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現場で体積計算する共同溝躯体補修の断面修復材量を拾う6項目

共同溝の鉄筋コンクリート躯体を補修するとき、断面修復材の数量は「補修面積×補修厚さ」だけで決められるとは限りません。実際の補修範囲には、劣化の広がり、はつり深さのばらつき、鉄筋背面まで除去した部分、隅角部や段差部などが含まれます。図面上では同じ厚さに見えても、施工後の実際の修復体積が異なることがあります。

そのため、現場で体積計算を行う場合は、平面的な補修範囲だけでなく、奥行き方向の形状も把握することが重要です。特に共同溝では、側壁、頂版、底版、ハンチ、開口部周辺など施工位置が多様で、同じ計算方法を一律に当てはめると数量差が生じやすくなります。

また、体積として把握した数量と、実際に準備する断面修復材の量は同じものではありません。材料の練混ぜ条件、単位容積当たりの使用量、施工方法、こぼれや残材などを分けて考える必要があります。この記事では、「現場で体積計算」と検索している共同溝補修の実務担当者を想定し、断面修復材量を拾うときに確認したい6項目を整理します。

共同溝の断面修復材量で体積計算が重要になる理由

共同溝の断面修復は、コンクリートの劣化部分や浮き、脆弱部分などを必要な範囲まで除去し、断面修復材によって形状を回復させる工事です。どの範囲をどの深さまで除去するかは現地の状態によって変わるため、設計段階の数量と施工段階で必要になる数量が完全に一致するとは限りません。

例えば、幅1m、高さ1mの範囲を深さ30mmで修復すると仮定すれば、単純な直方体としては1m×1m×0.03mで0.03立方メートルです。しかし、実際には中央部が30mm、端部が15mm、局所的な劣化部が50mmというように深さが変化している場合があります。さらに鉄筋の裏側まで除去した部分があれば、単純な表面積と一定厚さの組み合わせだけでは形状を表しにくくなります。

共同溝は地下構造物であることが多く、壁面だけでなく頂版下面やハンチ、床面、開口部周辺などにも補修箇所が生じます。面の向きによって作業姿勢や材料の保持条件が異なるため、同じ体積でも施工時の材料管理方法まで同一とは限りません。必要数量を考えるときは、まず純粋な修復空間の体積を求め、その後に材料仕様や施工条件に応じた使用量へ換算する順序が分かりやすくなります。

ここで重要なのは、「体積」と「発注数量」を最初から一つの数値にまとめないことです。現地形状から算出した理論体積、材料仕様から換算した理論使用量、施工上準備する数量を分けて記録すると、追加補修が出た場合にも数量根拠を追いやすくなります。

現場で体積計算を使う目的は、単に計算を速くすることではありません。どの場所に、どれだけの修復空間があり、その数量をどの条件で材料量へ変換したのかを説明できる状態にすることです。共同溝のように補修箇所が連続しやすい構造物では、この考え方が数量管理の基礎になります。

項目1 補修範囲の縦横寸法を実際の施工範囲で拾う

最初に確認したいのが、断面修復する範囲の平面的な寸法です。図面上の予定補修範囲だけを見るのではなく、現場で確認した実際のはつり範囲や補修境界に合わせて縦寸法と横寸法を拾います。

断面修復の数量は、基本的には補修面積と深さから体積へ展開します。そのため、補修面積の取り方がずれると、その後の体積計算も連動してずれます。特に細長い補修、複数箇所がつながった補修、開口部をまたぐ補修では、全体を一つの長方形として計算すると実際に修復しない部分まで含める可能性があります。

例えば、壁面にL字状の補修範囲がある場合、外接する長方形全体を面積として扱うより、矩形に分割してそれぞれの面積を求めた方が実際の範囲へ近づけやすくなります。逆に小さな欠損が多数ある場合は、施工管理上どの単位で数量をまとめるかを決めたうえで、現場の記録方法と合わせることが重要です。

補修境界の位置も明確にしておきます。調査時にマーキングした範囲と、実際にはつりを行った後の範囲が異なることがあるためです。はつりを進めた結果、周辺の脆弱部まで追加で除去した場合には、当初想定より幅や高さが広がります。当初数量だけを使い続けると、材料不足の原因になります。

