流動化処理土の打設で現場土量を把握する目的
流動化処理土の打設では、現場へ搬入された数量と、埋め戻し対象へ実際に入った数量が一致しないことがあります。材料の一部が圧送配管やポンプの内部に残るほか、ホッパーへの残留、試験用の採取、配管洗浄時の回収、施工範囲外への流出などが生じるためです。
搬入伝票に記載された数量だけを合計して出来高とすると、配管やポンプの中に残った材料まで打設済みとして扱う可能性があります。反対に、打設開始時から配管内に残っていた流動化処理土が今回の施工箇所へ押し出された場合、その量は今回の搬入数量には含まれませんが、実際の充填量には含まれます。
現場で即土量を把握する目的は、単に投入した数量を集計することではありません。施工対象へ実際に入った数量を求め、残りの必要量、追加手配の要否、打設終了の時期、設計数量との差を判断できる状態にすることです。
流動化処理土は流動性があるため、既設管の下側、構造物の背面、砕石層の隙間、掘削底面の局部的な深掘れなどへ入り込みます。見た目の天端が上昇しない場合でも、必ずしも材料が失われているとは限りません。計画上の対象空間として把握できていなかった部分へ充填されている可能性があります。
一方、型枠の隙間、未閉塞の管路、地盤内の空洞などへ流出している場合もあります。投入量だけを見て施工を続けると、必要量を大きく超えても原因を把握できません。一定量を打設するごとに対象空間の残量と照合し、数量差が拡大する前に原因を確認することが重要です。
現場で即土量を求めるには、施工前の対象体積、搬入数量、配管内数量、回収数量、施工後の出来形を一つの収支として整理します。どの数字も単独では実打設量を表さないため、同じ施工区画と同じ時間範囲にそろえて比較する必要があります。
搬入量と実打設量が一致しない理由
流動化処理土の数量管理では、搬入量、投入量、圧送量、実打設量を区別する必要があります。搬入量は現場へ到着した数量です。投入量は搬入された材料のうち、ポンプやホッパーへ実際に入れた数量です。圧送量は圧送系統へ送られた数量であり、実打設量は施工対象へ最終的に充填された数量です。
搬入された材料の一部が搬入容器に残れば、搬入量と投入量に差が生じます。ポンプへ投入した後でも、ホッパー、ポンプ内部、直管、曲管、ホース、継手、分岐部などに材料が残れば、圧送量と実打設量に差が生じます。
品質確認のために採取した材料や、接続部からこぼれた材料も施工対象には入りません。配管洗浄で回収した排出物についても、その中に含まれる流動化処理土の数量を実打設量から除く必要があります。
さらに注意したいのが、施工区画を切り替えながら同じ配管を使う場合です。前の区画を打設した後、配管内に流動化処理土が残ったまま次の区画へ移ると、その残量は次の区画へ押し出される可能性があります。
前の区画では、終了時の配管残量として実打設量から除きます。次の区画では、開始時に配管内にあった材料として実打設量へ加えます。この移し替えを行わないと、前の区画と次の区画のどちらにも計上されないか、反対に両方へ重複計上されます。
配管残量を扱う際は、配管の内部容量そのものと、実際に流動化処理土が入っている数量を区別します。配管容量が0.3立方メートルであっても、内部の一部が空気や水で占められていれば、流動化処理土の残量は0.3立方メートル未満です。
打設終了時に配管内の材料を施工対象へ押し出した場合も、配管容量の全量を控除する必要はありません。実際に残った区間だけを計算します。現場で即土量を出すには、容量計算だけでなく、材料がどこからどこへ移動したかを確認することが欠かせません。
確認1 打設対象空間の体積を施工前に確定する
配管残量を正しく除いても、打設対象空間の体積が不明確であれば、残りの必要量を判断できません。最初に、流動化処理土が入る空間と入らない部分を区分し、施工前の必要量を求めます。
単純な矩形の掘削部であれば、長さ、幅、高さを掛けて体積を計算できます。しかし、実際の施工箇所には既設管、基礎、マンホール、支持材、仮設材、構造物の張り出しなどが存在します。これらの体積を外形空間から控除しなければ、必要量を過大に見積もります。
