LRTKレフィクシア株式会社

掘削土の含水比変化を体積換算へ反映する5つの考え方

掘削土の数量を管理するとき、計算書上の切土量と、実際に運搬した土量や盛土に使用できた土量が一致しないことがあります。その原因として、地山を掘削したことによるほぐれ、締固めによる体積減少、土質のばらつき、積込時の空隙、測量範囲の違いなどが挙げられます。さらに見落とされやすいのが、降雨、乾燥、湧水、排水、仮置き期間などによって生じる含水比の変化です。 含水比が変化すると、土の湿潤質量は変わります。しかし、含水比が10%増えたからといって、土の体積もそのまま10%増えるわけではありません。土の体積は、土粒子、水、空気が占める割合と、それらがどの程度密に詰まっているかによって決まります。そのため、含水比だけを体積に直接掛ける方法では、運搬土量や盛土量を適切に換算できない場合があります。 実務では、掘削前の地山土量、掘削後のほぐし土量、仮置き中の土量、運搬時の積載量、締固め後の盛土量を分けて考える必要があります。さらに、各段階の含水比、湿潤密度、乾燥密度を整理し、同じ基準で比較しなければなりません。 この記事では、「切土 盛土 体積 計算」で情報を探している施工管理、測量、積算、土工管理の実務担当者に向けて、掘削土の含水比変化を体積換算へ反映するための5つの考え方を解説します。単なる計算式だけでなく、現場でどの数値を測定し、どのように記録すれば換算誤差を抑えられるのかまで整理します。

含水比変化が掘削土の体積換算を難しくする理由

含水比とは、土に含まれる水の質量を、乾燥した土粒子の質量で割った値です。一般的には百分率で表し、含水比をw、水の質量をMw、乾燥土の質量をMsとすると、含水比は「w=Mw÷Ms×100」で求めます。 ここで重要なのは、含水比が質量を基準とした指標であり、体積を直接示す指標ではないことです。例えば、乾燥土の質量が1,000キログラムで、水の質量が200キログラムであれば、含水比は20%です。その土に雨水が加わり、水の質量が300キログラムになれば、含水比は30%になります。湿潤質量は1,200キログラムから1,300キログラムへ増えますが、体積が同じ割合で増えるとは限りません。 水が土の空隙に入るだけであれば、体積変化が小さい場合があります。一方で、細粒分の多い土では吸水によって土粒子間の状態が変わり、膨張や軟化が生じることがあります。乾燥によって収縮する土もあります。また、掘削や積込みによって土の構造が乱されると空気の割合が増え、含水比が変わらなくても体積は大きくなります。 つまり、掘削土の体積を左右するのは含水比だけではありません。土粒子の質量、土粒子の密度、水の量、空気の量、空隙率、締まり具合、粒度構成、粘性、掘削方法、積込方法などが組み合わさって、見掛けの体積が決まります。 現場で含水比変化を体積換算へ反映するときは、「水が増えた分だけ体積を増やす」という考え方ではなく、「同じ乾燥土質量が、異なる密度状態でどれだけの体積を占めるか」という考え方へ切り替える必要があります。 また、土量管理の目的によって必要な精度も異なります。概略工程を検討するためのダンプ台数算定と、出来高数量を確定するための体積計算では、使用すべきデータや確認方法が異なります。概略検討では代表値を用いることがありますが、契約数量、品質管理、残土処分量、盛土流用量を判断する場合は、現場試験と測量結果を組み合わせることが重要です。

