盛土体積からダンプ台数を算出する前に知っておきたいこと
盛土工事で必要なダンプ台数を算出するときは、盛土の体積を車両の荷台容量で単純に割るだけでは不十分です。設計図書に示される盛土数量は締固め後の完成体積として扱われることがありますが、数量の定義は工事ごとに異なります。一方、ダンプで運搬する土は、掘削や積み込みによってほぐれた状態です。まず、設計数量がどの状態の土量を表しているかを確認する必要があります。
土量を扱う際は、地山状態、ほぐした状態、締め固めた状態を区別します。掘削前の自然な状態にある土量が地山土量、掘削して運搬できる状態になった土量がほぐし土量、盛土箇所で敷き均して所定の方法で締め固めた後の土量が締固め土量です。
同じ材料でも、掘削や締固めによって見かけの体積は変化します。一般には、掘削すると土粒子間の空隙が増えて地山状態より体積が増え、締固めるとほぐし状態より体積が減ります。ただし、変化の程度は土質、粒度、含水状態、掘削方法、締固め方法などによって異なります。
完成盛土体積から運搬回数を求めるには、締固め後の土量を運搬時のほぐし土量へ換算します。さらに、1台当たりの積載量は荷台の容積だけでは決まりません。車検証等で確認する最大積載量、土の湿潤密度、荷台の実用容積、材料の粒径、含水状態、運搬経路の条件を踏まえて設定します。
ここでいう「ダンプ台数」には、総工事で必要となる延べ運搬回数と、1日に同時稼働させる実車両数という二つの意味があります。総運搬量から直接求められるのは延べ運搬回数です。実車両数は、1台が1日に何往復できるか、工期を何日に設定するか、積み込み側と荷下ろし側が何台を処理できるかを加えて計算します。
手順1 設計図書から盛土の完成体積を求める
最初に、施工後に必要となる盛土の完成体積を求めます。設計図面、平面図、縦断図、横断図、造成計画図、数量計算書、特記仕様書などを確認し、対象範囲と数量の定義を明確にします。
設計数量が記載されている場合でも、それが純粋な盛土量なのか、路床や路体を区分した数量なのか、表土、路盤、置換材、地盤改良材などを含むのかを確認します。発注者の数量算出要領や契約図書に定めがある場合は、その考え方を優先します。
一定の断面形状が連続する盛土では、断面積に延長を掛けて体積を求められます。断面積が20平方メートル、延長が50メートルで一定なら、完成体積は1,000立方メートルです。
実際の道路や造成地では、地盤高や計画高が変化するため、断面積が一定でないことが一般的です。その場合は、隣り合う断面の面積を平均し、断面間の距離を掛ける平均断面法を用います。前断面積をA1、後断面積をA2、断面間距離をLとすると、区間体積Vは次の関係で求めます。
V=(A1+A2)÷2×L
前断面積が12平方メートル、後断面積が18平方メートル、断面間距離が20メートルなら、区間体積は300立方メートルです。各区間の体積を合計して、対象範囲全体の盛土体積を算出します。
地形が急変する位置、盛土の始点と終点、構造物の前後、法面形状が変わる位置などでは、断面間隔が広すぎると誤差が大きくなる可能性があります。必要に応じて追加断面を設け、現況と計画形状を適切に表現します。
広い造成面では、現況地盤面と計画地盤面の標高差から体積を求めます。格子法では、対象範囲を格子に分割し、各格子の代表的な盛土厚に格子面積を掛けて体積を求めます。三次元面を使用する方法では、現況面と計画面を三角形等で表現し、両面の間にある体積を計算します。
構造物が盛土範囲内にある場合は、控除の扱いを確認します。擁壁、暗渠、排水管、集水桝、基礎コンクリートなどの体積を控除するかどうかは、設計数量や契約条件によって異なります。すでに数量計算書で控除済みの体積を再度控除すると、必要土量を過小に計算してしまいます。
表土剝ぎを行う場合は、表土撤去後の地盤面を盛土開始面として扱う必要があります。地盤改良材や置換材を別数量で施工する場合も、盛土量との重複計上を避けます。
この段階で得た数量が締固め後の完成体積であることを確認したうえで、次の手順で運搬時のほぐし土量へ換算します。設計数量が地山土量や搬入土量で示されている場合は、同じ換算を機械的に行わず、数量の基準状態に合わせて計算します。