反対に、既設管の下側や構造物の背面など、流動化処理土を回り込ませる部分は対象空間に含めます。図面上では単純な断面に見えても、実際の掘削底面に深掘れや凹凸があれば、設計数量より多く入ることがあります。
掘削底面が不規則な場合は、施工範囲を複数の区画に分け、区画ごとの平面積と平均深さから体積を求めます。形状が変わる位置、既設管の周囲、端部の法面、深掘れ部などを同じ平均深さで処理すると、局所的な変化が薄められてしまいます。
例えば、全体の平面積が40平方メートルで平均深さが1メートルに見えても、一部の10平方メートルがさらに0.2メートル深く掘られていれば、その部分だけで2立方メートルの追加空間があります。施工前に把握していなければ、打設中に2立方メートルの数量差が発生したように見えます。
流動化処理土を入れない構造物についても、外形寸法だけで控除できるとは限りません。円形管であれば外径から円柱体積を計算し、複数本ある場合はそれぞれの延長を確認します。管の一部だけが対象範囲に入る場合は、施工区画内に存在する延長だけを控除します。
施工前の対象体積は、設計図から求めた計画数量と、現地計測から求めた施工数量を分けて記録します。図面数量は契約や手配の基準として必要ですが、現場で即土量を判断する際は、実際の掘削形状を反映した施工数量が重要です。
打設前に砕石や埋め戻し材を追加した場合、対象空間はその分だけ減ります。反対に、追加掘削や崩れによって空間が広がれば必要量が増えます。施工直前の状態を基準として体積を確定し、変更があれば記録を更新します。
確認2 配管の内径と実延長から内部容量を計算する
円形配管の内部容量は、配管の内側断面積に実延長を掛けて求めます。内径をD、実延長をLとした場合、配管容量は次の式で表せます。
配管容量=円周率×D×D÷4×L
内径と延長をメートル単位で入力すれば、計算結果は立方メートルになります。内径をミリメートルで確認した場合は、1000で割ってメートルへ換算してから計算します。
例えば、内径0.05メートル、実延長40メートルの配管であれば、内部容量はおよそ0.079立方メートルです。内径が小さく見えても、延長が長くなると残量は無視できません。
内径0.075メートル、実延長50メートルであれば、内部容量はおよそ0.221立方メートルです。複数回の打設や区画変更がある現場では、この配管内数量を正しく移し替えないと、区画ごとの出来高に差が生じます。
計算には呼び径や外径ではなく、配管内部の実際の径を使用します。同じ呼び方で管理されている配管でも、肉厚や構造によって内径が異なることがあります。直管と柔軟なホースで内径が違う場合もあるため、系統全体を一つの径で計算しないようにします。
異なる内径の配管を組み合わせている場合は、区間ごとに容量を計算して合計します。内径D1、延長L1の区間と、内径D2、延長L2の区間がある場合は、それぞれの容量を求めて足し合わせます。
曲管や湾曲したホースの延長は、配管中心に沿った実延長を使用します。圧送時の抵抗を考慮した換算延長は、圧力損失を評価するための値であり、内部容量を求める実延長とは異なります。換算延長を容量計算へ使うと、残量を過大に算出する可能性があります。
継手、分岐部、先端ノズル、ポンプ内部、ホッパーも、終了時に材料が残る場合は数量管理の対象です。形状が複雑で幾何計算が難しい部分は、内部容量の資料、充填試験、排出量の実測などから管理値を決めます。
同じ設備構成を繰り返し使う場合は、配管系統ごとに標準容量を登録しておくと、現場で即土量を計算しやすくなります。ただし、延長、分岐、接続順序が変わった場合は、その日の実際の構成に合わせて更新します。
配管容量の計算値は、配管が満管である場合の上限です。施工終了時に一部が空気へ置き換わっている場合や、勾配によって材料が排出されている場合は、容量全体を残量として控除しません。満管区間の長さや回収量から、実際の残量を判断します。
確認3 打設開始時と終了時の配管残量を分ける
