暗渠排水材の数量は断面を一つに決めつけないことが重要
道路工事、造成工事、法面工事、農地整備、構造物周辺の排水などでは、地中に暗渠を設け、その周囲に砕石などの排水材を施工することがあります。現場で必要な材料量を把握するとき、基本になるのは断面積に施工延長を掛ける体積計算です。しかし、暗渠排水材の数量は、単純に標準断面を全延長へ掛ければ終わるとは限りません。
実際の現場では、暗渠の幅や深さが途中で変化したり、排水管の径が変わったり、複数の管が合流したりすることがあります。集水桝への接続部だけ排水材の範囲が広くなる場合もあれば、既設構造物との取り合いで断面が小さくなる場合もあります。こうした断面違いを見落とすと、計算上の数量と施工時の材料使用量が合わなくなりやすくなります。
「現場で体積計算」と検索する実務担当者にとって重要なのは、難しい数式を覚えることではありません。どこまで同じ断面として扱い、どこから別断面として分けるのかを判断できることです。同じ断面が続く区間であれば、幅、高さ、延長を整理するだけで比較的簡単に数量を求められます。
例えば、排水材の外形を幅0.50m、高さ0.40m、延長20mの矩形として扱えるのであれば、体積は0.50×0.40×20で4.00m3です。しかし、途中10m以降で幅が0.70mへ広がっている場合、全区間を0.50mとして計算すると後半の増加分を拾えません。逆に、広い方の断面を全区間へ適用すれば過大計算になります。
暗渠排水材の数量で差が出る原因は、計算式そのものよりも、計算対象となる形状の読み方にあることが多いです。そのため、平面図だけを見るのではなく、縦断図、横断図、標準断面図、詳細図、施工図などを見比べ、断面変化点を整理してから計算を始めることが大切です。
また、「設計数量を求める計算」と「実際にどれだけ材料が必要になるかを検討する計算」も完全に同じではありません。設計数量は設計図書の寸法に基づきますが、現場では掘削面の不陸や余掘りなどによって、実際の充填空間が変わる場合があります。この違いを理解しておくと、材料搬入後に数量差が出ても原因を整理しやすくなります。
方法1 設計図書から断面が変わる位置を先に拾う
暗渠排水材の断面違いを拾う第一の方法は、計算を始める前に断面が変化する位置を洗い出すことです。総延長だけを先に拾うのではなく、「どこからどこまでが同じ断面か」という区間の考え方で図面を読みます。
平面図では暗渠排水のルート、始点、終点、曲がり、分岐などを確認できます。一方、平面図だけでは高さ方向の変化を判断できない場合があります。縦断図を見ると、管底高や施工勾配、地盤高の変化などを確認しやすくなります。さらに横断図や標準断面図を見ることで、排水材の幅、管下厚、管側幅、管上厚などを整理できます。
例えば、施工延長が30mある暗渠で、0mから8mまでは幅0.40m、8mから20mまでは幅0.50m、20mから30mまでは幅0.60mとなっているのであれば、少なくとも3区間に分けて数量を計算します。途中で高さも変わるなら、高さの変化位置でもさらに区間を分割します。
暗渠の記号や線種が同じだからといって、同じ断面が続いているとは限りません。例えば、道路横断部だけ被り条件が異なるため排水材の断面が変更されていたり、法面下部だけ集水能力を考慮して排水材幅が広くなっていたりすることがあります。標準断面図だけを見て全区間へ適用すると、こうした特殊部を見落としやすくなります。
集水桝やマンホールなどの構造物へ接続する部分も確認が必要です。通常部の排水材断面がそのまま桝まで続くとは限らず、接続部だけ広げているケースや、逆に構造物が占めるため排水材の断面が欠けるケースがあります。
また、設計変更や施工条件による断面変更がある場合には、最新の条件を使用することが重要です。古い施工図や変更前の資料を基に計算すると、計算式が正しくても数量は合いません。変更位置、変更後の寸法、採用した図面の版などを対応させておくと、後で数量根拠を確認しやすくなります。
現場で体積計算するときほど、最初に変化点を整理しておくことが作業短縮につながります。計算途中で断面違いに気付き、全区間を計算し直すよりも、始点、終点、幅変更位置、高さ変更位置、管径変更位置、分岐位置、接続位置を先に整理し、その後で単純な区間計算を積み上げる方が効率的です。