現場では、縦と横の代表寸法だけでなく、補修形状が変化する位置を記録しておくと便利です。上部では幅400mm、中間部では600mm、下部では450mmという形状なら、一つの幅で代表させるより複数区画へ分けた方が体積を説明しやすくなります。

また、共同溝の躯体では、設備支持部材、配管、ケーブル支持部、開口、埋込み物などが近接していることがあります。補修予定範囲の中に実際には断面修復材を充填しない部分があれば、その扱いも明確にします。単純に外形寸法だけを測るのではなく、「どこからどこまでが修復材によって復旧される空間なのか」という視点で範囲を確定することが基本です。

こうした平面範囲の記録を残しておけば、補修後に表面が平滑になって元のはつり形状が見えなくなっても、数量根拠を確認できます。体積計算の精度を上げる第一歩は、高度な計算式ではなく、計算の基礎になる施工範囲を正しく拾うことです。

項目2 はつり深さを平均値だけで決めない

補修面積と並んで数量への影響が大きいのが、はつり深さです。断面修復材の体積は奥行き方向の寸法に比例するため、深さを過小に見積もると材料量もそのまま小さくなります。

現場では、補修面全体が均一な深さになるとは限りません。劣化状態や鉄筋位置によって、浅い部分と深い部分が混在することがあります。そのため、一点だけを測って補修範囲全体の代表深さとする方法は、形状によっては実態を十分に表せません。

例えば、1平方メートルの補修面の大部分が20mm程度でも、一部が鉄筋背面まで深く除去されている場合があります。反対に、中央部だけが深く、周辺へ向かって浅くなる場合もあります。このような補修箇所では、深さごとに領域を分けて計算する方法が有効です。

考え方としては、浅い区画、中程度の区画、深い区画に分け、それぞれの面積に対応する深さを掛けて体積を求め、最後に合計します。例えば0.5平方メートルを20mm、0.3平方メートルを40mm、0.2平方メートルを60mmとして扱うのであれば、それぞれをメートル単位へ統一して計算します。こうすると、一つの平均深さだけで処理するより計算根拠を残しやすくなります。

平均深さを利用すること自体が問題なのではありません。問題になるのは、その平均値をどのように決めたのか説明できない状態です。複数地点を測定して代表値を決めたのか、区画ごとの形状から加重して求めたのかによって意味が変わります。補修範囲が広いほど、測定点の配置を意識することが重要です。

はつり後の凹凸も確認します。工具によって除去したコンクリート面は完全な平面にはならず、小さな凹凸が残ります。断面修復材はその凹凸を埋めながら所定の仕上げ面まで充填されるため、単純な最浅部だけを深さとして使うと不足方向へ寄る可能性があります。一方で、局所的な小さな凹部をすべて最大深さとして扱うと過大になるため、補修面全体の形状を見ながら計算単位を決めます。

施工中に追加ではつりを行った場合は、深さだけでなく範囲も変わる可能性があります。数量管理では、はつり前の予定値とはつり完了後の実測値を区別しておくと、材料追加が必要になった理由を整理しやすくなります。

現場で体積計算を行うなら、「面積は実測したのに深さだけ図面値」という状態をできるだけ避け、施工時点で確認できる形状を計算に反映することが重要です。

項目3 鉄筋周囲や隅角部の立体形状を反映する

断面修復材量を拾う際に見落とされやすいのが、鉄筋周囲や隅角部の立体的な形状です。コンクリート表面から一定深さまで削っただけの単純な箱形であれば計算は容易ですが、実際の補修ではそうならない部分があります。

鉄筋周辺のコンクリートを除去し、鉄筋の背面側まで補修空間が形成されると、表面から見た面積だけでは奥側の空間を把握しにくくなります。鉄筋の周囲へ断面修復材を充填する必要がある場合は、その奥行きを含めて修復形状を考えます。

ただし、鉄筋自体が占める体積については、数量精度や補修規模との関係を考えて取り扱う必要があります。細かな鉄筋体積をすべて差し引くことが常に合理的とは限りません。逆に大きな埋込み物や広い非充填部分が存在する場合には、無視すると数量差が大きくなることがあります。どの形状まで計算へ反映するかは、必要な数量精度や工事の管理方法に合わせて統一しておくことが重要です。

