点群ビューア上で地盤面だけを抽出し、体積計算に不要な点を減らす基本的な考え方を3手順に分けて解説します。地盤候補の確認、不要点の除外、抽出結果の検証という流れを押さえることで、単に自動処理に任せるのではなく、現場条件に合わせて計算対象を整理しやすくなります。

体積計算で地盤面だけを抽出する必要がある理由

点群を使った体積計算では、一般に計測した三次元座標をもとに対象面の形状を表現し、基準となる面との差から土量などを求めます。このとき重要になるのが、計算対象となる表面が何を表しているかです。土山の表面を計測したいのであれば土山の表面点が必要であり、掘削後の地盤を評価したいのであれば掘削面を表す点が必要です。

しかし、実際の現場で取得した点群は地盤だけで構成されるとは限りません。計測範囲内に重機が停止していれば、その車体表面にも点が生成されます。資材が置かれていれば資材の上面や側面にも点が入り、草が生えていれば地表ではなく葉や茎を捉えた点が含まれることがあります。作業員や車両が計測中に移動した場合、一時的な物体が点群として残る場合もあります。

こうした点が体積計算に与える影響は、対象物の大きさや配置、点群処理方法によって異なります。小さな不要点が少数存在するだけであれば結果への影響が限定的な場合もありますが、大型の重機やまとまった資材、密な植生などが面として残ると、本来の地盤より高い表面が形成される可能性があります。

逆に、不要点を削除しすぎることも問題です。例えば地盤の小さな盛り上がりを資材と誤認して削除すれば、本来存在する地形を失います。法肩や法尻、掘削端部などの形状を一律にノイズとして除去すると、計算対象の境界付近が実際より滑らかになり、元の形状を十分に再現できなくなることがあります。

そのため、地盤面抽出は「点をできるだけ減らす作業」ではありません。目的は、体積計算に必要な地表面を残しながら、対象外の点を適切に取り除くことです。点数が少ないほどよいわけではなく、必要な形状を保持できているかが重要になります。

また、地盤面抽出を行う前には、何の体積を求めたいのかを明確にしておく必要があります。同じ現場の点群でも、盛土全体の体積を求めたい場合と、施工済み部分だけを評価したい場合では残すべき点が異なります。仮設材を除外するのか、既設構造物を基準面の一部として扱うのかといった判断も、計算目的によって変わります。

つまり、地盤面抽出は点群処理の単なる前処理ではなく、体積計算の対象を定義する工程でもあります。点群ビューアで作業を始める前に、現場のどの面を計算対象とするのかを決めておくことが、後工程の判断を安定させる第一歩です。

手順1 点群全体を確認して地盤候補と不要点を見分ける

最初の手順は、点群ビューアでデータ全体を表示し、地盤として残したい範囲と不要点の候補を把握することです。いきなり自動抽出や削除処理を行うのではなく、まず点群の状態を視覚的に確認することが重要です。

平面方向から見ただけでは、地盤と地上物の違いが分かりにくい場合があります。そのため、点群ビューアでは視点を変えながら確認します。上空からの表示だけでなく、斜め方向や横方向から確認すると、地盤から上に突出した物体を判別しやすくなります。

例えば、平面表示では土山の一部に見えていた点が、横から見ると車両の形になっていることがあります。資材の山と土砂の山も、色や密度だけでは判別しにくい場合がありますが、側面形状を見ることで直線的な面や人工物らしい形状を確認できることがあります。

地盤候補を見分けるときは、高さだけを基準にしないことも大切です。「周囲より高い点は不要」と決めてしまうと、本来残すべき盛土や法面まで削除するおそれがあります。反対に、「低い点だから地盤」と判断すると、掘削部に存在する資材や構造物の下部などを誤って残す場合があります。

重要なのは、位置、高さ、周囲との連続性、形状、現場状況を合わせて判断することです。自然な地盤面は周囲と連続した形状を形成することが多い一方、車両や資材、設備などは局所的な段差や急な立ち上がりを持つ場合があります。ただし、法面や擁壁周辺のように地盤自体にも急勾配が存在するため、形状だけで一律に判定することは避けます。

