現場で即土量をフレコン袋へ換算する前提
掘削土や表土、砂、砕石などをフレキシブルコンテナバッグへ詰めて搬出または仮置きするとき、現場では土量を袋数へ換算する場面があります。必要袋数を事前に把握できれば、資材不足による作業中断を防ぎやすくなり、仮置き場所や搬出回数の計画も立てやすくなります。
ただし、計測した土量を袋の表示容量で割るだけでは、実際の必要袋数と一致しないことがあります。袋には製品仕様上の容量が示されますが、内容物の性状、袋の形状、上部の閉じ代、投入方法、設置面の状態によって、現場で実際に入れられる体積は変わります。
さらに、容量に余裕があっても、土の質量が袋の製品表示上の最大充填質量や現場で設定した管理上限を超える場合があります。特に含水量が大きい土、密度の高い砂や砕石、石を多く含む材料では、表示容量まで入れる前に質量側の上限へ達する可能性があります。
そのため、現場で即土量をフレコン袋へ換算するときは、公称容量による概算、充填率を反映した容量計算、土のかさ密度と1袋当たりの管理上限質量による計算という3段階で確認します。最終的な必要袋数は、容量条件と質量条件の両方を満たすように決めます。
この記事でいう充填率は、公称容量のうち現場で何割を実使用容量として見込むかを示す計算上の係数です。袋メーカーが保証する性能値や、すべての現場に共通する安全率ではありません。実際の袋仕様、内容物、使用回数、保管方法、吊り上げ方法を確認したうえで、試験充填の実績から設定します。
計算に使用する土量がどの状態を示しているかも重要です。掘削前の地山土量、掘削後にほぐれた土量、仮置きした土山の外形体積、袋詰め後の実績量では、それぞれ数値の意味が異なります。体積の状態と、かさ密度を測定した状態が一致していなければ、計算式が正しくても袋数を誤る原因になります。
また、袋の最大充填質量と、クレーン、フォークリフト、吊り具などの定格荷重は別の条件です。袋が使用条件を満たしていても、荷役機械や吊り具の能力を超えてよいわけではありません。袋の表示、取扱説明、現場の作業計画、荷役機械の仕様をそれぞれ確認します。
フレコン袋の公称容量だけで計算できない理由
フレコン袋の公称容量は、製品仕様に示された容量です。しかし、公称容量が1立方メートルと表示されていても、どのような土でも常に1立方メートルを安全に充填できるとは限りません。
袋へ土を投入すると、中央部分に土が盛り上がり、四隅まで均等に広がらないことがあります。粘性の強い土では大きな土塊が残り、土塊同士の間に空隙が生まれます。石や根を含む場合も、外形上は袋が膨らんでいても、土砂そのものの実体積は想定より少なくなる可能性があります。
袋の上部を閉じる方式では、閉じ代を確保する必要があります。表示容量まで入れた結果、開口部を適切に閉じられない状態になれば、内容物のこぼれや飛散につながります。吊りベルトや上部の縫製部分へ内容物が干渉すると、荷役時の形状が不安定になることもあります。
袋の底面が十分に広がるかどうかは、設置場所の状態にも左右されます。傾斜や大きな凹凸がある地面へ直接置くと、袋が偏って膨らみ、想定した容量を使用できない場合があります。投入中に袋を保持する方法、投入機械のバケット形状、投入高さによっても充填状態は変わります。
この差を計算上で補正するために、現場管理用の充填率を設定します。公称容量1.0立方メートルの袋について、試験充填の結果から実使用容量を0.8立方メートルと見込む場合、計算上の充填率は80%です。
ただし、充填率だけで安全性を判断することはできません。同じ0.8立方メートルでも、乾いた軽い土と水分を多く含む土では質量が異なります。容量計算の後に質量計算を行い、袋の表示上限だけでなく、荷役機械や吊り具の能力も含めて確認する必要があります。