考え方1 土粒子の質量を共通基準にする

含水比が変化する掘削土を比較するとき、最も安定した基準になるのが乾燥土質量です。降雨や乾燥によって水の質量は変化しますが、土の流出、混入、選別、廃棄などがなければ、土粒子そのものの質量は基本的に変わりません。 掘削直後の土と、仮置き後の土を比較する場合を考えます。掘削直後は含水比が20%で、湿潤質量が1,200トンだったとします。含水比を小数で0.20とすると、乾燥土質量は「1,200÷1.20」で求められ、1,000トンになります。 その後、降雨によって含水比が30%になった場合でも、土粒子の流出や別材料の混入がなければ、乾燥土質量は1,000トンのままです。このときの湿潤質量は「1,000×1.30」となり、1,300トンです。増加した100トンは主に水の質量であり、掘削土そのものが100トン増えたわけではありません。 この関係を整理せず、湿潤質量だけで残土量や流用可能量を比較すると、降雨後に土量が増えたように見えることがあります。反対に、乾燥によって湿潤質量が減ると、土が失われたように見えることもあります。 土量を質量から体積へ換算する場合も、乾燥土質量を基準にすると整理しやすくなります。ある状態の乾燥密度をρd、乾燥土質量をMs、体積をVとすると、基本関係は「V=Ms÷ρd」です。 同じ乾燥土質量であっても、乾燥密度が小さければ体積は大きくなり、乾燥密度が大きければ体積は小さくなります。掘削後のほぐれた土は空隙が多いため、一般に乾燥密度が小さくなり、地山時よりも大きな体積を占めます。締固め後は空隙が減るため、乾燥密度が大きくなり、体積が小さくなります。 含水比が異なる二つの状態を比較する場合、状態1の体積をV1、乾燥密度をρd1、状態2の体積をV2、乾燥密度をρd2とすると、土粒子の損失がない条件では「V2=V1×ρd1÷ρd2」と整理できます。 この式では、含水比そのものを体積へ掛けていません。含水比は、湿潤密度から乾燥密度を求めるために使用します。体積換算の中心にあるのは、あくまで乾燥土質量と乾燥密度です。 ただし、現場では土粒子の質量が完全に保存されないことがあります。降雨による表面流出、排水とともに流出する細粒分、他工区の土の混入、石や廃材の選別、表土の分離、改良材の添加などがあるためです。このような条件では、乾燥土質量が一定であるという前提をそのまま使えません。 そのため、土粒子の質量を共通基準にするときは、対象範囲、対象期間、土質区分、材料の出入りを明確にする必要があります。仮置き場へ搬入した土と搬出した土を比較する場合は、搬入経路、搬出経路、排水状態、異物除去の有無を記録しておくと、数値差の原因を説明しやすくなります。

考え方2 湿潤密度と乾燥密度を分けて扱う

含水比変化を体積換算へ反映するためには、湿潤密度と乾燥密度を混同しないことが重要です。湿潤密度は水を含んだ状態の質量を体積で割った値であり、乾燥密度は乾燥土質量を体積で割った値です。 湿潤密度をρt、乾燥密度をρd、含水比を小数表示した値をwとすると、両者の関係は「ρd=ρt÷(1+w)」で表せます。 例えば、湿潤密度が1.80トン毎立方メートル、含水比が20%であれば、wは0.20です。乾燥密度は「1.80÷1.20」となり、1.50トン毎立方メートルです。 一方、降雨後に湿潤密度が1.92トン毎立方メートル、含水比が28%になった場合、乾燥密度は「1.92÷1.28」となり、1.50トン毎立方メートルです。この例では含水比と湿潤密度が変わっていますが、乾燥密度は変わっていません。水が増加したものの、土粒子の詰まり方や全体体積がほとんど変わっていない状態と解釈できます。 反対に、含水比が同じでも乾燥密度が異なることがあります。掘削直後の土と、積込み後に荷台内で落ち着いた土では、振動や自重によって空隙の状態が変わる可能性があります。また、仮置き場で重機が走行した部分と、投入したままの部分でも密度は異なります。 そのため、含水比だけを測定して体積を換算する方法には限界があります。少なくとも、対象となる状態の湿潤密度または乾燥密度を確認する必要があります。 掘削土の湿潤質量が分かっている場合、含水比から乾燥土質量を求め、乾燥密度で割ることで体積を算出できます。湿潤質量をMtとすると、乾燥土質量は「Ms=Mt÷(1+w)」です。その後、「V=Ms÷ρd」によって体積を求めます。 例えば、湿潤質量が260トン、含水比が30%、乾燥密度が1.30トン毎立方メートルであれば、乾燥土質量は「260÷1.30」で200トンです。体積は「200÷1.30」となり、約153.8立方メートルです。 ここで、同じ湿潤質量260トンでも、含水比が20%、乾燥密度が1.50トン毎立方メートルであれば、乾燥土質量は約216.7トン、体積は約144.4立方メートルです。湿潤質量だけを見ると同じですが、含水比と乾燥密度の違いによって、土粒子の量と体積の評価が変わります。 実務では、試験結果がどの状態を表しているかを確認することも欠かせません。地山状態から採取した試料の密度を、ほぐした掘削土へそのまま適用すると、体積を小さく評価する可能性があります。締固め試験から得られた乾燥密度を、仮置き土の自然な状態へ適用した場合も同様です。 密度の数値には、測定位置、採取時刻、土質、含水状態、締固め状態をひも付けて管理する必要があります。「現場の土の密度」という一つの代表値だけで全工程を換算するのではなく、地山、ほぐし、積載、仮置き、締固めの各状態に対応する密度を設定することが重要です。

