LRTKレフィクシア株式会社

借土と現場発生土を区別する切土・盛土体積計算7つの管理法

借土と現場発生土を区別する体積計算の基本

造成工事、道路工事、外構工事、土地改良工事などでは、切土によって生じた現場発生土を盛土へ流用し、不足分を場外から搬入する借土で補うことがあります。反対に、現場発生土が盛土の必要量を上回り、余剰分を場外へ搬出する場合もあります。 このような現場で切土・盛土の体積計算を正しく行うためには、切土量と盛土量を単純に差し引くだけでは不十分です。切土として算出される体積、車両で運搬される体積、盛土として締め固められた体積は、それぞれ土の状態が異なるからです。 一般に、掘削前の地山状態にある土は、掘削によってほぐされると見かけの体積が増加します。その後、盛土として敷きならし、締め固めると体積は減少します。したがって、地山状態の切土量と締固め後の盛土量を、そのまま同じ基準で比較することはできません。 また、現場発生土のすべてが盛土材として使用できるとは限りません。表土、有機物を多く含む土、過度に軟弱な土、異物が混入した土、含水状態が施工に適さない土などは、使用場所や設計条件によって流用できない可能性があります。切土量が盛土量を上回っていても、実際には借土が必要になることがあります。 借土と現場発生土を区別する目的は、単に土の出入りを記録することではありません。盛土材の由来を明確にし、施工数量、品質、運搬、仮置き、場外搬出、設計変更、協力会社との精算までを一貫して説明できる状態をつくることが重要です。 土量管理では、現場発生土量、現場内流用土量、流用できない土量、場外搬出土量、借土搬入量、借土使用量、盛土完成体積、仮置き残量を区別します。これらを混同すると、搬入した借土がどこへ使用されたのか、切土で発生した土がどれだけ残っているのか、盛土の完成量と材料の投入量がなぜ一致しないのかを説明できません。 正確な体積計算を行うためには、工事開始前に数量の定義を統一し、施工中は区画別、期間別、材料別に記録し、測量結果と運搬記録を継続して照合する必要があります。以下では、実務で取り入れやすい7つの管理法を詳しく解説します。

管理法1 土量区分と体積状態を施工前に定義する

最初の管理法は、工事で扱う土の区分と、各数量がどの体積状態を示すのかを施工前に定義することです。土量管理で数字が合わなくなる原因の多くは、担当者ごとに同じ名称を異なる意味で使用していることにあります。 例えば、現場発生土という名称だけでは、掘削前の地山体積を示しているのか、掘削後に仮置きしたほぐし体積を示しているのか、現場内で流用できる量だけを示しているのかが分かりません。同様に、借土量についても、搬入車両の荷台で把握した体積と、締固め後の盛土体積では意味が異なります。 施工前には、少なくとも現場発生土、流用可能土、流用困難土、場外搬出土、借土、仮置き土、盛土使用土を区別します。工事内容によっては、表土、床掘り土、埋戻し土、改良対象土、岩混じり土なども分けて管理します。 土の名称だけでなく、数量の状態も明記します。地山状態、ほぐし状態、締固め状態のいずれで管理するかを決め、土量収支を確認するときは共通の状態へ換算します。施工計画書や土量収支表には、「現場発生土・地山換算」「借土搬入量・運搬状態」「盛土量・締固め後」のように記載すると、数量の意味が伝わりやすくなります。 原地盤面の設定も重要です。切土量は、施工前の地盤面と計画面との差から求めるのが基本ですが、施工前に伐採、除根、表土すき取りなどを行う場合、どの時点の地盤を原地盤として扱うかによって数量が変わります。 設計図面の現況地盤を使用するのか、起工測量で取得した地形を使用するのかについても確認が必要です。設計時の地形と施工直前の地形に差がある場合、基準面を曖昧にしたまま計算すると、当初設計数量と実績数量の比較ができなくなります。 盛土量を算出する場合も、完成計画面までの全体を土として扱うのではなく、舗装、路盤、基礎材料、構造物などの体積を含めるか除外するかを整理します。完成形状全体の体積をそのまま盛土量とすると、土以外の材料が含まれ、必要な土量を過大に算定する可能性があります。 施工途中で設計面が変更された場合は、当初計画面を上書きせず、変更前と変更後を別に保存します。原地盤面、当初計画面、変更計画面、中間出来形面、完成面を分けることで、どの変更によって切土や盛土が増減したのかを確認できます。 最初に定義を固定しておけば、測量担当者、施工管理者、運搬担当者、積算担当者が同じ基準で数量を扱えます。借土と現場発生土を区別する管理は、計算式を作ることよりも、数字の意味を統一することから始まります。