手順2 土量変化率を考慮して運搬土量へ換算する
完成盛土体積が分かったら、締固めた状態の体積を、ダンプで運搬するほぐした状態の体積へ換算します。この換算には土量変化率を使用します。
土量変化率では、地山土量を基準とし、ほぐし率Lと締固め率Cを用いる整理が一般的です。Lは「ほぐし土量÷地山土量」、Cは「締固め土量÷地山土量」です。この定義を用いる場合、締固め土量からほぐし土量への換算は次の関係になります。
ほぐし土量=締固め土量×L÷C
例えば、締固め後の完成盛土体積が1,000立方メートルで、対象材料に設定したL÷Cが1.25であれば、計画上のほぐし土量は1,250立方メートルです。ただし、1.25は説明用の例であり、すべての土質や現場に共通する値ではありません。
土量変化率は、砂質土、粘性土、礫質土、岩塊などの材料区分に加え、含水状態、掘削方法、粒度、締固め機械、施工層厚、締固めの管理条件によって変わります。設計図書や施工計画書に係数が示されている場合は、その適用範囲と定義を確認して使用します。
指定がない場合は、発注者の積算基準や数量算出基準、土質試験、試験施工、類似工事の実績などを根拠に設定します。異なる資料から係数を引用する場合は、LとCの定義、対象土質、基準となる土の状態が一致しているかを確認します。
資料によっては、締固め土量に対するほぐし土量の比を直接「換算係数」として示すことがあります。この場合は完成体積にその係数を掛けます。一方、締固め土量をほぐし土量で割った比率が示されている場合は、その比率で完成体積を割ります。係数名だけで判断せず、分子と分母を確認することが重要です。
現場内の切土を盛土へ流用する場合は、切土数量の基準状態も確認します。切土数量が地山体積で示されているなら、ほぐし土量は地山土量にLを掛け、完成可能な締固め土量は地山土量にCを掛けて整理できます。地山土量と完成盛土量をそのまま比較しないようにします。
搬入土を重量で購入または管理する場合は、重量から体積へ換算するための密度が必要です。ここで使用するのは、積載時の状態に対応した湿潤密度または単位体積質量です。乾燥密度や締固め後の密度をそのまま積載体積の計算に使用すると、換算条件が一致しない場合があります。
施工中には、搬入したほぐし土量と、転圧後に形成された盛土体積を比較します。計画係数と実績の差が大きい場合は、材料区分、含水状態、積載量、測量範囲、締固め条件などを確認し、残り数量の計画を補正します。
荷こぼれ、荷台への付着、異物除去、仮置き時の混入、施工範囲外への流出などにより、搬入量の全量が完成盛土へ反映されないこともあります。ただし、損失分は根拠なく一律に上乗せせず、現場条件と実績に基づいて別管理します。
手順3 土の密度と車両の積載条件を確認する
運搬するほぐし土量を求めたら、使用するダンプ1台に実際にどれだけ積載できるかを確認します。積載量は、荷台の容積と車両の重量上限の両方から検討します。
公道を走行する車両では、車検証等に記載された最大積載量を超えないことが前提です。車両や経路によっては、車両総重量、軸重、道路の重量制限、通行許可条件なども関係します。運搬計画は、使用車両と運搬経路に適用される法令、許可、現場ルールを確認して決定します。
土の積載重量は、積載体積に積載時の湿潤密度を掛けて概算できます。例えば、積載時の湿潤密度を1.6トン毎立方メートル、積載体積を5立方メートルとすると、積載重量の概算は8トンです。この値は説明用であり、実際の密度は材料と含水状態に応じて確認します。
ここで、トン毎立方メートルで扱う値は質量を基準にした密度です。設計資料にキロニュートン毎立方メートルで単位体積重量が示されている場合は、単位と用途を確認し、積載重量の計算で混同しないようにします。
重量上の積載可能体積は、最大積載重量を積載時の湿潤密度で割って求めます。最大積載重量が8トン、湿潤密度が1.6トン毎立方メートルなら、重量上の積載可能体積は5立方メートルです。
一方、荷台には形状と容積による上限があります。重量上は5立方メートルを積めても、荷台の安全な実用容積が4.5立方メートルなら、計画積載量は4.5立方メートル以下です。反対に、荷台容積が6立方メートルでも、5立方メートルで重量上限に達するなら、5立方メートル以下で計画します。