配管残量を除く計算で最も重要なのは、開始時と終了時を分けることです。終了時残量だけを機械的に搬入量から引くと、開始時に配管内へ存在した材料の扱いを誤る可能性があります。
空配管から打設を開始した場合、開始時の流動化処理土残量はゼロです。最初に投入した材料は配管内部を満たしながら先端へ進むため、先端から材料が出るまでの供給量は、主に配管充填へ使われます。
終了時に配管を満管のまま撤去し、内部材料を別の場所で回収した場合は、配管内に残った流動化処理土を今回の実打設量から除きます。配管全体が満管であれば、計算した内部容量を残量の目安にできます。
空配管から開始し、終了時に配管内材料を施工対象へ押し出した場合は、終了時残量が小さくなります。この場合、配管容量の全量を実打設量から差し引くと、対象箇所へ実際に入った材料まで控除することになります。
前の施工区画から流動化処理土が配管内に残った状態で打設を開始した場合は、開始時残量を確認します。その材料が今回の区画へ押し出されたのであれば、今回の搬入量に開始時残量を加えて実打設量を計算します。
ただし、工事全体の累計数量を求める場合に、開始時残量を新たな材料として二重に加算してはいけません。前区画から次区画へ数量を移す処理として扱います。前区画では終了時残量として除き、次区画では開始時残量として加えることで、材料が実際に入った区画へ配分できます。
開始時に配管内へ水や先行材が入っている場合、その全量を流動化処理土として加算することはできません。水や先行材が施工対象へ排出された場合は、流動化処理土の数量計算とは分け、品質管理上の扱いを確認します。
終了時に押出し用の水を使った場合は、配管先端から出たものすべてが所定状態の流動化処理土とは限りません。水と混ざった部分を対象外として回収した場合、その材料分は実打設量から除きます。
配管残量は、満管容量に充填割合を掛ける考え方でも整理できます。配管容量が0.2立方メートルで、実際に流動化処理土が入っていると判断した区間が全体の半分であれば、残量の目安は0.1立方メートルです。
ただし、充填割合を目視だけで決めると担当者によって判断が変わります。配管を分割して回収する位置、材料が排出されなくなった時点、回収容器の数量など、判断根拠を記録します。
確認4 回収材や洗浄排出などの対象外数量を除く
実打設量から除く数量は、配管残量だけではありません。搬入容器やホッパーへ残った材料、返却した材料、試験採取分、こぼれ、洗浄排出、対象範囲外への流出なども確認します。
搬入量が10立方メートルであっても、搬入容器に0.05立方メートルが残り、そのまま返却された場合、ポンプへ投入された数量は9.95立方メートルです。最初から施工系統へ入っていないため、実打設量の計算では搬入量から除きます。
ホッパー内の残量も同様です。施工終了時にホッパーへ材料が残り、別の場所で回収または処分した場合は、施工対象へ入っていません。ホッパーの形状が単純であれば、底面積と平均深さから概算できます。
品質確認のための採取量も、対象範囲へ戻していなければ控除します。一回の採取量は小さくても、複数回の試料採取を行うと合計値が無視できない場合があります。採取回数だけでなく、一回当たりの量を記録します。
配管洗浄時の回収物には、流動化処理土と水が混ざることがあります。回収容器の全体積を流動化処理土として控除すると、実際より多く差し引く可能性があります。配管容量、洗浄開始時の状態、材料から水へ切り替わった時点を基に、流動化処理土部分を推定します。
配管残量と洗浄回収量の二重控除にも注意が必要です。配管内に残っていた0.2立方メートルを洗浄によって回収した場合、配管残量0.2立方メートルと回収量0.2立方メートルを両方引いてはいけません。同じ材料を異なる記録で表しているためです。
この場合は、終了時に配管内へ存在した数量が、洗浄によって回収容器へ移動したという一つの流れとして整理します。計算上は、確認精度の高い方を控除数量に採用し、もう一方は照合用の記録として残します。
型枠の隙間や未閉塞の管路から対象範囲外へ流れた材料も、計画した出来高の対象外であれば除く必要があります。ただし、流出先も埋め戻し対象として承認される範囲であれば、単純な損失とは限りません。施工計画上の対象範囲を確認して判断します。
