LRTKレフィクシア株式会社

現場で即土量を農地の客土施工で算出|畦畔部分を除く4ステップ

農地の客土施工で土量算出が難しい理由

農地の客土施工では、表土の補充、作土層の改善、地盤高の調整、排水性の確保などを目的として、圃場内に土を搬入して敷きならします。必要な土量は、単純に圃場全体の面積へ計画厚を掛ければ求められるように見えます。しかし、実際の施工範囲には畦畔、進入路、水口、排水口、法面、既設構造物、未施工帯などが含まれ、すべてを同じ厚さで客土するわけではありません。図面上の面積と現地で実際に土を敷く面積が一致しないことが、土量算出を難しくする大きな原因です。 特に畦畔は、圃場の外周に連続しているため、わずかな幅でも全体では無視できない面積になります。圃場面積に畦畔部分まで含めて計算すると、必要以上の土を手配する可能性があります。反対に、畦畔の内側へ安全側に寄せすぎて施工範囲を狭くすると、作土層の不足や不陸が残り、営農時の排水や作業性に影響することがあります。したがって、客土量を正確に求めるには、圃場の境界を把握するだけでなく、境界の内側にある畦畔のどこまでを除外するかを現地条件に合わせて決める必要があります。 また、農地は完全な平面ではありません。見た目には平らでも、中央部と周辺部で数センチから十数センチの高低差があり、局所的なくぼみや盛り上がりが存在します。一定厚で施工する計画でも、既存地盤の起伏を考慮すると必要土量は場所ごとに変わります。平均厚だけで計算すると、低い部分へ多く入り、高い部分へ少なく入るという実態を反映できません。現場で即土量を把握するには、施工対象範囲を面として計測し、客土前後または客土前と計画面との差を立体的に求める方法が有効です。 さらに、土量には複数の意味があります。設計上の仕上がり体積、搬入時のほぐれた体積、締固めや沈下を見込んだ発注体積、施工後に確認する出来形体積は同じではありません。現場で算出した数値をそのまま発注数量として扱うと、土質や含水状態、運搬時のほぐれ、敷きならし後の締まり方によって不足や余剰が生じます。まずは現地の形状から仕上がりに必要な体積を求め、その後に材料特性や施工条件に応じた補正を別途検討する流れが重要です。

畦畔部分を除外する前に整理すべき施工範囲

畦畔部分を除いた客土量を算出するには、最初に「どこを施工対象とするか」を言葉と図形の両方で定義します。ここで曖昧さが残ると、計測精度が高くても算出結果は正しくなりません。施工範囲の外周を圃場の筆界とするのか、畦畔の内側端とするのか、既存の耕作範囲とするのかによって、対象面積は変わります。土地の権利境界と工事上の施工境界は必ずしも一致しないため、契約図書、設計図、現地協議の内容を照合し、今回の工事で使用する施工境界を明確にします。 境界線 AR 表示を利用する場合も、画面に表示された線を見ただけで施工範囲を決定してはいけません。ARは登録された座標や図形を現実の映像へ重ねる補助機能であり、地中の境界標や権利関係を透視するものではありません。元データに誤りがあれば、表示もその誤りを引き継ぎます。また、測位状態や端末姿勢、周辺環境によって表示位置が変動することがあります。したがって、境界標、既知点、現地杭、設計図、関係者との確認結果を基準とし、AR表示は位置関係を理解しやすくするために使います。 次に、畦畔の除外幅を決めます。畦畔には天端と法面があり、どの位置を除外線とするかで面積が変わります。一般には、客土を敷きならす内側の限界、農作業機械が走行する耕作面の外縁、または設計で指定された施工端を基準にします。畦畔の形が一定でない場合は、全周を一律の幅で内側へ縮めるのではなく、現地の屈曲や幅員変化に沿って除外範囲を作る必要があります。水口や排水口の周囲、取付道路との接続部、既設水路沿いなどは形状が複雑になりやすいため、別の除外区画として整理すると算出ミスを防げます。 施工対象外となる区域は畦畔だけではありません。進入路、資材仮置場、排水施設、マンホール、立木、電柱、既設舗装、保全する植生帯などが圃場内にある場合、それぞれを除外ポリゴンとして扱います。外周の施工範囲から複数の除外区画を差し引く考え方にすると、面積計算と土量計算の条件が明確になります。現場で即土量を算出するためには、計測を始める前に外周線と除外線を整理し、誰が見ても同じ範囲を選べる状態にしておくことが欠かせません。

