現場で即土量を把握して仮置き場を計画する重要性
掘削工事や造成工事では、発生した土砂をその日のうちにすべて場外へ搬出できるとは限りません。搬出先の受入条件、運搬車両の手配、土質確認、再利用の判断、周辺道路の通行条件などによって、一時的に現場内へ土砂を置く仮置き場が必要になることがあります。 このとき、仮置き場の面積を感覚だけで決めると、工事の途中で土砂を置き切れなくなるおそれがあります。仮置き場が満杯になると、掘削作業を一時停止したり、予定外の場所へ土砂を移したり、新たな搬出先を急いで探したりしなければなりません。反対に、必要以上に広い仮置き場を確保すると、重機の作業場所、資材置き場、車両通路、現場事務所周辺などを圧迫します。 そこで重要になるのが、現場で即土量を把握し、その数値から仮置き場の必要面積を算出することです。仮置き予定の土量と積み上げ高さの関係を整理すれば、候補地に収まるかどうかを早い段階で判断できます。 ただし、土量を予定する高さで単純に割るだけでは、実際の必要面積を小さく見積もる可能性があります。土砂は周囲に法面を形成するため、仮置き場の全面が同じ高さになるわけではありません。また、搬入車両の通路、重機の旋回範囲、排水設備、土砂流出を防ぐ余白も必要です。 仮置き場面積を実務で算出するときは、土量の状態、最高高さ、有効平均高さ、法面形状、作業余白を順番に整理します。計算条件を明確にしておけば、工事の進行に応じて土量が変わった場合も、必要面積や残り容量を更新しやすくなります。
仮置き場の必要面積を求める基本的な考え方
仮置き場の必要面積を概算する基本式は、仮置きする土量を有効平均高さで割る考え方です。 仮置き土砂が占める面積=仮置きする土量÷有効平均高さ 例えば、仮置き土量が600立方メートルで、有効平均高さを1.2メートルと設定した場合、土砂そのものが占める面積は500平方メートルです。 600立方メートル÷1.2メートル=500平方メートル しかし、この500平方メートルは土砂の占有部分だけを示しています。実際に仮置き場を運用するには、運搬車両の通路、荷下ろし場所、重機の旋回場所、外周の点検スペース、排水経路などを追加しなければなりません。 そこで、土砂が占める面積に作業余裕係数を掛けて、仮置き場全体の必要面積を求めます。 仮置き場の総必要面積=仮置き土砂が占める面積×作業余裕係数 作業余裕係数を1.3とした場合、土砂面積500平方メートルに対して総必要面積は650平方メートルになります。 500平方メートル×1.3=650平方メートル この作業余裕係数は、すべての現場で一律に使用できる数値ではありません。搬入と搬出が同時に行われる仮置き場、複数の土質を区分する仮置き場、重機が山の上へ進入する仮置き場では、より広い余裕が必要になる場合があります。 一方で、隣接する工事用道路を共用でき、搬入方向が一方向に限定され、土砂を奥から順番に積み上げられる場合は、比較的小さな余裕で運用できることもあります。初期計画では係数を使って概算し、その後に配置図や現地条件を確認して調整する進め方が実務的です。
計算に使う土量の状態をそろえる
仮置き場面積の計算では、どの状態の土量を使用しているかを明確にする必要があります。土砂の体積は、掘削前の地山状態、掘削後にほぐされた状態、締固め後の状態で異なる可能性があるためです。 掘削前後の地形差分から算出した土量は、一般に掘削前の地盤形状を基準とした体積です。一方、仮置き場へ搬入される土砂は、掘削によってほぐされた状態になっています。掘削前の土量をそのまま仮置き面積の計算に使うと、実際に必要となる容量との差が生じることがあります。 例えば、掘削前後の計測によって地山土量が500立方メートルと求められたとします。掘削後の状態を見込むための現場係数を1.2と設定する場合、仮置き場の計画に使う土量は600立方メートルです。 500立方メートル×1.2=600立方メートル ただし、1.2という数値をあらゆる土質に適用できるわけではありません。砂質土、粘性土、礫を含む土、岩塊が混ざる土では、掘削後の空隙や塊の大きさが異なります。さらに、掘削方法、積込方法、運搬中の振動、仮置き時の整形方法によっても体積は変化します。 現場で利用できる実績値がある場合は、過去の搬出記録、運搬車両の台数、仮置き山の実測結果などを照合し、現場に合った係数を設定します。根拠が十分でない場合は、単一の数値で断定せず、複数の条件で必要面積を試算しておくと安全です。 計算書や日報には、数値だけでなく「地山状態」「ほぐし後の計画値」「仮置き山の実測値」など、土量の状態を記録します。状態の異なる数字を同じ土量として扱わないことが、仮置き場不足を防ぐ基本です。