こぼれや漏れは、発生箇所の面積と平均厚さ、回収容器の容量などから数量を概算します。「少量」とだけ記録すると、後から数量収支を再現できません。概算値であっても、求め方を併記することが大切です。
確認5 打設後の出来形と数量収支を照合する
供給量から配管残量や回収量を除いて実打設量を求めた後は、施工後の出来形と照合します。計算上の実打設量だけでは、施工対象が適切に充填されたか判断できないためです。
打設後は、天端高さ、施工範囲、未充填部、沈下、漏れ跡などを確認します。流動化処理土の表面に浮き水がある場合、水面を完成面として扱わないよう注意します。材料の状態が落ち着いた時点で、基準となる高さを確認します。
施工前の対象空間が10立方メートルで、供給収支から求めた実打設量が9.8立方メートルであれば、残りの空間、施工許容範囲、測定誤差などを確認します。天端が計画高さに達していなければ、追加打設が必要になる可能性があります。
反対に、対象空間が10立方メートルであるのに実打設量が11立方メートルとなった場合は、施工前体積の過小評価、想定外空隙への充填、対象範囲外への流出、配管残量の計算漏れなどを確認します。
出来形体積を求める際は、供給収支と同じ施工範囲を使います。供給数量が区画全体の値であるのに、出来形計測が中央部だけでは比較できません。施工継ぎ目、構造物境界、配管の切替位置などを使い、管理区画を一致させます。
測点を使って出来形を求める場合は、端部、中央部、構造物周辺などで高さを確認します。一点だけの高さを全体へ適用すると、表面勾配や局部的な沈下を見落とします。
三次元計測を利用する場合は、施工前後で同じ座標と高さ基準を使います。高さ基準が数センチメートルずれるだけでも、広い面積では大きな体積差になります。例えば、100平方メートルの範囲で高さが0.02メートルずれると、体積差は2立方メートルになります。
供給収支と出来形体積が完全に一致するとは限りません。施工前計測の死角、材料状態の変化、表面計測のばらつきなどが影響するためです。重要なのは、差の大きさを把握し、原因を説明できる記録を残すことです。
配管残量を除いた実打設量の計算方法
配管残量を反映した実打設量は、材料の入出庫として整理すると分かりやすくなります。基本的な考え方は次のとおりです。
実打設量=今回の搬入量+開始時の流動化処理土残量-終了時の流動化処理土残量-未投入量-回収量-試験採取量-対象外流出量
この式に含める開始時残量は、今回の施工対象へ実際に押し出された流動化処理土です。配管内に水や異なる材料が入っていた場合は加算しません。
未投入量には、搬入容器に残った数量や返却数量を含めます。回収量には、ホッパー残量、配管から回収した材料、施工に使用しなかった排出物などを含めます。
終了時配管残量と回収量が同じ材料を指している場合は、重複して控除しません。終了時に配管内にあった材料をその後回収したのであれば、一つの数量として扱います。
例えば、今回の搬入量が12.0立方メートル、開始時の配管内残量が0.15立方メートル、終了時に配管とホッパーへ残った数量が0.25立方メートル、搬入容器の残量が0.05立方メートル、試験採取量が0.02立方メートル、対象外への流出が0.08立方メートルだったとします。
この場合の実打設量は、次のように求めます。
12.0+0.15-0.25-0.05-0.02-0.08=11.75立方メートル
施工前に求めた対象空間が11.8立方メートルであれば、計算上の差は0.05立方メートルです。出来形の高さや測定条件に問題がなければ、おおむね整合していると判断できる可能性があります。
一方、終了時残量0.25立方メートルが洗浄後の回収容器から実測した数量であり、別途回収量としても0.25立方メートルを記録している場合は、どちらか一方だけを控除します。
施工区画ごとに計算する場合は、前区画の終了時残量と次区画の開始時残量を対応させます。前区画で0.2立方メートルを終了時残量として除き、その全量を次区画へ押し出した場合、次区画では0.2立方メートルを開始時残量として加えます。