したがって、1台当たりの計画実積載量は、重量上の積載可能体積と荷台の安全な実用容積を比較し、小さい方を上限として設定します。実際には、積み込みのばらつき、含水状態の変化、荷台への付着、材料の粒径、荷姿の安定性も考慮し、上限ぎりぎりの固定値にしないことが重要です。
降雨後の土や地下水を多く含む土は、同じ体積でも質量が増える場合があります。見た目の荷姿だけで判断すると、最大積載量を超えるおそれがあります。必要に応じて計量結果、重量伝票、積載管理記録などで確認します。
粘性土は荷台へ付着しやすく、荷下ろし後の残留土によって次便の積載可能量が減ることがあります。礫や岩塊を含む材料は空隙が生じやすく、荷台の容積を均一に使えないことがあります。大きな岩塊が含まれる場合は、荷姿の安定や飛散防止にも配慮します。
運搬経路に幅員、高さ、重量、時間帯などの制限がある場合は、使用できる車両形式が限定されます。現場出入口が狭い、仮設道路が急勾配である、旋回場所が不足している、軟弱な走行路で沈下が懸念されるといった条件も、車両選定と実積載量に影響します。
手順4 1台当たりの実積載量から必要台数を計算する
運搬するほぐし土量と、1台当たりの計画実積載量が決まれば、必要な延べ運搬回数を計算できます。
必要運搬回数=運搬するほぐし土量÷1台当たりの実積載量
運搬するほぐし土量が1,250立方メートル、1台当たりの実積載量が5立方メートルなら、必要運搬回数は250回です。この250回は、250台の車両を同時に用意するという意味ではなく、1回の積載運搬を1台回として数えた延べ回数です。
計算結果に小数が出た場合は、必要量を下回らないよう、計画上は原則として整数へ切り上げます。運搬土量が1,253立方メートル、1台当たり5立方メートルなら、250.6回となるため、251回を基本に計画します。最終便は端数分だけ積載することがあります。
複数形式の車両を使用する場合は、車両区分ごとに積載量と予定回数を分けます。5立方メートル積載の車両を150回、3立方メートル積載の車両を100回使用するなら、計画運搬量は750立方メートルと300立方メートルの合計1,050立方メートルです。
単純な平均積載量だけで計算すると、車種構成や運行回数が変わったときに誤差の原因を追いにくくなります。配車表では、車両区分、計画積載量、計画回数、計画運搬量を分けて管理します。
重量伝票で管理する場合は、必要運搬重量も併せて算出できます。運搬するほぐし土量に積載時の湿潤密度を掛けて総重量を概算し、1台当たりの計画積載重量で割れば、重量基準の必要回数を確認できます。
体積基準と重量基準の結果が大きく異なる場合は、密度、実積載量、土量変化率、荷台容積、材料区分の設定を見直します。体積と重量は水分量や空隙の影響を受けるため、両者が完全に一致するとは限りませんが、差の理由を説明できる状態にしておくことが大切です。
予備数量を設定する場合は、根拠なく一律の割合を加えるのではなく、確定数量と変動数量を分けます。未確定の法面整形、路肩調整、沈下補正、設計変更の可能性がある範囲などを別枠にすれば、当初計画と追加数量を区別できます。
手順5 施工条件を反映して配車計画を確定する
必要運搬回数が求められても、1日に必要な実車両数はまだ確定しません。実車両数を求めるには、1台が1日に何往復できるかを算出し、施工日数と処理能力を反映します。
1循環に必要な時間は、積み込み時間、出発待ち、往路走行、現場受付、現場内走行、荷下ろし、退出待ち、復路走行などを合計して求めます。経路や時間帯によって所要時間が変わる場合は、実測値や運行記録を使います。
積み込み15分、往路30分、待機と荷下ろし20分、復路25分なら、1循環は90分です。実働時間を7時間とすると、単純計算では4回程度が一つの目安になります。ただし、休憩、点検、給油、交通渋滞、積み込み待ちなどがあるため、継続して実現できる回数かを確認します。