最高高さと有効平均高さを区別する
仮置き場の高さを1メートルに設定したからといって、仮置き範囲の全面が1メートルになるわけではありません。土砂の中央部は計画高さまで積めても、外周部は地盤面に向かって低くなります。そのため、土量を最高高さで割るだけでは、必要面積を過小に算出する可能性があります。 仮置き場面積の計算では、最高高さとは別に有効平均高さを設定します。有効平均高さは、仮置き山全体を同じ面積の直方体に置き換えたときの平均的な高さと考えると分かりやすくなります。 有効平均高さ=仮置きの最高高さ×平均高さ係数 例えば、最高高さが2メートルで、平均高さ係数を0.6と仮定した場合、有効平均高さは1.2メートルです。 2メートル×0.6=1.2メートル 平均高さ係数は、仮置き山の平面形状、天端の広さ、法面の割合によって変わります。広い天端を持つ大きな山は、最高高さに近い部分が多いため、平均高さ係数が比較的大きくなります。一方、小規模な山、細長い山、天端がほとんどない山は、法面部分の割合が大きくなるため、平均高さ係数が小さくなりやすいと考えられます。 初期計画では仮の平均高さ係数を使用できますが、敷地形状を無視して固定値だけで決めることは避けます。同じ最高高さでも、正方形に近いまとまった範囲と、細長い帯状の範囲では収容できる土量が異なるからです。 仮置き場を選定するときは、最高高さだけでなく、実際にどの程度の平均高さを確保できる形状なのかを確認します。面積、高さ、法面形状を一体で考えることが重要です。
法面を含む仮置き形状を考える
仮置き土砂の外周には法面が形成されます。法面の形状は、土質、含水状態、土塊の大きさ、積み上げ方法、仮置き期間などによって変わります。計画段階では、法面が敷地境界や通路へ広がることを見込まなければなりません。 例えば、図面上で20メートル四方の範囲を仮置き場として確保しても、その外周ぎりぎりまで高く積めるわけではありません。中央部に高い土砂を置くほど、周囲の法尻は外側へ広がります。境界線から十分な余裕がなければ、予定した高さまで積み上げられない可能性があります。 仮置き山の平面形状は、できるだけまとまりのある形にする方が、面積を有効に使いやすくなります。正方形や円形に近い形状は、同じ面積でも外周長が比較的短くなります。外周長が短いほど、全体に占める法面部分の割合を抑えやすくなります。 反対に、細長い敷地に帯状の仮置き山をつくると、長い両側面に法面が生じます。そのため、最高高さを上げても有効平均高さが想定ほど増えず、計算上の面積削減効果が小さくなることがあります。 また、敷地内に既設水路、仮設道路、資材置き場、構造物、埋設物などがある場合、仮置き範囲が分断されます。合計面積だけを見れば十分でも、複数の小さな区画に分かれていると、各区画の法面割合が増えて収容可能量が減少します。 仮置き場を計画する際は、空いている面積の合計だけでなく、土砂をまとまった形で置けるかを確認します。必要に応じて簡易的な断面や平面配置を作り、法尻まで含めた範囲が敷地内に収まるかを検討します。
作業通路や排水を含めた総面積を求める
仮置き場には、土砂を置く範囲以外にもさまざまなスペースが必要です。搬入車両の進入経路、荷下ろし位置、重機の旋回範囲、搬出時の積込場所、外周を点検するための通路などを確保しなければなりません。 土砂面積だけを敷地いっぱいに配置すると、搬入が進むにつれて作業場所が失われます。入口付近へ土砂を置き過ぎると、後から来た車両が奥へ進めなくなります。重機が土砂を押し広げる場所を確保していなければ、仮置き山を計画した形状に整えられません。 雨天時の対応も必要です。仮置き土砂から濁水が流出しないよう、排水経路、集水部分、必要な保護範囲を設けます。仮置き場の周囲に既設排水がある場合でも、土砂によって水の流れをふさがないようにしなければなりません。 作業余裕係数を使う場合は、何のための余裕を含めているかを明確にします。単に「30パーセントの余裕」と記載するだけでは、後から通路幅や排水範囲を変更した際に妥当性を確認しにくくなります。 仮置き場面積を算出した後は、実際の敷地図へ土砂範囲と作業範囲を配置します。計算上は面積が足りていても、出入口の位置、車両の進行方向、既設物の配置によって運用できないことがあるためです。