ステップ1 境界線と畦畔の除外範囲を現地で確定する

最初のステップは、施工対象となる外周と、畦畔などの除外範囲を現地で確定することです。まず、設計図や座標データに記載された圃場外周を確認し、現地の境界標、杭、畦畔、水路、道路との位置関係を照合します。座標データを利用できる場合は、LRTK Phoneで外周点へ誘導し、現況と整合しているかを確認できます。境界線 AR 表示を併用すると、点と点を結んだ施工境界が現地のどこを通るかを視覚的に把握しやすくなります。 ただし、権利境界が不明確な場所や境界標が失われている場所では、AR表示だけを根拠に工事範囲を決めないことが重要です。既存資料と現況が一致しない場合は、発注者、土地所有者、管理者、測量担当者などの関係者へ確認し、必要に応じて正式な測量や境界確認を行います。客土施工の数量計算は施工管理のための作業ですが、その前提となる範囲に権利上の疑義があると、越境や未施工の問題につながります。施工を急ぐほど、範囲確認の記録を残すことが重要になります。 外周を確認したら、畦畔の内側に沿って客土施工端を取得します。取得方法は、折れ点ごとに点を記録して線で結ぶ方法でも、歩行しながら連続的に軌跡を取得する方法でも構いません。重要なのは、法尻、法肩、天端端部などのどこを基準にしたかを統一することです。担当者によって基準位置が変わると、同じ圃場でも除外面積が変わります。現地写真、簡単な注記、代表断面の寸法を残し、「畦畔内側の法尻から客土を開始する」などの施工ルールを明記します。 畦畔が直線的で幅が一定に見えても、全周を数点だけで近似すると、曲線部や張り出し部の面積が正しく反映されないことがあります。特に不整形な農地では、折れ点を十分に取得し、実際の施工端に沿った閉じた図形を作る必要があります。点の間隔は、直線部では広く、曲線部や形状変化が大きい場所では狭くするなど、現地形状に合わせて調整します。水口や排水口の周囲は、施工厚を変える場合もあるため、単純に除外するのか、別区画として異なる計画高を設定するのかを分けて考えます。 取得した外周線と除外線は、その場で重なりや交差がないか確認します。閉じていない線、自己交差した線、外周からはみ出した除外区画があると、面積や体積が正しく計算されないことがあります。現場で即土量を実現するには、事務所へ戻ってから図形の不備に気づくのではなく、現地で図形を表示し、施工対象部分が一つの面として成立しているかを確認することが大切です。

ステップ2 客土前の地表面を計測して基準面を作る

次のステップは、客土前の地表面を計測し、土量計算の基準となる現況面を作ることです。施工前の高さが分からなければ、計画面との差を求められません。平坦に見える圃場でも、わだち、排水跡、局所的な沈下、畦畔際の高まりなどがあるため、代表点だけの測量では起伏を捉えきれない場合があります。対象面積、求める精度、地表の複雑さに応じて、点の密度を決めます。 計測前には、草丈、刈株、水たまり、軟弱部、残置物などを確認します。地表面ではなく植生の上面を測ってしまうと、現況高が実際より高くなり、必要客土量が少なく算出される可能性があります。反対に、深いわだちや一時的な掘れをそのまま全面の代表として扱うと、土量が過大になることがあります。施工で埋め戻す対象なのか、施工前に整地するのかを整理し、計測対象となる地表の定義を統一します。 LRTK Phoneを用いる場合は、測位状態を確認しながら圃場内を計測します。外周付近だけでなく、中央部、低地、高地、排水方向が変わる場所を含めて取得することが重要です。一定間隔の格子状に点を取る方法は、取得漏れを確認しやすく、後から密度を評価しやすい利点があります。一方で、地形の変化が大きい場所では、格子点だけでなく変曲点やくぼみの底、盛り上がりの頂部を追加します。点群として地表を取得できる場合も、対象範囲全体に欠測がないかを現地で確認します。 農地の表面がぬかるんでいると、計測者の足元や機器の保持状態が不安定になり、高さのばらつきが増えることがあります。積雪、強い降雨、湛水、強風などの条件も、安定した計測を妨げます。測位が不安定な場所では、時間を置いて再測する、既知点で確認する、周囲の遮蔽物から離れるなどの対応を行います。単に点数を増やすだけでは、系統的な高さずれを解消できないため、測位品質と基準点との整合を確認することが必要です。 取得した点から地表面を作成するときは、畦畔や構造物の点が混ざっていないかを確認します。畦畔上の高い点が施工対象面の地形モデルへ入ると、外周付近の現況面が持ち上がり、客土量が少なく算出されます。排水桝や資材などの一時的な物体も同様です。ステップ1で作成した施工範囲と除外範囲を使い、対象外の点を計算から外します。現況面を作成した後は、等高線や標高差の分布を確認し、明らかな突起や穴がないかを点検します。 現況面の品質を確かめるには、圃場内の数か所で実測点と作成面の高さを比較します。面が点の間をどのように補間しているかによって、局所的な起伏が平滑化されることがあります。土量算出では一つ一つの点の誤差だけでなく、面全体の偏りが結果へ影響します。計測点の分布が一方に偏っていないか、外周付近に空白がないか、低い場所を十分に捉えているかを確認してから次のステップへ進みます。