必要運搬回数が250回、1台が1日に4回運搬できるなら、必要な延べ稼働量は62.5台日です。10日で完了させる場合は、単純計算で1日6.25台となるため、端数を含む日の配分を考えて7台程度を基準に検討します。
ただし、車両を増やせば必ず日量が増えるわけではありません。積み込み機械の能力、積み込み場所の待機スペース、現場入口の受付能力、荷下ろし場所、敷き均し機械、転圧機械、誘導員などの処理能力が上限になります。
1台の積み込みに10分かかる場合、停止なく作業できたとしても理論上の処理能力は1時間当たり6台です。到着が集中すれば待機列が発生します。荷下ろし側で同時に受け入れられる台数が少ない場合も、搬入時刻を分散させる必要があります。
運搬距離が長い場合は、渋滞、通学時間帯、住宅地、交差点、右左折、工事車両の通行規制などの影響を受けます。往路と復路が異なる場合は、それぞれの所要時間を把握します。
天候や材料状態も配車へ影響します。降雨で積み込み場所や運搬路が軟弱化した場合、盛土材料の含水状態が締固めに適さない場合、施工面が搬入量を受け入れられない場合には、車両を増やしても待機が増えるだけになることがあります。
日ごとの計画運搬量を設定したら、計画運搬量を1台当たりの実積載量で割って1日の必要運搬回数を求め、その回数を1台当たりの日往復回数で割って実車両数を算出します。
1日に200立方メートルを運び、1台当たり5立方メートルを積載するなら、必要運搬回数は40回です。1台が1日4回運搬できるなら、必要な実車両数は10台です。
施工初日は、積み込み時間、往復時間、待機時間、実積載量、荷下ろし時間、敷き均し速度、転圧速度を記録します。計画と実績を比較し、2日目以降の配車台数や到着間隔を調整します。
盛土形状別に体積を計算する方法
盛土体積の計算方法は、対象形状によって選びます。直方体に近く、長さ、幅、高さがほぼ一定なら、それらを掛けて概算できます。長さ40メートル、幅10メートル、平均高さ2メートルなら、体積は800立方メートルです。
ただし、盛土高が変化する範囲で最大高さを全体に掛けると過大になり、低い端部の高さだけを用いると過小になります。複数地点の高さと範囲を確認し、形状を表せる断面や格子を設定します。
法面を含む台形断面では、天端幅だけでなく法面部分を含めて断面積を求めます。鉛直1に対して水平1.5の法勾配で盛土高が2メートルなら、片側の水平長は3メートルです。天端幅8メートルで左右が同じ法面なら、底面幅は14メートルになります。
この場合の断面積は、天端幅と底面幅の和を2で割り、盛土高を掛けて求めます。断面形状が延長方向に一定なら、その断面積に延長を掛けます。
道路盛土では、横断勾配、片勾配、路肩、側溝、法面、小段などがあり、単純な台形では表せない場合があります。断面を三角形や台形に分割し、それぞれの面積を合計します。
縦断方向に地盤高が変わる場合は、測点ごとの断面積を求め、平均断面法で各区間の体積を計算します。測点間で形状が大きく変わる箇所には断面を追加します。
造成地のように平面的に広く盛土厚が変わる場合は、格子法や三次元面の差分計算が有効です。格子法では、各格子の四隅等の標高差から代表厚を求め、格子面積を掛けます。格子の設定方法は、使用する計算基準やソフトウェアの算出方法に合わせます。
格子間隔を細かくすると地形変化を反映しやすくなりますが、元の測量密度が不足していると、細かく設定しても実際の精度が上がるとは限りません。地形の複雑さ、測量点の密度、要求精度に応じて設定します。
三次元面による計算では、現況面と計画面の座標系、高さ基準、境界、面の接続状態を確認します。自動計算の数値だけでなく、断面、標高差分布、切盛り境界などを表示し、異常な凹凸や範囲外の面が含まれていないか確認します。
ダンプ台数の計算で起こりやすい間違い
代表的な間違いは、締固め後の完成盛土体積を荷台容量で直接割ることです。荷台内の土はほぐし状態であるため、完成体積から運搬体積へ換算する必要があります。
次に、荷台の公称容積をそのまま実積載量とする間違いがあります。高密度の土や含水量の多い土では、荷台が満杯になる前に最大積載量へ達する場合があります。重量上の積載可能体積と荷台の安全な実用容積を比較します。
