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現場で体積計算する河川堤防天端舗装の路盤補足量6確認

河川堤防天端舗装で路盤補足量を現場で体積計算する意味

河川堤防の天端舗装では、舗装を施工する前に路盤を所定の高さや形状へ整える必要があります。しかし、施工前の天端が設計どおりの一定高さになっているとは限りません。既設舗装の撤去、掘削、整形、過去の補修、車両の通行、雨水の影響などによって細かな凹凸が生じていれば、必要になる路盤材の量は場所ごとに変化します。

河川堤防の天端舗装は、雨水の堤体への浸透抑制や河川巡視の効率化などにも関係します。国土交通省中部地方整備局の「河川構造物設計要領」では、堤防天端の舗装を基本とする考え方や、雨水排除を考慮した横断勾配の考え方・構造例が示されています。ただし、具体的な舗装構成や勾配は河川や工事ごとに異なり得るため、実施工では当該工事に適用される設計図書、仕様書、基準類を確認する必要があります。

こうした場所で「幅が何メートル、延長が何メートル、路盤厚が何センチだから、この数量」と一律に計算すると、現況の凹凸を反映できません。特に既設天端の改修では、ある区間ではほとんど補足が不要である一方、別の区間では局所的に多くの材料が必要になることがあります。

そこで有効なのが、現況面と目標とする路盤仕上がり面の差を計測し、現場で体積計算する方法です。施工範囲全体を一つの平均値だけで扱うのではなく、どこにどの程度の不足があるのかを面として把握できれば、路盤材の準備量や施工順序を検討しやすくなります。

ただし、体積計算で得られた数値をそのまま発注数量や搬入数量として扱うのは適切ではありません。何を基準面として計算した数量なのか、締固め前後のどちらを表しているのか、既設材をどこまで利用するのかを整理したうえで使う必要があります。

路盤補足量と設計数量を混同しない

本記事では、施工前の現況面に対して、目標とする路盤仕上がり面まで不足している部分の体積を、便宜上「路盤補足量」と呼びます。実際の工事では発注図書、設計図、数量計算書、施工計画などで異なる名称や単位が使われる場合があるため、その工事で用いられている正式な数量名称とは分けて考えてください。

国土交通省の「土木工事数量算出要領」では、舗装工の路盤工について、下層路盤・上層路盤の面積を仕上り厚さや材料規格などの区分ごとに算出する体系が示されています。また、不陸整正では、3次元計測データ等がある場合に補足材料の平均厚さを体積と面積から算出する考え方も示されています。したがって、現場で不足部分だけを3次元的に算出した体積は、発注時の路盤工数量そのものとは必ずしも同じ意味ではありません。 ([国土交通省国土技術政策総合研究所][1])

例えば、設計では一定厚の路盤を施工する計画であっても、現場で既設路盤を部分的に利用する場合があります。このとき、新しく補う材料だけを求めたいのであれば、施工範囲全体の設計路盤体積ではなく、現在の路盤面と目標面の間に生じる不足部分を計算する必要があります。

反対に、既設路盤をすべて撤去して全面的に再施工するのであれば、「不足している凹部だけ」を計算しても必要材料量を表せません。施工方法そのものが違うからです。

現場で体積計算を始める前には、「今回求めたい数字は何なのか」を明確にします。設計上の路盤体積なのか、既設面から仕上がり面までの不足体積なのか、施工途中で追加する材料量なのか、搬入計画の参考値なのかによって、比較すべき面が変わります。

この定義を曖昧にしたまま高精度に計測しても、計算結果を正しく使うことはできません。体積計算では計測精度だけでなく、数量の定義をそろえることが最初の重要な作業です。

確認1 補足する施工範囲と目標路盤面を先に決める

最初の確認は、どこからどこまでを路盤補足量の計算対象にするかです。堤防天端舗装では、施工延長だけを決めても計算範囲は確定しません。横断方向について、舗装幅、路肩、法肩付近、既設構造物との取り合いなどをどこまで含めるのかを決める必要があります。

例えば舗装幅だけに路盤を施工する計画であれば、舗装外側の地盤まで体積計算へ含めないようにします。反対に、舗装端部の路盤を広げて施工する設計であれば、表層の舗装幅だけで計算範囲を切ると必要量を過小評価する可能性があります。