可能であれば、計測時の現場写真や作業記録も判断材料になります。点群だけを見て用途不明の盛り上がりがあった場合でも、同時刻の写真を確認すれば、そこに重機が置かれていたのか、実際の土山だったのかを判断しやすくなります。

また、この段階で体積計算に使用する範囲も確認しておきます。点群全体に対して地盤抽出を行うより、必要な計算範囲を先に絞ったほうが、対象外の点を減らしやすい場合があります。例えば土山の体積だけを求めるのであれば、遠くの建物や道路、周辺設備まで処理対象に含める必要はありません。

ただし、範囲を狭く設定しすぎると、土山の裾や掘削境界を切り落とす可能性があります。体積計算の境界線と点群処理の確認範囲を完全に同じにするのではなく、周囲の地盤状態を確認できる余裕を持った範囲で点群を見ると判断しやすくなります。

点群全体を確認する段階では、欠測も見逃せません。地盤面に大きな空白がある場合、その部分は不要点を除去した結果ではなく、そもそも計測できていない可能性があります。重機の陰、資材の裏側、急な段差の周辺などでは、計測方法によって地盤が十分に取得できていないことがあります。

欠測部分を自動的に補間して面を作る機能がある場合でも、補間された形状が実際の地盤を正確に表しているとは限りません。大きな欠測がある場合は、体積計算へ進む前に、その範囲が結果へ与える影響を確認する必要があります。

つまり手順1では、まだ点を削除することが目的ではありません。地盤として残す対象、除外候補、計算範囲、欠測箇所を整理し、この後の処理で何をするのかを明確にする工程です。この確認を丁寧に行うことで、次の地盤抽出作業で必要な点まで消してしまうリスクを抑えやすくなります。

手順2 分類と範囲指定を使って地盤面から不要点を除外する

地盤候補と不要点の位置を把握したら、次は点群から体積計算に不要な点を除外します。使用する点群ビューアによって機能や名称は異なりますが、一般には地盤と非地盤を分類する処理、選択範囲による削除や非表示、標高差や形状を利用した抽出などを組み合わせて整理します。

自動的に地盤候補を分類できる場合でも、その結果を無条件で採用しないことが重要です。自動分類は大量の点群を効率よく整理するために便利ですが、現場ごとの地形条件を完全に理解しているわけではありません。急勾配、段差、土山、掘削底、法面、小規模な起伏などは、設定によって非地盤側に分類される場合があります。

特に盛土や土山の体積計算では注意が必要です。一般的な地盤抽出の考え方では、周囲から突出した物体を非地盤として判定する処理がありますが、求めたい対象そのものが盛り上がった土砂であれば、その突出部分を除外してはいけません。体積計算でいう「地盤面」が、常に平坦な自然地盤を意味するわけではないからです。

このため、抽出条件は計算目的に合わせて考えます。施工前の現況地盤を作りたいのであれば、地上物を除きながら地表を残すことが中心になります。一方、施工後の盛土体積を求める場合は、盛土表面そのものを残す必要があります。掘削土量を確認する場合は、掘削後の底面や法面が対象になる場合があります。

不要点として比較的判断しやすいのは、明確な人工物です。車両や重機、仮設設備、資材、作業員など、計算対象に含めないことが明らかな物体は、点群ビューア上で範囲を選択し、計算対象から除外します。ただし、地盤と接している部分では境界を慎重に確認する必要があります。

例えば重機の履帯付近では、車体の点と地面の点が近接しています。大きな矩形範囲でまとめて削除すると、履帯の下や周囲に存在する本来の地盤点まで消す可能性があります。可能であれば側面表示も確認し、不要物だけを分離できる範囲で処理します。

植生も判断が難しい対象です。背の高い草や低木が密集している場所では、計測方法によって実際の地表面より上側の点が多く取得されることがあります。その一方で、植生の隙間から地面に到達した点が含まれている場合もあります。すべてを一括削除するのではなく、地表候補が残っているかを確認しながら処理します。

点群密度が高いからといって、必ず地盤面を正確に抽出できるわけではありません。不要物の表面に大量の点が存在すれば、その不要点も高密度です。重要なのは点の数ではなく、その点が何を表しているかです。

