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現場で即土量から改良材の必要量を算出|添加率別の4計算例

現場で即土量を把握して改良材を算出する意味

地盤改良工事で改良材の必要量を算出するには、改良対象となる土量と、設計または配合試験で定められた添加条件が必要です。基本的な考え方は単純ですが、現場の地盤面には起伏があり、改良範囲や改良深度も一様とは限りません。そのため、図面に記載された面積と代表深度だけで計算した計画数量が、実際に施工する土量と一致しないことがあります。

施工前の掘削や整地によって地盤面が変化している場合、当初の地盤高を基準にした数量をそのまま使うと、改良材を多く手配したり、反対に不足させたりする可能性があります。既設構造物、埋設物、仮設材、施工対象外の範囲などが含まれている場合も、実際の改良土量との差が生じます。

そこで重要になるのが、施工時点の形状を計測し、現場で即土量を把握することです。最新の現況地盤面と改良下端面の間の体積を求めれば、その時点で施工する可能性が高い土量を基に改良材の必要量を計算できます。施工範囲の変更が発生したときも、変更部分の土量を再計算することで、材料手配への影響を早期に確認できます。

改良材が不足すると、施工途中で材料の到着を待つことになり、重機や作業員の稼働計画に影響する場合があります。一方で、過剰に手配すると、保管場所の確保や残材の管理が必要になります。材料の保管条件によっては、湿気や雨水の影響を避けるための養生も欠かせません。

ただし、現場で即土量が求められたとしても、その数値に添加率を機械的に掛ければよいとは限りません。添加率の単位、土量の状態、土の密度、含水比、施工ロス、材料の荷姿などを確認する必要があります。本記事では、毎立方メートル当たりの添加量を用いる基本計算を中心に、添加量別の4つの計算例と、実務で注意したい補正方法を解説します。

改良材の必要量を求める基本式

添加条件が、改良土一立方メートル当たりの改良材質量で示されている場合、改良材の純必要量は次の考え方で算出できます。

改良材の純必要量=改良対象土量×一立方メートル当たりの添加量

たとえば、改良対象土量が500立方メートルで、添加量が80キログラム毎立方メートルの場合は、500に80を掛けます。

500立方メートル×80キログラム毎立方メートル=40,000キログラム

1,000キログラムを1トンとして換算すると、純必要量は40トンです。この40トンは、施工上のロスや発注単位を考慮する前の理論的な数量です。

計算では、土量と添加量の単位をそろえることが重要です。土量が立方メートルで示され、添加量がキログラム毎立方メートルで示されていれば、計算結果はキログラムになります。途中でトン単位へ変換する場合は、1,000で割ります。

添加量をトン毎立方メートルに変換してから計算する方法もあります。80キログラムは0.08トンなので、500立方メートルに0.08トン毎立方メートルを掛けても40トンです。ただし、現場内でキログラムとトンの表記が混在すると、桁を誤る原因になります。計算書では、原則として一つの単位に統一した方が確認しやすくなります。

また、改良材の必要量を計算するときは、純必要量、ロス込み数量、実際の手配量を分けて記録することが大切です。純必要量は土量と添加量だけから求めた数量です。ロス込み数量は、施工方法に応じた損失や残留を考慮した数量です。実際の手配量は、材料の荷姿、搬入単位、現場在庫などを反映した数量です。

これらを一つの数値として扱うと、施工後に計画数量と使用実績の差を検証しにくくなります。どの段階で何を加算または控除したのかが分かるように、計算過程を残しておくことが重要です。

計算前に確認する添加率の単位

地盤改良で使われる添加条件には、複数の表し方があります。代表的なのは、改良対象土一立方メートル当たりに何キログラムの改良材を投入するかを示す方法です。たとえば、50キログラム毎立方メートル、80キログラム毎立方メートル、100キログラム毎立方メートルといった表記です。

この場合は、改良対象土量に添加量を掛ければ純必要量を求められます。現場で即土量を確認した後、その数値を直接計算に使用できるため、施工計画や材料手配に反映しやすい方法です。

一方で、添加率が乾燥土質量に対する割合として、パーセントで示される場合があります。この場合、改良対象土量にパーセントを直接掛けることはできません。まず土の乾燥質量を求め、その質量に添加率を掛ける必要があります。