考え方3 含水比変化とほぐし率を切り分ける

掘削土の体積が増加したとき、その原因をすべて含水比変化として扱うのは適切ではありません。掘削後の体積増加には、地山構造が崩れて空隙が増えることによるほぐれが大きく関係します。 地山土量をVb、ほぐし土量をVlとすると、ほぐし係数は一般に「Vl÷Vb」で整理できます。例えば、地山状態で100立方メートルだった土が、掘削後に125立方メートルになれば、ほぐし係数は1.25です。 この体積増加は、主に土粒子間の空隙が増えた結果です。含水比が同じであっても、掘削によって土の構造が乱されれば体積は増えます。したがって、ほぐし係数は含水比の係数とは別に管理しなければなりません。 一方、掘削後に降雨を受けた場合は、ほぐれた状態に含水比変化が重なります。さらに、雨水の浸透による沈下、細粒土の膨潤、表面流出、荷重による圧縮なども発生するため、体積変化の原因は複雑になります。 よくある誤りは、設計切土量に標準的なほぐし係数を掛け、さらに含水比の増加率をそのまま掛けて運搬土量を求める方法です。例えば、地山土量100立方メートルにほぐし係数1.25を掛けて125立方メートルとし、含水比が20%から30%へ増えたため、さらに1.10を掛けて137.5立方メートルとするような計算です。 しかし、含水比が20%から30%になったことは、水の質量が乾燥土質量に対して10%増えたことを意味するだけで、体積が10%増えたことを意味しません。空隙に水が入っただけであれば、体積はほとんど変わらない可能性があります。そのため、含水比増加率を体積倍率として直接使用する方法は避ける必要があります。 含水比変化を体積へ反映するには、変化前後の乾燥密度を把握します。掘削直後の乾燥密度と、降雨後の乾燥密度が同じであれば、乾燥土質量が同じ条件では体積も基本的に同じです。乾燥密度が低下していれば体積は増え、乾燥密度が上昇していれば体積は減ります。 含水比は、密度変化の原因を考えるための重要な情報です。例えば、細粒土が高含水状態になると、重機走行によって練り返され、土の構造が変化することがあります。排水後に沈下が進むこともあります。ただし、含水比から体積変化を一意に決められるわけではありません。 ほぐし率を設定するときは、掘削方法や土質も考慮します。岩塊を含む土、砂質土、粘性土、腐植を含む土では、掘削後の粒度構成や空隙の生じ方が異なります。また、積込み時の落下高さ、荷台内でのならし方、走行振動、仮置き時の投入方法によっても見掛け体積が変わります。 実務では、設計段階のほぐし係数は工程や運搬計画の初期値として使用し、施工開始後は実際の地山測量、搬出記録、仮置き測量、試験結果から補正していく方法が有効です。含水比はその補正に必要な条件の一つとして扱い、ほぐし係数と一体化させないことがポイントです。