管理法2 切土・盛土・借土を土量収支表で一元管理する

二つ目の管理法は、切土、盛土、現場内流用土、借土、場外搬出土、仮置き土を一つの土量収支表で管理することです。それぞれの数量を別々の日報や計算書へ記録しているだけでは、工事全体として土の出入りが成立しているか確認しにくくなります。 土量収支の基本は、現場へ入る土と、現場から出る土、現場内に残る土の関係を整理することです。ある期間の期首仮置き量に、当期間の現場発生土量と借土搬入量を加え、盛土使用量、場外搬出量、使用不能量を差し引いた値が、期末仮置き量に対応します。 ただし、式へ代入する数量は同じ体積状態にそろえる必要があります。地山状態の切土量と、ほぐし状態の借土搬入量と、締固め後の盛土量をそのまま加減しても、正しい収支にはなりません。地山換算または締固め換算など、工事で定めた共通状態へ換算してから比較します。 土量収支表では、計画数量と実績数量を分けて記録します。計画数量は、設計図面や三次元モデルから算出した当初の見込みです。実績数量は、施工中の測量、搬入記録、搬出記録、仮置き場測量、完成測量などから確認した量です。 計画数量と実績数量が完全に一致しないことはあります。重要なのは、差の原因を説明できることです。差が生じる主な要因には、原地盤の測量差、切土範囲の変更、追加掘削、過掘り、土質区分の変更、流用不能土の発生、仮置き残量、地盤沈下、締固めによる体積変化などがあります。 工事全体の最終段階で初めて収支を確認すると、どの時点で差が発生したのか分からなくなることがあります。そのため、施工区画の完了時や週単位など、現場の進行に合わせて定期的に更新します。 例えば、計画より借土搬入量が急激に増えている場合、現場発生土の流用量が不足している可能性があります。土質不良によって流用を見送ったのであれば、その判断記録が必要です。一方、流用可能な土を仮置き場へ運ぶ前に場外搬出しているのであれば、運搬計画や施工順序を見直す余地があります。 反対に、盛土出来高が増えているのに借土や流用土の投入記録が少ない場合は、盛土出来高の計算範囲、材料区分、仮置きからの払出記録、換算条件を確認します。土以外の材料を盛土体積へ含めているケースや、前期間の仮置き土を使用した記録が抜けているケースも考えられます。 土量収支表には、数量の根拠となる資料番号や測量日も関連付けます。単に数字だけを並べるのではなく、どの測量結果、どの搬入記録、どの施工区画に基づく数量なのかを追跡できる形にします。 土量収支表を一元化すると、借土の追加手配や場外搬出の配車を早めに判断できます。また、設計変更が必要になった場合にも、当初計画との差と発生原因を整理しやすくなります。