高さ1メートルで仮置きする場合の計算例
ここからは、仮置きする計画土量を600立方メートルとして、高さ別に必要面積を比較します。比較条件をそろえるため、平均高さ係数は0.6、作業余裕係数は1.3と仮定します。 まず、最高高さを1メートルとする場合です。有効平均高さは、最高高さに平均高さ係数を掛けて求めます。 1メートル×0.6=0.6メートル 次に、計画土量600立方メートルを有効平均高さ0.6メートルで割ります。 600立方メートル÷0.6メートル=1000平方メートル 土砂そのものが占める面積は1000平方メートルです。さらに、車両通路、重機作業、排水、外周余白を含めるため、作業余裕係数1.3を掛けます。 1000平方メートル×1.3=1300平方メートル この条件では、仮置き場の総必要面積は約1300平方メートルです。 高さ1メートルの仮置きは、比較的低い形状になるため、山全体の状態を確認しやすい利点があります。地上から山頂付近を見渡しやすく、重機を仮置き山の上へ進入させずに整形できる場合もあります。 一方で、低く積むほど広い敷地が必要です。1300平方メートルの候補地があっても、既設道路や排水設備、資材置き場を除いた有効面積が不足することがあります。また、仮置き場の外周が長くなるため、土砂流出の監視や外周管理の範囲も広がります。 高さを抑える計画は、単純に安全側とは限りません。広い範囲に土砂を置くことで、現場内の車両動線が複雑になったり、複数の作業区画へ干渉したりする可能性があります。低く積む場合も、工程全体との調整が必要です。
高さ2メートルで仮置きする場合の計算例
次に、同じ600立方メートルを最高高さ2メートルで仮置きする場合を考えます。平均高さ係数を0.6とすると、有効平均高さは1.2メートルです。 2メートル×0.6=1.2メートル 土砂が占める面積は、計画土量600立方メートルを有効平均高さ1.2メートルで割って求めます。 600立方メートル÷1.2メートル=500平方メートル 作業余裕係数1.3を掛けると、総必要面積は650平方メートルです。 500平方メートル×1.3=650平方メートル 同じ条件で比較すると、高さ1メートルの場合の約1300平方メートルに対し、高さ2メートルでは約650平方メートルになります。計算上は必要面積が半分です。 ただし、実際の仮置き場で正確に半分になるとは限りません。高さが増えると法面の水平幅も広がります。敷地が細長い場合、中央に十分な高さを確保できず、平均高さ係数が0.6より小さくなる可能性があります。 高さ2メートルの仮置き山を計画どおりにつくるには、積み上げ順序も重要です。入口付近から無計画に積むと、奥側へ運搬車両や重機が入れなくなります。奥から順に積む方法や、中央部へ土砂を運びながら外周を整形する方法など、現場条件に合った手順を決めます。 搬出時のことも考えておく必要があります。搬入した順番と使用する順番が異なる場合、必要な土砂が山の奥や下部に入り、取り出すために別の土砂を移動する作業が発生します。仮置き高さだけでなく、土砂の利用予定も配置に反映することが大切です。 高さ2メートルは、面積の縮小と作業性の両方を検討しやすい条件の一つですが、現場ごとに重機の能力や敷地形状が異なります。計算結果をそのまま採用せず、法尻位置と作業動線を確認して決定します。
高さ3メートルで仮置きする場合の計算例