ステップ3 計画面または施工後面との差から客土量を算出する

三つ目のステップは、客土前の現況面と、計画面または施工後面との差から体積を求めることです。施工前に必要量を見積もる場合は現況面と計画面を比較し、施工後の出来形を確認する場合は現況面と施工後面を比較します。この二つは目的が異なるため、データ名や計算結果を分けて管理します。 一定厚で客土する計画では、施工対象面の全体を現況面から同じ高さだけ上げた面を計画面とする方法があります。たとえば計画厚が一定であっても、施工範囲が正しく切り出されていなければ、畦畔や対象外区域の分まで体積へ含まれます。そのため、ステップ1で作成した畦畔除外後の範囲を、現況面と計画面の双方へ同じ条件で適用します。外周線だけを使い、内側の除外ポリゴンを反映し忘れることが、過大算出の代表的な原因です。 仕上がり高が一定になる計画では、水平な計画面または設計勾配を持つ計画面を作成し、現況面との差を求めます。この場合、現況が高い場所では客土厚が薄く、低い場所では厚くなります。場所によっては計画面より現況面が高く、客土ではなくすき取りや整地が必要になることもあります。盛土量だけを求めるのか、すき取り量も含めて土工全体を管理するのかを明確にし、正の体積と負の体積を相殺しないようにします。 体積計算では、施工対象範囲を細かな面に分割し、それぞれの位置で二つの面の高さ差を求め、面積と掛け合わせて合計します。利用する計算方式によって細部の結果は変わることがありますが、実務では計算方式よりも、範囲、基準高、点密度、除外条件が一致していることのほうが重要です。同じデータから再計算できるように、現況面の作成条件、計画面の設定値、座標系、高さの基準、使用した範囲図形を保存します。 畦畔部分を除いた体積を確認するときは、除外前と除外後の結果を比較すると分かりやすくなります。両者の差が畦畔や対象外区域に相当する体積です。差が想定より大きい場合は、畦畔幅を広く取りすぎていないか、外周線と除外線が逆転していないか、施工対象となる端部まで除外していないかを確認します。差がほとんどない場合は、除外ポリゴンが計算へ反映されていない可能性があります。面積差と平均施工厚から概算値を求め、詳細計算の結果と大きく矛盾しないかを確かめる方法も有効です。 施工後の出来形土量を求める場合は、施工前と同様の方法で施工後面を計測します。計測範囲、点密度、基準点、高さの基準をそろえることで、前後差の信頼性が高まります。施工前は畦畔内側を基準にし、施工後は外周まで含めるなど、範囲条件が変わると正しい比較ができません。施工中に畦畔形状を変更した場合は、変更前後の範囲を別に保存し、どの範囲で出来形を評価したかを記録します。 算出された体積は、まず締め固め後の仕上がり形状に対応する数量として扱います。搬入土の発注量へ換算するときは、土質、含水状態、ほぐれ、締固め、運搬中の付着やこぼれ、施工ロスなどを考慮します。補正係数を一律に決めつけず、使用する材料の試験結果、過去実績、施工方法、発注者の基準に基づいて設定します。現場で即土量が算出できても、その数値がどの状態の土量かを明示しなければ、発注担当者と施工担当者の認識がずれるため注意が必要です。