管理法3 現場発生土を流用可能土と流用困難土に分ける

三つ目の管理法は、切土によって発生した土を一括して現場発生土と扱わず、流用可能土と流用困難土に分けることです。切土量が盛土量より多いという理由だけで借土が不要と判断すると、施工途中で材料不足が生じる可能性があります。 現場発生土の流用可否は、土質、含水状態、粒度、異物の有無、施工場所、要求される品質などを踏まえて判断します。表土や植物根を多く含む土、有機質土、極端に軟弱な土、廃材が混入した土などは、一般的な盛土や構造物周辺の埋戻しへ使用できない場合があります。 同じ現場内でも、使用場所によって求められる条件は異なります。大規模な造成盛土へ利用できる土が、構造物の背面や狭い埋戻し部には適さないことがあります。反対に、粒径や含水状態を調整することで使用できる場合もあります。 流用可能量は、切土全体の体積から単純に一定割合を差し引いて求めるのではなく、発生区域ごとに確認します。切土区画を分け、表層、深部、谷部、既設構造物周辺など、土質が変化しやすい範囲を区別します。 施工前の調査では把握できなかった土が現れることもあります。その場合は、発生場所、確認日、土の状態、予定していた使用先、流用を見送る理由、その後の処理方法を記録します。場外搬出へ切り替えた場合は、借土が必要になる数量との関係も整理します。 流用困難土と判断した土を場外へ搬出し、同じ量の借土を搬入したとしても、搬出量と借土量が同じになるとは限りません。搬出土が地山換算で記録され、借土がほぐし状態で搬入され、盛土が締固め状態で完成するためです。数量を比較する際には、体積状態をそろえます。 流用可能土でも、降雨によって含水状態が変われば、すぐに使用できないことがあります。使用できるまで仮置きするのか、処理を行うのか、別の施工区画へ回すのかによって、借土を投入する時期も変わります。 工程を優先して借土を先に搬入すると、後から流用可能な現場発生土が余る場合があります。これを防ぐには、切土の発生時期と盛土の需要時期を土量配分計画で対応させ、仮置き場の容量も含めて施工順序を検討します。 現場発生土の区分を明確にすると、借土が必要になった理由を説明しやすくなります。「切土量は足りているが借土を使用した」という結果だけでは不自然に見えますが、流用可能量、流用困難量、仮置き量、施工時期を示せば、必要性を具体的に説明できます。

管理法4 借土の搬入量と実使用量を分けて記録する

四つ目の管理法は、現場へ搬入された借土の量と、実際に盛土へ使用した借土の量を分けて記録することです。搬入された借土の全量が、その日のうちに施工されるとは限りません。 借土は、搬入後に仮置き場へ保管されることがあります。降雨や工程調整によって施工が延期されれば、一定期間現場内に残ります。この仮置き分を考慮せず、搬入量をそのまま盛土使用量として計上すると、完成出来高との間に差が生じます。 借土搬入量は、車両の搬入記録、重量記録、荷台容積、仮置き場測量などによって把握します。一方、借土使用量は、仮置き場からの払出記録、施工区画への投入記録、施工前後の測量などから確認します。 車両台数へ一台当たりの標準体積を掛ける方法は、日々の進捗管理に利用できます。ただし、実際の積載量は、土質、含水状態、荷台への積み方、山積み形状などによって変動します。車両台数だけで確定数量とせず、一定期間ごとに測量結果と照合します。 重量から体積へ換算する場合も注意が必要です。土の単位体積重量は、土質や含水状態によって変化します。一般的な換算値を一律に使用すると、対象土の実態と合わない可能性があります。換算に用いた値と設定根拠を記録し、必要に応じて現場条件に合わせて見直します。 借土を仮置きする場合は、搬入前の地盤面を測量し、土山を形成した後に再度測量することで、仮置き量を確認できます。土山の一部を使用した後も測量すれば、残量を把握できます。 借土と現場発生土を同じ仮置き場へ混合すると、残量の内訳が分からなくなります。借土の実使用量を管理する必要がある場合は、仮置き区画を分け、境界を現地表示と図面の両方で明確にします。 借土を直接盛土区画へ搬入する場合は、施工区画、施工日、施工層を記録します。同じ区画へ現場発生土も投入する場合は、材料ごとに時間帯や施工層を分けると、完成後も内訳を追跡しやすくなります。 借土搬入量と実使用量の差は、期末の借土在庫量として土量収支へ反映します。借土在庫を把握していれば、次の施工区画で必要となる追加手配量を判断しやすくなり、過剰搬入も防げます。