工事全体の累計では、材料が区画間を移動しただけなので、開始時残量と終了時残量が相殺されます。ただし、どの区画へ充填されたかを求めるには、この移動記録が必要です。
現場で即土量を更新する施工中の手順
現場で即土量を把握するには、打設終了後にまとめて計算するのではなく、施工中に数量を更新します。最初に施工区画の対象体積を確定し、配管構成と開始時状態を記録します。
打設を開始したら、配管先端から流動化処理土が安定して出始めた時点を確認します。開始から材料到達までに使用した数量を、計算した配管容量と照合します。大きな差がある場合は、配管延長、内径、ホッパー残量、漏れなどを確認します。
搬入便ごとに、搬入量、投入開始時刻、施工区画、投入終了時刻を記録します。複数区画へ一便を分けて使用する場合は、区画切替時点の数量を記録できる方法を決めておきます。
一定量を投入するごとに、天端の上昇、充填範囲、漏れの有無を確認します。想定より天端が上がらない場合は、そのまま投入を続けず、下部空隙への充填、配管内への滞留、対象外流出などを調べます。
施工途中でホースを延長した場合は、追加した区間の内部容量を計算します。延長区間が空であれば、その区間を満たすための数量が必要です。反対に、材料が入ったホースを取り外した場合は、内部材料をどこへ排出したか確認します。
残りの対象体積は、計画体積からその時点までの推定実打設量を引いて求めます。ただし、供給量だけでなく、現在の配管内材料も考慮します。
例えば、残りの対象空間が0.7立方メートルで、配管内に0.2立方メートルがあり、そのうち0.15立方メートルを対象箇所へ押し出せる見込みであれば、新たな供給量は単純な0.7立方メートルではありません。配管から充填できる量を差し引き、施工上の余裕と残留見込みを考慮して判断します。
打設終了前には、終了時の配管処理方法を決めます。対象箇所へ押し出すのか、回収するのか、次区画へ残すのかによって、今回の実打設量が変わります。
現場で即土量を更新すると、追加手配の判断を早められます。また、想定外の数量差を施工中に発見できるため、過剰投入や未充填のリスクを抑えやすくなります。
配管構成が変わる場合の計算上の注意点
流動化処理土の打設では、施工位置の移動に合わせてホースを延長したり、不要な区間を取り外したりすることがあります。開始時と終了時で配管構成が同じとは限らないため、最初に計算した容量だけで施工全体を処理しないようにします。
配管を延長した場合は、延長区間が空の状態だったのか、あらかじめ材料や水で満たされていたのかを確認します。空配管を追加すれば、その区間の容量分が新たな配管充填に使われます。
配管を短縮した場合は、取り外した区間の内部材料を確認します。施工対象へ排出したのであれば実打設量に含まれます。回収容器へ排出したのであれば対象外数量です。内部に残したまま撤去した場合は、配管残量として控除します。
分岐配管を使用する場合は、実際に材料が入った枝管をすべて計算します。閉じていた枝管や使用しなかった枝管まで満管として計算すると、残量を過大に見積もります。
途中で配管が閉塞した場合は、閉塞区間内の材料処理を記録します。閉塞解除のために材料を排出または廃棄した場合、その数量は施工対象に入っていません。
閉塞解除後に再び空配管を充填した場合は、同じ配管容量が二度使われることがあります。一回目の配管内材料を廃棄し、二回目に新しい材料で充填したのであれば、廃棄数量と再充填数量を分けて記録します。
配管の勾配にも注意が必要です。打設終了時にポンプを止めると、勾配によって材料が先端側へ流れたり、低い区間へ集まったりすることがあります。全長が均一に満管で残るとは限りません。
配管の接続構成は、施工前、変更時、終了時に写真や簡単な配置図で残します。内径と延長だけでなく、どの区間をいつ使用し、内部材料をどこへ処理したかが分かれば、後から数量を再計算できます。
数量差が発生したときに確認する項目
計算した実打設量と施工前の対象体積が一致しない場合は、差を単純なロスとして処理せず、原因を順番に確認します。
