LRTKレフィクシア株式会社

現場で体積計算する車道嵩上げ部のアスファルト合材量6確認

車道嵩上げ部でアスファルト合材量の体積計算が重要な理由

車道を嵩上げする工事では、既設舗装をそのまま利用する場合だけでなく、必要に応じて路面切削や局部補修、不陸調整などを行ったうえで新たな舗装材料を施工し、計画された高さや勾配へ路面を整えていきます。見た目には「施工面積に舗装厚を掛ければ数量が出る」と考えやすい工種ですが、実際の現場では既設路面に凹凸やわだち、勾配変化があり、さらに交差点、側溝、マンホール、橋梁取付部などへのすり付けも発生するため、必要なアスファルト合材量が単純な一定厚では求めにくい場合があります。

たとえば、幅員6m、延長100mの区間を一律50mm嵩上げすると仮定すれば、単純な幾何学計算では600平方メートルに0.05mを掛けて30立方メートルとなります。しかし、これは合材を施工する下側の面と計画面の関係が全域で一定で、施工範囲の全域が同じ厚さになる場合の計算です。実際には片側が30mm、反対側が70mmになる区間や、縦断方向に厚さが徐々に変化する区間などが含まれることがあります。

現場で体積計算を行う目的は、単に発注数量を確認することだけではありません。施工前には必要量の見通しを立て、施工中には搬入量と出来形の関係を確認し、施工後には実際に形成された舗装形状を確認するためにも活用できます。数量を早い段階から把握しておけば、合材の手配、施工順序、舗設計画などを検討しやすくなります。

特に車道嵩上げでは、わずかな厚さ差でも施工面積が大きくなると全体の体積差として積み重なります。そのため、現場で体積計算するときは「面積を正しく測る」だけでなく、「実際に合材を施工する下側の面と、どの計画面との間を体積として求めるのか」を明確にすることが重要です。

車道嵩上げ部の数量は面積と平均厚だけでは決まりにくい

車道嵩上げ部の基本的な体積は、アスファルト合材を施工する下側の面と、その層の施工後に目標とする面との間にできる空間として考えます。既設路面へ直接オーバーレイする場合は既設路面が下側の面になりますが、先に切削や撤去、不陸修正などを行う場合は、原則としてそれらの作業後に実際に合材を舗設する面を基準として考える必要があります。

一定厚の舗装であれば、面積×厚さという式で比較的容易に体積を求められます。しかし、車道の嵩上げでは、計画高が縦断方向に変化することもあれば、道路中心から路肩へ向かう横断勾配によって左右の高さが変わることもあります。既設路面にも施工誤差や経年変形があるため、図面上の基準高だけから求めた厚さと現地で必要になる厚さが一致しない可能性があります。

この違いを整理するには、「設計上の数量」と「現況や施工前処理後の形状を反映した施工数量」を分けて考えることが有効です。設計数量は図面や設計条件を基準として算出します。一方、実施工に近い数量を把握したい場合は、合材舗設時の下側面と計画面との差を確認します。

また、アスファルト合材は現場では質量で搬入量を管理することが多いため、計算した体積をそのまま発注数量として扱うのではなく、採用する合材の配合や密度に関する資料など、当該工事の条件に基づいて質量へ換算する必要があります。ここで固定的な換算値を無条件に使うと、実際の合材や締固め状態とのずれが生じる可能性があります。

したがって、車道嵩上げ部の数量計算では、施工面積、厚さ、下側の施工面、計画面、舗装層、換算条件を順番に整理することが大切です。

確認1 現況路面と計画路面の基準をそろえる

最初に確認したいのは、体積計算の基準となる二つの面です。既設路面へ直接アスファルト合材を重ねる場合は、施工前の現況路面を下側の面、その層の施工後に形成したい計画面を上側の面として、その間の体積を求める考え方が基本になります。

ただし、車道嵩上げ工事だからといって、施工前に計測した既設路面を常に下側の面としてよいわけではありません。施工前に路面切削、既設舗装の撤去、局部補修、不陸修正などを行う場合は、その作業によって舗設開始時の面が変わります。合材量を求めるのであれば、実際に合材を敷き始める時点の下側面と、その合材層の上側計画面との間を対象にする必要があります。