袋の材質や構造が内容物に適合しているかも確認します。水がにじむ泥状材料、角の鋭い石、温度の高い材料、汚染土壌などは、一般的な土砂と同じ条件で扱えない場合があります。内容物の性状、法令上の区分、搬出先の受入条件、袋の使用条件を個別に確認します。
計算1|公称容量から概算袋数を求める
最初に、計測した土量を袋1袋当たりの公称容量で割り、概算袋数を求めます。この計算は、施工計画の初期段階で必要数量の規模を把握するための出発点です。
概算袋数=対象土量÷袋1袋当たりの公称容量
たとえば、袋詰めする土量が12.6立方メートルで、公称容量が1.0立方メートルの袋を使用する場合は、次の計算になります。
12.6÷1.0=12.6袋
袋数は整数で手配するため、端数を切り上げて13袋とします。12袋では0.6立方メートル分が残る計算になるため、残量を別容器で処理する計画がない限り、切り捨てません。
対象土量が9.8立方メートル、公称容量が0.8立方メートルの場合は次のとおりです。
9.8÷0.8=12.25袋
この場合の概算袋数は、端数を切り上げて13袋です。
公称容量による計算は簡単ですが、ここで求めた数値をそのまま最終手配数にすると、袋が不足する可能性があります。実際には、閉じ代、土の偏り、空隙、質量上限などによって、公称容量の全量を使用できないことがあるためです。
計算では対象土量と袋容量の単位をそろえます。対象土量が立方メートル、袋容量がリットルで表示されている場合は、どちらかへ換算します。1立方メートルは1000リットルです。単位を確認せずに数値だけを割ると、大きな計算誤差につながります。
対象土量に袋へ入れない材料が含まれていないかも確認します。大型の石、木片、コンクリート片、廃材などを事前に分別する場合は、土山全体ではなく、袋詰め対象となる土砂の体積を使用します。
公称容量から求めた袋数は概算値として記録し、次の充填率計算と質量計算で実用的な必要数へ補正します。
計算2|充填率を反映して実用的な袋数を求める
公称容量と実際の充填量の差を補正するには、試験充填などをもとに現場管理用の充填率を設定します。まず、公称容量へ充填率を掛けて、1袋当たりの実使用容量を求めます。
1袋当たりの実使用容量=公称容量×充填率
必要袋数は、対象土量を実使用容量で割って求めます。
容量基準の必要袋数=対象土量÷1袋当たりの実使用容量
たとえば、対象土量が12.6立方メートル、公称容量が1.0立方メートル、試験充填から設定した充填率が80%の場合を考えます。計算では80%を0.80として扱います。
1.0×0.80=0.80立方メートル
1袋当たりの実使用容量は0.80立方メートルです。必要袋数は次のようになります。
12.6÷0.80=15.75袋
端数を切り上げるため、容量基準の必要袋数は16袋です。公称容量だけで計算した場合は13袋でしたが、充填率を考慮すると3袋増えます。
次に、対象土量が18立方メートル、公称容量が1.2立方メートル、試験充填から設定した充填率が75%の場合を考えます。
1.2×0.75=0.90立方メートル
18÷0.90=20袋
公称容量だけで計算すると15袋ですが、充填率を反映すると20袋です。この例の75%や80%は計算方法を示すための仮定であり、一般的な推奨値ではありません。実際の充填率は、使用する袋と対象土を使って確認します。
試験充填では、袋の上部に必要な余裕があるか、表示どおりに閉じられるか、吊りベルトや縫製部へ内容物が干渉していないか、袋が極端に傾いていないかを確認します。複数袋の投入量と質量を記録し、平均だけでなくばらつきも確認すると、現場条件に合った実使用容量を設定しやすくなります。
重機のバケット回数から投入量を管理する場合は、バケットの満たし方をできるだけ統一します。山盛りと平積みが混在すると、同じ回数でも投入量が変わります。バケット回数は簡易な管理指標として使い、試験充填した袋の計量結果や残土量と照合します。