方法2 幅と厚さを分けて区間ごとの断面積を出す
暗渠排水材の断面を確認するときは、「断面が同じか違うか」だけで判断せず、幅と高さを別々に確認することが重要です。同じように見える断面でも、幅か厚さのどちらかが変わるだけで断面積は変化します。
矩形として計算できる場合、断面積は幅×高さです。幅0.50m、高さ0.30mなら0.15m2ですが、高さが0.45mになると0.225m2です。幅は同じでも断面積は大きく異なります。反対に、高さが一定でも幅が広がれば体積は増えます。
暗渠排水材では、排水管の周囲に一定厚さで砕石などを設ける形状もあります。その場合は、単純に「排水材幅」「排水材高さ」という一つの寸法が示されず、管外面から左右何mm、管下何mm、管上何mmという形で示されることがあります。
例えば、外径0.20mの管に対し、左右それぞれ0.20m、管下0.10m、管上0.20mの範囲を排水材で囲むとします。単純な矩形外形として整理すると、幅は0.20+0.20+0.20で0.60m、高さは0.10+0.20+0.20で0.50mとなります。外形断面積は0.60×0.50で0.30m2です。
ここから管そのものが占める断面積を差し引くかどうかは、計算目的や数量定義に応じて判断します。材料そのものが充填される空間を求めたいのであれば、管断面を考慮する必要があります。一方、設計数量の算出方法が別に定められている場合には、その方法に合わせます。
現場で計算するときは、幅だけを一覧にするのではなく、高さや厚さも同時に整理することが有効です。例えば、ある区間が幅0.50m、高さ0.30m、次の区間が幅0.50m、高さ0.40mなら、平面図だけでは変化が見えませんが、縦断図や断面図を確認すれば違いを把握できます。
また、暗渠が深くなることで排水材の高さが自動的に増えるとは限りません。掘削深さが増えても、排水材は管周囲だけ一定厚さとされ、上部は別の埋戻し材になる場合があります。そのため、「掘削深さ=排水材高さ」と考えず、どの材料がどの範囲に入るのかを断面図で確認する必要があります。
方法3 管や構造物が占める部分を確認する
暗渠排水材を現場で体積計算する際に見落としやすいのが、排水材の外形内に存在する管や構造物です。外形寸法だけを掛け合わせると、実際には材料が入らない空間まで排水材として計算する可能性があります。
例えば、幅0.60m、高さ0.50m、延長10mの矩形範囲を排水材施工範囲とすると、外形体積は0.60×0.50×10で3.00m3です。しかし、中央に外径0.20mの円形管が連続している場合、その管の中や管本体部分には排水材は入りません。
円形断面積は、直径Dを使ってπ×D×D÷4で求められます。直径0.20mなら断面積は約0.0314m2です。延長10mでは管外形が占める幾何学的な体積は約0.314m3となります。外形体積から管部分を差し引く考え方であれば、排水材が占める空間は約2.686m3となります。
ただし、どの数量計算でも必ず管体積を引かなければならないという意味ではありません。設計図書や数量算出方法に基づいて計算する場合は、定められた考え方を優先します。施工時の材料使用量を検討する場合には、実際に材料が入る空間を把握するという意味で、管や構造物が占める部分を意識することが重要です。
集水桝や既設構造物との接続部分も同じです。暗渠排水材の施工範囲が幅1.00m、高さ0.50mに広がっていても、その中央に大きな桝が存在すれば、外形全体が材料で満たされるわけではありません。
また、基礎コンクリート、均しコンクリート、既設水路、擁壁などが排水材範囲に入り込む場合もあります。こうした部分を無条件に外形体積へ含めると、材料量を過大に見積もる可能性があります。
一方、細かな凹凸や小さな付属物まで一つずつ厳密に差し引くと、計算作業が複雑になります。どこまでを数量として反映するかは、施工規模や必要な計算精度に応じて判断します。現場で重要なのは、外形体積をそのまま材料体積だと思い込まず、「中に何が入っているか」を一度確認することです。
方法4 断面変化ごとに区間を分割して体積計算する
複雑な暗渠排水材の数量を間違えにくくする基本は、全体を単純な区間へ分けることです。断面の異なる全延長を一つの式で処理するよりも、同じ断面が続く区間ごとに断面積と延長を掛け、最後に合計する方が分かりやすくなります。