次に決めるのが目標路盤面です。ここでいう目標路盤面とは、舗装完成面そのものではなく、路盤を仕上げるべき高さの面です。舗装完成面から表層などの設計厚を考慮して設定する場合には、設計図書の構成と整合していることを確認します。

堤防天端には排水を考慮した横断方向の形状が設定される場合があり、必ずしも水平面ではありません。国土交通省中部地方整備局の「河川構造物設計要領」にも、天端の処理例として横断勾配を設けた例があります。実際の目標面は、当該工事に適用される設計図書や基準類に従って確認する必要があります。

したがって、「設計高さが10.00メートルだから全面を10.00メートルにする」というような単純化は避けます。横断勾配があるのであれば、道路中心付近と舗装端部では目標高さが異なります。縦断勾配がある区間では、延長方向にも目標高さが変化します。

現場で体積計算するときは、この目標面を先に作ってから現況面と比較します。計算範囲と目標面を施工担当者、測量担当者、数量確認担当者の間で共有しておけば、同じデータから異なる数量が出る問題を減らせます。

確認2 施工前の現況面を同じ座標と高さ基準で計測する

次に確認するのが施工前の現況面です。路盤補足量は、目標面から現況面までの高さ差を積み上げて計算するため、現況面の高さがずれていれば、そのずれがそのまま体積の誤差につながります。

重要なのは、現況計測と目標面を同じ座標系、同じ高さ基準で扱うことです。平面位置だけが合っていても、高さの基準が異なれば正しい差分は求められません。また、高さは合っていても平面位置がずれていると、横断勾配や縦断勾配のある場所では違う位置同士を比較することになり、結果として高さ差が発生します。

現況計測には、現場条件に応じて測量機器による測点計測や、衛星測位を利用した計測、3次元点群計測などを利用できます。どの方法を使う場合でも、重要なのは使用機器の名称ではなく、目標面と比較できる位置と高さのデータになっていることです。

特に長い堤防天端では、計測開始地点では問題がなくても、途中の区間で基準の設定ミスに気付かないまま計測を続けると広い範囲へ影響します。そのため、既知の位置や高さを途中でも確認し、計測データ全体に不自然な傾きや一定方向のずれがないかを見ることが重要です。

また、施工前の面として何を計測したのかも記録します。既設舗装撤去前なのか、撤去後なのか、既設路盤を整形する前なのか、転圧後なのかによって高さは変わります。同じ場所を計測していても施工段階が違えば、算出される補足量は別の意味になります。

路盤材を発注してから現況面の定義が違っていたことに気付くのでは遅いため、施工前計測の段階で「この面を補足量計算の基準面とする」と明確にしておくことが重要です。

確認3 不陸と横断勾配を含めて不足厚を確認する

路盤補足量を現場で計算する大きなメリットは、不陸を数量へ反映できることです。不陸とは、施工面に生じている局所的な高低差や凹凸です。見た目にはほぼ平らに見える天端でも、数センチ程度の高低差が広い面積に続けば、体積では無視できない差になる場合があります。

例えば、施工面積が広い現場で平均不足厚がわずかに変わるだけでも、必要体積は変化します。そのため、一部の測点だけで代表厚を決めるより、施工範囲全体の高さ分布を確認する方が実態を把握しやすくなります。

さらに堤防天端では、横断方向の勾配を無視できません。中央部と端部の高さが意図的に異なる設計であれば、その差を不陸として扱ってはいけません。目標面にも横断勾配を持たせ、その面からどれだけ不足しているかを確認します。

例えば現況面がほぼ水平で、目標路盤面に横断勾配が設定されている場合、片側では補足厚が小さく、反対側では大きくなることがあります。全面へ同じ厚さを追加すると、必要な横断形状を作れないだけでなく、材料量の計算も合わなくなります。

同様に、既設面に深いわだち状の凹部や局所沈下がある場合、そこだけ不足厚が大きくなります。堤防天端舗装のクラックなどは、河川管理上の点検や評価で確認対象として扱われる例があります。そのため、目立つ変状を単なる材料不足と決めつけず、必要に応じて変状の状況や原因を確認することが重要です。 ([国土交通省][2])