管理法5 仮置き場と施工区画を土の由来ごとに管理する

五つ目の管理法は、借土と現場発生土を、仮置き場や施工区画ごとに分けて管理することです。土の由来が分からなくなる最大の原因は、異なる区分の土を混合し、後から体積だけを測ろうとすることです。 現場発生土は、切土区画ごとに土質が異なることがあります。借土も、搬入元や搬入時期によって性状が変化する場合があります。これらを無計画に同じ場所へ仮置きすると、数量の内訳だけでなく、品質の追跡も難しくなります。 仮置き場には区画番号を設定し、どの切土区画から発生した土を置いたのか、またはどの搬入元から届いた借土を置いたのかを記録します。仮置き開始日、追加した日、払出日、使用先も対応させます。 仮置き場の地盤が傾斜している場合や凹凸が大きい場合は、土を置く前の基準面を測量します。土山を形成した後に外形だけを測定しても、基礎となる地盤面が不明確であれば、正確な体積を計算できません。 複数の土山が接する場合は、境界を明確にします。境界が失われた後では、外形から借土と現場発生土の内訳を復元できません。現地に区画表示を設けるだけでなく、平面図や位置情報付き写真にも残します。 施工区画についても、平面的な範囲だけでなく、高さ方向の施工層を管理します。下層へ現場発生土を使用し、上層へ借土を使用する場合、完成後の地表面から材料の境界を確認することは困難です。材料が切り替わる時点で施工面を測量し、写真と記録を残します。 施工区画番号と土のロット番号を対応させれば、どの材料をどこへ使用したかを追跡できます。特定の区画で沈下や施工上の問題が生じた場合にも、使用した土の由来や施工時期を確認しやすくなります。 土量収支の差を調べる場合も、工事全体の合計だけでなく、区画ごとに比較することが有効です。特定の切土区画で流用困難土が増えたのか、特定の仮置き場で測量されていない残土があるのか、盛土区画で施工厚が変わったのかを絞り込めます。 ロットを細かく分けすぎると記録が複雑になりますが、大きくまとめすぎると追跡性が低下します。発生場所、搬入元、土質、使用目的、施工日など、数量や品質へ影響する条件を基準に区分します。 借土と現場発生土を現地で分離しておくことは、計算上の工夫よりも効果的です。混合してから内訳を推定するのではなく、最初から区別できる施工動線と仮置き計画をつくることが重要です。

管理法6 測量値と運搬記録を定期的に照合する

六つ目の管理法は、測量による体積と、搬入・搬出の運搬記録を定期的に照合することです。どちらか一方だけで土量を管理すると、記録漏れや計算条件の誤りを発見しにくくなります。 運搬記録では、日時、車両、搬入元または搬出先、土の区分、運搬回数、施工区画などを記録します。日々の搬入量や搬出量を把握するには有効ですが、一台当たりの積載量にはばらつきがあります。 測量による体積計算では、施工前後の地形面を比較します。切土は原地盤面と掘削後面、盛土は施工前面と施工後面、仮置き土は基準面と土山表面の差から求めます。 測量で注意したいのが、比較範囲と基準です。二つの面の計測範囲が異なる場合、データのない箇所が補間され、実際とは異なる地形面が作られることがあります。両方の面に有効なデータがある範囲を確認し、計算境界を固定します。 法肩、法尻、段差、構造物周辺、土山の裾など、形状が急変する箇所は重点的に測定します。これらの点が不足すると、面がなだらかに補間され、切土量や盛土量が過大または過小になる可能性があります。 測量値と運搬記録は、同じ時点と体積状態にそろえて比較します。例えば、借土搬入記録がほぐし状態で、盛土測量が締固め後であれば、換算せずに差し引くことはできません。仮置き場に借土が残っている場合も、その残量を考慮します。 一定期間に搬入された借土量と、同期間に施工された盛土体積が一致しない場合、すぐに記録誤りと判断するのではなく、換算条件、仮置き残量、施工区画、計測時点、他材料の混入を確認します。 場外搬出についても、切土量から流用量を差し引いた数字だけで確定せず、車両記録や仮置き場の減少量と照合します。切土後に一時仮置きしている場合、発生時期と搬出時期が異なるため、期間ごとの収支には在庫変動を反映する必要があります。 測量値と運搬記録が完全に一致するとは限りません。測量誤差、荷台積載量のばらつき、締固めの進行、降雨による表面変化などが影響します。重要なのは、比較条件を統一し、差が生じた理由を確認できることです。 土工量が大きく変化する期間は、区画完了時や週単位で測量すると、異常を早期に発見できます。工事完了時に一度だけ測量しても、途中で混合された土や移動済みの仮置き土の内訳は確認できません。