充填率を低く設定すれば計算上の袋数は増え、高く設定すれば少なくなります。袋数を減らすことだけを目的に充填率を高くせず、閉じ方、袋の形状、内容物の性状、質量、荷役、保管の条件を満たせる範囲で設定します。
計算3|土の重量と袋の許容荷重から袋数を求める
容量計算の次に、土の総質量と1袋当たりの上限質量を確認します。現場では重量という言葉が広く使われますが、トンやキログラムで計算する値は質量です。この記事では、土のかさ密度をトン毎立方メートルで扱い、総質量を求めます。
対象土の総質量=対象土量×対象状態のかさ密度
次に、対象土の総質量を1袋当たりの管理上限質量で割ります。
質量基準の必要袋数=対象土の総質量÷1袋当たりの管理上限質量
1袋当たりの管理上限質量は、袋に表示された最大充填質量を超えない値とし、内容物、袋の使用回数、保管状態、吊り上げ方法、荷役機械と吊り具の能力、現場の安全管理基準を確認して決めます。袋の最大充填質量が大きくても、荷役機械や吊り具の定格荷重が小さければ、その能力を超える運用はできません。
たとえば、対象土量が12.6立方メートル、袋詰め対象と同じ状態で確認した土のかさ密度が1.65トン毎立方メートル、1袋当たりの管理上限質量が1.0トンの場合を考えます。
12.6×1.65=20.79トン
対象土の総質量は20.79トンです。必要袋数は次のようになります。
20.79÷1.0=20.79袋
端数を切り上げて21袋です。
同じ土量を充填率80%、実使用容量0.8立方メートルとして計算した場合、容量基準では16袋でした。しかし、20.79トンを16袋へ均等に入れると、1袋当たりの平均質量は約1.30トンです。管理上限質量が1.0トンであれば、16袋では質量条件を満たしません。
この例では、容量基準の16袋ではなく、質量基準の21袋を採用します。1袋当たりの平均容量は、12.6立方メートルを21袋で割ると0.6立方メートルです。袋の容量に余裕があっても、質量条件を優先する必要があります。
別の例として、対象土量が8立方メートル、対象状態のかさ密度が1.4トン毎立方メートル、1袋当たりの管理上限質量が0.8トンの場合を考えます。
8×1.4=11.2トン
11.2÷0.8=14袋
公称容量1.0立方メートル、充填率80%であれば、容量基準の必要袋数は10袋です。しかし、質量基準では14袋必要になるため、最終的には14袋以上を基本に計画します。
かさ密度は、土質、粒度、含水状態、締まり具合、空隙の状態によって変わります。地山状態の密度を、ほぐれた仮置き土の外形体積へそのまま掛けると、状態の不一致によって総質量を誤る可能性があります。体積を計測した状態と、かさ密度を測定した状態をそろえます。
実態に近い値を得るには、既知容量の容器に対象土を入れて質量を測る方法や、試験充填した袋の投入体積と総質量を確認する方法があります。袋自体の質量を含む総吊り荷重を管理する場合は、内容物だけでなく袋や吊り具の質量も考慮します。
容量計算と重量計算のどちらを採用するか
必要袋数を決めるときは、公称容量による概算、充填率を反映した容量基準、質量基準の3つを比較します。最終的には、容量基準の必要袋数と質量基準の必要袋数のうち、多いほうを基本値とします。
最終必要袋数=容量基準の袋数と質量基準の袋数のうち多いほう
たとえば、充填率を反映した容量計算で25袋、質量計算で31袋となった場合は、31袋を基本にします。25袋では1袋当たりの質量が管理上限を超える可能性があるためです。
反対に、容量計算で30袋、質量計算で24袋となった場合は、30袋を採用します。質量には余裕があっても、24袋では1袋当たりの実使用容量を超える計算になるためです。
ただし、多いほうを選べば自動的に安全が確保されるわけではありません。袋の内容物適合性、損傷や劣化の有無、最大充填質量、荷役機械と吊り具の能力、吊り上げ方法、保管条件、作業区域への立入管理を別に確認します。