体積計算は「どこが低いか」を見つけるだけでなく、その低さが設計形状によるものなのか、施工上の不陸なのか、別の変状なのかを考える入口として使うことができます。

確認4 法肩や既設舗装との取り合いを計算範囲から切り分ける

堤防天端の体積計算で誤差が生じやすい場所が、施工範囲の端部です。天端中央付近は比較的単純な面でも、法肩付近では地形が急激に変化します。点群や3次元面をそのまま作ると、天端から法面へ下がる部分まで計算範囲へ入り、大きな不足体積として計算される場合があります。

そのため、路盤補足量を求める際には、施工対象範囲を境界線で明確に切ります。単純な長方形として切れる現場もありますが、乗入れ部、坂路、構造物周辺、舗装幅の変化箇所などでは境界形状を現場に合わせる必要があります。

既設舗装との取り合いにも注意が必要です。既設舗装を残す位置では、新設する路盤面を既設構造へどのようにつなげるのかを確認します。既設舗装の高さだけに合わせるのか、一定区間をすり付けるのかによって目標面が変わり、必要な体積も変わります。

マンホールや桝、ゲート関連設備、標識基礎など、路盤材を施工しない構造物が天端内に存在する場合もあります。こうした場所を施工範囲の面積へそのまま含めると、構造物の内部まで路盤材を入れるような体積が算出される可能性があります。

3次元データを利用する場合でも、計算ボタンを押す前の範囲設定が非常に重要です。計測データが高密度であるほど正しい数量になるとは限りません。計算対象外の部分が大量に含まれていれば、高密度なデータを使って高精度に間違った体積を求めることになります。

現場で体積計算するときには、まず施工境界を確認し、その範囲内だけで目標面と現況面を比較することが基本です。

確認5 目標面と現況面の差分から補足体積を求める

計算範囲と二つの面が準備できたら、目標路盤面と施工前現況面の高さ差を求めます。考え方は単純で、目標面より現況面が低い部分について、その高さ差を面積方向に積算したものが不足体積になります。

小さな区画に分けて説明すると、各区画の「面積×不足高さ」を計算し、それらを施工範囲全体で足し合わせるイメージです。3次元面を利用する体積計算では、この処理を細かな区画や三角形などに分けて行います。

ここで重要なのが、正側と負側の体積を無条件に相殺しないことです。ある場所が目標面より5センチ低く、別の場所が5センチ高かったからといって、その材料量が自動的に差し引きゼロになるわけではありません。

高い部分を掘削して、その材料を品質上問題なく低い部分へ再利用する施工計画であれば、切土側と盛土側を関連付けられる場合があります。しかし、高い部分をそのまま残す場合や、掘削材を路盤材として利用しない場合には、高い部分の体積を不足体積から差し引くべきではありません。

したがって、体積計算では「目標面より低い部分」と「目標面より高い部分」を一度分けて把握する方が安全です。不足側を路盤補足量の候補として確認し、高い側については掘削や整形の対象として別に判断します。

計算結果が例えば数十立方メートルになったとしても、数字だけを見るのではなく、その不足がどの区間に分布しているかも確認します。全区間に薄く不足している場合と、一部の深い凹部に集中している場合では、同じ体積でも施工方法や材料配置が異なるからです。

現場で体積計算する目的は、一つの合計値を出すことだけではありません。数量と位置を関連付けて、施工に使える情報へ変えることが重要です。

確認6 締固め後の体積と実際の搬入量を分けて管理する

体積計算で最も混同しやすいのが、仕上がった路盤の体積と、現場へ搬入する材料の体積です。目標面と現況面の差から計算される不足体積は、基本的にはその空間を埋めた状態の幾何学的な体積を表します。

一方、路盤材は搬入、敷均し、含水状態の調整、締固めなどを経て仕上がります。運搬時の状態と締固め後の状態では密度や空隙の状態が同じとは限らないため、「仕上がり体積が10立方メートルだから10立方メートルだけ搬入すればよい」と機械的に判断することは避ける必要があります。

ここで安易に一定の係数を記事や過去現場から持ってくるのも適切ではありません。材料の種類、粒度、含水状態、施工条件、締固め方法などによって関係が変わるため、その工事の施工条件や材料管理方法に基づいて判断する必要があります。

現場では少なくとも、「3次元面から計算した仕上がり不足体積」と「施工計画上準備する材料量」と「実際に搬入した材料量」を別の数字として管理すると分かりやすくなります。

例えば差分計算で不足体積を把握し、その数量を施工計画の参考にします。その後、実際の搬入量を記録し、施工後に完成した路盤面を再計測します。この三つを比較すれば、当初の計算条件が適切だったか、施工途中で条件が変わったかを検証できます。