考え方4 地山・運搬・仮置き・締固めの状態を分ける

切土と盛土の体積計算では、どの状態の体積を示しているのかを明確にしなければなりません。同じ土であっても、地山、掘削直後、運搬中、仮置き中、敷均し後、締固め後では体積が異なります。 地山土量は、掘削前の原位置にある状態の体積です。設計面と現況面の差から算出する切土量は、一般に地山状態の体積として扱われます。地山状態では、長期間の自重や自然作用によって土粒子が一定の構造を形成しています。 掘削土量は、地山を掘削して構造が乱れた状態の体積です。土粒子間に空気が入り、塊状の土や不規則な空隙が生じるため、地山状態より大きくなることがあります。 運搬土量は、車両の荷台などに積載された状態の体積です。積込直後の山積み状態と、走行後に振動で沈下した状態では体積が異なることがあります。荷台寸法から算出した容積が、そのまま実際の積載土量になるとは限りません。荷姿、山積み高さ、積載面の凹凸、土の付着なども影響します。 仮置き土量は、土を一時的に集積した状態の体積です。投入直後は空隙が多くても、時間の経過、自重、降雨、乾燥、重機走行などによって体積が変化します。仮置き期間が長い場合は、初回測量と搬出前測量の間で沈下や流出が発生する可能性があります。 締固め土量は、盛土材を所定の層厚で敷き均し、転圧した後の体積です。盛土の出来形体積は締固め後の形状から求めますが、材料管理では乾燥密度や含水比も確認します。運搬時に100立方メートルあった土が、締固め後も100立方メートルになるとは限りません。 このように状態を区別すると、「設計切土量が1,000立方メートルなのに、運搬記録では1,300立方メートルになった」「1,300立方メートル搬入したのに、完成盛土は900立方メートルだった」といった差を説明しやすくなります。 地山から運搬状態への換算には、掘削によるほぐれが関係します。運搬状態から締固め状態への換算には、敷均しと転圧による密度増加が関係します。含水比は、各状態の湿潤質量と乾燥密度を結び付けるために使用します。 状態をまたいで比較するときは、全数値を同じ基準へ戻すことが重要です。例えば、地山土量、運搬質量、仮置き体積、締固め体積が混在している場合は、それぞれから乾燥土質量を算出します。乾燥土質量を共通基準にすれば、土粒子がどこへ移動したかを追跡しやすくなります。 仮に、掘削前の地山体積が1,000立方メートル、地山乾燥密度が1.70トン毎立方メートルであれば、乾燥土質量は1,700トンです。掘削後のほぐし土の乾燥密度が1.35トン毎立方メートルであれば、ほぐし土体積は約1,259立方メートルです。 その土を盛土として使用し、締固め後の乾燥密度が1.80トン毎立方メートルになれば、締固め後体積は約944立方メートルです。土粒子の質量は同じ1,700トンですが、状態によって体積は大きく変わります。 この計算に含水比を加えることで、各段階の湿潤質量も求められます。運搬時の含水比が25%であれば、湿潤質量は「1,700×1.25」で2,125トンです。締固め時の含水比が18%であれば、湿潤質量は「1,700×1.18」で2,006トンです。 この差だけを見て土が119トン減少したと判断するのは誤りです。水分が減少した結果であり、乾燥土質量が維持されていれば、土粒子の量は変わっていません。

考え方5 現場実測から換算係数を更新する

掘削土の含水比や密度は、同じ工事区域内でも一定ではありません。地層、深度、地下水位、降雨状況、掘削時期、仮置き期間によって変化します。そのため、設計時に設定した換算係数だけで施工全期間を管理すると、実際の数量との差が拡大することがあります。 初期の換算係数は、既往資料、地質調査、試験値、類似工事の実績などから設定します。しかし、その値は施工計画を立てるための仮定です。掘削が始まった後は、現場の実測値を使って見直す必要があります。 最初に確認したいのは、地山状態の体積と乾燥密度です。施工前の地形を測量し、掘削後の地形との差から地山切土量を求めます。同時に代表地点で土質を確認し、含水比や密度に関する試験を行います。 次に、掘削土の運搬記録を整理します。車両ごとの積載回数だけでなく、積載状態、運搬日、掘削場所、土質区分、降雨状況を記録します。可能であれば、代表的な積載状態について実際の質量と体積の関係を確認します。 さらに、仮置き場や盛土施工箇所を定期的に測量します。搬入量と現地の体積増加量を比較すれば、仮置き状態の平均的な密度や沈下傾向を把握できます。盛土では、投入した乾燥土質量と締固め後の出来形体積を比較することで、施工状態に対応した換算関係を確認できます。 現場係数を更新するときは、一回の測定結果だけで決めないことが重要です。局所的に水分が多い地点や、重機走行で締まった地点を代表値にすると、全体の換算結果が偏ります。複数地点、複数時期のデータを集め、土質区分ごとに整理する必要があります。 例えば、砂質土と粘性土が混在する現場で、全土量に一つのほぐし係数を使用すると、運搬台数の予測が外れることがあります。砂質土は排水しやすく、降雨後でも比較的短期間で含水状態が変化します。一方、粘性土は水分を保持しやすく、仮置き中に高含水状態が続くことがあります。 同じ土質区分でも、晴天時の掘削土と降雨直後の掘削土を分けて管理する方法が有効です。含水比の範囲ごとに、湿潤密度、乾燥密度、運搬時の見掛け密度を記録すると、工程計画や車両台数計画へ反映しやすくなります。 換算係数の更新では、計算結果の整合性も確認します。地山から求めた乾燥土質量、運搬質量から求めた乾燥土質量、仮置き体積から求めた乾燥土質量、盛土体積から求めた乾燥土質量を比較します。 数値が大きく異なる場合は、含水比の測定時期、密度の適用状態、測量範囲、土質区分、土の流出入、異物混入などを確認します。差を一律に計算誤差として処理するのではなく、発生原因を工程に沿って追跡することが重要です。