また、孤立した点や明らかな外れ値も確認します。周囲から大きく離れた高さに少数の点が存在する場合、それらが実際の地物ではなく計測上の外れ値であれば、体積計算用の面を作成する前に除外することが考えられます。ただし、単に周囲と異なるという理由だけで削除すると、杭頭や地形の局所的な特徴などを誤って消す可能性があります。

点群の間引きと不要点除去も区別して考えます。点数を減らして処理を軽くする間引きは、すべての点を一定の基準で減らす処理です。一方、不要点除去は、体積計算に使用すべきでない点を判別して除く処理です。点群が重いからという理由だけで大幅に間引くと、法肩や段差、狭い溝などの形状が粗くなる可能性があります。

処理負荷を下げるために点群を減らしたい場合でも、体積計算に必要な地形の細かさとのバランスを取る必要があります。特に小さな凹凸が数量に影響する現場では、過度な間引きや平滑化を避け、元データとの違いを確認します。

地盤面の抽出では、一度の処理で完成させようとしないことも有効です。まず明確な不要物を除去し、その後に残った点群を確認し、さらに局所的な修正を行うという段階的な進め方のほうが、必要な地盤点を残しやすくなります。

自動分類を使った場合も、分類後の地盤点だけを表示して終了するのではなく、非地盤側へ分類された点も確認します。そこに土山の一部や法面、地盤の段差が含まれていれば、必要な点を地盤側へ戻す判断が必要です。

逆に、地盤側へ分類された点の中に資材や低い構造物が残る場合もあります。地盤抽出は「地盤だけを自動的に正解として取り出す処理」というより、候補を分類して人が最終確認するための補助として考えたほうが実務では扱いやすい場面があります。

こうして不要点を整理したら、削除後の点群だけを見るのではなく、元の点群との対応を確認できる状態を残しておくことが重要です。後から体積が想定と大きく異なった場合に、どの点を除外したのかを追跡できれば、原因を調べやすくなります。

手順3 抽出した地盤面を確認してから体積計算へ進む

不要点を除外した後は、すぐに体積計算を実行するのではなく、抽出された地盤面が実際の現場形状を適切に表しているかを確認します。ここが3つ目の手順です。

まず確認したいのは、地盤面の連続性です。地上物を削除した場所に大きな穴が残っていないか、周囲と不自然につながっていないかを確認します。重機を除外した位置に地盤点が存在しなければ、その部分は欠測になります。ビューアや計算処理によっては周囲の点から面を補間する場合がありますが、その補間面が実際の地形と一致するとは限りません。

例えば、平坦な造成面の中央に車両があり、その周辺に十分な地盤点が取得されているのであれば、欠測部分の影響が比較的小さい場合があります。一方、法肩や掘削端部の上に重機があり、その下の地盤が取得できていない場合は、周囲から単純につないだ面では本来の地形を再現できない可能性があります。

次に、地盤面を横方向から確認します。上から見た表示では問題がなくても、断面方向から見ると不自然な突起や落ち込みが残っていることがあります。土山や法面を対象とする場合は、複数方向から断面を確認すると、不要点の残りや削除しすぎた範囲を見つけやすくなります。

断面確認では、局所的な点だけでなく、前後の地形とのつながりを見ることが重要です。例えば一か所だけ鋭く突出していれば外れ値の可能性がありますが、周囲から連続して高くなっているのであれば実際の地形かもしれません。反対に、不自然に一直線で削られている部分があれば、範囲選択による削除で地盤まで失っていないか確認します。

抽出結果を確認したら、体積計算に使用する境界を設定します。地盤面がきれいに抽出されていても、計算範囲がずれていれば求める体積は変わります。土山の裾をどこまで含めるのか、掘削範囲をどこで区切るのか、既設構造物の周囲をどう扱うのかなど、境界条件を明確にします。

特に接触する複数の土山や、周囲と高低差が小さい盛土では、境界線の引き方が結果に影響しやすくなります。点群の見た目だけで境界を決めるのではなく、施工範囲、測量基準、現場記録などと照合して決めることが大切です。