現況路面の高さをどのデータから取得するかにも注意が必要です。設計図に既設高が記載されていても、その値が現在の路面状態をそのまま示しているとは限りません。供用中の道路では、わだち掘れ、補修跡、沈下、局所的な隆起などが生じている場合があります。実際の施工前形状を把握したいのであれば、必要に応じて現地計測結果を使用します。

計画路面についても、単純な一定標高ではなく、縦断線形と横断勾配から形成される面として考えます。道路中心線上の計画高だけを確認し、道路幅全体に同じ高さを当てはめると、横断勾配を反映できません。

さらに、下側面と計画面で座標系、高さの基準、測点位置などがずれていると、差分計算そのものが誤った結果になります。同じ場所を比較しているつもりでも、平面位置がずれていれば、別の凹凸を比較していることになりかねません。

現場で体積計算する前には、どの範囲を施工対象とするのか、どの施工段階の面を下側面とするのか、その面をいつ計測したのか、計画面はどの設計条件から作ったのか、高さの基準がそろっているかを確認します。この準備を丁寧に行うことで、後の計算結果を説明しやすくなります。

確認2 縦断勾配と横断勾配による厚さ変化を拾う

車道は一般に、完全に水平な平面ではありません。道路延長方向には縦断勾配があり、横断方向にも排水などを考慮した勾配があります。この二つの勾配を無視すると、嵩上げ厚の変化を正しく捉えにくくなります。

たとえば、道路中心線付近では50mmの嵩上げが必要でも、下側面と計画面の勾配が異なれば、路肩側では必要厚が80mmになることがあります。逆に反対側では30mm程度になる場合もあります。この状態で道路全幅を50mmとして計算すると、実際の形状との差が生じます。

縦断方向についても同様です。延長100mの区間で始点側が20mm、終点側が80mmの嵩上げとなる場合、その中間も連続して厚さが変化することがあります。単純に片方の厚さを全区間へ適用するのではなく、変化を考慮する必要があります。

比較的単純な区間では、始点と終点の断面積を求め、その平均断面積に区間長を掛ける方法で近似できます。ただし、この方法は断面間の形状を一定の考え方で近似する方法です。断面変化が大きい場所では、変化点に断面を追加したり区間を短く分けたりして、実際の形状とのずれを抑える必要があります。

一方、下側面の凹凸まで反映したい場合は、複数の測点や三次元計測データから施工対象面を作り、計画面との高さ差を求める方法があります。どの方法を選ぶ場合でも、「平均厚」という一つの数字だけを見るのではなく、その厚さがどの範囲を代表している値なのかを明確にすることが重要です。

確認3 すり付け部と局所的な厚さ変化を分けて考える

車道嵩上げ部で数量差が出やすい代表的な場所が、施工区間の始終点や既設舗装とのすり付け部です。一般部では一定に近い嵩上げ厚で施工できても、境界付近では既設路面へ滑らかにつなぐため、厚さが徐々に小さくなることがあります。

この区間を一般部と同じ厚さで計算すると、数量を過大に見積もる可能性があります。反対に、すり付け範囲を短く想定しすぎれば必要量を小さく見積もる可能性があります。また、すり付け部で既設舗装を切削する計画がある場合は、切削後の面を考慮せず施工前路面から体積を計算すると、合材量の根拠が実施工と合わなくなるため注意が必要です。

交差点部も注意が必要です。主道路と交差道路の高さをつなぐため、平面的にも高さ方向にも複雑な形状になりやすく、単純な長方形として扱いにくい場所です。停止線付近、導流部、右左折部などで舗装範囲が変わる場合は、範囲を分けて計算した方が整理しやすくなります。

マンホールや排水施設の周囲も局所的な厚さ変化が生じやすい場所です。嵩上げに合わせて蓋の高さを調整する場合、その周辺で舗装の仕上がり高さが変化することがあります。また、橋梁や構造物への取付部では、構造物側の高さへ合わせるために縦断方向のすり付けが必要になることもあります。

こうした場所は一般部と一括して平均厚を求めるより、形状の特徴ごとに範囲を区切って計算する方が数量根拠を明確にできます。現場での体積計算では、大きな面積を一度に処理することよりも、形状変化の境界と施工段階を正しく設定することが重要です。