含水比を反映した体積換算の基本手順

実務で含水比変化を反映する場合は、最初に換算の目的を明確にします。運搬車両の必要台数を求めるのか、仮置き場の必要容量を求めるのか、盛土への流用可能量を求めるのかによって、必要な状態の体積が異なります。 運搬計画では、掘削後のほぐし状態や積載状態の体積が重要です。仮置き場計画では、投入直後だけでなく、沈下や降雨を考慮した管理容量が必要です。盛土計画では、締固め後の乾燥密度を基準に、必要な乾燥土質量を求めます。 次に、基準となる土量を確定します。設計切土量を使う場合は、その値が地山状態の体積であることを確認します。現場測量から算出する場合は、測量範囲、基準面、除外範囲、構造物控除などを統一します。 その後、対象土の含水比と密度を確認します。含水比は採取から測定までの間に変化する可能性があるため、試料の採取時刻、保管方法、測定対象を記録します。密度については、地山状態、ほぐし状態、締固め状態のどれを示す値なのかを明確にします。 湿潤質量が分かっている場合は、含水比を使って乾燥土質量を求めます。含水比が25%、湿潤質量が500トンであれば、乾燥土質量は「500÷1.25」で400トンです。 次に、求めたい状態の乾燥密度で割ります。仮置き状態の乾燥密度が1.25トン毎立方メートルであれば、体積は「400÷1.25」で320立方メートルです。締固め状態の乾燥密度が1.60トン毎立方メートルであれば、体積は「400÷1.60」で250立方メートルです。 この例では、同じ乾燥土質量400トンでも、仮置き状態と締固め状態で70立方メートルの差が生じます。含水比は乾燥土質量を求めるために使い、体積差は乾燥密度の違いによって計算しています。 体積から別の状態の体積へ換算する場合は、変換前後の乾燥密度を用います。変換前体積が300立方メートル、変換前乾燥密度が1.30トン毎立方メートル、変換後乾燥密度が1.65トン毎立方メートルであれば、変換後体積は「300×1.30÷1.65」で約236.4立方メートルです。 このとき、変換前の乾燥土質量は390トンです。変換後も土粒子の損失がなければ390トンであり、体積だけが変化します。 最後に、計算値を現場測量や運搬実績と照合します。計算上の仮置き体積が320立方メートルであっても、測量結果が大きく異なる場合は、密度の設定、土質のばらつき、測量範囲、流出入を確認します。計算式が正しくても、入力値の状態が一致していなければ、実態に合う結果にはなりません。

土質別に注意したい含水比と体積の関係

含水比変化による影響は、土質によって異なります。砂や礫を主体とする土は、比較的大きな粒子間に水が入り、排水されやすい傾向があります。含水比が変化しても、土粒子自体の体積変化は一般に小さいため、見掛け体積は主に締まり具合や粒度構成の影響を受けます。 ただし、細粒分を多く含む砂質土では、水分によって粘着性や締まり方が変化することがあります。湿った砂が一時的にかさばるように見える場合もあり、含水状態によって積載時の見掛け密度が変わることがあります。 粘性土は、水分変化の影響を受けやすい土です。含水比が高くなると軟化し、重機走行や積込みによって練り返されることがあります。高含水状態では荷台やバケットへの付着が増え、積載量の把握にも影響します。 粘性土が乾燥すると収縮し、塊が硬化することがあります。表面だけが乾燥して内部に水分が残る場合もあるため、表面の見た目だけで含水状態を判断するのは危険です。試料採取では、対象層全体を代表できるように位置と深さを選定する必要があります。 腐植を多く含む土や有機質土は、含水比が高くなりやすく、圧縮性も大きい傾向があります。排水や自重によって体積が変化しやすいため、短期間の仮置きでも沈下が進む可能性があります。一般的な土砂と同じ換算係数を使わず、個別の試験値や現場実績を確認することが重要です。 岩塊を含む掘削土では、岩塊間の空隙と細粒分の含水状態を分けて考える必要があります。大きな岩塊の割合が高いと、試料採取による含水比が全体を代表しにくくなります。また、積込み方法によって岩塊のかみ合わせや空隙が変わり、見掛け体積のばらつきが大きくなることがあります。 改良材を混合した土では、混合前後で乾燥土質量の考え方が変わります。添加した材料も固形分として質量へ加わるため、掘削時の乾燥土質量だけを基準にすると収支が合わなくなります。混合水や改良材の量を別に記録し、処理前と処理後の材料構成を区別する必要があります。