現場では、計算結果と同数だけを用意すれば必ず足りるとは限りません。土量計測の不確かさ、袋ごとの充填差、袋の破損、追加掘削、異物分別量の変化などがあるためです。予備袋を加える場合は、根拠のない一律割合ではなく、想定する変動要因を記録して決めます。
必要袋数の決定記録には、対象土量の状態、公称容量、充填率、実使用容量、かさ密度の測定条件、袋の最大充填質量、現場の管理上限質量、容量基準の袋数、質量基準の袋数を残します。計算条件を保存しておけば、実使用数との差が生じたときに原因を追いやすくなります。
土質と含水状態に応じた充填率の決め方
充填率は、すべての土へ同じ数値を適用するのではなく、土質、粒度、含水状態、投入方法、袋の形状に応じて設定します。
比較的粒径がそろった乾いた砂質材料は、袋内へ広がりやすい場合があります。ただし、投入後や運搬後に材料が沈下すると、上部に空間が生じることがあります。沈下分を追加充填すると総質量が増えるため、容量だけでなく質量を再確認します。
粘性土は、大きな塊のまま投入されやすく、袋内に空隙が残ることがあります。外側から袋が膨らんで見えても、実際の土量が少ない場合があります。また、土塊が中央に積み重なると、袋の四隅が十分に広がらず、形状が不安定になる可能性があります。
水分を多く含む土は、同じ体積でも質量が増える可能性があります。袋の外形だけを見て充填量を判断すると、最大充填質量や管理上限を超えるおそれがあります。水がにじむ状態や泥状に近い材料では、袋の漏れ対策や内容物適合性を個別に確認し、乾いた土の実績値をそのまま適用しません。
石を多く含む材料では、石同士の間に空隙ができやすく、袋の形状も不規則になりやすくなります。角のある石や大きな石は袋へ局部的な力を加える可能性があるため、投入可能な粒径や袋の使用条件を確認します。袋へ入れない材料は分別し、袋詰め対象土量から除外します。
表土には根、草、木片などが含まれることがあります。分別前に土山全体を計測した場合、分別後の袋詰め対象量は計測値より少なくなることがあります。反対に、根や草を含んだまま袋へ入れると空隙が増え、1袋当たりの実使用容量が小さくなる場合があります。
充填率を決める実務的な方法は、実際の条件で複数袋を試験充填することです。投入量、総質量、充填高さ、袋の閉じやすさ、吊り上げ前の形状を確認し、1袋当たりの平均容量と平均質量を求めます。
平均値だけでなく、最大値と最小値も確認します。平均質量が管理上限以内でも、一部の袋だけが重ければ投入方法が安定していません。バケット回数、充填高さ、計量確認の頻度など、作業員が共有できる管理基準を決めます。
地山土量とほぐし土量を混同しない考え方
フレコン袋への換算では、体積の状態をそろえることが重要です。設計図面から求めた地山土量と、掘削後に仮置きされた土の外形体積は一致しないことがあります。
地中の土は周囲から拘束された状態にあります。掘削すると土の構造が崩れ、粒子や土塊の間に空隙が生じるため、見かけの体積が増える場合があります。この体積変化を考慮せず、地山土量をそのまま袋数へ換算すると、袋が不足する可能性があります。
一方、掘削後の土を袋へ投入すると、自重や投入時の衝撃によって沈下することがあります。仮置き土山では空隙が多くても、袋内で土塊が崩れ、体積が小さくなる場合があります。したがって、ほぐれた土山の外形体積と、袋詰め後の実使用容量の合計は必ずしも一致しません。
計算書には、使用した土量が地山状態なのか、掘削後の仮置き状態なのかを明記します。設計数量を使う場合は、実際の掘削範囲、分別量、体積変化を確認します。仮置き土山を計測する場合は、計測時点の外形体積であることを記録します。
かさ密度も同じ状態で確認します。仮置き土山の外形体積へ、締め固めた試料の密度や地山状態の密度をそのまま掛けると、総質量を適切に推定できない場合があります。