その後、比較対象となる基準面を設定します。体積計算は、対象となる表面だけでは成立しません。どの面との差を求めるかによって体積の意味が変わります。一定標高の水平面と比較するのか、施工前の現況地盤と比較するのか、設計面と比較するのかによって、同じ点群から得られる数値でも用途が異なります。

ここで注意したいのは、不要点の除去と基準面の設定は別の工程だということです。不要点をきれいに取り除いても、比較対象となる基準面が適切でなければ、目的と異なる体積になります。逆に基準面が正しくても、対象面に重機や資材が残っていれば、その形状が体積に含まれる可能性があります。

計算後は、数値だけを見るのではなく、差分が生じている位置も確認します。体積の総量がもっともらしく見えても、局所的には不要点の影響が残っている場合があります。もし差分表示や高低差表示が利用できるのであれば、特定箇所だけ極端に盛り上がっていないか、逆に大きく削れていないかを確認すると、地盤抽出の見落としを発見しやすくなります。

さらに、抽出前後で体積計算を比較する方法もあります。不要点を含む状態と、不要点を除いた状態で結果が大きく変化する場合は、どの部分が差の原因になったかを確認します。ただし、差が大きいこと自体が誤りとは限りません。大型の重機や大量の資材を除去したのであれば、結果が変化するのは自然です。

重要なのは、その差を説明できることです。「どの物体を対象外と判断し、どこを除外し、その結果として数値が変わったのか」を把握できれば、体積計算の結果を現場内で共有するときにも根拠を示しやすくなります。

地盤抽出で判断を誤りやすい代表的な対象

地盤面抽出では、明確なノイズよりも、地盤と見分けにくい対象の扱いが難しくなります。代表的なのが植生です。

草地では、地面のすぐ上に多数の点が存在するため、見た目では地盤面が厚みを持った層のように見えることがあります。低い植生であっても、求める精度や対象面積によっては体積計算への影響を無視できない場合があります。一方で、植生を除去しようとして下側の点だけを残すと、実際の地表ではない誤った点を選んでしまう可能性もあります。

水たまりや水面周辺も注意が必要です。計測方式や現場条件によっては、十分な点が得られない場合や、不安定な点が含まれる場合があります。水面下の地盤を直接取得できていないのに、周囲の地盤から補間して面を作れば、その部分は推定形状になります。体積計算へ使用する場合は、その前提を把握しておく必要があります。

資材と土砂の区別も現場によっては難しくなります。砕石、残土、製品材料などが隣接して置かれている場合、点群上ではいずれも不規則な盛り上がりとして見えることがあります。どれを計算対象にするかは形状だけでは決められないため、現場の管理区分と照合します。

既設構造物も目的によって扱いが変わります。体積計算範囲内にコンクリート構造物が存在する場合、それを除外するのか、地盤面の一部として境界条件に含めるのかは計算の目的次第です。一律に「人工物だから削除」と考えると、必要な境界まで失う場合があります。

杭やポールなどの細長い物体は、点数としては少なくても局所的な突出を作ります。面生成の方法によっては、その周辺に三角形状の面が形成され、実際より広い範囲に影響が及ぶ場合があります。そのため、細い対象だから無視できると決めず、面を作成した後の形状まで確認することが大切です。

重機や車両についても、除外そのものは比較的判断しやすい一方、その下の地盤が取得できていないことが問題になります。物体だけを削除しても、隠れていた地面が自動的に現れるわけではありません。計測時点で取得されていない場所は欠測のままです。

この違いを理解しておくと、「不要点を全部消したのに地盤面が不自然」という状況の原因を切り分けやすくなります。必要なのは削除だけではなく、削除後に地盤を構成するだけの点が残っているかという確認です。

地盤面抽出と基準面設定を混同しない

点群ビューアで体積計算を行う際によく混同されやすいのが、地盤面を抽出する処理と、体積計算の基準面を設定する処理です。この2つは似ているように見えますが、役割が異なります。

地盤面抽出は、計測した点群の中から「どの点を対象面として使うか」を決める作業です。重機、資材、植生などを除き、求めたい現況面や施工面を作る工程に当たります。

一方、基準面設定は「その対象面を何と比較するか」を決める作業です。例えば施工前地盤と施工後地盤を比較すれば、期間中に増減した土量を評価する考え方になります。計画面と現況面を比較すれば、計画に対する盛土側、切土側の差を把握する用途につながります。