密度を固定値として扱うことにも注意が必要です。同じ土質名称でも、粒度、含水状態、混入物、積み込み時の締まり方によって密度は変わります。降雨前後や材料区分の切り替わり時には、計量実績等で確認します。
単位を混同する間違いもあります。トン毎立方メートルで示す湿潤密度と、キロニュートン毎立方メートルで示す単位体積重量は、数値の意味と単位が異なります。積載重量を計算するときは、使用する単位をそろえます。
土量変化率の定義を取り違えると、掛けるべき係数を割るなどの誤りが生じます。LとCを使用する場合は、Lがほぐし土量と地山土量の比、Cが締固め土量と地山土量の比であることを確認します。
延べ運搬回数と実車両数の混同にも注意します。計算結果が250台回でも、250台を同時配車する意味ではありません。工期と1台当たりの日往復回数から、実車両数を別に求めます。
盛土範囲内の構造物を二重に控除する間違いもあります。設計数量ですでに控除された暗渠や基礎を再度控除すると、必要土量が過小になります。控除されていない構造物を含めたままにすると、過大になる可能性があります。
表土剝ぎ後の地盤面を反映しない場合も誤差が生じます。表土撤去前の地盤面と計画面の差だけで計算すると、撤去厚に対応する盛土量が不足することがあります。
残工事量を計算するときに当初地形を使い続けると、施工済み部分を再計上するおそれがあります。残り土量は、原則として最新の施工面と最終計画面の差から求めます。
全便を同じ積載量とみなすことも、実績管理の誤差につながります。車種、材料、含水状態、積み込み方法によって積載量は変動します。車両、便数、積載重量、搬入時刻、材料区分を記録し、計画との差を確認します。
土量とダンプ台数を施工中に管理する方法
盛土工事では、着工前の計算だけでなく、施工中の実績管理が重要です。土量変化率、密度、積載量、施工範囲には不確かさがあるため、搬入実績と完成量を照合します。
基本となるのは日ごとの搬入記録です。搬入日、車両、便数、材料区分、積み込み場所、荷下ろし場所、計画積載量、実績重量などを記録します。重量伝票がある場合は、総重量、空車重量、正味重量を確認します。
体積管理では、車両区分ごとの実積載量に便数を掛けて搬入体積を求めます。ただし、設定した積載量が継続して妥当か、計量結果や荷姿から定期的に検証します。
盛土側では、施工範囲、施工層、仕上がり高、転圧後の面積を記録します。各層の転圧後の形状を確認することで、搬入したほぐし土量がどの程度の完成体積になったかを把握できます。
例えば、ほぐし土として500立方メートル相当を搬入し、転圧後の測量体積が390立方メートルだった場合、対象区間における実績上の換算関係を確認できます。ただし、一部区間だけの結果を全工区へそのまま適用せず、材料区分や施工条件が同じかを確認します。
土取場内で材料が変化する場合や、盛土区域ごとに締固め条件が異なる場合は、区分ごとに実績を整理します。異なる材料を一つの平均値にまとめると、残り数量の予測が不安定になることがあります。
毎日の終了時には、計画搬入量、実績搬入量、累計搬入量、転圧後の施工量、推定残量を更新します。差が生じた場合は、密度、積載量、土量変化率、測量範囲、境界、材料損失、施工済み数量を確認します。
余剰土が発生すると仮置きや場外搬出が必要になり、不足すると追加材料の確保や工程変更が必要になります。完成直前ではなく、施工途中で残量を更新し、配車計画へ反映します。
運搬回数と車両台数を区別して考える
「ダンプ台数」という言葉は、数量計算、見積り、施工計画、日報、配車表で異なる意味に使われることがあります。誤解を避けるため、延べ運搬回数、実車両数、車両稼働台日を分けて記載します。
延べ運搬回数は、総運搬土量を1台当たりの実積載量で割って求めます。実車両数は、1日の必要運搬回数を1台当たりの日往復回数で割って求めます。車両稼働台日は、日ごとの稼働車両数を合計した値です。
必要運搬回数が240回で、1台が1日4回運搬するなら、必要稼働量は60台日です。10日で施工するなら1日平均6台、5日で施工するなら1日平均12台が単純計算上の目安です。