確認4 舗装層ごとの施工範囲と厚さを分ける

車道嵩上げを行う際、必要な高さを一つのアスファルト混合物層だけで形成するとは限りません。施工条件によっては、不陸を調整するための層と、その上の基層や表層など、複数の施工層に分ける場合があります。また、設計によってはアスファルト合材以外の材料を使用する部分が含まれることもあるため、嵩上げ全体の体積とアスファルト合材の体積を同一視しないことが重要です。

完成後の嵩上げ体積が分かっていても、それだけでは各層の合材量をそのまま求められません。下側の層と上側の層で施工範囲が異なる場合や、厚さの分布が異なる場合があるためです。

たとえば、深いわだち部分を先にアスファルト混合物で調整し、その後に広い範囲を一定厚で舗設する計画であれば、下側の調整層は部分的な施工となります。一方、上側の層は車線全体へ施工することがあります。この二つを合計した完成形だけから逆算しようとすると、実際の施工数量との対応が分かりにくくなります。

したがって、体積計算では「完成形までの全体的な高さ差」と「アスファルト混合物を使用する各施工層の体積」を分けて管理すると整理しやすくなります。施工層ごとに下側の基準面と上側の計画面を設定すれば、その層に必要な体積を求められます。

また、極端に薄い部分や厚い部分については、実際の施工方法や使用材料、設計図書、施工計画との整合を確認する必要があります。単に計算上の差分が存在するからといって、その厚さを一回の施工でそのまま形成できるとは限りません。

設計図書、施工計画、現地条件を照合しながら、どの範囲をどの層で形成するのかを決め、その区分に合わせて体積を計算することが重要です。

確認5 体積から合材質量へ換算する条件を確認する

現場で体積計算して得られる結果は、基本的には立方メートルなどの体積です。一方、アスファルト合材の搬入や使用量は質量で管理されることがあるため、施工計画では体積から質量への換算が必要になる場合があります。

基本的な考え方は、必要体積に対象となる合材の単位体積当たりの質量を掛けることです。ただし、ここで使用する値を一般的な固定値だけで決めるのは避けた方が安全です。合材の種類や配合によって密度に関する条件は異なるため、当該工事で承認または採用されている配合関係資料、基準密度など、適切な根拠を確認して換算します。

また、計算対象となる体積が「締固め後の完成形状」であるのか、それとも別の状態を想定した値なのかも確認します。完成した舗装形状から求めた体積と、運搬時や敷きならし前の状態を同じ密度で扱うことはできません。体積と質量を対応させる場合は、どの状態の体積とどの密度を組み合わせているのかを明確にする必要があります。

たとえば30立方メートルという計算結果が出たとしても、その数字だけから一意に必要質量が決まるわけではありません。当該工事の合材について確認された配合条件や密度に関する管理資料を確認し、目的に合った値を使用することが重要です。

さらに、体積から換算した計画上の合材質量と、舗装の品質管理は分けて考えます。合材量が計算値に近いことだけで、所定の締固め状態が確保されたと判断できるわけではありません。施工管理では、設計図書や適用する施工管理基準に基づき、必要な密度、厚さ、高さなどをそれぞれ確認します。

体積計算と質量換算を分けて記録しておけば、後から「形状計算で差が出たのか」「換算条件で差が出たのか」を確認できます。合材量を管理するときは、この二つを一つの計算式にまとめすぎないことがポイントです。

確認6 ロスや余裕量を幾何学的な体積と混同しない

アスファルト合材の施工では、現場条件によって計算上の体積と実際の使用量が完全に一致しないことがあります。施工範囲の端部、局所的な不陸調整、施工中の条件変化など、さまざまな要因が関係するためです。

ここで重要なのは、設計形状や実測形状から求めた幾何学的な体積と、施工計画上の余裕を含めた手配数量を分けて管理することです。最初から体積そのものに根拠不明の係数を掛けてしまうと、後から数量差の原因を追いにくくなります。

まず、実際に合材を施工する下側面と計画面から必要体積を計算します。次に、それを根拠の確認できる換算条件によって質量へ変換します。そのうえで、施工計画上必要と判断された調整分がある場合は、別項目として整理します。

この方法であれば、施工後に実搬入量と比較するときも、計画形状の違いなのか、下側面の形状差なのか、施工範囲の変更なのか、施工上の調整分なのかを切り分けやすくなります。

また、余裕量を設定する場合でも、一律の割合を無条件に使うのではなく、設計図書、施工条件、施工方法、現場での実績などを踏まえて検討することが大切です。小規模で複雑な施工区間と、長い直線区間では、数量管理の考え方も異なる場合があります。