体積計算を材料発注だけのために使うのではなく、施工前、施工中、施工後をつなぐ数量管理として使うことで、次の区間の数量予測にも役立てやすくなります。

面積と平均厚だけの計算で誤差が出る理由

路盤数量を簡単に求める方法として、「施工面積×平均厚」があります。新設工事で路盤厚が一定であり、基準面も計画どおりに形成されている場合には、設計数量を整理するうえで分かりやすい考え方です。

しかし、既設堤防天端の補修や舗装更新で不足材料だけを求めたい場合は事情が異なります。施工前現況面に凹凸があれば、必要厚は場所ごとに変わります。

例えば100メートルの施工区間を数点だけ測り、その平均不足厚を全体へ適用するとします。測定した点が偶然高い場所に偏っていれば補足量を少なく見積もり、低い場所に偏っていれば多く見積もる可能性があります。

また、平均不足厚が同じでも分布が違えば施工性は異なります。全面に3センチ程度不足している状態と、一部だけ15センチ程度低く他はほぼ仕上がっている状態では、施工時の敷均し方法や材料配置を同じに考えることはできません。

特に堤防天端は延長方向に長い施工範囲になることがあるため、局所的な代表値だけで全区間を推定すると差が積み上がります。

もちろん、すべての工事で3次元計測が必須という意味ではありません。施工規模が小さく、形状が単純で、現況面の状態も十分把握できている場合には、測点から断面や平均厚を求める方法が合理的なこともあります。

大切なのは、必要な精度と現況形状に応じて計算方法を選ぶことです。「体積計算は必ず3次元で行う」のではなく、単純な平均厚では状況を表しにくい現場で3次元化の効果が大きくなります。

点群や3次元面を使って路盤補足量を計算する考え方

現況面の凹凸を細かく把握したい場合には、点群などの3次元データから面を作り、目標路盤面と比較する方法があります。

最初に施工前の天端を計測し、位置と高さを持つ点群を取得します。そのデータから車両、人、資材、草など施工面そのものではない点を確認し、路盤補足量を計算するための現況面を作ります。

次に、設計条件から目標路盤面を作ります。単純な一定勾配であれば基準となる高さと横断形状から作成できますが、縦断勾配、幅員変化、取り合い部などがある場合には、それらを反映します。

現況面と目標面を重ねると、各位置で高さ差を求められます。この高さ差のうち、目標面より低い部分を施工範囲内で積算すれば、路盤補足体積の目安を求められます。

この方法の利点は、合計体積だけでなく不足位置を確認できることです。例えば施工区間を一定延長ごとに区切って体積を出せば、「前半区間は不足が少なく、中盤区間に材料が集中する」といった施工計画を立てやすくなります。

一方、点群があるだけで正しい体積が求まるわけではありません。草や資材の点が残っていたり、法面まで面が張られていたり、欠測部を不適切に補間していたりすると、実際とは違う形状になります。

点群による体積計算では、測った点の数よりも、「何を地盤面として採用したか」「どこまでを計算したか」「どの目標面と比較したか」の方が結果を理解するうえで重要です。

現場で使える路盤補足量の計算例

簡単な例で考えます。ある堤防天端舗装の対象区間について、施工前現況面を計測し、設計条件から目標路盤面を作成したとします。

施工範囲をいくつかの小区画へ分け、それぞれについて目標面までの不足厚を求めます。ある区画の面積が20平方メートルで平均不足厚が0.04メートルなら、その区画の不足体積は0.8立方メートルです。

別の20平方メートル区画で平均不足厚が0.07メートルなら1.4立方メートルになります。このように各区画の不足体積を足していけば、施工範囲全体の不足体積を求められます。

実際の3次元計算では、この区画をもっと細かく分割した状態で計算するイメージです。そのため、中央部だけを測定して平均厚を決める場合より、局所的な凹凸を数量へ反映しやすくなります。

ただし、一つの区画内に目標面より高い場所がある場合には注意します。平均高さだけを使うと、高い部分と低い部分が相殺され、本当に補足すべき凹部の体積が小さく見える可能性があります。

そのため、路盤補足量を求める目的では、可能であれば不足側の体積を独立して計算します。高い部分は切削や整形が必要かどうかを別途判断します。

また、この計算例で得られる値は締固め後の目標形状を埋める幾何学的な不足体積です。運搬車両の台数や材料購入数量へ直接置き換える場合には、材料の施工条件を別途考慮する必要があります。