ステップ4 除外条件と算出結果を現場で確認して共有する

四つ目のステップは、畦畔の除外条件と算出結果を現場で確認し、関係者へ共有することです。計算結果が一つの数字だけで示されると、どの範囲を対象にしたのか、どの高さを基準にしたのか、畦畔をどこまで除いたのかが分かりません。後から数量差が生じたときに検証できるよう、結果と条件を一体で残します。 現場確認では、施工対象の外周線と除外線を地図表示や境界線 AR 表示で重ね、実際の畦畔、水路、進入路と一致しているかを歩いて確認します。画面上では正しく見えても、狭い張り出し部や屈曲部で施工範囲が欠けていることがあります。反対に、畦畔法面や水路上まで施工対象に含まれている場合もあります。計算担当者だけでなく、施工管理者や重機オペレーターが現地で範囲を確認すると、計算上の区画と実際の敷きならし範囲を合わせやすくなります。 共有する情報には、対象圃場の識別情報、計測日、施工前または施工後の区分、外周面積、畦畔などの除外面積、客土対象面積、計画厚または計画高、算出体積、発注用補正の有無を含めます。本文で箇条書きにせずとも、記録様式では項目を固定し、毎回同じ順序で残すことが有効です。特に、算出体積と発注体積を同じ欄へ記入すると混同しやすいため、名称を分けます。 現場で修正が生じた場合は、元の範囲を上書きせず、改訂版として保存します。たとえば、畦畔の一部を補強するため客土対象から外した場合や、排水口周辺の施工厚を変更した場合は、変更日、変更理由、協議者、変更後の数量を記録します。クラウド上で共有できる環境を使えば、現場と事務所が同じ図形と計算結果を参照しやすくなります。LRTK Phoneで取得した位置情報や現地写真を関連付けておくと、数値だけでは伝わりにくい施工端の判断根拠を共有できます。 最終確認では、詳細計算のほかに概算でも妥当性を見ます。客土対象面積へ平均施工厚を掛けた概算体積と、面同士の差から求めた詳細体積を比較し、大きな差がないかを確認します。差が大きい場合は、計画面の高さ、単位、座標系、除外範囲、異常点、正負の体積の扱いを再確認します。現場で即土量を求める目的は、計算を急ぐことではなく、現場にいる間に不備を発見して修正できる状態を作ることです。

畦畔を含めてしまうと土量が過大になる仕組み

畦畔を除外せずに圃場全体を客土対象として計算すると、畦畔部分の面積に施工厚を掛けた分が余計に加算されます。畦畔は細長いため、一見すると影響が小さく見えますが、圃場の外周全体に連続していると面積は大きくなります。特に小区画の農地では、圃場面積に対する外周部の割合が大きくなるため、畦畔を含めた場合の過大率も高くなりやすい傾向があります。 また、畦畔は耕作面より高いことが多く、地表面の作り方によっては別の誤差も生じます。畦畔上の点を現況面に含め、計画面を一定高に設定すると、外周部では現況面が計画面より高くなり、客土量が減る方向へ作用することがあります。一方で、面積計算では畦畔部分を施工対象として含めているため、条件によって過大と過小が混在します。単純に畦畔の面積分だけ差し引けばよいとは限らず、現況面を作る段階から畦畔点を分離する必要があります。 畦畔の法面だけを除き、天端を含めるのか、法尻より内側を施工対象とするのかでも結果は変わります。施工計画上、畦畔の補修や拡幅を同時に行う場合は、畦畔全体を除外するのではなく、圃場内の客土区画と畦畔補修区画を分けて計算するほうが適切です。用途の異なる土量を合算すると、運搬計画や品質管理が曖昧になります。作土として利用する材料と畦畔補修材で品質条件が異なる場合は、なおさら別数量として管理します。 過大算出を防ぐには、施工範囲を縮めるだけでは不十分です。除外線の根拠、現況面に含める点、計画面の適用範囲、施工後の評価範囲をそろえる必要があります。外周図形だけを内側へ一律に移動させる方法は、畦畔幅が一定の整形圃場では使いやすいものの、屈曲部や幅の変化が大きい現場では誤差が生じます。現地で施工端を直接取得し、AR表示や地図で確認する方法は、不整形な畦畔を反映しやすい点が利点です。