乾燥土質量を求めるには、一般に対象土量、湿潤密度、含水比などを使用します。そのため、土量だけを計測しても計算条件がそろわない場合があります。現場試験や事前調査で得られた値を確認し、適用する範囲や測定時期も整理する必要があります。

さらに、改良材を水と混合してスラリー状で投入する施工では、粉体としての改良材質量、練混ぜ水量、スラリー全体の質量または体積を区別します。スラリーの総量をそのまま改良材の必要量として扱うと、材料数量を誤る可能性があります。

計算を始める前には、設計図書、配合計画、試験結果、施工計画などを確認し、何を基準にした添加条件なのかを明確にします。「添加率80」という数字だけでは、単位や基準が分かりません。計算記録には「80キログラム毎立方メートル」のように、数値と単位を必ず併記します。

添加条件は、現場担当者の判断だけで変更するものではありません。土質や含水状態が想定と異なる場合は、所定の確認手順に沿って関係者と協議し、必要に応じて試験や配合の見直しを行います。土量計算は材料数量を求める作業であり、品質確保のための添加条件を独自に決定する作業とは分けて考える必要があります。

改良対象土量の範囲を確定する方法

改良材の必要量を正しく算出するには、最初に改良対象となる範囲を明確にします。平面的な境界だけでなく、深さ方向の境界も必要です。平面範囲が同じでも、改良深度が0.5メートル変われば、広い現場では土量が大きく変化します。

平面範囲は、設計図面、施工図、現地の位置出し結果などを基に確認します。構造物の直下だけを改良するのか、周囲の余裕幅を含めるのか、施工機械の幅を考慮した拡幅範囲があるのかを整理します。複数の図面で境界が異なる場合は、最新の承認図面を基準にします。

深さ方向については、現況地盤面から一定深度まで改良する場合と、所定の標高まで改良する場合があります。地盤面に起伏がある現場では、地表から一律の深さで計算する方法と、一定の下端標高まで計算する方法で土量が異なります。計算に使用する深度の基準を設計条件と一致させることが重要です。

改良対象内に既設構造物、埋設管、基礎杭、施工対象外の残置物などがある場合は、それらの体積を控除する必要があるか確認します。反対に、施工時の余掘りや追加改良が計画に含まれる場合は、その範囲を加えることがあります。

先行施工済みの範囲がある場合も注意が必要です。全体の設計範囲を再計算すると、施工済み部分を重複して計上する可能性があります。施工済み、未施工、変更範囲を分けて管理し、今回の材料手配に必要な土量だけを抽出します。

現場計測では、重機、資材、仮設材、土のう、植生などが地盤面として取り込まれることがあります。これらを含んだまま体積を計算すると、本来の改良土量とは異なる結果になります。計測前に移動できる物は移動し、移動できない物はデータ処理時に除外するなど、対象面を整えることが必要です。

計算範囲を確定したら、境界、基準標高、改良深度、控除対象、計測日を記録します。土量の数値だけを残すのではなく、その数値がどの範囲と条件から求められたのかを確認できる状態にしておくことが、後の数量照合に役立ちます。

計算例1|添加量50kg毎立方メートルの場合

最初の計算例では、現場で求めた改良対象土量を420立方メートル、添加量を50キログラム毎立方メートルとします。

純必要量は次の計算で求めます。

420立方メートル×50キログラム毎立方メートル=21,000キログラム

トンに換算すると21トンです。したがって、この条件における改良材の純必要量は21トンになります。

この土量を3つの施工区画に分け、各区画が140立方メートルである場合は、1区画当たりの純必要量を次のように計算できます。

140立方メートル×50キログラム毎立方メートル=7,000キログラム

1区画当たり7トンで、3区画の合計が21トンです。区画ごとに計算しておけば、一部の施工範囲が変更された場合も、その区画だけを修正できます。

仮に第3区画のうち20立方メートルが施工対象外になった場合、変更後の第3区画は120立方メートルです。

120立方メートル×50キログラム毎立方メートル=6,000キログラム

変更後の全体純必要量は、第1区画7トン、第2区画7トン、第3区画6トンを合計した20トンです。当初計画との差は1トンになります。

さらに、施工計画上のロス率を3パーセントとして計算する場合は、20トンに1.03を掛けます。

20トン×1.03=20.6トン

この20.6トンはロスを含めた計算数量です。実際の手配では、現場に使用可能な在庫があるか、材料の搬入単位がどのようになっているかを確認します。

この例では添加量が比較的小さいため、土量10立方メートルの差が材料0.5トンの差になります。小規模な境界変更では影響が小さく見えるかもしれませんが、複数の区画で差が重なると材料数量に無視できない影響が生じます。