含水比管理で起こりやすい計算ミス

最も起こりやすいのは、含水比の増減率を体積の増減率として扱うことです。含水比は質量比であり、体積比ではありません。水分が増えた量をそのまま土の体積へ加算しないことが基本です。 次に多いのが、含水比を百分率のまま式へ代入するミスです。含水比20%を計算式へ入れる場合、通常は0.20として扱います。「1+20」として計算すると、乾燥土質量が大きく誤ります。 含水比の基準を取り違えるミスにも注意が必要です。含水比は一般に水の質量を乾燥土質量で割ります。水の質量を湿潤土全体の質量で割る水分率とは基準が異なります。資料や計測結果に記載された数値が、どの定義に基づくものか確認する必要があります。 湿潤密度と乾燥密度の取り違えも大きな誤差につながります。湿潤質量を乾燥密度で直接割ると、水の質量を土粒子の体積へ含めてしまいます。湿潤質量から乾燥土質量を求めてから、乾燥密度で割る手順が必要です。 地山密度をほぐし土へ適用するミスもあります。地山体積を求める場合は地山状態の密度、運搬体積を求める場合は積載状態に対応する密度、締固め体積を求める場合は締固め後の乾燥密度を使用します。 採取時期が異なる含水比と密度を組み合わせることも避けるべきです。晴天時の密度と降雨後の含水比を組み合わせると、実際には存在しない状態を計算することになります。可能な範囲で同じ場所、同じ時刻、同じ状態の含水比と密度を対応させます。 土質区分をまとめすぎることも誤差の原因です。砂質土、粘性土、岩塊混じり土、表土などを一つの平均値で換算すると、各区分の体積差が相殺されず、運搬計画や盛土流用計画にずれが生じることがあります。 測量範囲の不一致にも注意が必要です。掘削土量は工区全体、仮置き土量は一部区画、運搬記録は複数工区の合計という状態では、数値を直接比較できません。区画番号、測量日時、対象土質をそろえてから収支を確認します。 端数処理を途中で繰り返すことも、集計量が大きい場合には無視できません。含水比、密度、乾燥土質量、体積の各段階で丸めると、最終的な土量差が大きくなることがあります。内部計算では必要な桁数を保持し、報告段階で所定の桁に丸める方法が適しています。

土量管理の精度を高める現場記録の方法

含水比変化を体積換算へ反映するには、計算式だけでなく、現場記録の統一が重要です。どれだけ精密な式を使っても、採取位置や測量範囲が不明確であれば、再計算や原因確認ができません。 まず、掘削区域を管理可能な単位へ分けます。測点、施工区画、地層、掘削深度、土質区分などを基準に区画番号を設定します。運搬記録、含水比試験、密度試験、測量成果へ同じ区画番号を付けると、数値を関連付けやすくなります。 次に、日時を統一して記録します。含水比は降雨や乾燥によって変化するため、試料採取日だけでなく、採取時刻、直前の天候、仮置き期間も記録します。仮置き土量の測量についても、搬入開始前、搬入中、搬出前など、工程上の位置付けを明確にします。 試料採取位置は、平面位置と高さを記録します。仮置き土では、表面、内部、下部で含水状態が異なる可能性があります。表面試料だけを全体の代表値とせず、必要に応じて複数位置から採取します。 運搬記録では、車両台数だけに依存しないことが重要です。同じ車両でも、積込担当者、土質、含水状態、荷姿によって積載体積が変わります。車両単位の標準積載量を設定する場合は、代表的な状態で実測し、適用条件を記録します。 仮置き場では、基準となる地盤面を確定しておきます。堆積前の地表面と堆積後の表面を比較できれば、仮置き体積を算出しやすくなります。途中で基準面が変更されたり、別材料が混入したりすると、体積差の解釈が難しくなります。 盛土では、敷均し前後や締固め後の高さを記録し、施工層ごとに体積と品質管理結果を対応させます。含水比が施工に適した範囲から外れている場合は、乾燥、散水、混合、仮置きなどの処置内容も記録します。 定期的に土量収支を確認することも有効です。工事完了時にまとめて照合するのではなく、日次、週次、施工区画完了時などの単位で確認すると、誤差の発生時期を絞り込めます。 乾燥土質量を中心に、掘削、運搬、仮置き、盛土、場外搬出の各数量を並べると、土の移動を追跡しやすくなります。差が発生した場合は、含水比変化、密度設定、測量範囲、流出、混入、異物除去の順に確認すると、原因を整理しやすくなります。