続いて、同じ600立方メートルを最高高さ3メートルで仮置きする場合です。平均高さ係数を0.6とすると、有効平均高さは1.8メートルになります。 3メートル×0.6=1.8メートル 土砂が占める面積は次のとおりです。 600立方メートル÷1.8メートル=約333平方メートル 作業余裕係数1.3を掛けると、総必要面積は約433平方メートルになります。 約333平方メートル×1.3=約433平方メートル 同じ仮定で比較した場合、高さ1メートルの約1300平方メートル、高さ2メートルの約650平方メートルに対し、高さ3メートルでは約433平方メートルです。限られた敷地へ多くの土砂を仮置きするうえで、高さを確保する効果が大きいことが分かります。 しかし、高さ3メートルの仮置きでは、面積以外の条件をより慎重に確認する必要があります。法面が敷地境界や道路へ近づかないか、元の地盤が仮置き土の荷重を受けられるか、使用する重機で積み上げと搬出ができるかを確認します。 重機を山の上へ進入させる場合は、斜路の設置も必要です。斜路には幅と長さが必要であり、その部分は土砂の収容だけに使える面積ではありません。作業余裕係数1.3では斜路を十分に含められない場合もあるため、配置を個別に検討します。 山頂が敷地の一方へ偏ると、片側の法尻が計画範囲を超える可能性があります。高い山ほど、中心位置や法面形状のずれが外周位置へ影響しやすくなります。搬入途中で高さと法尻を確認し、偏りを早めに修正することが重要です。 約433平方メートルという結果は、比較のために一定の係数を使った概算値です。実際の必要面積は、斜路、作業通路、排水、敷地境界との離隔などを加え、現場に合った形へ調整します。
高さ別3例を比較するときの注意点
高さ別3例を比較すると、最高高さを上げるほど計算上の必要面積は小さくなります。しかし、高く積めば必ず効率が良くなるわけではありません。 高さが増えると、法面の水平幅が大きくなります。重機が上部へ進入する場合は斜路が必要です。山の上部を整形する作業や、搬出時に土砂を崩して積み込む作業にも、十分な場所が求められます。 また、同じ平均高さ係数を使用した比較は、計算条件を分かりやすくするためのものです。実際には、高さ1メートルの山と高さ3メートルの山で、同じ平均高さ係数になるとは限りません。敷地形状が小さい場合、高さを上げるほど法面部分の割合が増え、平均高さ係数が低下することも考えられます。 仮置き場が傾斜地にある場合は、元の地盤の高さも影響します。低い側では仮置き土の厚さが大きくなり、高い側では小さくなります。最高高さだけを管理しても、平坦地と同じ体積にはなりません。 高さを比較するときは、必要面積だけでなく、施工性、地盤条件、周辺への影響、排水、搬入と搬出の方法、仮置き期間を含めて判断します。面積を最小にすることよりも、工事を止めずに安全に運用できることが優先されます。
土質や含水状態による体積変化を見込む
仮置き土量は、時間の経過や天候によって変化することがあります。掘削直後の土砂は土塊や空隙を含み、体積が大きくなりやすい状態です。その後、自重、降雨、重機の走行、積み直しなどによって締まり、体積が小さくなる場合があります。 反対に、降雨によって表面が崩れ、法尻が外側へ広がることもあります。土量そのものが大きく変化していなくても、占有面積が増える可能性があります。排水が不十分な場所では、土砂が軟らかくなり、重機が近づけない範囲が生じることもあります。 粘性の強い土、砂分の多い土、礫を含む土では、仮置き時の形状が異なります。異なる土質を同じ平均高さ係数で計算すると、実際の占有面積との差が大きくなる場合があります。 仮置き期間が長い場合でも、将来の沈下を見込んで当初の必要面積を小さくするのは慎重に判断すべきです。搬入直後に土砂を置き切れなければ、仮置き場として機能しません。基本的には、搬入時に想定される状態を基準に計画し、実際の変化は再計測によって確認します。 土量を測定したときは、測定日、直前の天候、土砂の状態、搬入や搬出の状況を記録します。数値に差が生じた場合、測定誤差だけでなく、土砂の状態変化や範囲線の違いも確認できるようにしておきます。
仮置き場の敷地条件を確認する