この2つを混同すると、どこに誤差の原因があるのか分かりにくくなります。結果が想定より大きい場合、不要点が残っているのか、基準面が間違っているのか、計算境界が広すぎるのかを切り分ける必要があります。

そのため、作業工程を分けて確認することが有効です。まず対象となる地盤点を整理し、その地盤面が正しいことを確認します。次に計算範囲を確認し、その後で比較対象となる基準面を設定します。最後に体積計算の結果を確認するという順序にすると、問題が起きたときに原因を追いやすくなります。

特に複数時期の点群を比較する場合は、地盤抽出条件をできるだけ揃えることが重要です。一方の点群では植生を除去し、もう一方では残したままにすると、実際の施工変化とは異なる差が体積として現れる可能性があります。

同様に、計算範囲も揃える必要があります。施工前と施工後で異なる境界を使えば、時期による地形変化だけでなく範囲の違いまで数量に含まれてしまいます。

座標や高さの基準も確認します。複数時期の点群を比較する場合、位置や高さが正しく対応していなければ、地盤抽出を丁寧に行っても差分計算の前提が崩れます。点群が同じ位置に重なっているか、既知点や動いていない構造物などを利用して大きなずれがないかを確認してから体積計算へ進むことが大切です。

体積計算の再現性を高めるために残しておきたい情報

点群から不要点を除去して体積計算を行う作業では、最終的な数値だけを保存するのではなく、その数値をどのような条件で算出したかを残しておくことが重要です。

同じ点群を使っていても、地盤抽出の方法、計算境界、基準面、補間条件などが異なれば、結果が変わる可能性があります。後日、別の担当者が再計算したときに数値が一致しなければ、どの設定が違ったのか確認する必要があります。

まず残したいのは元の点群です。不要点を削除した加工済みデータだけを保存すると、後から除去判断を見直したくなった場合に元へ戻せなくなることがあります。元データを保持したうえで、体積計算用に加工したデータを別に管理する方法が扱いやすくなります。

次に、何を不要点として除外したかが分かる記録を残します。例えば計測時に重機が存在した位置、資材を除外した範囲、植生が多かった場所などを記録しておくと、結果を再確認するときの手掛かりになります。

計算範囲についても同様です。境界ポリゴンなどを利用して範囲を指定した場合は、その範囲を保存しておくと、同じ条件で再計算しやすくなります。複数時期を比較する場合には、同一の計算範囲を再利用できる状態にしておくことが特に重要です。

基準面の条件も記録対象です。一定標高を使ったのか、施工前点群から作成した面を使ったのか、計画面を使ったのかによって、数値の意味は異なります。「体積が何立方メートルだった」という結果だけではなく、「どの対象面とどの基準面の差なのか」が分かる状態にしておく必要があります。

また、点群を間引いた場合や平滑化した場合には、その処理を行ったことも記録しておきます。処理前後のデータを比較できれば、設定変更による数量差を検証しやすくなります。

このように条件を残しておくことで、体積計算を一度きりの作業ではなく、再確認できる測量・施工管理データとして扱いやすくなります。

現場で地盤面抽出を効率化する運用の考え方

地盤面抽出に時間がかかる原因の一つは、計測後に初めて不要物の存在に気付くことです。点群ビューアでの処理を効率化するには、計測段階から体積計算を想定しておくことが重要です。

例えば、体積計算する範囲から移動可能な重機や資材をあらかじめ退避できれば、後処理で除去する点を減らせます。もちろん現場工程によって移動できない場合もありますが、計測時刻を調整するだけで不要物が少ない状態を選べることもあります。

計測時には、対象範囲の端部まで十分に取得することも大切です。点群処理では後から計算範囲を狭くできますが、取得していない場所を後処理だけで正確に復元することはできません。特に土山の裾、法肩、法尻、掘削境界など、体積計算の境界になりやすい場所は意識して取得します。

重機や資材によって地盤が隠れる場合は、可能であれば異なる方向から取得することで死角を減らします。ただし、複数回取得した点群を組み合わせる場合は、位置が適切に整合していることを確認する必要があります。