現場で体積計算する利点の一つは、形状そのものから必要量の根拠を整理できることです。その利点を失わないためにも、形状から求めた数量と施工上の補正を明確に分けておきます。

現場で車道嵩上げ部の体積計算を進める基本手順

実務では、最初に施工対象範囲を決めます。平面図上の施工範囲だけでなく、施工始点、終点、車線境界、路肩、交差点、構造物周辺など、どこまでを一つの計算範囲とするのかを整理します。

次に、アスファルト合材を施工する下側の面を確認します。既設舗装へ直接重ねる場合は既設路面を確認しますが、切削、撤去、補修などを先行して行う場合は、その作業後に形成される面を基準にする必要があります。既存の測量成果を利用する場合は、そのデータが数量計算で必要となる施工段階の状態を表しているか確認します。

その後、計画面を設定します。計画高、縦断勾配、横断勾配、施工幅などから、その施工層の上側に形成する面を整理します。単純な一定厚であれば計算は容易ですが、道路線形やすり付け条件がある場合は、それらを反映した計画面を使用します。

下側面と計画面がそろったら、その間の体積を計算します。形状が単純な場所では面積と平均厚による計算でも対応できます。変化が大きい場所では断面法や三次元的な差分計算を使う方が実態を捉えやすくなります。

さらに舗装層が複数ある場合は、総嵩上げ量だけでなく、アスファルト合材を使用する各層の数量へ分けます。その後、必要に応じて当該合材の密度に関する根拠を確認し、体積を質量へ換算します。

最後に、施工計画上の調整分を別に整理し、手配数量を決めます。このように段階を分ければ、「面積」「厚さ」「体積」「質量」「手配量」が混同されにくくなります。

平均厚で体積計算できる範囲と注意点

現場で迅速に概算数量を出したい場合、施工面積と平均厚を使った体積計算は便利です。たとえば施工面積が1,000平方メートルで平均嵩上げ厚が0.04mであれば、幾何学的な体積は40立方メートルと計算できます。

ただし、重要なのは平均厚の決め方です。単に最大厚と最小厚を足して2で割れば、どのような形状でも適切な平均値になるわけではありません。厚さの変化がほぼ直線的で、平面的な施工幅も一定に近い区間であれば、始点と終点の厚さなどから近似できる場合があります。

一方、中間部分に大きな凹凸がある場合や施工幅が変化する場合、二つの値だけでは実際の体積を表しにくくなります。交差点のように平面形状も高さも複雑な場所では、平均厚による一括計算より範囲を分ける方が適しています。

さらに、切削や局部補修を先行する場合には、切削前の既設面から算出した平均厚をそのまま合材厚として扱わないことが重要です。数量計算の対象となる施工段階をそろえたうえで平均厚を求めます。

平均厚による計算は、概算を素早く把握する方法として利用し、必要に応じて断面計算や三次元計測による結果と比較すると実務で使いやすくなります。

また、平均厚を算出した際には、どの点を使ったのかを記録しておくことも重要です。「平均40mm」という数字だけでは、その根拠が分からなくなるためです。測点位置と厚さを残しておけば、後日計画が変更された場合でも再計算できます。

横断面を使って変化する嵩上げ量を求める考え方

道路のように延長方向へ長い構造物では、一定間隔や形状の変化点に横断面を設定し、それぞれの断面で下側面と計画面との差を求める方法が使いやすい場合があります。

各横断面では、道路中心、車線端、路肩などの高さを比較し、嵩上げ部分の断面積を求めます。隣接する二つの横断面の断面積が分かれば、その間を平均断面で近似して区間体積を求める方法があります。

たとえばある測点の嵩上げ断面積が0.30平方メートル、20m先の測点が0.50平方メートルで、その間の断面形状が連続的に変化すると近似する場合、平均断面積を0.40平方メートルとして区間体積を8立方メートルと概算できます。この考え方を連続する区間へ適用し、各区間の体積を合計します。

ただし、途中に交差点や局所沈下、切削範囲の変化など大きな形状変化がある場合は、その変化点を無視して長い区間を一括計算しないことが重要です。変化点の前後で断面を追加すれば、形状をより細かく反映できます。