袋詰め途中で残土量を再計測する場合は、作業開始前と同じ外周、底面、座標系を使用します。基準面や範囲が変わると、前後の土量を正しく比較できません。
計測後に降雨、追加搬入、部分搬出、異物分別があった場合も、計測時の数値をそのまま使用できないことがあります。計測日時と、その後の作業履歴を関連付けて管理します。
現場で土量を計測して袋数を確定する手順
現場で即土量を袋数へ換算する作業は、対象範囲の決定、土量計測、袋仕様の確認、試験充填、容量計算、質量計算、実績照合の順に進めると整理しやすくなります。
最初に、袋詰めする土の範囲を明確にします。土山全体を対象とするのか、一部区画だけを対象とするのか、表土と下層土を分けるのかを決めます。隣接する砕石や別工区の土を計測範囲へ含めると、袋数が過大になります。
次に、対象土量を計測します。土山が単純な形状であれば、長さ、幅、平均高さから概算できます。しかし、実際の土山には斜面や凹凸があり、地盤も水平とは限りません。少数の高さだけで平均すると、高い部分や低い部分を十分に反映できない場合があります。
形状が複雑な場合は、土山表面を多数の点で計測し、三次元形状から体積を求める方法を検討します。土山の外周と底面を設定し、表面と底面の間の体積を計算します。計測対象外の草木、シート、重機、作業員、仮設物などを除外し、見えない部分がないかも確認します。
土量を求めた後は、使用する袋の公称容量、最大充填質量、内容物の適合条件、使用回数の区分、保管条件を確認します。複数種類の袋を使用する場合は、それぞれを分けて計算します。
続いて、実際の土を使って複数袋を試験充填します。投入体積、総質量、上部の余裕、袋の形状を確認し、充填率と1袋当たりの管理上限質量を決めます。試験充填は製品表示上の上限を超えてよいという意味ではなく、上限以内で現場の運用値を決めるために行います。
その後、容量基準と質量基準で必要袋数を計算し、多いほうを基本手配数とします。さらに、袋の保管場所、重機の動線、吊り上げ方法、搬出方法を確認します。袋数だけを確保しても、充填済み袋を安全に配置できる場所がなければ作業を継続できません。
作業開始後は、一定数の袋を充填した時点で、使用袋数、袋ごとの質量、残土量を照合します。計画より袋の使用が早い場合は、充填率が低い、対象土量が増えた、底面設定に差がある、分別条件が変わったなどの可能性を確認します。
袋詰め作業中に計算値を補正する方法
事前計算は重要ですが、現場条件のすべてを完全に予測することは困難です。そのため、作業中に計算値を補正する仕組みを設けます。
たとえば、作業開始前の土量が24立方メートル、1袋当たりの実使用容量が0.8立方メートルで、容量基準の袋数を30袋と計算したとします。10袋を作成した時点で残土量を同じ底面と範囲で再計測し、17立方メートルだった場合、処理済み土量は7立方メートルです。
10袋で7立方メートルを処理しているため、実績上の1袋当たり容量は次のようになります。
7÷10=0.7立方メートル
当初は0.8立方メートルを想定していましたが、実績は0.7立方メートルです。残り17立方メートルを0.7立方メートルで割ると、追加で約24.29袋必要です。端数を切り上げると25袋となり、作成済みの10袋と合わせた最終見込みは35袋です。
この時点で当初計画の30袋から5袋増える見込みを把握できれば、袋が不足する前に追加手配や作業順序の見直しを検討できます。
ただし、残土量の差だけで補正すると、土の追加搬入や分別量の変化を見落とす場合があります。計測後に新たな土が搬入されていないか、袋へ入れずに別搬出した材料がないか、シートや異物を体積へ含めていないかを確認します。
質量実績も同時に記録します。1袋当たりの質量が管理上限へ近づいている場合は、容量に余裕があっても充填量を増やせません。容量実績と質量実績を別々に確認し、どちらが必要袋数を決める制約になっているかを判断します。