また、420立方メートルが地山状態の土量なのか、掘削してほぐれた土山の体積なのかを確認する必要があります。添加条件が施工位置にある地山状態の土量を基準としている場合、ほぐし土量をそのまま使用することは適切ではない可能性があります。

計算書には、対象土量420立方メートル、添加量50キログラム毎立方メートル、純必要量21トンと、単位を含めて記録します。施工変更後は、変更前の数量を削除せず、変更理由と変更後の数量を残しておくと、材料使用実績を説明しやすくなります。

計算例2|添加量80kg毎立方メートルの場合

次の計算例では、改良対象土量を780立方メートル、添加量を80キログラム毎立方メートルとします。

純必要量は次のとおりです。

780立方メートル×80キログラム毎立方メートル=62,400キログラム

トンに換算すると62.4トンです。

この現場に使用可能な改良材が12トン保管されている場合、まず純必要量から在庫を差し引くのではなく、必要に応じてロス込み数量を求めた後で使用可能在庫を控除します。仮にロス率を5パーセントとする場合は、次の計算になります。

62.4トン×1.05=65.52トン

ロス込み数量65.52トンから、使用可能在庫12トンを差し引きます。

65.52トン-12トン=53.52トン

この場合、追加手配を検討する数量は53.52トンです。ただし、帳簿上の在庫量がすべて使用できるとは限りません。開封済みの材料、他工区で使用予定の材料、設備内に投入済みの材料、保管状態に確認が必要な材料などが含まれていないかを確認します。

改良対象土量780立方メートルを、第1工区300立方メートル、第2工区280立方メートル、第3工区200立方メートルに分けると、工区別の純必要量は次の考え方で求められます。

第1工区は300立方メートルに80キログラムを掛けるため24トンです。第2工区は280立方メートルに80キログラムを掛けるため22.4トンです。第3工区は200立方メートルに80キログラムを掛けるため16トンです。合計は62.4トンとなり、全体計算と一致します。

施工順序が第1工区、第2工区、第3工区である場合、すべての材料を一度に搬入するのではなく、施工工程に合わせて分けて搬入する方法も考えられます。現場の保管容量や搬入経路を確認し、施工予定土量に応じて搬入量を設定します。

たとえば、第1工区の施工後に実際の使用量が24.8トンだった場合、計算上の24トンより0.8トン多く使用しています。この差だけで直ちに異常とは判断できませんが、施工範囲、施工深度、設備内の残留、計量記録などを確認するきっかけになります。

施工済み工区の実績を確認し、残りの第2工区と第3工区に必要な数量を再計算すれば、後続の搬入計画を調整できます。現場で即土量を確認する運用は、最初の手配だけでなく、施工途中の残量管理にも有効です。

計算例3|添加量100kg毎立方メートルの場合

3つ目の計算例では、改良対象土量を1,250立方メートル、添加量を100キログラム毎立方メートルとします。

純必要量は次の計算になります。

1,250立方メートル×100キログラム毎立方メートル=125,000キログラム

トンに換算すると125トンです。

添加量100キログラム毎立方メートルは、トン単位では0.1トン毎立方メートルです。そのため、対象土量に0.1を掛けても必要量を求められます。

1,250立方メートル×0.1トン毎立方メートル=125トン

仮に施工上のロス率を4パーセントとして計算する場合は、125トンに1.04を掛けます。

125トン×1.04=130トン

ロス込み数量は130トンです。この数量から使用可能在庫を差し引き、搬入可能な単位に調整して手配量を決めます。

添加量100キログラム毎立方メートルの場合、土量10立方メートルの差が改良材1トンの差になります。そのため、施工範囲を50立方メートル多く計上すると、純必要量は5トン多くなります。大規模な現場では、わずかな境界のずれが全体数量へ大きく影響するため注意が必要です。