共同溝では、側壁と頂版の取り合い、側壁と底版の取り合い、ハンチ、開口部の角部なども確認します。平面上では細い補修に見えても、二つの面にまたがって断面が欠損している場合、一方の面だけを基準に面積を計算すると数量を拾い切れないことがあります。

角部補修では、外形を直方体として計算できるケースもあれば、三角柱や台形柱に近い形状として考えた方が実態に近いケースもあります。複雑な数式を使う必要はなく、現場で扱いやすい単純形状に分けて、それぞれの体積を足し合わせる方法が実務的です。

例えば、壁面側の補修を一つの直方体、底版側を別の直方体として計算し、重複部分があれば二重計上しないよう整理します。斜めのハンチ部分であれば、断面積を求めて延長を掛ける考え方も使えます。重要なのは、補修対象を無理に一つの式へ押し込めないことです。

断面修復材量を過小にしないためには、正面から見える幅と高さだけではなく、「補修空間が奥や裏側へどこまで続いているか」を確認します。特に鉄筋露出を伴う補修では、はつり完了後の状態を記録してから数量を更新すると、実際の施工形状に対応しやすくなります。

項目4 大きな補修範囲は区画して体積を積み上げる

補修範囲が大きくなるほど、一つの幅、一つの高さ、一つの平均深さだけで全体を代表させることが難しくなります。そこで有効なのが、補修面を複数の区画に分けて体積を積み上げる方法です。

例えば、共同溝の側壁に延長10mの連続補修があったとしても、全区間が同じ高さ、同じ深さとは限りません。前半は浅い表層補修、中央部は鉄筋位置まで達する補修、後半は局所的な深い欠損という場合、10m全体を平均深さで処理すると数量根拠が曖昧になります。

この場合、補修形状が変わる位置で区切り、それぞれの延長、高さ、平均深さから体積を計算します。区画A、区画B、区画Cというように管理番号を付け、最後に合計すれば、どこで数量が増えたのかも追跡できます。

区画分けの単位は、必要以上に細かくする必要はありません。細分化しすぎると測定と記録の作業量が増え、逆に転記ミスを招くことがあります。形状や深さが明確に変化する位置、施工日が変わる位置、構造部位が変わる位置など、数量管理上意味のある境界で分けることがポイントです。

現場での体積計算には、直方体として扱う方法のほか、断面積と延長から計算する方法もあります。断面形状が一定に近い細長い補修であれば、代表断面積に延長を掛けた方が整理しやすい場合があります。逆に平面的に広がる壁面補修では、面積に代表深さを掛ける方が分かりやすくなります。

重要なのは、現場形状に合った計算方法を選ぶことです。同じ工事の中で計算方法が複数になっても、各区画の根拠が明確であれば問題ありません。ただし、単位の統一には注意が必要です。幅をmm、高さをm、深さをmmのまま掛けると単位換算を誤りやすいため、体積を立方メートルで管理するなら、計算前に長さをメートルへ統一すると安全です。

例えば深さ30mmは0.03m、50mmは0.05mです。補修面積2平方メートル、平均深さ30mmであれば、幾何学的な体積は2×0.03で0.06立方メートルとなります。この基本を各区画で繰り返し、最後に合計します。

現地計測値をその場で区画別に整理できれば、はつり範囲が追加されたときも該当区画だけ更新できます。共同溝のように補修箇所が多数存在する現場では、全体を一括計算するより、場所ごとの小さな体積を積み上げた方が数量変更へ対応しやすくなります。

項目5 体積から材料使用量へ換算する条件を確認する

現場で修復空間の体積を求めた後は、その数値を実際の断面修復材量へ換算します。ここで注意したいのが、立方メートルで求めた体積を、そのまま材料の質量や袋数として扱わないことです。

断面修復材には、それぞれ材料仕様に応じた標準的な練上がり量や単位容積当たりの使用量があります。使用する材料の仕様書、施工要領、承認された配合条件などを確認し、現場で採用する条件に合わせて換算する必要があります。

例えば、必要な修復体積が0.10立方メートルと求められても、そこから何kgの材料を準備するかは、その材料の練上がり条件によって異なります。水やその他の構成材料を混合した後の出来上がり容積と、袋に入った乾燥材料の質量は別の値です。そのため、一般的な密度を推測して一律に換算するより、実際に使用する材料について確認された換算条件を使う方が適切です。