作業終了後は、当初の計算袋数、途中補正後の見込み袋数、実使用袋数を比較します。差の原因を記録しておけば、同様の土質や投入方法を採用する次の現場で、より適切な充填率とかさ密度を設定しやすくなります。
フレコン袋への換算で起こりやすいミス
最も起こりやすいミスは、公称容量だけで袋数を確定することです。公称容量1.0立方メートルの袋を使用するからといって、土量10立方メートルを必ず10袋へ安全に収められるわけではありません。充填率、最大充填質量、内容物の適合性を確認します。
次に注意したいのが、充填率の扱いです。充填率80%は、計算では0.80として扱います。公称容量1.0立方メートルへ80を掛けるのではなく、1.0へ0.80を掛けて0.80立方メートルを求めます。
端数の切り捨ても袋不足の原因になります。計算結果が14.1袋であれば、必要数は15袋です。小容量の袋で残量を処理するなど別の計画がない限り、袋数は切り上げます。
地山土量とほぐし土量の混同にも注意します。設計上の掘削土量を袋詰め対象量として使用する場合は、掘削後の体積変化と分別量を確認します。仮置き土山を計測した場合は、その数値が計測時点の外形体積であることを理解して使用します。
質量計算では、トンとキログラムの取り違えに注意します。対象土の総質量をトンで計算する場合は、1袋当たりの管理上限質量もトンへそろえます。単位を計算書へ記載し、無単位の数字だけを並べないことが重要です。
トン毎立方メートルの値を「単位体積重量」と呼ぶと、力の単位であるキロニュートン毎立方メートルと混同することがあります。本記事の計算では、質量を求めるために、かさ密度または単位体積質量としてトン毎立方メートルを用います。
かさ密度を固定値として扱うことも注意点です。降雨、排水、乾燥、締まり具合の変化により、同じ外形体積でも総質量は変わる可能性があります。作業期間が長い場合や土の状態が変わった場合は再確認します。
試験充填した1袋だけを基準にすることも避けます。最初の袋だけ丁寧に充填され、その後の袋でばらつきが大きくなることがあります。複数袋を確認し、平均値と最大値を見ます。
袋の最大充填質量と荷役機械の定格荷重を同じものと考えるのも危険です。袋、吊り具、機械の各上限を確認し、最も厳しい条件を超えないようにします。損傷した袋、用途外のアタッチメント、指定されていない吊り方を使用しないことも重要です。
土山計測では、底面設定の誤りが体積へ影響します。実際には傾斜した地盤を一律の水平面として扱うと、体積を過大または過小に計算する場合があります。土山周辺の地盤を計測し、底面の作成条件を記録します。
必要袋数と仮置きスペースを一緒に管理する
フレコン袋の手配では、袋数だけでなく、充填済み袋を置くスペースも計画します。必要袋数を正確に求めても、仮置き場所が不足すると、袋詰めや搬出作業が滞ります。
仮置き区画を考えるときは、袋の外形寸法だけで面積を計算せず、袋同士の間隔、重機の通路、吊り上げ作業に必要な空間、点検や表示確認のための通路を含めます。
地盤が傾いていたり軟弱だったりすると、袋が傾く可能性があります。仮置き場所は現場の安全計画と袋の取扱条件に従って整え、排水状態も確認します。袋を積み重ねる場合は、自己判断で段数を決めず、袋の仕様、内容物、保管設備、現場の作業計画を確認します。
袋へ管理番号を付け、充填日、発生場所、土の区分、質量、仮置き位置を関連付けると、搬出時の取り違えを防ぎやすくなります。複数の搬出先や土質を扱う場合は、総袋数だけでなく区分別の数量を管理します。
数量は、未使用袋、充填済み袋、搬出済み袋、損傷などで使用不可となった袋に分けます。搬入した総数から充填済み袋だけを引く方法では、破損や移動中の差を把握できません。