ただし、積み込み能力が1時間当たり5台までなら、車両を増やしても待機が増える可能性があります。荷下ろし、敷き均し、転圧の能力も含め、現場全体の処理能力に合わせます。
運搬距離が短ければ1台の日往復回数が増え、必要な実車両数を抑えられる場合があります。長距離運搬や渋滞の多い経路では往復回数が減るため、同じ日量を確保するには車両数の増加や施工日数の見直しが必要です。
施工計画書や配車表には、総運搬土量、総運搬回数、日運搬量、日運搬回数、1台当たりの日往復回数、実車両数を区別して記載します。
盛土体積計算の精度を高める現場確認
盛土体積の精度を高めるには、設計図書だけでなく、施工前後の現場形状を正しく把握する必要があります。起伏が大きい現場で少数の測点から平均高さを決めると、局所的な窪地や盛り上がりを捉えられない場合があります。
施工前には、盛土範囲の境界、現況標高、表土撤去範囲、構造物位置、排水施設、既設物、施工済み部分を確認します。設計面と現況面の平面座標系、高さ基準、単位が一致していることも重要です。
測量データでは、座標系、高さ基準、点密度、欠測範囲、外れ値、計測時期を確認します。平面位置が合っていても高さ基準が異なれば、盛土厚が全体的にずれ、体積へ大きく影響します。
施工中は、各層の転圧後の仕上がり高と施工範囲を記録します。法肩、法尻、小段、構造物周辺、盛土端部など、形状が変化する箇所を重点的に確認します。
三次元計測によって施工面を取得できる場合は、最新の転圧後施工面と計画面の差から残り盛土量を算出できます。当初の総数量だけで管理するより、追加で必要な運搬回数を具体的に更新しやすくなります。
残り土量を計算するときは、仮置き土、車両のわだち、施工機械による盛り上がり、水たまり、未転圧部などが面データに含まれていないか確認します。一時的な形状を完成面として扱うと、残量が不安定になります。
敷き均し直後と転圧後では体積が異なるため、完成盛土体積との比較には、原則として転圧後の施工面を使用します。比較する測量時点と施工状態を記録し、異なる状態の面を混在させないようにします。
計算結果は、断面図、標高差分布、切盛り境界などで視覚的に確認します。特定範囲だけ異常に大きな盛土量が出た場合は、計画面、現況面、境界、座標、高さ基準、面の接続を点検します。
盛土の体積計算方法とダンプ台数算出のまとめ
盛土の体積からダンプ台数を算出する際は、完成盛土体積を荷台容量で単純に割るのではなく、土の状態変化と車両の積載条件を順番に反映します。
最初に、設計図書や現況測量から、数量の基準状態を確認したうえで完成盛土体積を求めます。一定断面なら断面積と延長、断面が変化する区間では平均断面法、広い造成地では格子法や三次元面の差分計算を使用します。
次に、土量変化率を用いて、締固め土量を運搬時のほぐし土量へ換算します。LとCを用いる場合は、ほぐし土量を「締固め土量×L÷C」で求めます。係数は土質や施工条件によって異なるため、設計図書、適用基準、試験結果、施工実績を確認します。
その後、最大積載量、積載時の湿潤密度、荷台の安全な実用容積から、1台当たりの実積載量を設定します。重量上の積載可能体積と荷台容積を比較し、小さい方を上限として、積み込みのばらつきや含水状態も考慮します。
運搬するほぐし土量を1台当たりの実積載量で割れば、必要な延べ運搬回数を算出できます。さらに、1台当たりの循環時間、日往復回数、施工日数、積み込みと荷下ろしの処理能力を反映して、実際に配車する車両数を決めます。
施工開始後は、搬入記録、重量伝票、転圧後の施工面測量を照合し、密度、実積載量、土量変化率、残り土量を更新します。計画値だけに頼らず、現場実績を用いて補正することで、終盤の不足や余剰を抑えやすくなります。
盛土の体積計算方法で重要なのは、地山、ほぐし、締固めの状態を混同しないことです。設計数量、運搬数量、施工実績がどの状態の土量かを明示し、同じ基準へ換算して比較します。
広い造成地や複雑な形状の現場では、スマートフォンや測量機器などの現場計測端末を用いて施工面を記録し、計画面との差から残り土量を確認する方法もあります。ただし、使用する機器や計測方法の精度、座標系、高さ基準、適用範囲を確認し、必要に応じて通常の測量や検測と組み合わせて管理することが大切です。