また、練混ぜ水量を変えることで自由に出来上がり量を調整する考え方も避ける必要があります。水量などの配合条件は施工性だけでなく材料性能にも関係するため、指定された施工条件に従うことが基本です。数量不足を補う目的で現場判断によって配合を変更するのではなく、必要数量そのものを見直します。

材料使用量を管理するときは、「修復体積」と「換算後の材料量」の間に計算根拠を残しておくと便利です。例えば、現地形状から算出した体積、使用する材料の確認済み換算条件、そこから計算した理論使用量という順序を記録します。

施工方法によっても材料の扱いは変わります。左官によって塗り付ける場合、型枠を設置して充填する場合、施工面が壁面か天井面かといった条件によって、作業中のこぼれや練混ぜ単位などが異なります。しかし、こうした施工上の増減を最初から形状体積へ混ぜ込むと、純粋な補修量が分からなくなります。

そこで、まず形状から理論体積を確定し、その後で材料仕様に基づく理論使用量へ変換し、さらに施工上必要な準備量を検討するという三段階に分ける方法が分かりやすくなります。

数量を変更した場合も、「補修範囲が増えたため体積が増えた」のか、「材料換算条件を修正したため使用量が変わった」のかを区別できます。現場で体積計算を数量管理へつなげるうえでは、この変換過程を曖昧にしないことが重要です。

項目6 理論数量と施工上の必要量を分けて管理する

断面修復材の数量管理では、計算上ぴったり必要になる量と、実際の施工で準備する量を分けて考えます。現場では材料を完全に無駄なく補修空間へ移すことは難しく、練混ぜ容器への付着、運搬途中の残り、工具への付着、仕上げ時に除去される材料などが発生する場合があります。

ただし、だからといって一律の割合を無条件に上乗せすればよいわけではありません。必要な見込み量は、材料、施工方法、施工位置、練混ぜ単位、現場条件などによって変わるためです。工事で定められている考え方や実績、使用材料の施工条件などを踏まえて設定する必要があります。

ここで有効なのが、数量を三つに分ける管理です。第一が実測形状から計算した断面修復の理論体積、第二が材料仕様に基づいて換算した理論材料量、第三が施工計画上準備する材料量です。この三つを別々に残しておくと、材料使用量が想定より多くなった場合に原因を分析できます。

例えば、理論体積そのものが増えているなら、追加はつりや補修範囲拡大が原因かもしれません。体積は変わらないのに使用量だけ増えているなら、施工ロス、練混ぜ単位、材料管理など別の要因を確認できます。

逆に材料が余った場合も、単純に数量計算が過大だったと判断するのではなく、実際の補修厚さ、使用数量、残材、未使用材料を分けて確認します。数量管理の目的は余りをゼロにすることではなく、計算値と実績値の差を説明できることです。

施工中には、当日の予定補修量と、実際に使用した材料量を対応させて記録すると次の区画の数量調整に役立ちます。共同溝の同種補修が連続する場合、初期区画の実績から以降の準備方法を見直すこともできます。ただし、補修深さや施工姿勢など条件が異なる区画の実績をそのまま流用しないよう注意が必要です。

材料不足は施工の中断につながる可能性がある一方、過剰な準備も材料管理を複雑にします。だからこそ、根拠のある理論数量を基準にしたうえで、施工条件を別項目として考えることが重要です。

共同溝の側壁・頂版・底版で数量の拾い方を変える

共同溝の断面修復は、施工する部位によって形状の捉え方を変える必要があります。側壁、頂版下面、底版では、補修範囲の見え方も作業姿勢も異なるからです。

側壁は比較的正面から補修面を確認しやすく、幅、高さ、深さを測って区画ごとに体積を計算しやすい部位です。ただし、上下方向へ長く連続する劣化や、鉄筋に沿って細長く広がる補修では、一つの長方形として扱うと空白部分まで含めることがあります。補修形状に沿って複数の矩形へ分割すると整理しやすくなります。

頂版下面では、上向き施工となるため、補修面の奥行きや端部の状態を確認しにくいことがあります。照明や作業足場などを確保し、はつり完了後の形状を確認してから数量を確定することが重要です。正面写真だけでは深さが伝わりにくいため、深さを測った位置が分かる記録を残しておくと数量根拠を追いやすくなります。