管理法7 設計変更や精算に使える根拠を残す

七つ目の管理法は、計算結果だけでなく、その数量を算出した過程を記録し、設計変更や精算で説明できるようにすることです。最終的な借土量や搬出土量だけを提示しても、増減の理由が分からなければ合意形成が難しくなります。 借土が当初計画より増える理由には、現場発生土の流用率低下、追加掘削、盛土範囲の拡大、基礎地盤の沈下、施工条件の変更などがあります。これらを一つの理由にまとめず、要因ごとに数量を分けます。 現場発生土の流用を見送った場合は、対象範囲、確認日、土の状態、予定していた使用場所、判断内容、その後の処理方法を記録します。写真だけでは体積や位置を説明しにくいため、平面図、断面図、測量結果、数量計算書と対応させます。 追加掘削が発生した場合は、当初計画面と実際の掘削面との差を算出します。当初切土量へ追加分を単純に上乗せするだけではなく、追加土が現場内で流用されたのか、場外へ搬出されたのかも整理します。 盛土量が増えた場合も、計画範囲の変更による増加なのか、沈下補償による増加なのか、過施工による増加なのかを区別します。原因によって、借土追加量の扱いや協議内容が変わる可能性があります。 設計変更資料では、当初設計数量、変更数量、実績数量の関係を示します。現場発生土量、流用可能量、流用実績、場外搬出量、借土搬入量、借土使用量、完成盛土量が一つの流れとして確認できるようにします。 数量計算の丸め方も統一します。日ごとの数量を丸めてから合計した値と、詳細値を合計して最後に丸めた値では差が生じることがあります。計算途中の桁数、最終表示単位、端数処理の方法を決めます。 測量データを修正した場合は、修正前後の数量と修正理由を残します。誤測点や不要物の点を除外した結果、体積が変わることがあります。最新値だけを残すと、以前の提出資料との差を説明できません。 土量の根拠資料は、工事完了後にまとめて作るのではなく、施工中に蓄積します。土を搬出した後や盛土層を覆った後では、過去の状態を再測量できません。施工前、材料切替時、仮置き変更時、区画完了時など、必要な時点で記録します。 記録を継続することで、借土が必要となった経緯や現場発生土の処理方法を説明しやすくなります。協力会社との数量確認でも、車両台数だけでなく、測量結果や施工区画を示せるため、認識の差を減らせます。

借土量を計算する基本的な考え方

借土量を求めるときは、完成盛土量から現場発生土の流用可能量を差し引けばよいと考えがちです。しかし、正確に計算するには、両方を同じ体積状態へ換算し、施工損失や仮置き残量も反映する必要があります。 基本的な考え方は、締固め後の状態で必要となる盛土量から、締固め後の状態へ換算した現場発生土の流用可能量を差し引き、不足分を借土で補うというものです。 例えば、締固め後の完成盛土量が4,000立方メートル必要で、現場発生土から締固め後換算で3,000立方メートルを流用できる場合、締固め後の状態では1,000立方メートルが不足します。 ただし、実際に発注または搬入する借土は、ほぐし状態で運搬されることが一般的です。締固め後の不足量を、そのまま運搬状態の借土量として扱うことはできません。対象土と施工条件に応じた換算関係を使用し、運搬時に必要な量へ換算します。 現場発生土の流用可能量も、切土体積から流用困難土を差し引いただけでは確定しません。地山状態で算出した切土量を、締固め後の盛土体積へ換算する必要があります。 また、現場発生土の一部が仮置き場に残っている場合、その量は将来利用できる在庫です。当期の流用実績には含めず、期末仮置き量として次期へ繰り越します。 借土についても、現場へ搬入した量と実際に使用した量が異なります。追加手配量を検討する場合は、必要な盛土残量から、現場発生土の使用可能残量と借土の仮置き残量を差し引きます。 施工途中で借土必要量を見直す場合は、計画値ではなく、最新の測量結果を用います。未施工部分の盛土必要量、既施工部分の出来高、現場発生土の残量、借土の残量を確認し、今後の不足量を再計算します。 土量の換算条件は、対象土の性状や締固め方法によって異なります。一般的な数値を無条件に使用せず、契約条件、施工計画、試験施工、現場実績などを確認します。施工初期の投入量と完成体積を比較し、計画した換算条件が現場に適合しているか検証する方法も有効です。 借土量の計算では、数値を一度決めたら終わりではありません。現場発生土の流用可否や盛土の残量は施工とともに変化します。定期的に土量収支を更新し、追加手配の時期と量を調整することが、過不足を防ぐうえで重要です。