たとえば、1,250立方メートルのうち、既設基礎が占める体積30立方メートルを控除する必要がある場合、正しい改良対象土量は1,220立方メートルです。

1,220立方メートル×100キログラム毎立方メートル=122,000キログラム

純必要量は122トンとなり、控除前の125トンとの差は3トンです。

また、計測データ内に重機や仮置き資材が含まれ、地盤面が実際より高く作成されている場合も、土量が多く算出される可能性があります。広い面積では、数センチメートル程度の高さの差でも体積への影響が大きくなります。

施工期間中に地盤形状を繰り返し計測する場合は、同じ座標、高さの基準、範囲、基準面を使用します。計測のたびに異なる条件を使うと、施工による変化と計算条件による差を区別しにくくなります。

計測日ごとの土量を比較する場合は、初回土量、施工済み土量、残り土量の関係を確認します。施工済み土量に添加量を掛けた計算使用量と、実際の材料使用量を照合することで、材料管理の状態を確認できます。

計算例4|添加量150kg毎立方メートルの場合

4つ目の計算例では、改良対象土量を360立方メートル、添加量を150キログラム毎立方メートルとします。

純必要量は次のとおりです。

360立方メートル×150キログラム毎立方メートル=54,000キログラム

トンに換算すると54トンです。

ロス率を5パーセントとする場合は、54トンに1.05を掛けます。

54トン×1.05=56.7トン

ロス込み数量は56.7トンです。

添加量150キログラム毎立方メートルでは、土量10立方メートルの差が改良材1.5トンの差になります。改良対象土量を正確に把握する重要性は、添加量が大きいほど高くなります。

施工開始後に地中障害物が確認され、20立方メートルを改良対象から除外することになった場合、変更後の対象土量は340立方メートルです。

340立方メートル×150キログラム毎立方メートル=51,000キログラム

変更後の純必要量は51トンとなります。当初の54トンとの差は3トンです。施工前に全量を手配していた場合は、この差を後続工区で使用できるか、余剰材料として管理するかを検討します。

反対に、地盤状況により追加改良範囲が30立方メートル発生した場合は、追加の純必要量を次のように求めます。

30立方メートル×150キログラム毎立方メートル=4,500キログラム

追加の純必要量は4.5トンです。追加施工を行う場合は、数量計算だけでなく、変更手続きや品質管理上の確認を経て、適用する添加条件を確定します。

添加量が大きい条件では、過剰なロス率を設定した場合の上乗せ量も大きくなります。純必要量54トンに対して、ロス率3パーセントでは1.62トン、5パーセントでは2.7トン、8パーセントでは4.32トンが加算されます。

ロス率は材料不足を避けるために大きく設定すればよいものではありません。施工設備、投入方法、過去の使用実績、現場の保管条件などから妥当性を確認します。ロスの内訳を整理しておけば、次回の計画数量を改善するための資料にもなります。

パーセント表記の添加率を使う計算

添加率が乾燥土質量に対するパーセントで指定されている場合は、対象土量だけでは必要量を求められません。最初に対象土の湿潤質量を求め、含水比を使用して乾燥土質量へ換算します。

湿潤土質量は、対象土量に湿潤密度を掛けて求めます。

湿潤土質量=対象土量×湿潤密度

たとえば、対象土量が200立方メートル、湿潤密度が1.8トン毎立方メートルの場合、湿潤土質量は360トンです。

200立方メートル×1.8トン毎立方メートル=360トン

含水比が乾燥土質量に対する水の質量割合として20パーセントと示されている場合は、20パーセントを小数の0.20として使用します。乾燥土質量は、湿潤土質量を1に含水比を加えた値で割って求めます。

360トン÷1.20=300トン

乾燥土質量は300トンです。添加率が乾燥土質量に対して5パーセントの場合は、300トンに0.05を掛けます。

300トン×0.05=15トン

この条件での改良材の純必要量は15トンです。

パーセント表記の添加率を使う計算では、含水比の定義を確認する必要があります。一般的に土の含水比は、乾燥土質量に対する水の質量割合として扱われますが、使用する資料で同じ定義になっているかを確認してください。