例えば、全長40mの暗渠について、最初の15mは断面積0.18m2、次の10mは0.24m2、最後の15mは0.20m2とします。それぞれの体積は、0.18×15で2.70m3、0.24×10で2.40m3、0.20×15で3.00m3です。合計は8.10m3です。
もし全区間を代表断面0.20m2として計算すれば8.00m3になります。この例では差は0.10m3ですが、断面差が大きい場合や延長が長い場合には差も大きくなります。また、小さな差でも複数区間、複数路線が集まれば総量では無視できないことがあります。
区間を分ける位置は、幅変更点だけではありません。高さが変わる場所、管径が変わる場所、管本数が変わる場所、排水材の種類や施工範囲が変わる場所、集水部、分岐部、構造物との接続部なども区切りとして考えます。
例えば、0mから20mまで同じ幅であっても、0mから12mまでは管径150mm、12mから20mまでは管径200mmという場合、材料充填空間を考慮する計算なら断面積も変わります。幅と高さだけでなく、内部に存在する管の条件も区間分けに影響します。
現場変更がある場合は、実際に変更した位置を確認することも重要です。設計上の測点と実際の施工変更位置が一致しない場合、施工実績を確認する数量としては実際の変更位置を使う方が実態を表します。
区間分割の利点は、後で計算修正しやすいことです。例えば一部の断面が変更された場合でも、全体を再計算する必要はなく、該当区間の断面積と体積だけを更新できます。どの数字がどこから出てきたのかも説明しやすくなるため、現場管理で扱いやすい方法です。
方法5 現地計測で設計断面との差を確認する
暗渠排水材は施工後に埋め戻されるため、完成後は実際の施工断面を直接確認しにくくなります。そのため、実施工数量まで確認したい場合は、埋め戻す前に現地で寸法や形状を記録しておくことが有効です。
設計上は幅0.50m、高さ0.40mでも、実際の掘削では地山が部分的に崩れ、幅が広くなることがあります。底面に不陸があれば排水材の厚さも一定にならない可能性があります。こうした差は、設計図書だけを使った数量計算では反映されません。
例えば、延長10m、設計幅0.50m、高さ0.40mであれば外形体積は2.00m3です。しかし、現地で複数断面を測り、平均的な施工幅が0.58m程度だったとすると、同じ高さで単純化した体積は0.58×0.40×10で2.32m3になります。
実際には形状が完全な矩形ではないため、この数値がそのまま正確な使用量になるわけではありません。しかし、材料使用量が設計数量を上回った理由を考えるための情報になります。
現場計測で大切なのは、一か所だけの寸法を全区間の代表値にしないことです。施工幅は場所によって変わる可能性があるため、始点、終点、断面変化点、接続部、分岐部、地盤条件が変わる場所などを確認します。
また、測った寸法と位置を対応させて記録することが重要です。「幅0.57m」とだけ記録しても、どこの断面か分からなければ後から数量計算へ反映しにくくなります。測点や施工区間、距離標、位置情報などと合わせて残すと、断面変化を追いやすくなります。
設計数量と実施工数量は目的が異なるため、混ぜずに整理します。設計図書から求める数量は設計寸法に基づき、現場形状の確認では実際の施工寸法を使用します。両方を並べて確認することで、どの部分で差が生じたのかを判断しやすくなります。
暗渠排水材を現場で体積計算する基本式
暗渠排水材の基本的な体積計算は、断面積に延長を掛ける方法です。体積をV、断面積をA、延長をLとすると、V=A×Lです。
矩形断面であれば、断面積Aは幅B×高さHなので、V=B×H×Lとして計算できます。
例えば、幅0.45m、高さ0.35m、延長18mの区間であれば、断面積は0.45×0.35で0.1575m2です。体積は0.1575×18で2.835m3となります。
現場で計算するときに注意したいのが単位です。図面では寸法がmmで示されることが多いため、そのまま計算せずmへ換算します。450mmは0.45m、350mmは0.35mです。体積をm3で求めるのであれば、長さの単位をmにそろえてから計算すると桁を間違えにくくなります。