借土と現場発生土の管理で起こりやすい失敗

借土と現場発生土の管理で起こりやすい失敗の一つは、すべての体積を同じ立方メートルとして扱うことです。単位が同じでも、地山状態、ほぐし状態、締固め後では意味が異なります。計算書には体積状態を必ず記載します。 次に多いのが、切土量の全量を流用可能土と考えることです。表土や流用困難土が含まれている場合、実際に盛土へ使用できる量は少なくなります。発生区域と土質区分に基づいて流用可能量を確認します。 借土搬入量を盛土使用量として扱うことも、収支が合わなくなる原因です。仮置き場に残っている借土は、まだ盛土へ使用されていません。搬入量、払出量、期末残量を分けます。 運搬車両の台数だけで数量を確定することにも注意が必要です。積載量は土の状態や積み方によって変わります。日常管理では台数を活用しつつ、測量による体積と定期的に照合します。 仮置き場で借土と現場発生土を混合した後に、内訳を推定しようとすることも失敗につながります。混合後の外形からは、それぞれの体積を正確に分離できません。混合前に数量を確定するか、仮置き区画を分けます。 施工日報へ材料区分を記載しないケースもあります。「盛土施工」とだけ記録しても、借土を使用したのか現場発生土を使用したのか分かりません。施工区画、施工層、材料区分を対応させます。 測量面の基準が異なることも、大きな数量差を生む原因です。座標系、標高基準、計算範囲、除外条件が統一されていないと、実際の土量変化ではない位置ずれや高さずれが体積差として現れます。 最新の測量面で過去の計算結果を上書きすると、当初数量や中間数量を再確認できなくなります。測量日ごとの面と計算結果を保存し、どの面同士を比較したのかを記録します。 数量差が発生したときに、すべてを測量誤差として処理することも避けるべきです。体積換算、仮置き残量、追加掘削、流用困難土、施工範囲、材料切替などを順に確認します。 反対に、車両記録と測量値が一致しないからといって、直ちにどちらかが誤りとは限りません。計測時点や体積状態が異なれば差が生じます。差を調整する前に、比較条件が一致しているかを確認します。 借土を必要以上に早く搬入することも、余剰土の発生につながります。後から現場発生土を流用できることが分かっても、すでに借土を盛土へ使用していれば、現場発生土が余る可能性があります。切土と盛土の工程を対応させ、借土は必要量を段階的に見直します。

まとめ

借土と現場発生土を区別して切土・盛土の体積計算を行うには、切土量と盛土量の差だけを見るのではなく、土の発生、選別、仮置き、運搬、使用、搬出までを一つの流れとして管理する必要があります。 最初に、現場発生土、流用可能土、流用困難土、場外搬出土、借土、仮置き土、盛土使用土の定義を決めます。さらに、各数量が地山状態、ほぐし状態、締固め状態のどれを示すのかを明確にします。 土量収支を確認するときは、異なる状態の体積をそのまま加減せず、共通の状態へ換算します。切土量が多くても、流用困難土が含まれていれば借土が必要になるため、発生区域ごとに流用可能量を確認することが重要です。 借土は、現場へ搬入した量と盛土へ使用した量を分けます。現場発生土も、掘削によって発生した量と実際に流用した量を区別します。仮置き場に残る土は期末在庫として土量収支へ反映します。 仮置き場や施工区画は、土の由来ごとに区分します。借土と現場発生土を混合する前に数量を確定し、施工区画、施工層、使用材料を記録します。完成後には確認できない情報を、施工中に残すことが大切です。 運搬記録は日々の管理に役立ちますが、積載量のばらつきがあります。施工前後や仮置き前後の測量結果と照合し、数量の妥当性を定期的に確認します。測量では、基準面、座標系、標高基準、計算範囲を統一します。 借土量や場外搬出量が当初計画から変わった場合は、その理由を数量と資料で説明できるようにします。流用困難土の発生、追加掘削、盛土範囲の変更、仮置き残量などを分けて記録すれば、設計変更や精算にも対応しやすくなります。 切土・盛土の体積計算は、工事完了時にまとめて行うだけでは十分ではありません。土が移動する前、材料が混合する前、盛土層を覆う前など、必要な時点で計測と記録を行うことが重要です。 現場で地形や仮置き土の変化を継続して計測し、施工区画、写真、位置、点群、土量計算を関連付ければ、借土と現場発生土の追跡性を高められます。こうした日常的な土量管理を効率化する手段として、現場で計測からデータ確認まで行えるLRTK Phoneの活用を検討するとよいでしょう。

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