底版では、平面的な広がりを把握しやすい一方、水分や堆積物などによって補修境界が分かりにくくなる場合があります。施工前の範囲と、はつり後に確認した範囲を混同しないようにします。また、側壁との取り合いやハンチへ補修範囲が連続している場合は、水平面だけでなく立ち上がり部まで計算対象になっていないか確認します。

ハンチや隅角部は、断面積×延長で計算すると整理しやすいことがあります。例えば、一定に近い三角形状の欠損が延長方向へ続くなら、代表断面積を求めて延長を掛けることで体積を算定できます。断面形状が途中で変わる場合には、そこで区画を分けます。

共同溝全体の数量をまとめるときも、側壁、頂版、底版、ハンチなど構造部位を識別しておくと、計算値と実際の材料使用量を比較しやすくなります。部位による施工条件の違いも分析しやすくなるため、単に補修箇所番号だけで管理するより情報量が増えます。

現場で断面修復体積を計算する基本的な流れ

共同溝の現場で体積計算を行う場合は、最初から材料袋数を求めようとせず、形状の確認から段階的に進めると整理しやすくなります。

まず、補修対象となる位置を区画します。共同溝の区間、構造部位、補修箇所番号などを用いて、後から場所を特定できる状態にします。次に、はつり完了後の補修範囲を確認し、幅、高さ、延長など必要な寸法を測ります。

続いて深さを確認します。均一に近い場合は代表深さを設定できますが、深さの差が大きければ複数区画へ分けます。鉄筋背面、隅角部、開口部周辺など単純な面積×厚さで表しにくい箇所は、別の立体として計算します。

それぞれの区画について、長さの単位を統一したうえで体積を求めます。直方体なら幅×高さ×深さ、平面補修なら面積×深さ、細長く一定断面に近い補修なら断面積×延長というように、形状に適した式を使います。

その後、各区画の体積を合計して理論修復体積を求めます。この段階では、施工ロスなどはまだ加えません。形状そのものから求めた数量として記録します。

次に、使用する断面修復材について確認された換算条件を使い、必要な材料量へ換算します。ここで材料の仕様と異なる独自換算を行わないことが重要です。

最後に施工計画上の準備量を検討します。練混ぜ単位、作業場所、施工方法、これまでの実績などを考慮します。この数量と理論使用量を区別しておけば、施工後に実績と比較できます。

こうした流れを補修区画ごとに繰り返すことで、補修範囲が追加された場合にも同じ基準で数量を追加できます。「どこを測ったのか」「どの深さを使ったのか」「どの材料換算条件を使ったのか」が一連の記録としてつながっていることが、現場で使える体積計算の条件です。

体積計算の誤差を大きくしやすい注意点

断面修復材量の計算では、複雑な数式よりも入力する寸法や前提条件の違いが大きな誤差につながることがあります。特に注意したいのが単位、平均深さ、二重計上、未計上部分です。

単位については、mmとmを混在させないことが基本です。現場では補修深さをmmで測ることが多い一方、面積は平方メートルで管理する場合があります。30mmを30のまま平方メートルへ掛けるのではなく、0.03mへ変換してから体積を求めます。小さな補修が多数あるほど、この換算ミスが全体数量へ影響します。

平均深さも注意が必要です。最も浅い箇所を代表深さにすると過小になりやすく、最も深い箇所を全体へ適用すると過大になりやすくなります。形状差が大きい場合は、平均値で無理に一つへまとめず、区画を分けます。

二重計上は、角部や複数面にまたがる補修で生じやすい問題です。側壁補修として計算した範囲と底版補修として計算した範囲が角で重複していると、同じ体積を二回数えることになります。計算図や現場スケッチ上で区画境界を明確にすると防ぎやすくなります。

反対に未計上もあります。鉄筋裏側、ハンチ、開口側面、補修端部など、正面から見た面積の外側へ広がる空間を見落とすケースです。正面寸法だけではなく、断面方向からも補修形状を見ることが大切です。

さらに、設計数量とはつり後数量を混同しないようにします。施工前の調査数量は材料準備の初期計画に使えますが、はつりによって補修範囲が広がれば更新が必要です。設計値と実測値のどちらを使っているのか、数量表で明確にします。