袋詰めの進捗、残土量、空きスペースを関連付けて記録すれば、必要袋数の見直しだけでなく、搬出時期の調整にも活用できます。残りの土量と安全な仮置き余力を見ながら作業順序を決めることで、現場内の混雑を抑えやすくなります。
点群計測で現場で即土量を把握する利点
土山の形状が単純であれば、長さ、幅、平均高さから体積を概算できます。しかし、複数の斜面や凹凸を持つ土山、傾斜地へ仮置きされた土、構造物の間へ不規則に置かれた土では、少数の寸法だけで体積を求めることが難しくなります。
このような場合は、土山表面を点群として計測し、三次元形状から体積を算出する方法が有効です。多数の座標点で表面形状を表すため、頂部や斜面の起伏を計算へ反映しやすくなります。
点群から土量を求める際には、土山の外周と底面を適切に設定します。仮置き前の地盤を計測しておけば、その地盤面を底面として利用しやすくなります。事前計測がない場合は、土山周辺の地盤から底面を推定することがありますが、推定方法によって体積が変わるため、作成条件を記録します。
計測では、対象範囲外の点、草木、シート、仮設物、建設機械、作業員、その他のノイズを除外します。死角がある場合や、表面が濡れて計測しにくい場合などは、計測位置を変える、再計測する、別の方法で補完するなどの対応を検討します。
たとえば、点群計測で対象土量が24立方メートルと求められ、公称容量1.0立方メートル、試験充填から設定した充填率80%の場合、1袋当たりの実使用容量は0.8立方メートルです。
24÷0.8=30袋
容量基準の必要袋数は30袋です。
対象状態のかさ密度を1.5トン毎立方メートル、1袋当たりの管理上限質量を1.0トンとすると、総質量は次のようになります。
24×1.5=36トン
36÷1.0=36袋
質量基準では36袋となるため、この条件では36袋以上を基本に計画します。
点群計測は、作業前の全体量だけでなく、袋詰め途中の残土量確認にも利用できます。同じ外周、底面、座標系で再計測すれば、処理済み土量と残土量を比較し、袋数の追加が必要かを判断しやすくなります。
ただし、点群から求めた数値だけで最終判断せず、試験充填の容量と質量、実際の袋使用数を照合します。点群計測は土量を把握する手段であり、袋の安全な使用条件や荷役機械の能力を決めるものではありません。
現場で土山を計測し、その場で土量確認や袋数計算へつなげる運用には、LRTK Phoneと対応する処理環境を活用する方法があります。実際に利用できる計測方法、精度、処理手順、対応機能は、導入時の仕様と現場条件を確認して運用します。
まとめ
現場で即土量をフレコン袋へ換算するときは、公称容量、充填率、質量という3つの条件を順に確認します。
最初に、対象土量を袋の公称容量で割り、概算袋数を求めます。次に、公称容量へ現場管理用の充填率を掛けて1袋当たりの実使用容量を算出し、容量基準の必要袋数へ補正します。さらに、対象土量へ同じ状態で確認したかさ密度を掛けて総質量を求め、1袋当たりの管理上限質量から質量基準の袋数を計算します。
容量基準と質量基準で異なる結果が出た場合は、多いほうの袋数を基本にします。ただし、袋の最大充填質量、内容物の適合性、袋の状態、荷役機械と吊り具の能力、吊り上げ方法、保管条件は別に確認しなければなりません。
計算に使用する土量が、地山状態、掘削後の仮置き状態、袋詰め途中の残土量のどれに当たるかも明確にします。体積を計測した状態と、かさ密度を測定した状態をそろえることが重要です。
事前計算だけで完結させず、複数袋の試験充填を行い、実際の容量と質量を確認します。作業開始後も使用袋数、袋ごとの質量、残土量を途中で照合し、充填率と最終必要数を補正します。
複雑な土山では、点群計測を利用することで、斜面や凹凸を含めた体積を把握しやすくなります。外周と底面の設定、不要点の除去、計測条件の記録を行い、袋の仕様確認と実績照合を組み合わせることが、現場で即土量を安全に袋数へ換算する基本です。