また、湿潤密度と含水比が現場全体で一定とは限りません。土質が変化する範囲や、降雨後で含水状態が異なる範囲を一つの試験値で計算すると、実際の乾燥土質量との差が大きくなる可能性があります。

土質や含水状態が明確に異なる場合は、工区を分けて計算します。各工区の土量、湿潤密度、含水比から乾燥土質量を求め、それぞれに添加率を掛けてから合計します。

施工計画で毎立方メートル当たりの添加量へ換算済みの値が示されている場合は、その値を用いることで現場計算を簡潔にできます。ただし、その換算値が前提としている密度や含水比を確認し、現場条件との違いが大きくないかを判断する必要があります。

含水比と密度が必要量に与える影響

乾燥土質量に対する添加率を使用する場合、湿潤密度と含水比が改良材の必要量に影響します。同じ200立方メートルの土であっても、密度や含水比が異なれば乾燥土質量は変わります。

たとえば、湿潤密度1.8トン毎立方メートル、含水比20パーセントの条件では、200立方メートルの湿潤土質量は360トン、乾燥土質量は300トンです。

一方、湿潤密度が同じ1.8トン毎立方メートルでも、含水比が30パーセントの場合は、乾燥土質量を360トン÷1.30で計算します。結果は約276.9トンです。

添加率が5パーセントであれば、含水比20パーセントの条件では15トン、含水比30パーセントの条件では約13.85トンとなります。土量と湿潤密度が同じでも、含水比の違いによって計算結果が変わります。

ただし、この比較は計算上の例です。実際の添加条件は、土質、強度目標、施工方法、現場試験などを踏まえて設定されます。含水比が高いから単純に必要量が少なくなると判断することはできません。必要量の算出は、決定済みの添加条件を適用して行います。

湿潤密度も土質によって変化します。密度を小さく見積もると乾燥土質量が少なく算出され、改良材の必要量も少なくなります。反対に密度を大きく見積もると必要量が増えます。

現場内に複数の土質が存在する場合は、代表値だけで全体を計算するのではなく、試験位置と適用範囲を確認します。表層と深部で土質が異なる場合は、深度方向に区分して計算する方法も考えられます。

計測した土量の精度が高くても、密度や含水比の適用範囲が不適切であれば、必要量の計算精度は高まりません。土量計測、土質試験、添加条件を一体として管理することが重要です。

ロス率を反映した手配量の求め方

純必要量を計算した後は、施工中に生じる可能性があるロスと、材料の発注単位を考慮して手配量を決めます。

ロス込み数量は、純必要量に1とロス率の合計を掛けて求めます。

ロス込み数量=純必要量×1にロス率を加えた値

純必要量が40トン、ロス率が3パーセントの場合は、40トンに1.03を掛けます。

40トン×1.03=41.2トン

ロス込み数量は41.2トンです。

ロスとして考えられるものには、材料容器への付着、投入設備や搬送経路への残留、投入時の飛散、施工端部での調整、計量単位の丸めなどがあります。使用する材料の形態や施工設備によって、発生しやすいロスは異なります。

ロス率は根拠なく決めるのではなく、施工計画、過去の実績、設備の特性、材料供給条件などを確認して設定します。過去の同種工事で純必要量と実使用量の記録が残っていれば、差の原因を分析したうえで参考にできます。

ただし、過去の実使用量には、施工範囲の変更、記録上のずれ、残材、在庫移動などが含まれている可能性があります。単純に実使用量を純必要量で割った値を、すべてロスとして扱わないよう注意が必要です。

ロス込み数量を求めた後は、現場在庫を確認します。使用可能な在庫がある場合は、ロス込み数量から控除します。その後、材料の搬入単位に合わせて手配量を調整します。

搬入単位に合わせて切り上げた数量は、純必要量やロス込み数量とは分けて記録します。切り上げによって生じた分は、施工ロスではなく発注単位による余剰です。施工終了後の残量を確認するときに、この違いが分かるようにしておきます。