材料換算時にも、別材料の換算値や過去現場の値をそのまま使わないよう注意します。同じ「断面修復材」という分類でも、材料ごとに条件が同一とは限りません。採用する材料について確認された情報を基準にします。

このように、体積計算を正確にするには、計算式そのものより「どの寸法と条件を使った計算なのか」を揃えることが重要です。

計測記録を残して追加補修にも対応しやすくする

共同溝の断面修復では、施工を進める過程で補修範囲が追加されることがあります。そのとき、最初の数量計算の根拠が記録されていなければ、どこからどれだけ増えたのか把握しにくくなります。

そこで、補修箇所ごとに位置、補修範囲、深さ、体積、計算日などを関連付けて残します。写真だけでは奥行き寸法を再現できないため、計測値と写真を対応させることが重要です。

例えば、壁面に補修範囲を示した状態を撮影し、幅、高さ、代表深さの測定位置を記録します。深さが区画ごとに異なる場合は、それぞれの範囲が分かるようにします。補修後には形状が見えなくなるため、はつり完了から断面修復材を施工するまでの記録が数量確認に役立ちます。

補修箇所が長い共同溝では、位置情報や基準点からの距離、構造区間なども組み合わせると、後から場所を探しやすくなります。単に「壁補修1」のような名称だけでは、同じような箇所が増えたときに判別しにくくなります。

現場計測をデジタル化する場合も、重要なのは機器を使うこと自体ではなく、計測結果と補修位置を対応させることです。現場形状を三次元的に記録できれば、幅や高さだけでなく凹凸を含む形状確認にも活用できる可能性があります。ただし、取得した三次元データからそのまま正しい補修体積が自動的に得られるとは限りません。不要部分の除外、基準面の設定、計測できていない箇所の確認などが必要です。

また、狭い共同溝内では、計測対象との距離、照明、障害物、設備、作業者の動線なども記録品質に影響します。どの計測方法を採用する場合でも、現場条件に応じて精度と作業性を確認し、必要に応じて実測寸法との照合を行います。

計測記録を蓄積しておけば、施工後に使用材料量との差を検証できます。想定より材料使用量が多かった区画について、深さのばらつきが原因だったのか、補修範囲が追加されたのか、施工条件によるものなのかを振り返りやすくなります。

こうした記録の積み重ねは、次の補修区画の材料準備にも役立ちます。現場で体積計算を単発の数量拾いとして終わらせず、計測、施工、使用量の記録をつなげることで、共同溝補修全体の数量管理を行いやすくなります。

まとめ

共同溝躯体の断面修復材量を現場で拾うときは、単純な「面積×一定厚さ」だけで処理せず、実際のはつり形状を立体として確認することが重要です。

最初に実際の補修範囲から幅、高さ、延長を拾い、次にはつり深さのばらつきを確認します。鉄筋背面や隅角部、ハンチなど単純な平面では表せない部分は別の立体として考えます。広い範囲では形状が変化する位置で区画を分け、小さな体積を積み上げることで数量根拠を整理しやすくなります。

そして、現地形状から求めた立方メートルの値と、実際に準備する材料量を直接同一視しないことも重要です。まず理論修復体積を求め、使用材料について確認された換算条件から理論材料量へ変換し、そのうえで施工計画上の準備量を考えます。この順序を守れば、形状による増加と施工条件による増加を切り分けられます。

共同溝では、側壁、頂版、底版、ハンチなど部位によって補修形状も作業条件も異なります。補修箇所ごとに計測値、深さ、計算体積、施工記録を残しておけば、追加はつりや補修範囲変更が発生した場合でも数量を更新しやすくなります。

現場で体積計算を活用するうえで大切なのは、計算式を複雑にすることではありません。補修範囲を正しく区切り、深さを実態に合わせて拾い、単位と換算条件を統一し、計算根拠を後から確認できる形で残すことです。

さらに、補修前後の形状を三次元的に記録できれば、複雑な凹凸を持つ断面修復箇所の把握や、施工記録との照合を効率化できる可能性があります。現場で位置や形状を記録しながら数量管理につなげたい場合は、LRTK Phoneのような現場計測の仕組みも選択肢として検討すると、紙の寸法記録だけでは整理しにくい補修箇所を管理しやすくなります。

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