最初に確認するのは、対象範囲です。施工前体積と供給収支が同じ区画を対象としているかを見直します。隣接区画へ一部の材料を使用していれば、区画間の振り分けが必要です。
次に、配管の内径と延長を確認します。外径を内径として入力していないか、ミリメートルとメートルを取り違えていないか、撤去したホースを終了時容量へ含めていないかを確認します。
開始時残量と終了時残量の記録も見直します。前区画から残っていた材料を加算していない場合や、対象箇所へ押し出した材料を終了時残量として控除している場合は、実打設量が少なく算出されます。
配管残量と洗浄回収量の二重控除も起こりやすい誤りです。同じ材料を二つの項目で引いていないか、数量の流れを時系列で確認します。
施工前の掘削形状も再確認します。図面より深く掘られた部分、崩れた側面、既設管周辺の空隙などがあれば、実際の対象体積は計画より大きくなります。
投入量に対して天端がほとんど上昇しなかった区間がある場合は、見えない空隙や対象範囲外への流出を疑います。型枠端部、構造物背面、接続管、排水経路などを確認します。
出来形計測側の誤差も考慮します。施工前後で高さ基準がずれている場合、対象範囲の切り出しが異なる場合、資材やホースが計測面を隠している場合は、体積差が発生します。
数量差を調査する際は、一つの推定値で無理に合わせるのではなく、確認できた数量と不明な数量を分けます。根拠がないまま配管ロス率などの一定割合で調整すると、次回施工でも同じ原因を見落とします。
LRTK Phoneで施工前後の形状を記録する方法
LRTK Phoneを活用する場合は、流動化処理土の搬入量を直接計量するのではなく、施工前後の三次元形状を記録し、対象空間や出来形の体積を確認する用途に使います。
施工前には、掘削底面、側面、既設管、基礎、マンホール、構造物の張り出しなど、充填空間を決める境界を記録します。流動化処理土が入らない構造物の外形も取得しておくと、体積計算時の控除対象を確認しやすくなります。
計測範囲にホース、工具、資材、仮設材などが置かれていると、その下の地形が隠れます。移動できる物は計測前に除き、移動できない物は別途寸法を測るか、控除対象として記録します。
既設管の下側や構造物の背面は死角になりやすいため、一方向からだけでなく、安全に計測できる複数方向から形状を取得します。安全に立ち入れない場所へ無理に接近せず、図面寸法や手計測を組み合わせます。
施工後は、表面状態が落ち着いた時点で天端形状を記録します。浮き水がある場合は、水面を流動化処理土の完成面として扱わないよう注意します。必要に応じて高さ管理点による測定も併用します。
施工前後のデータを比較する場合は、同じ座標基準、同じ高さ基準、同じ区画境界を使います。施工前は広い範囲、施工後は狭い範囲という状態では、正しい差分体積を求められません。
点群から求める体積は、計測できた面を基にした値です。既設管の下や深い隅部など、点が取得できていない部分を自動的に正確に再現できるとは限りません。欠測部分は設計形状や現地寸法によって補完します。
LRTK Phoneで施工前の掘削形状を残しておけば、埋め戻し後に見えなくなった深掘れや構造物周辺の空間を確認できます。数量差が生じた際にも、施工前の形状、計測範囲、控除物を見直しやすくなります。
現場で即土量を計算した結果と三次元記録を関連付けることで、単なる集計値ではなく、どの形状に対して算出した数量なのかを説明できます。再計算や関係者間の確認を行う際にも有効です。
日報と出来高資料に残すべき数量根拠
日報には、最終的な実打設量だけでなく、計算に使った内訳を残します。施工日、施工区画、打設開始時刻、終了時刻、搬入便ごとの数量、投入先を記録します。
配管については、内径、区間ごとの延長、分岐の有無、ポンプやホッパーの管理容量を記録します。施工途中で構成を変更した場合は、変更時刻と変更内容も必要です。
開始時の配管状態は、空、水、先行材、流動化処理土などに分けて記録します。流動化処理土が入っていた場合は、充填区間、推定数量、今回の施工対象へ押し出したかどうかを残します。