現場写真を残すことも有効です。点群処理担当者が計測現場を直接見ていない場合、点群上の物体が土砂なのか資材なのかを判断しにくいことがあります。計測時の写真があれば、後処理時の判断材料になります。

また、毎回同じ種類の現場を計測する場合は、地盤抽出の確認項目を統一すると作業を標準化しやすくなります。ただし、設定値を固定してすべての現場へ適用するのではなく、確認の順序を標準化する考え方が安全です。

例えば、最初に計測範囲を確認し、次に明確な人工物を確認し、その後に植生や欠測を確認し、最後に断面を見るという流れを決めておけば、担当者による見落としを減らしやすくなります。現場条件が変わっても、確認の観点自体は共通化できます。

体積計算を頻繁に行う現場では、施工前から計測方法とデータ管理方法を決めておくことも効果的です。計測日ごとに点群を保存し、同じ座標基準、同じ計算範囲、できるだけ共通した地盤抽出ルールで処理すれば、時系列比較を行いやすくなります。

ただし、完全に同じ条件へそろえることだけを優先しすぎないことも大切です。施工途中で地形が大きく変われば、抽出設定を変更する必要が生じる場合があります。その際は変更した条件を記録し、なぜ変更したのかを説明できるようにします。

点群ビューアを使った体積計算では、自動処理の速さだけに注目しがちですが、実務上は「間違いに気付ける工程」を持つことが重要です。自動分類、手動修正、断面確認、計算結果の確認を一連の流れとして運用すると、不要点による影響を見つけやすくなります。

さらに、現場で点群を取得した直後に簡易的に表示できれば、欠測や不要物の影響をその場で確認しやすくなります。事務所へ戻ってから不足に気付くより、現地で再計測の必要性を判断できるほうが効率的な場合があります。

このため、点群ビューアを選ぶ際には、単に大量の点群を表示できるかだけでなく、現場で確認しやすいか、不要点を整理できるか、断面や高さを確認できるか、計算範囲を保存できるかなど、自社の体積計算フローに必要な機能を整理して比較することが重要です。

まとめ 点群ビューアでは地盤抽出から体積計算までを一連で確認する

点群ビューアで体積計算を行う際は、計測した点群をそのまま計算に使うのではなく、求めたい地盤面が適切に表現されているかを確認することが重要です。重機、車両、資材、植生、仮設物などが残ったまま面を作成すると、それらが本来の地盤形状に重なり、計算結果へ影響する可能性があります。

基本となる流れは3手順です。最初に点群全体を確認し、地盤候補、不要点、欠測、計算対象範囲を把握します。次に、自動分類や範囲指定などを利用しながら不要点を除外し、必要な地盤点を残します。最後に、抽出後の地盤面を平面と断面の両方から確認し、計算境界と基準面を設定してから体積計算を行います。

この工程で大切なのは、不要点をできるだけ多く消すことではありません。体積計算に必要な地形を壊さず、対象外の点だけを減らすことです。土山や法面、掘削端部などは周囲から突出していても必要な地盤点であるため、単純な高さ条件だけで除外しないよう注意が必要です。

また、不要点を削除した場所に元の地盤点が存在するとは限りません。重機などで隠れていた場所は欠測になっている可能性があるため、削除後に形成された面が実際の地形を表しているかまで確認する必要があります。

体積計算の信頼性を高めるには、地盤抽出だけでなく、計算範囲、基準面、座標の整合、点群の欠測、間引きや平滑化の有無まで含めて確認することが大切です。さらに、元点群、加工後データ、計算境界、基準面、処理条件を残しておけば、後から結果を再確認しやすくなります。

点群を使った土量管理を継続的に行うのであれば、計測、点群確認、地盤抽出、体積計算を別々の作業として考えるのではなく、一連の工程として運用することがポイントです。計測段階から不要物や死角を意識し、取得後すぐに点群を確認できれば、後処理で発生する手戻りも減らしやすくなります。

現場での三次元計測から点群確認までの流れをさらに効率化したい場合は、LRTK Phoneを活用した計測方法や点群運用についても確認し、自社の体積計算フローに適した進め方を検討してみてください。

現場を3Dで残して、あとから測る。
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