断面法の利点は、どの場所でどの程度の嵩上げ量が必要なのかを確認しやすい点です。体積だけでなく、左右の厚さ差や路肩付近の形状も確認できるため、施工計画との照合にも利用できます。

三次元データで現況面と計画面の差を求める方法

下側となる路面の凹凸が多い場合や施工範囲が複雑な場合には、施工対象面と計画面を三次元データとして比較する方法が有効です。

考え方は、合材を実際に施工する下側の面を三次元的な面として作成し、その上に各舗装層の計画面を設定するというものです。二つの面に挟まれた領域の体積を計算すれば、その条件における幾何学的な体積を求められます。

三次元データを使う利点は、道路全体を一つの平均厚へ置き換えなくてもよいことです。下側面が低い場所では厚い差分、高い場所では薄い差分として扱えるため、不陸の影響を反映しやすくなります。

ただし、三次元計算なら自動的に正しい結果になるわけではありません。施工対象外の歩道や側溝まで範囲へ含めれば、その部分も数量へ入ってしまいます。車両や資材などの不要なデータが路面形状に混入すれば、適切な下側面を作れないこともあります。また、点が存在しない部分を過度に補間すると、実際には計測していない形状が体積へ反映される可能性があります。

そのため、計測後には対象範囲を確認し、路面以外の不要部分を除外し、施工対象面として妥当な形状になっているかを確認します。計画面についても同様で、車道幅やすり付け位置が設計条件と一致していることを確かめます。

さらに、アスファルト舗装では管理する高さや厚さが比較的小さい場合があります。三次元計測結果を施工数量や正式な出来形管理へ利用する場合は、使用する計測方法が必要な精度を満たすかを確認し、当該工事に適用される出来形管理要領、設計図書、発注者の条件などとの整合を確認することが重要です。

三次元体積計算は、計算操作そのものより、入力する二つの面、施工段階、計測精度、計算範囲を正しく定義する工程が重要です。

車道嵩上げ部で数量差が生じやすい場所

車道嵩上げの数量を確認するときは、一般部よりも形状や施工条件が変化する場所に注目すると効率的です。

まず注意したいのが、施工始終点です。一般部の嵩上げ厚から既設面へ戻るすり付けがあるため、延長方向に厚さが変化します。切削によってすり付けを形成する場合には、その切削後形状も数量へ反映します。

次に交差点部です。複数方向の道路が接続するため、単純な縦断勾配と横断勾配だけでは表現しにくい面になる場合があります。計画面を作るときも、各方向の高さや排水条件など設計上の条件を確認する必要があります。

マンホールや各種蓋の周囲も確認が必要です。蓋の調整前後で舗装面との関係が変わるため、計測時点によって形状が異なる場合があります。数量比較では、施工前と施工途中、施工後の状態を混同しないことが大切です。

側溝や縁石に接する部分では、仕上がり高さが周辺構造物の条件によって決まる場合があります。道路中心付近で予定どおり嵩上げできても、端部では既設構造物へすり付けるため厚さが変化することがあります。

補修跡やわだち掘れも数量差の要因になります。図面上では一律40mmの嵩上げでも、下側面が局所的に低ければ、その場所ではより大きな体積が必要になります。ただし、その低い部分を事前の補修や別工程で処理する場合は、その材料をアスファルト合材量へ二重計上しないよう施工区分を確認します。

このような場所を施工前から把握しておけば、一般部と特殊部を分けて体積計算でき、数量の見通しを立てやすくなります。

施工途中の計測を合材量管理に生かす

体積計算は施工前だけでなく、施工途中の数量管理にも活用できます。

たとえば複数層で嵩上げする工事で、一層目の施工後に路面を計測すれば、次の計画面までどの程度の高さ差が残っているかを確認できます。残りの高さ差から次層に必要な幾何学的体積を計算すれば、以降の合材手配を検討する材料になります。

施工前に算出した数量と実際の搬入量に差が出た場合にも、途中の出来形を確認すると原因を整理しやすくなります。下側面が想定と異なっていたのか、施工範囲が広がったのか、平均施工厚が変わったのかなどを形状から確認できます。