この区別を明確にしておけば、「計算ではこれだけだったのに搬入量が違った」という混乱を防ぎやすくなります。

長い堤防天端は区間を分けて体積計算する

河川堤防の天端舗装では施工延長が長くなることがあります。このような現場で全区間の補足体積を一つの数字だけで管理すると、施工時に使いにくくなります。

例えば全体で100立方メートル不足していると分かっても、その100立方メートルをどこへ配置するのかが分からなければ、現場の材料配分には直接使えません。

そこで、施工管理しやすい延長ごとに区間を分けて体積を計算します。区切り方は施工条件に合わせます。施工班の一日の進捗範囲、測点区間、構造物位置、幅員変化、搬入経路などを参考にすると、数量と現場位置を結び付けやすくなります。

ある区間では不足量が小さく、次の区間では大きいと分かれば、材料を均等に配置する必要はありません。必要な場所へ重点的に仮置きするなど、施工計画を調整できます。

区間別に管理するもう一つの利点は、異常値を発見しやすいことです。周辺区間が同程度なのに、一つの区間だけ補足体積が極端に大きい場合、実際の凹部なのか、計測データの異常なのか、計算範囲が法面へはみ出しているのかを確認するきっかけになります。

全体体積だけでは、こうした局所的な異常が数字の中に埋もれてしまいます。

現場で体積計算する場合は、最終的な総数量だけでなく、施工に使える単位へ分けた数量を作ることが重要です。

計測誤差を路盤不足と誤認しないための確認

路盤補足量は高さ差を体積へ変換するため、小さな高さのずれが広い面積へ影響します。そのため、計測データに一定方向の高さずれがあると、実際には存在しない大量の不足体積が計算される可能性があります。

例えば現況面全体が何らかの理由で実際より少し低く記録されていれば、施工範囲全体に不足厚があるように見えます。逆に高く記録されていれば、必要な路盤材を少なく見積もる可能性があります。

こうした誤認を防ぐには、体積値を見る前に高さ差の分布を見ることが有効です。施工範囲全体がほぼ同じ量だけ低い場合には、本当に全体が一様に不足しているのか、基準高さにずれがないかを確認します。

平面位置のずれにも注意します。横断勾配がある面を横方向にずらして比較すると、同じ形状でも高さ差が発生します。急な勾配ほど平面ずれが高さ差として現れやすくなります。

また、計測時に施工面ではない対象物が含まれていないか確認します。仮置き材、草、車両の跡に溜まった水、施工機械などを現況面として使用すると、局所的な異常値の原因になります。

点群の密度が低い場所や計測できていない場所を自動的に面として補った場合も、その補間形状が実際の地盤を表しているとは限りません。欠測範囲が体積へ与える影響が大きい場合には、追加計測した方が安全です。

計算結果に違和感があるときは、数字をそのまま採用するのではなく、現地と断面形状を照合します。体積計算は判断を支援する道具であり、現況確認を省略するためのものではありません。

路盤補足後に再計測する意味

路盤材を補足して締固めた後は、再度仕上がり面を計測すると施工結果を確認しやすくなります。

施工前には、現況面と目標面との差から不足体積を求めました。施工後は、完成した路盤面と同じ目標面との差を確認します。この二つを比較することで、補足した結果として目標形状へ近づいたかを見ることができます。

施工後の面が目標面より低い場所が残っていれば、追加補足が必要かどうかを検討できます。反対に高い場所が連続していれば、材料を入れ過ぎたのか、整形条件に違いがあったのかを確認できます。

特に舗装施工前にこの確認を行う意味は大きくなります。路盤面の形状が適切でないまま次工程へ進むと、舗装層側で高さを合わせようとして各層の施工条件に影響する可能性があるからです。実際の出来形管理や許容値については、その工事に適用される仕様書や施工管理基準に従って確認する必要があります。

また、施工前後を同じ基準で計測しておけば、「どこへどの程度材料を補ったのか」を3次元的に記録できます。

体積計算を一度きりの数量計算として終わらせず、施工後確認まで同じデータの流れで行うことで、計算と現場施工の差を検証できます。

体積計算結果を施工記録として残す

現場で計算した路盤補足量は、数字だけをメモして終わらせないことが重要です。後から同じ計算を確認できるように、計算条件と一緒に残します。

最低限整理したいのは、どの施工段階の現況面を使用したか、どの範囲を対象にしたか、どの目標面と比較したかという情報です。これらが分からなければ、同じ「25立方メートル」という数字でも意味を再現できません。