現場の保管容量が限られている場合は、全量を一度に手配せず、施工工程に合わせて分納します。初回搬入量を抑え、施工実績を確認した後に残りの数量を調整すれば、過剰在庫を抑えやすくなります。

地山土量とほぐし土量を区別する

土量には、地山状態の体積、掘削してほぐれた状態の体積、締め固めた後の体積などがあります。同じ土であっても、状態によって体積が変化するため、どの状態を基準にしているかを確認しなければなりません。

地盤改良の添加量が、施工位置にある地山状態の改良土一立方メートル当たりで定められている場合は、地山土量を使用します。掘削後に仮置きした土山の体積をそのまま掛け合わせると、ほぐれによる体積増加を含んだ計算になる可能性があります。

たとえば、施工前の地山土量が500立方メートルであった土を掘削し、仮置き後に600立方メートルと計測した場合、添加量が地山土量基準であれば600立方メートルを直接使用することはできません。

ほぐし土量から地山土量へ換算する場合は、対象となる土質と現場条件に適した換算方法が必要です。土質、含水状態、掘削方法、仮置き方法、締まり具合などによって体積変化が異なるため、根拠のない一定係数を使用することは避けます。

改良土を埋戻しや盛土に使用する場合は、締固め後の必要体積との関係も整理します。締固め後の出来形体積と、施工前に改良する土量は必ずしも同じではありません。

現場で即土量を計測するときは、「施工前の現況地盤面から改良下端までの地山土量」「仮置き土山のほぐし土量」「改良後の出来形体積」のように、土量の状態を明記します。

単に「土量500立方メートル」と記録しただけでは、後から別の担当者が異なる状態の土量として使用する可能性があります。計算書や共有資料には、計測対象と土量区分を記載することが重要です。

施工前後の土量を比較する場合も、同じ状態の体積を比較します。地山土量とほぐし土量を直接比較すると、施工量ではなく体積変化による差が含まれてしまいます。

改良深度が変化する現場の土量計算

改良深度が一定で、現況地盤面も水平に近い場合は、平面積に改良深度を掛けて概算土量を求められます。

たとえば、改良面積600平方メートル、改良深度1.2メートルの場合は、600に1.2を掛けて720立方メートルです。

しかし、実際の現場では地盤面に起伏があり、改良下端の標高や深度も場所によって変化することがあります。このような現場で代表深度だけを使用すると、実際の土量との差が大きくなる可能性があります。

改良範囲の半分が深度1メートル、残り半分が深度1.5メートルである場合は、それぞれの区域を分けて計算します。全体面積が600平方メートルで、各区域が300平方メートルなら、深度1メートルの区域は300立方メートル、深度1.5メートルの区域は450立方メートルです。合計は750立方メートルになります。

全体に平均深度1.25メートルを掛けても750立方メートルになりますが、区域別に計算しておけば、境界変更や施工順序の変更に対応しやすくなります。

現況地盤面に起伏がある場合は、平面積と代表深度だけでなく、現況面と改良下端面の間の体積を三次元的に求める方法が有効です。改良下端が一定標高であれば水平な基準面を設定し、現況地盤面との差を計算します。

改良下端に勾配や段差がある場合は、設計条件に合わせた面を作成します。改良下端面の設定を誤ると、地盤面を正確に計測しても土量は正しくなりません。

深度が異なる区画を計算するときは、境界部の重複や隙間にも注意します。隣り合う区画が同じ範囲を含むと二重計上になり、境界間に空白があると計上漏れになります。

施工後に出来形を確認する場合は、計画下端面と実際の施工深度の関係も確認します。過掘りや改良深度の増加があれば、材料使用量が計画より増える可能性があります。

工区ごとに添加量が異なる場合の集計

一つの現場でも、土質、必要強度、改良目的、施工方法などによって工区ごとの添加条件が異なる場合があります。その場合は、全体土量に一つの平均添加量を掛けるのではなく、工区別に必要量を計算して合計します。

たとえば、第1工区の土量が300立方メートルで添加量50キログラム毎立方メートル、第2工区の土量が250立方メートルで添加量80キログラム毎立方メートル、第3工区の土量が200立方メートルで添加量100キログラム毎立方メートルとします。