特に長い区間では、全区間を施工してから数量差に気付くより、施工計画に応じた区間ごとに実績を確認した方が、その後の手配量へ反映しやすくなります。

ここでも重要なのは、搬入質量だけで施工厚や品質を判断しないことです。質量は材料の搬入量や使用量を整理する資料になりますが、どこにどの厚さで施工されたか、所定の密度が得られたかまでを単独で示すものではありません。現地形状の計測、搬入記録、施工管理で必要となる各種確認を組み合わせて管理します。

施工前、施工途中、施工後について同じ基準でデータを残せれば、形状の変化を時系列で確認することも可能になります。ただし、正式な出来形管理や検査へ三次元計測データを利用する場合は、適用される要領や設計図書で求められる計測方法、精度、記録方法を確認する必要があります。

体積計算の根拠を後から確認できる形で残す

体積計算では、最終的な立方メートルの数字だけを保存するのではなく、計算条件も一緒に残しておくことが重要です。

同じ施工区間でも、切削前の既設面を基準にする場合と切削後の施工面を基準にする場合では結果が変わります。また、施工範囲の境界線を変更すれば、長い区間では面積差が積み重なります。

そのため、どの日時、どの施工段階のデータを使ったのか、計算範囲をどこに設定したのか、どの計画面と比較したのかを記録します。断面法で計算した場合は測点位置と断面積、平均厚で求めた場合は平均厚の根拠となる測定値を残します。

体積から質量へ換算した場合は、使用した密度などの換算条件と、その根拠となった資料も分けて記録します。さらに施工計画上の調整分を加えた場合は、幾何学的な必要量とは別であることが分かるようにしておきます。

こうした記録を残すことで、設計変更や施工範囲変更があった場合でも、条件を変更して再計算しやすくなります。ただし、実際の施工面そのものが変化した場合には、必要に応じて再計測することも検討します。

現場では、計算結果の細かさだけでなく、第三者が後から見ても計算過程を追えることが重要です。「なぜこの数量になったのか」を説明できるデータ管理まで含めて体積計算と考えると、施工管理へ活用しやすくなります。

まとめ 現場の形状を正しく捉えてアスファルト合材量を管理する

車道嵩上げ部のアスファルト合材量を求めるときは、施工面積に代表的な厚さを掛けるだけで済ませず、実際にアスファルト合材を施工する下側面と各層の計画面との差として捉えることが重要です。

既設舗装へ直接重ねる場合は現況路面が下側面になりますが、切削、撤去、補修、不陸調整などを先に行う場合は、その作業後に形成される面を基準として数量を整理します。施工前の既設面から完成面までの差を、そのまま全てアスファルト合材量として扱わないことが大切です。

次に、縦断勾配と横断勾配による厚さ変化を確認し、施工始終点のすり付け、交差点、マンホール周辺、構造物との接続部など、一般部と異なる形状を分けて整理します。複数の舗装層で施工する場合は、完成形の総体積だけでなく、アスファルト合材を使用する層ごとの施工範囲と体積を確認します。

計算した体積を合材質量へ換算するときは、当該工事で採用する合材の配合や基準密度など、根拠を確認できる条件を使用し、一般的な固定値を無条件に当てはめないことも大切です。また、体積から求めた計画数量と、施工時の締固め状態などの品質管理は別の確認事項として扱います。

形状から求めた純粋な数量と施工上の余裕や調整分を分けておけば、施工後の実績との差を分析しやすくなります。単純な区間では面積と平均厚、変化する区間では横断面、複雑な施工面では三次元データによる差分計算というように、現場条件と求める精度に応じて方法を使い分けることが実務的です。

三次元計測を利用する場合も、点群を取得できるだけで数量や出来形が自動的に正しいと判断できるわけではありません。対象範囲、基準面、座標や高さの基準、不要点、補間方法、計測精度を確認し、正式な施工管理へ利用する場合は設計図書や適用される出来形管理要領との整合を確認します。

現場で路面形状を記録し、必要な範囲の高さや三次元形状を確認できれば、施工前の概算だけでなく、施工途中の残数量確認や施工後の形状確認にもデータをつなげやすくなります。LRTK Phoneには点群取得や距離、面積、体積などを確認する機能があるため、現況把握や数量検討を効率化する手段の一つとして活用できます。ただし、車道舗装の厚さや出来形を正式に管理する用途では、必要な精度を満たすことを事前に確認し、当該工事の仕様や適用要領に沿って利用することが重要です。

現場を3Dで残して、あとから測る。
実際の画面と動画で使い方を確認できます。

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