例えば厚さ200mmを「200」のまま幅0.5mや延長10mに掛けると、正しいm3になりません。200mmは0.20mとして扱います。単純なことですが、急いで現場計算するときほど単位の混在は起こりやすいため注意が必要です。
断面が台形の場合は、単純な台形として扱える形状であれば、上幅と下幅の平均に高さを掛けて断面積を求められます。上幅0.70m、下幅0.50m、高さ0.40mなら、断面積は(0.70+0.50)÷2×0.40で0.24m2です。
この断面が12m続くなら体積は0.24×12で2.88m3です。ただし、断面内部に管などがある場合には、その部分をどのように扱うかを別途確認します。
現場で体積計算する場合は、複雑な形を無理に一つの式へまとめるよりも、矩形、台形などの単純形状へ分けることが重要です。
断面が徐々に変化する区間の計算方法
暗渠排水材の幅や高さが、ある位置で突然変わるのではなく、一定区間で徐々に変化する場合があります。例えば、接続部へ向かって排水材の幅を広げているケースや、地盤条件に合わせて施工深さを徐々に変えているケースです。
このような区間で断面積が概ね直線的に変化すると考えられる場合には、始点と終点の断面積の平均を使って体積を求める方法があります。
始点断面積をA1、終点断面積をA2、区間延長をLとすれば、平均断面積は(A1+A2)÷2です。その平均断面積にLを掛けます。
例えば、始点断面積が0.15m2、終点断面積が0.25m2、延長8mなら、平均断面積は0.20m2で、体積は1.60m3です。
ただし、どのような変化でも始点と終点の平均でよいわけではありません。途中で急激に幅が広がる場合や、段階的に断面が切り替わる場合、途中だけ局所的に深くなる場合などは、始終点の平均では実際の形状を十分に表せないことがあります。
例えば、8mのうち最初の6mはほぼ同じ断面で、最後の2mだけ急激に広がっているなら、一つの平均断面で処理するより、6mと2mに分ける方が実態に近くなります。
現場計測で複数の断面データがある場合も同じです。始点、中間点、終点で断面を確認し、中間断面が始終点を直線的につないだ形から大きく外れているなら、区間を細分化します。
平均断面積は便利ですが、複雑な形状を無理に一つの平均値へ押し込むための方法ではありません。形状が概ね連続的に変化している区間を簡単に計算するための考え方として使うことが重要です。
勾配区間では延長の取り方をそろえる
暗渠排水は水を流すために勾配を付けることが多く、施工場所によっては水平距離と実際の施工延長に差が生じます。特に法面や高低差の大きい場所では、平面図上の延長だけで計算してよいかを確認する必要があります。
例えば、水平距離10m、高低差2mの直線区間であれば、斜め方向の実延長は約10.20mです。水平距離との差は約0.20mとなります。断面積が0.20m2であれば、延長差による体積差は約0.04m3です。
緩い勾配では水平延長と実延長との差が小さく、数量への影響も小さい場合があります。一方、急勾配の法面に長い暗渠を施工する場合には、差が積み重なるため確認する価値があります。
重要なのは、一つの数量計算の中で延長の基準を混在させないことです。ある区間は平面延長、別の区間は斜距離を採用していると、後から計算根拠を確認しにくくなります。
また、図面に記載された延長が何を示しているのかも確認します。平面上の測点間距離なのか、施工線に沿った延長なのか、数量算出用に整理された延長なのかによって扱いが異なります。
現場実績を整理する場合には、実際に施工した始終点を基に延長を確認することが有効です。設計変更などでルートが変わっているなら、旧図面の延長をそのまま使わないようにします。
集水部や接続部は標準断面と分けて拾う
暗渠排水材の数量で拾い漏れや二重計上が起こりやすいのが、集水部、接続部、分岐部です。一般部の断面と比べて形状が複雑になるため、標準断面の延長計算だけでは数量を表しにくいことがあります。
例えば、一般部が幅0.50m、高さ0.40mであっても、集水桝の周辺だけ幅1.00mまで広げて排水材を配置する場合があります。この部分を一般部の断面だけで計算すると、広がった分が不足します。
一方、桝そのものが広がった範囲の中に入っている場合は、構造物が占める部分には排水材が入りません。そのため、単純に「幅が広くなった分」をすべて加算すればよいとも限りません。