LRTK Phoneを活用した土量把握

含水比や密度は試験によって確認しますが、体積については現場形状を継続的に測定することが重要です。掘削面や仮置き土の形状を施工段階ごとに記録できれば、計算上の換算値と実際の体積変化を比較できます。 LRTK Phoneを活用すると、現場で取得した位置情報や三次元データを利用し、掘削区域や仮置き土の形状を記録する方法を検討できます。施工前後の地表面を同じ座標基準で取得し、差分を確認することで、切土量や堆積土量を把握しやすくなります。 例えば、仮置き開始前の地盤面を記録し、搬入後に仮置き土の表面を取得すれば、堆積体積を算出するための基礎データを作成できます。降雨後や長期仮置き後に再度取得すれば、沈下、流出、形状変化の有無も確認できます。 掘削区域でも、施工前、掘削途中、掘削完了後の形状を記録することで、計画切土量と実施工量を比較しやすくなります。土質区分や含水比試験の採取位置を座標とともに残せば、どの測定値をどの土量区画へ適用したかを説明しやすくなります。 ただし、三次元測定で得られるのは主に形状と体積です。含水比、湿潤密度、乾燥密度を直接決定するものではありません。体積測定結果と土質試験結果を組み合わせ、乾燥土質量や状態別の換算係数を整理する必要があります。 また、測定範囲、基準面、座標、不要物の除外、死角、植生、重機などの影響を確認することも重要です。契約数量や出来高数量へ使用する場合は、契約図書、施工計画、適用基準、発注者との協議内容に従い、必要な測量方法や確認手続きを省略しないようにします。 LRTK Phoneによる現場記録を含水比試験や運搬記録と関連付ければ、「どの場所の土が、どの含水状態で、どれだけ掘削され、どこへ移動したか」を追跡しやすくなります。計算上の換算係数だけに依存せず、現場実測に基づいて係数を見直すための材料として活用できます。

まとめ

掘削土の含水比変化を体積換算へ反映するときは、含水比の増減率をそのまま体積へ掛けないことが基本です。含水比は水の質量と乾燥土質量の比であり、体積の増減率ではありません。 第一の考え方は、乾燥土質量を共通基準にすることです。水分が増減しても、土粒子の流出や混入がなければ乾燥土質量は基本的に維持されます。 第二の考え方は、湿潤密度と乾燥密度を分けることです。湿潤質量から含水比を使って乾燥土質量を求め、求めたい状態の乾燥密度で割ることで体積を算出します。 第三の考え方は、含水比変化とほぐし率を切り分けることです。掘削後の体積増加は、主に土粒子間の空隙が増えることで生じます。含水比の増加を体積倍率として追加しないようにします。 第四の考え方は、地山、掘削、運搬、仮置き、締固めの各状態を分けることです。同じ土でも状態によって乾燥密度が異なるため、それぞれに対応した体積を管理する必要があります。 第五の考え方は、現場実測から換算係数を更新することです。設計段階の係数を固定せず、含水比試験、密度試験、運搬記録、施工前後の測量結果を照合し、土質区分や施工時期に応じて補正します。 含水比を考慮した土量管理では、試験による水分と密度の把握、測量による体積の把握、運搬記録による移動量の把握を組み合わせることが重要です。LRTK Phoneを活用して掘削面や仮置き土の形状を継続的に記録すれば、計算値と現場体積の差を確認しやすくなり、切土・盛土の体積計算をより実態に近い形で管理できます。

現場を3Dで残して、あとから測る。
実際の画面と動画で使い方を確認できます。

LRTK Phoneの使い方・実例を見る
資料請求導入相談
現場をスマホで3DスキャンLRTK Phone実例を見る