候補地の敷地面積と、実際に土砂を置ける有効面積は同じではありません。敷地内には、工事用道路、既設水路、資材、仮設設備、埋設物、構造物、架空線などが存在する場合があります。 仮置き場の有効範囲を決める際は、土砂の山頂ではなく法尻が到達できる限界線を設定します。敷地境界ぎりぎりまで仮置き範囲に含めると、降雨や整形作業によって土砂が境界外へ広がるおそれがあります。 候補地が傾斜している場合は、表面上の面積だけでなく、重機が安全に走行できるか、運搬車両が進入できるかを確認します。地盤が軟弱な場合は、仮置き土の荷重による沈下や車両の走行性にも注意が必要です。 仮置き場の周辺に排水経路がある場合、土砂でふさがないようにします。雨水が仮置き山へ流れ込む地形になっていると、表面侵食や濁水の発生につながる可能性があります。仮置き前に地盤の傾斜と水の流れを把握しておくことが重要です。 面積計算の前に、使用できない範囲を候補地の面積から除外します。そのうえで、残った有効範囲に法面を含む仮置き山と作業通路を配置します。
搬入と搬出を止めない配置を考える
仮置き場は、土砂が入るだけでは十分ではありません。搬入車両が進入し、土砂を下ろし、重機が整形し、必要な時期に再び積み込める配置であることが必要です。 入口付近から無計画に土砂を置くと、早い段階で奥への通路がふさがります。搬入を開始する前に、奥から積むのか、区画ごとに積むのか、中央へ集めるのかを決めておきます。 車両が後退して荷下ろしする場合は、見通しや誘導方法も考慮します。複数の車両が連続して搬入する場合は、待機場所やすれ違いの可否も必要面積に影響します。 搬出を同時に行う場合、搬入車両と搬出車両が交差すると、作業が滞る可能性があります。可能であれば動線を分け、難しい場合は時間帯や進行方向を調整します。 仮置き場の最大必要容量は、工事全体の発生土量と同じとは限りません。毎日一定量を搬出できる場合、仮置き場に滞留する最大土量は総発生土量より小さくなることがあります。 一方、搬出先の受入停止や天候によって搬出が遅れる可能性がある場合は、通常時の平均滞留量だけで計画すると不足します。工程表から搬入量と搬出量の推移を確認し、最大滞留量を想定して必要面積を決めます。
複数の土質を分けて仮置きする方法
仮置き土を現場内で再利用する場合、土質ごとに区分して保管することが重要です。表土、埋戻しに使う土、礫を多く含む土、処理方法が異なる土などを混ぜると、後から用途別に取り出しにくくなります。 複数区画に分ける場合、土量の合計だけで面積を計算すると不足することがあります。各区画に法面が必要となり、区画間の識別スペースや重機通路も必要になるためです。 例えば、600立方メートルを一つの山にする場合と、300立方メートルずつ二つの山に分ける場合では、後者の方が外周長が増える傾向があります。外周が増えると法面部分の割合も増え、同じ最高高さでも全体の有効平均高さが小さくなる可能性があります。 区画を分ける際は、再利用予定の早い土を入口に近い場所へ置き、長期間保管する土を奥側へ配置すると、移動回数を減らしやすくなります。ただし、奥側へ置く土によって排水経路や車両通路をふさがないように注意します。 仮置き場ごとに識別名を付け、測定結果も区画単位で管理します。全体の土量だけを記録すると、どの区画に余裕があるのか、どの土質がどれだけ残っているのか分からなくなるためです。
仮置き中の土量を再計測して残容量を管理する
仮置き場面積は、工事開始前の計算だけで管理するのではなく、搬入後の実測結果を使って更新します。掘削の進行や搬出予定の変更によって、仮置き場へ滞留する土量は変化します。 仮置き場の計画可能容量から、現在の仮置き土量を差し引けば、残りの受入可能量を概算できます。 残り受入可能量=仮置き場の計画可能容量-現在の仮置き土量 例えば、計画可能容量が600立方メートルで、現在の実測土量が420立方メートルであれば、単純計算上の残容量は180立方メートルです。 600立方メートル-420立方メートル=180立方メートル ただし、土量に余裕があっても、山の形状が偏っていると追加搬入できないことがあります。入口側だけが高くなっている場合、奥へ土砂を運べません。法尻が境界へ近づいている場合も、計画容量まで積めない可能性があります。 再計測では、土量だけでなく最高高さ、法尻位置、作業通路の残り幅を確認します。前回と比較する場合は、同じ基準面、同じ座標条件、同じ範囲線を使うことが重要です。 測定範囲が毎回変わると、数値の増減が実際の搬入や搬出によるものなのか、計算条件の違いによるものなのか分からなくなります。仮置き場の境界を固定し、測定日時と作業記録を対応させて管理します。
仮置き場面積の算出で起こりやすい失敗