分岐部では、二本の暗渠の排水材範囲が重なっている場合があります。各路線を独立して計算すると、交差部分や合流部分を二重に計上する可能性があります。逆に、重複を避けようとして両方から差し引き、必要な部分まで抜いてしまう場合もあります。
こうした特殊部は、一般部とは別区画として計算すると整理しやすくなります。例えば、一般部は断面積×延長で計算し、接続部は局所的な矩形や台形として別計算します。
さらに、桝周辺で掘削幅が広がっていても、そのすべてが排水材で埋められるとは限りません。排水材の外側に別の埋戻し材が使われることもあります。掘削範囲と排水材範囲を混同しないことが重要です。
暗渠排水材を現場で体積計算するときは、長い一般部を先に求め、その後で端部、接続部、分岐部などの特殊形状を別に確認する方法が扱いやすいです。
設計体積と実施工数量を分けて管理する
暗渠排水材の数量を管理するときには、図面から求めた体積と実際の施工で使用する材料数量が完全に同じになるとは限らないことを理解しておく必要があります。
設計体積は、設計上の幅、高さ、延長などに基づいて求める幾何学的な数量です。一方、現場では掘削面の凹凸、余掘り、地山の崩れ、底面の不陸などによって、実際に排水材を充填する空間が増減することがあります。
例えば、図面上は幅0.50mの掘削であっても、実際には部分的に0.60m程度まで広がっている場合があります。排水材を設計外の空間まで充填すれば、その分だけ実際の使用量は多くなります。
また、材料の体積は状態によっても捉え方が異なります。搬入時の状態と施工後の充填状態が同じとは限りません。そのため、計算上の施工体積と搬入数量を単純に一対一で比較するだけでは原因を判断できない場合があります。
現場で数量を整理する場合には、「設計図書から計算した体積」「実施工形状から確認した体積」「搬入実績」を分けて記録すると、差の原因を追いやすくなります。
例えば設計体積が10.0m3、実施工形状からみた充填空間が10.8m3であれば、設計との差0.8m3について施工幅や深さの変化を確認できます。搬入数量がさらに異なる場合には、材料状態や施工管理上の要因を別に検討できます。
これらを最初から一つの数字として扱うと、何を比較しているのか分からなくなります。特に出来形や設計変更に関係する数量では、どの基準で算出した数字かを明確にすることが重要です。
暗渠排水材の体積計算で起こりやすい間違い
暗渠排水材の数量計算でよく起こるのが、標準断面を全区間へ適用してしまうことです。標準断面図は基本形を示すためのものですが、詳細図や縦断図では特殊部が別条件になっている場合があります。
次に注意したいのが、幅だけを確認して高さの違いを見落とすことです。平面図では幅の変更は見つけやすいですが、高さや厚さの変更は縦断図や横断図を見なければ分かりにくい場合があります。
逆に、深さだけを見て幅の変更を見落とすこともあります。暗渠が同じ高さで続いていても、接続部や集水部で横方向の排水材範囲が広がっていれば断面積は増加します。
管の体積を差し引く条件が統一されていないケースにも注意が必要です。前半区間では管外形を差し引き、後半では外形体積をそのまま排水材量としていると、同じ路線内で数量の考え方が変わってしまいます。
延長の重複も起こりやすい間違いです。例えば一般部を桝中心まで計算し、さらに桝周辺の接続部を別計算すると、同じ部分を二重に拾うことがあります。反対に一般部を桝手前で止め、接続部計算も桝周辺だけにすると、間の短い区間が抜ける可能性があります。
単位の混在も基本的なミスです。幅500mm、高さ300mm、延長20mという条件を扱う場合、0.50m、0.30m、20mへ統一すれば3.00m3と簡単に求められます。mmの値をそのまま掛けると正しいm3にはなりません。
小数点の丸め方にも注意します。各区間の計算で毎回大きく丸めてしまうと、区間数が多い場合に合計値へ誤差が積み重なります。途中ではある程度の桁を残し、最終数量を整理するときに必要な桁へ丸める方が確認しやすくなります。
さらに、掘削土量と排水材量を同じと考えるのも誤りにつながります。掘削範囲には管、構造物、別の埋戻し材などが入る場合があり、掘削体積すべてが排水材になるわけではありません。
現場計測と記録を数量確認につなげる