第1工区の純必要量は15トンです。第2工区の純必要量は20トンです。第3工区の純必要量は20トンです。全体の純必要量は55トンとなります。

全体土量は750立方メートルですが、750立方メートルに単純な平均値を掛ける方法では、工区面積や土量の割合を適切に反映できない場合があります。添加条件が異なるときは、必ず工区別計算を基本とします。

同じ工区内でも、上層と下層で添加条件が異なる場合は、深度方向に区分します。平面範囲が同じでも、それぞれの層厚から土量を求め、適用する添加量を掛けます。

工区別の計算結果には、工区名、計測日、対象範囲、土量、添加量、純必要量、ロス込み数量、施工状況を記録します。施工済み工区と未施工工区を明確に分けることで、残りの必要量を確認できます。

設計変更が発生した場合は、変更前の数量を上書きせず、当初数量、変更数量、増減量、変更後数量を残します。材料の追加手配や余剰発生の理由を後から確認しやすくなります。

複数の担当者が計算を行う場合は、工区名や境界の付け方を統一します。同じ範囲が異なる名称で管理されると、重複や計上漏れの原因になります。計測データ上の範囲と施工管理上の工区を対応させることが重要です。

施工中に土量と使用実績を照合する方法

改良材の必要量は、施工前に一度計算して終わりではありません。施工の進行に合わせて、施工済み土量と材料使用実績を照合することで、残りの手配量を調整できます。

添加量80キログラム毎立方メートルで、当日の施工土量が120立方メートルであれば、計算上の純使用量は9.6トンです。

120立方メートル×80キログラム毎立方メートル=9,600キログラム

実際の使用記録が10トンであれば、計算値との差は0.4トンです。この差について、施工端部での重複、設備内への残留、計量単位の丸め、施工土量の計測範囲などを確認します。

反対に、実使用量が計算値より少ない場合は、施工範囲の計上が多い、材料記録の時点がずれている、設備内に前日から材料が残っていたなどの可能性があります。

ただし、一日分の数値だけで品質や材料管理の良否を判断することは適切ではない場合があります。材料搬入、設備投入、実施工、残量確認の時点が一致しないことがあるためです。一定の施工区画や管理期間を単位として照合します。

施工済み土量を再計測できれば、当初土量との差から残り土量を求められます。残り土量に添加量を掛けることで、今後必要となる改良材の数量を更新できます。

たとえば、当初の改良土量が780立方メートルで、施工済み土量が300立方メートルなら、残り土量は480立方メートルです。添加量80キログラム毎立方メートルの場合、残りの純必要量は38.4トンです。

現場の使用可能在庫が20トンであれば、純必要量との差は18.4トンです。ここに今後見込まれるロスや発注単位を反映して、追加搬入量を決めます。

施工実績の照合では、土量、材料使用量、施工時間、施工区画、設備設定などを関連付けて記録すると、差の原因を分析しやすくなります。材料数量だけを単独で管理するより、施工状況と一体で確認する方法が有効です。

計算ミスと過不足を防ぐ確認ポイント

改良材の計算では、掛け算そのものよりも、計算に使用する条件の取り違えによって大きな差が生じます。まず確認したいのは、土量の単位と添加量の単位です。

土量が立方メートル、添加量がキログラム毎立方メートルなら、計算結果はキログラムです。途中でトンへ換算する場合は1,000で割ります。80キログラムを0.08トンへ換算するところを0.8トンとしてしまうと、結果が10倍になります。

次に、毎立方メートル当たりの添加量と、乾燥土質量に対するパーセント添加率を混同しないことが重要です。パーセント表記の場合は、密度と含水比を用いた乾燥土質量の計算が必要です。

土量の状態も確認します。地山土量、ほぐし土量、締固め後の体積を区別し、添加条件と同じ基準の土量を使用します。

施工範囲については、既設構造物、施工対象外範囲、先行施工済み範囲を控除できているかを確認します。追加施工範囲や施工余裕幅がある場合は、必要に応じて加算します。

改良深度は、現況地盤からの深さなのか、所定標高までの深さなのかを確認します。地盤面に起伏がある場合、代表深度だけでは正確な体積を求めにくいことがあります。

ロス率については、純必要量に対して掛けているか、すでにロスを含む数量へ重ねて掛けていないかを確認します。複数の担当者が別々に上乗せすると、必要以上の数量になる可能性があります。