最も起こりやすい失敗は、最高高さをそのまま平均高さとして土量を割ることです。外周法面を考慮しないため、必要面積が実際より小さく算出されやすくなります。 次に、地山土量とほぐし後の土量を混同する失敗があります。掘削前後の差分で求めた土量が、そのまま仮置き状態の体積になるとは限りません。どの状態の土量を使っているかを明記する必要があります。 作業通路や重機の旋回範囲を含めず、土砂面積だけで候補地を選ぶことにも注意が必要です。土砂を置けても、搬入車両が入れず、重機が整形できなければ仮置き場として運用できません。 候補地の合計面積だけを確認し、形状を見ないことも問題です。同じ500平方メートルでも、まとまった正方形に近い敷地と、複数に分断された細長い敷地では収容可能量が異なります。 仮置き前の地盤面を記録していない場合、仮置き後の土量算出で基準面を推定しなければなりません。特に傾斜地や凹凸のある地盤では、推定方法によって結果が変わる可能性があります。 測定値と日報を比較するときに、時刻をそろえない失敗もあります。午前中に測定した土量と、夕方までの搬入台数を比較しても、数量は一致しません。測定時点までの搬入量と搬出量を対応させます。 計算結果を確定値として扱うことも避けます。仮置き場の必要面積は、土質、天候、作業方法によって変化します。計算値は計画の基礎として使い、実際の仮置き形状を確認しながら更新することが重要です。
LRTK Phoneを活用した仮置き土量管理
仮置き場の必要面積を検討するには、候補地の地盤形状と仮置き後の土砂形状を把握することが有効です。LRTK Phoneを活用すれば、現場で位置情報を持つ計測データを取得し、仮置き範囲、高さ、土量を確認する運用につなげられます。 仮置き開始前には、候補地の外周、地盤の高低差、既設道路、排水設備、障害物などを確認します。使用できない場所を除き、土砂を置ける有効範囲を整理します。 事前に地盤面を計測しておけば、仮置き後の形状との差分から土量を確認しやすくなります。傾斜や凹凸がある敷地では、単純な水平面ではなく、仮置き前の地盤形状を基準にすることが重要です。 仮置き開始後は、定期的に山の形状を確認します。計画した法尻範囲に収まっているか、最高高さを超えていないか、入口側へ偏っていないかを把握し、必要に応じて重機の作業位置や搬入順序を調整します。 測定結果は、仮置き場の識別名、測定日時、測定範囲、土量、最高高さなどと合わせて保存します。複数の仮置き場がある場合は、場所ごとに管理することで、余裕のある場所と満杯に近い場所を判断しやすくなります。 現場で即土量を確認できれば、仮置き場が満杯になる前に、搬出車両の追加、搬出時期の前倒し、別区画の準備、掘削工程の調整などを検討できます。計画値と実測値を繰り返し比較することが、仮置き場を安定して運用するためのポイントです。
まとめ
現場で即土量から仮置き場の必要面積を算出する際は、土量を予定する最高高さで単純に割るだけでは不十分です。仮置き土砂には法面が形成されるため、最高高さより低い有効平均高さを設定する必要があります。 さらに、土砂が占める面積だけでなく、搬入車両の通路、重機の作業範囲、排水、外周余白、土質ごとの区画などを加えて、仮置き場全体の必要面積を求めます。 今回の計算例では、仮置きする計画土量を600立方メートル、平均高さ係数を0.6、作業余裕係数を1.3と仮定しました。その結果、最高高さ1メートルでは約1300平方メートル、最高高さ2メートルでは約650平方メートル、最高高さ3メートルでは約433平方メートルとなりました。 ただし、これらは高さによる違いを比較するための概算例です。実際の必要面積は、土質、含水状態、法面形状、敷地の高低差、重機の作業方法、搬入と搬出の動線、仮置き期間によって変わります。 仮置き場計画では、最初に概算面積を算出し、敷地図上で法面と作業動線を確認し、仮置き開始後に実測土量と形状を再確認する流れが有効です。土量だけでなく、山の偏り、法尻位置、残りの通路幅も確認することで、計画容量へ達する前の運用上の問題を発見しやすくなります。 仮置き場の地盤形状や土砂の積み上がりを現場で計測し、現在土量と残り容量を継続的に確認したい場合は、LRTK Phoneを活用した三次元計測と土量管理を検討してみてください。