暗渠排水材は施工後に地中へ隠れてしまうため、数量確認のための記録は施工途中で残すことが重要です。特に断面違いが多い現場では、完成後に記憶だけで各断面を復元するのは難しくなります。
施工前には、設計図書を基に区間ごとの予定断面と延長を整理します。施工途中には、実際の掘削幅、深さ、管位置、排水材の施工範囲などを確認します。埋め戻し前には、特殊部や変更部を写真や計測記録として残すと、後で数量差を説明しやすくなります。
断面寸法を記録する場合は、位置とセットにすることが重要です。例えば「幅0.60m、高さ0.45m」と記録するだけでなく、どの測点またはどの施工区間の寸法なのかを残します。
施工延長が長い場合には、一定間隔で断面を記録すると、変化傾向を確認しやすくなります。設計断面が一定でも、実際の地盤状況によって掘削形状が徐々に変わっていることがあります。
三次元的な現場計測ができる場合には、施工前後や掘削後の形状を点群などで記録し、複数位置の断面を確認する方法も考えられます。複雑な形状を一つの幅や高さだけで代表させるより、複数断面を確認した方が実態を把握しやすくなります。
ただし、計測データから算出した体積をそのまま設計数量や出来形数量として扱えるとは限りません。求める数量の目的、採用する基準、現場で求められる精度、設計図書などを確認し、それぞれの用途に合う方法で整理することが必要です。
位置情報を伴う現場記録を残しておけば、後で「どこから断面が変わったのか」を確認しやすくなります。特に施工途中で断面変更が入った場合は、変更位置を現地情報と結び付けておくと再計算が容易になります。
LRTK Phoneのように現場で位置情報や計測結果を扱える仕組みを利用する場合も、目的は単に数値を出すことではありません。位置、形状、施工時点を関連付けて記録し、数量計算の根拠を後からたどれる状態にすることが重要です。
まとめ 暗渠排水材は断面変化を区間化して拾う
暗渠排水材を現場で体積計算するときは、幅×高さ×延長という基本式だけでなく、どの区間まで同じ断面として扱えるかを確認することが重要です。断面違いを見落としたまま全延長へ標準断面を掛けると、計算上の数量と実際の施工条件が合わなくなる可能性があります。
まず設計図書から、幅、高さ、管径、接続条件などが変化する位置を確認します。次に、幅と高さを別々に整理し、区間ごとの断面積を求めます。管や構造物が排水材の外形内にある場合には、数量の目的に応じてその部分をどのように扱うかを確認します。
断面が明確に切り替わる場合は、変化点で区間を分割し、各区間の断面積×延長を計算して合計します。断面が徐々に変化する区間では、形状が概ね直線的に変化している場合に平均断面積を利用する方法があります。ただし、途中に急な形状変化があれば、さらに細かい区間へ分ける方が安全です。
集水桝、分岐部、接続部などの特殊部は、標準断面の延長計算へ無理に含めず、別の小区画として計算すると拾い漏れや重複を防ぎやすくなります。また、平面延長と実施工延長が異なる可能性のある勾配区間では、採用する延長の基準をそろえることも大切です。
施工実績まで確認する場合には、設計図書から求めた体積と、現地で確認した施工形状、材料の搬入実績を分けて管理します。設計幅と実施工幅が違えば、材料使用量が異なるのは自然です。数量差を単純に計算ミスと判断するのではなく、断面、延長、施工形状、材料状態などを順番に確認すると原因を整理しやすくなります。
暗渠排水材の体積計算を正確にするために必要なのは、複雑な計算式ではありません。現場の複雑な形状を「同じ断面が続く単純な区間」に分け、それぞれを確実に計算して積み上げることです。この方法なら、設計変更が発生したときも該当区間だけ修正でき、数量根拠も追いやすくなります。
さらに、埋め戻す前の幅、深さ、管位置、接続部などを位置情報とともに残しておけば、施工後に断面を推測する必要を減らせます。暗渠排水材のように完成後には見えなくなる施工ほど、施工途中の記録が数量管理の重要な根拠になります。
現場で体積計算を効率化しながら、どの位置でどの断面を施工したのかまで記録したい場合は、LRTK Phoneを活用し、現場計測や位置付き記録と数量確認をつなげる方法も検討できます。設計断面だけに頼らず、現場の形状と位置を確認しながら区間ごとの数量を整理することが、暗渠排水材の断面違いを漏らさず拾うための基本です。