在庫を控除するときは、帳簿上の在庫ではなく、実際に今回の施工で使用できる数量を確認します。他工区分、開封済み材料、設備内残留などを区別します。

最後に、別の担当者による確認や、概算値との比較を行います。面積と平均深度から求めた概算土量と、三次元計測による土量に大きな差がある場合は、範囲、基準面、控除条件などを再確認します。

三次元計測で現場の土量を把握する利点

現場で即土量を把握する方法として、施工範囲の三次元形状を点群として取得し、現況面と基準面の間の体積を求める方法があります。

平面形状が単純で地盤面が水平な現場では、長さ、幅、深さから概算できます。しかし、改良範囲が不整形であったり、地盤面に起伏があったりする場合は、代表寸法だけでは形状を十分に表現できません。

三次元計測では、地盤面の細かな高低差を反映した面を作成できます。改良下端の設計面と比較することで、範囲内の体積を算出できます。深度が区画ごとに異なる場合も、基準面を分けて計算しやすくなります。

施工前後を同じ位置と高さの基準で計測すれば、施工済み土量や残り土量の確認にも利用できます。材料手配の初期計算だけでなく、施工途中の数量更新に活用できる点が利点です。

ただし、三次元データを取得すれば自動的に正しい土量になるわけではありません。計測対象に重機、資材、作業員、植生、水たまりなどが含まれると、地盤面とは異なる形状が作成される可能性があります。

急な段差の陰や障害物の背後など、計測できていない範囲がないかも確認します。欠測部分が大きい状態で面を作成すると、実際とは異なる補間が行われることがあります。

体積計算では、現況面だけでなく比較対象となる改良下端面も重要です。設計標高、勾配、段差、改良深度を正しく設定します。境界線が施工範囲と一致しているかも確認します。

LRTK Phoneを活用すると、現場で位置情報を持つ三次元データを取得し、改良対象範囲の形状確認や土量算出につなげられます。取得した土量に、承認された添加量を適用することで、改良材の純必要量や残りの手配量を現場に近い情報から検討できます。

まとめ

現場で即土量から改良材の必要量を算出する基本は、改良対象土量に、一立方メートル当たりの添加量を掛けることです。

対象土量420立方メートル、添加量50キログラム毎立方メートルの場合、純必要量は21トンです。対象土量780立方メートル、添加量80キログラム毎立方メートルの場合は62.4トンとなります。

対象土量1,250立方メートル、添加量100キログラム毎立方メートルの場合は125トンです。対象土量360立方メートル、添加量150キログラム毎立方メートルの場合は54トンとなります。

これらは、施工上のロスや材料の発注単位を反映する前の純必要量です。実際の手配では、根拠を確認したロス率、使用可能在庫、材料の荷姿、搬入単位、現場の保管容量などを考慮します。

添加率が乾燥土質量に対するパーセントで指定されている場合は、土量にパーセントを直接掛けることはできません。湿潤密度と含水比から乾燥土質量を求め、その質量に添加率を掛けます。

土量については、地山状態、ほぐし状態、締固め後の状態を区別します。改良範囲、改良深度、既設構造物の控除、先行施工済み範囲、工区境界なども計算結果へ影響します。

施工中は、施工済み土量と材料使用実績を照合し、残り土量に対する必要量を更新することが重要です。施工範囲の変更や追加改良が発生した場合も、変更部分の土量を計測して材料数量へ反映します。

地盤面に起伏がある現場や、不整形な範囲、改良深度が変化する現場では、三次元計測を用いることで実際の形状を反映した土量を求めやすくなります。現場で即土量を確認し、添加条件と正しく組み合わせることで、改良材の不足による施工中断と、過剰手配による余剰の双方を抑えやすくなります。

改良対象範囲の計測から工区別の土量算出、施工途中の残量確認までを効率化する方法として、LRTK Phoneの活用を検討できます。

現場を3Dで残して、あとから測る。
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