終了時は、配管内の残量、ホッパー残量、回収量、次区画へ持ち越した数量を記録します。材料を施工対象へ押し出した場合は、その処理方法も明記します。
未投入量、返却量、試験採取量、洗浄排出量、こぼれ、対象外流出については、数量と算出方法を残します。容器寸法から計算したのか、配管容量から推定したのか、実測したのかを区別します。
出来形側では、施工前対象体積、打設後の高さ、施工後体積、残り空間、供給収支との差を記録します。計測に使った基準点、基準高さ、施工区画の境界も必要です。
写真は、配管全景、接続状態、施工対象範囲、打設中の天端、終了時の配管やホッパー、回収容器などを撮影します。数量そのものが写らなくても、計算の前提となる状態を確認できます。
三次元計測を行った場合は、施工前後の計測日時、対象範囲、除外した物、使用した基準面、計算区画を記録します。数量値だけでなく、元の形状データを再確認できる状態にします。
出来高資料では、搬入量から何を加え、何を差し引いたかが分かる計算過程を示します。数量差が残る場合は、不明なまま数字を調整せず、確認できた原因と推定範囲を区別して記載します。
流動化処理土の土量管理で避けたい判断
避けたい判断の一つは、搬入伝票の合計をそのまま実打設量とすることです。配管、ホッパー、返却、採取、流出などを考慮しなければ、対象箇所へ入っていない材料まで計上する可能性があります。
二つ目は、配管容量の全量を毎回控除することです。終了時に配管内材料を対象箇所へ押し出している場合や、一部の区間が空になっている場合は、全量控除すると実打設量を過小に算出します。
三つ目は、開始時残量を無視することです。前区画から持ち越した流動化処理土が今回の区画へ入った場合、その数量を加えなければ今回の充填量が不足して見えます。
四つ目は、配管残量と回収量を重複して差し引くことです。数量項目の名称が異なっていても、同じ材料の移動を表している場合があります。時間順に材料の所在を整理して判断します。
五つ目は、設計体積だけを基準に追加手配を決めることです。実際の掘削形状が設計と異なれば、必要量も変わります。施工直前の現場形状を確認し、対象体積を更新します。
六つ目は、天端が上がらない状態をすべて配管充填によるものと判断することです。配管充填が完了した後も天端が上がらなければ、下部空隙や対象外流出を確認する必要があります。
七つ目は、体積差を一定のロス率だけで調整することです。ロス率を使う場合でも、配管容量、回収量、掘削形状など、確認可能な数量を先に整理します。
現場で即土量を把握するには、素早さと同時に再現性が必要です。担当者の経験だけで数字を調整するのではなく、配管寸法、材料の移動、施工前後の形状から同じ結果を再計算できるようにします。
まとめ
流動化処理土の打設で現場土量を正しく把握するには、搬入数量だけでなく、配管、ポンプ、ホッパー、回収材、施工前後の出来形を一つの収支として管理する必要があります。
最初の確認は、施工前に打設対象空間を確定することです。掘削部の外形から既設管や基礎などを控除し、深掘れや凹凸を反映した必要量を求めます。
二つ目は、配管の内径と実延長から内部容量を計算することです。異なる内径の区間は分けて計算し、呼び径や圧力損失用の換算延長を容量計算へ混在させないようにします。
三つ目は、開始時残量と終了時残量を分けることです。開始時に配管内へあった流動化処理土が今回の区画へ入った場合は加算し、終了時に残った材料は控除します。
四つ目は、返却、ホッパー残量、試験採取、洗浄排出、こぼれ、対象外流出を区別することです。同じ材料を配管残量と回収量の両方で控除しないよう、材料の移動を時系列で整理します。
五つ目は、計算した実打設量と打設後の出来形を照合することです。数量差がある場合は、対象範囲、掘削形状、配管構成、回収量、流出、計測基準を確認します。
施工前後の形状を三次元で記録しておけば、埋め戻し後に見えなくなった掘削面や構造物周辺を確認し、数量を再計算しやすくなります。配管残量を含む供給収支と現地形状を結び付け、現場で即土量を把握する仕組みづくりには、LRTK Phoneの活用が役立ちます。