施工区間を分けた場合には区間名称や測点と体積を対応させます。施工前の不足体積、施工計画上の材料準備量、実際の搬入量、施工後の計測結果を同じ区間単位で記録すると、後から比較しやすくなります。

現況写真も有効です。体積が大きかった区間について写真と位置を関連付けておけば、局所的な凹部だったのか、既設路盤撤去の影響だったのかなどを振り返りやすくなります。

設計変更や現場条件の変更があった場合には、古い目標面で計算した結果と新しい条件の結果を混在させないようにします。データの作成日や計算条件を記録し、どの結果が現在有効なのか分かる状態にしておくことが重要です。

体積計算の目的は、小数点以下まで細かな数字を作ることではありません。施工判断の根拠を残し、関係者が同じ条件で数量を確認できるようにすることです。

現場で体積計算する運用を定着させるポイント

現場で体積計算を継続的に使うためには、毎回複雑な作業にしないことが重要です。

基本的な流れを、「施工範囲を決める、施工前を計測する、目標面を設定する、差分体積を確認する、施工する、施工後を再計測する」という形に固定すると、別の施工区間でも同じ方法を繰り返しやすくなります。

さらに、区間名称やファイル名称、基準点、計測日時、施工段階などの記録方法を統一しておくと、複数人で作業してもデータを追いやすくなります。

体積値を確認するときには、合計値だけを報告するのではなく、不足位置の分布も共有します。「全体で30立方メートル不足」という情報に加えて、「その多くがこの区間に集中している」と分かれば、施工担当者は材料配置を具体的に考えられます。

また、計算結果と実績を比較する習慣を作ると、自社の施工条件における傾向が蓄積されます。計算した不足体積に対して実際にどの程度の材料を準備したか、どこで追加が必要になったかを確認すれば、次回の施工計画を改善できます。

現場で体積計算を導入する目的は、従来の数量計算を完全に置き換えることではありません。設計数量、施工計画、現場実績の間をつなぐ補助情報として使うことに価値があります。

特に既設天端のように現況形状が一様でない場所では、実際の面を計測して不足部分を可視化することで、机上の一定厚計算だけでは分かりにくかった材料分布を把握できます。

まとめ

河川堤防天端舗装の路盤補足量を現場で体積計算するときは、最初に何の数量を求めるのかを明確にすることが重要です。設計上の路盤数量、現況から目標路盤面までの不足体積、施工時に準備する材料量、実際の搬入量は、それぞれ意味が異なります。

確認の基本は六つあります。施工範囲と目標路盤面を決めること、施工前現況を同じ座標と高さ基準で計測すること、不陸と横断勾配を反映すること、法肩や構造物など対象外範囲を切り分けること、目標面と現況面の差から不足側の体積を求めること、そして仕上がり体積と搬入量を分けて管理することです。

特に重要なのは、一つの平均厚だけで施工区間全体を判断しないことです。堤防天端に凹凸や高さ変化がある場合には、同じ施工面積でも必要な路盤材の量は場所によって異なります。現況面と目標面を3次元的に比較できれば、合計数量だけでなく不足している位置まで確認できます。

一方で、高密度な計測データがあれば自動的に正しい数量になるわけではありません。計算範囲、座標、高さ基準、施工段階、対象外部分、目標面の設定が間違っていれば、体積計算の結果も変わります。

そのため、現場で体積計算を実務に取り入れる際には、「測る、計算する、現地で確認する、施工する、もう一度測る」という流れを一つの管理サイクルとして考えることが大切です。

現場で施工前後の3次元データを取得し、位置や高さ、体積を確認できる環境を整えると、長い堤防天端でも区間ごとの数量確認を行いやすくなります。LRTK Phoneは点群計測や体積確認に活用できるため、施工前の現況把握、数量確認、施工後の記録を一連の現場データとして扱う選択肢の一つになります。ただし、正式な出来形判定や数量認定は、当該工事に適用される設計図書、仕様書、施工管理基準などに従って行う必要があります。 ([Lefixea Irtk][3])

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