発注土量と出来形土量を分けて管理する

現場で算出した客土量を実務で使うには、発注土量と出来形土量を明確に分ける必要があります。現況面と計画面の差から得られるのは、基本的に完成形状に必要な幾何学的体積です。ところが、搬入される土は掘削や積込みによってほぐれ、運搬中や仮置き中に状態が変化し、敷きならしと締固めによって体積が減少します。完成後の体積と運搬車両で扱う体積は一致しません。 発注土量を決めるときは、使用する土の種類、粒度、含水比、締固め方法、施工厚、施工時期を考慮します。過去の施工実績がある場合は、搬入量と完成体積の関係を確認し、現場条件が類似しているかを見ます。材料が変わる場合や雨天が続く場合は、同じ補正をそのまま適用しないほうが安全です。補正値は契約上の数量算定方法や品質管理基準とも関係するため、発注者や施工関係者と事前に確認します。 出来形土量は、施工前面と施工後面の差から求めます。施工後面の計測は、表面が落ち着き、測定できる状態で実施します。重機のわだちが残っている状態や、局所的に土が仮置きされている状態で計測すると、完成形状を正しく表しません。仕上げ整地の前後、降雨後、営農開始後では表面状態が変わるため、どの時点の出来形を評価するかを決めます。 発注土量と出来形土量に差が出た場合、直ちに不足や過剰と判断するのではなく、状態の違いを確認します。運搬記録はほぐれた状態、出来形計測は締まった状態を示している可能性があります。さらに、施工範囲の変更、畦畔補修への転用、場外搬出、材料の付着、沈下なども差の原因になります。数量を比較するときは、同じ状態、同じ範囲、同じ単位にそろえてから評価します。 現場で即土量を活用すると、施工途中でも残量を推定できます。一定区画ごとに施工後面を計測し、計画面との差を確認すれば、まだ不足している部分と施工済みの部分を把握できます。ただし、日々の施工中間値と最終出来形値を混在させないよう、データ名に日付と施工段階を入れます。圃場全体を一度に管理するのではなく、施工区画ごとに数量を分けると、運搬計画と進捗管理を結び付けやすくなります。

境界線 AR 表示を使うときの精度管理と注意点

境界線 AR 表示は、座標で定義された外周線や施工端を現地映像へ重ね、畦畔との位置関係を確認するために役立ちます。紙図面だけでは分かりにくい屈曲部や、目印の少ない広い農地でも、線がどの方向へ続くかを把握しやすくなります。客土施工では、施工対象範囲、除外範囲、計測範囲を同じ現地で確認できるため、数量計算と施工指示のずれを減らす補助になります。 一方で、AR表示は常に固定された絶対位置を示すとは限りません。衛星測位の状態、補正情報の受信状況、周辺の樹木や建物、端末の姿勢推定、カメラの向きなどによって、表示が揺れたりずれたりすることがあります。表示線が畦畔から外れて見えたときは、すぐに元データが誤っていると判断せず、測位状態、既知点との比較、端末の再初期化、周辺環境を確認します。 精度管理では、作業開始前に既知点や確認済みの現地点で位置を照合します。作業中も時間を決めて再確認し、終了時にも同じ点へ戻ってずれが生じていないかを見ます。長時間の作業や圃場間の移動がある場合は、圃場ごとに確認を行います。既知点との差が管理基準を超える場合は、その状態で取得した点やAR表示を施工判断に使わず、原因を確認して再測します。 高さについては、平面位置以上に注意が必要です。客土量は数センチの高さ差が圃場全体の体積へ影響するため、高さの基準がずれると数量が大きく変わります。施工前と施工後で異なる高さ基準を使ったり、基準点の設定を変えたりすると、地表面全体が上下にずれます。計測日が異なる場合でも、同じ基準点、同じ座標系、同じ高さの扱いを使用し、設定内容を記録します。 境界線 AR 表示で見える線は、法的な境界を新たに確定するものではありません。表示に利用する座標は、信頼できる測量成果や施工図から準備し、権利境界に関わる判断は正式な資料と関係者の確認に基づきます。また、農地には用排水施設や埋設物があるため、画面上の施工範囲だけを見て重機作業を進めないことも重要です。既設資料、管理者協議、現地確認、必要な試掘や探査を省略せず、ARは安全な施工を支える補助手段として位置付けます。

現場で即土量を運用に定着させる記録方法

現場で即土量を一度だけ算出できても、担当者が変わるたびに方法が変わると、継続的な施工管理にはつながりません。運用を定着させるには、計測、範囲設定、計算、確認、共有の手順を標準化し、同じ条件で再現できる記録を残します。特に農地の客土施工では、圃場ごとに形状や畦畔幅が異なるため、数値だけでなく判断過程を保存することが重要です。 記録の基本単位は圃場または施工区画とします。各データには、圃場名、区画番号、施工日、計測者、施工前後の区分を付けます。外周線、畦畔除外線、その他の除外区画、現況点、現況面、計画面、施工後面、計算結果を関連付けて保存します。ファイル名だけに情報を詰め込むのではなく、属性情報や作業記録にも同じ識別番号を入れると、写真や協議記録を探しやすくなります。 畦畔の除外ルールは文章と写真で残します。たとえば、畦畔内側の法尻を施工端としたのか、天端から一定距離を空けたのか、排水口周辺をどの形で除外したのかを記録します。代表地点では、LRTK Phoneで取得した位置と現地写真を組み合わせ、線の根拠を確認できるようにします。施工範囲が変更された場合は、変更前のデータを残し、改訂番号を付けて履歴を管理します。 計測品質の記録も欠かせません。既知点での確認結果、測位状態、再測の有無、欠測箇所、除外した異常点を残します。点群や多数の計測点から面を作成した場合は、使用した点密度や補間条件も保存します。計算結果だけを残して元データを削除すると、後から数量の根拠を説明できません。現場で即土量を算出する速さと、後から検証できる記録性を両立させることが大切です。 社内共有では、誰が計算結果を承認するかを決めます。計測者がそのまま発注数量を確定するのではなく、施工範囲、計画高、補正条件を別の担当者が確認する仕組みにすると、入力ミスを減らせます。小規模な現場でも、計測完了、範囲確認、計算完了、発注反映、出来形確認という段階を分け、記録上の状態を明確にします。 運用初期には、従来の面積掛け計算と面比較による体積計算を併用し、差の理由を確認します。差が生じたときに、どちらかを直ちに誤りと判断するのではなく、畦畔除外面積、地表の起伏、平均施工厚、計画勾配を確認します。複数の圃場で実績を蓄積すると、圃場形状や畦畔幅が土量へ与える影響を把握でき、次の客土計画の精度向上につながります。

まとめ

農地の客土施工で現場から即土量を算出するには、圃場全体の面積へ計画厚を掛けるだけでは不十分です。畦畔、進入路、水口、排水口、既設構造物などの対象外部分を明確にし、実際に客土する範囲だけを切り出す必要があります。特に畦畔は外周全体に連続するため、除外しないまま計算すると、見た目以上に大きな数量差が生じる可能性があります。 実務では、第一に境界線と畦畔の施工端を現地で確定し、第二に客土前の地表面を計測します。第三に現況面と計画面または施工後面との差から体積を求め、第四に除外条件と算出結果を現場で確認して共有します。この四つのステップを同じ範囲、同じ高さ基準、同じ座標条件で行うことで、計算の再現性が高まります。 境界線 AR 表示は、施工外周や畦畔の除外線を現地で理解しやすくする有効な補助です。ただし、ARだけで境界を確定したり、測位状態を確認せずに施工位置を判断したりしてはいけません。信頼できる座標データ、既知点、現地標識、契約図書、関係者協議を基準とし、必要な測量や安全確認を省略しないことが前提です。 また、現況面と計画面の差から得た仕上がり体積と、実際に搬入する発注土量は分けて考えます。土のほぐれ、締固め、含水状態、施工ロスなどを考慮し、現場条件に合った補正を行います。施工後には同じ範囲と基準で再計測し、出来形土量として記録することで、搬入実績との差を説明しやすくなります。 LRTK Phoneを活用すれば、圃場外周や畦畔の施工端を位置情報として取得し、境界線 AR 表示で確認しながら、施工前後の地表データと土量算出結果を現場でつなげて管理できます。客土範囲の判断、畦畔部分の除外、計測、計算、共有を一つの流れにまとめたい現場では、LRTK Phoneによる現地計測と可視化を次の施工計画に取り入れてみてください。

現場を3Dで残して、あとから測る。
実際の画面と動画で使い方を確認できます。

LRTK Phoneの使い方・実例を見る
資料請求導入相談
現場をスマホで3DスキャンLRTK Phone実例を見る