LRTKレフィクシア株式会社

複数断面の体積計算をプリズモイド法で求める6手順

プリズモイド法による体積計算の基本

道路、河川、造成地、掘削部、盛土部などの体積計算では、一定間隔で作成した複数の横断面を使用することがあります。対象物の長さ方向に沿って断面形状が変化する場合、単純に幅、奥行き、高さを掛けるだけでは体積を求められないためです。

複数断面から体積を求める代表的な方法には、平均断面法とプリズモイド法があります。平均断面法は、区間の始点と終点にある2つの断面積を平均し、その値に区間長を掛ける方法です。これに対してプリズモイド法は、始点断面、中央断面、終点断面の3つを使用し、区間途中の形状変化を体積計算へ反映します。

プリズモイド法の基本式は、次のように表されます。

V=L÷6×(A1+4Am+A2)

Vは対象区間の体積、Lは始点断面から終点断面までの距離、A1は始点側の断面積、Amは区間中央の断面積、A2は終点側の断面積です。断面積の単位を平方メートル、距離の単位をメートルとした場合、計算結果の単位は立方メートルになります。

この式では、中央断面積Amに4の係数を掛けます。始点と終点の面積だけでなく、区間中央の形状を大きく反映することにより、断面積が曲線的に変化する区間を表現しやすくなります。

たとえば、始点断面積が20平方メートル、中央断面積が30平方メートル、終点断面積が28平方メートル、始点から終点までの距離が20メートルである場合、体積は次のように計算します。

V=20÷6×(20+4×30+28)

括弧内は168となるため、計算結果は560立方メートルです。

プリズモイド法を使う際に特に重要なのは、中央断面が始点と終点の距離上の中央に位置していることです。3つの断面が存在するというだけでは、基本式をそのまま使えるとは限りません。

始点が累加距離0メートル、中央断面が10メートル、終点が20メートルであれば、中央断面は距離上の中央にあります。一方、断面位置が0メートル、8メートル、20メートルである場合、8メートル地点は中央ではありません。この3断面に対して、通常のプリズモイド公式をそのまま適用することは避ける必要があります。

また、プリズモイド法は、中間断面を使えばどのような地形でも正確になるという計算方法ではありません。区間内に急な段差がある場合、構造物が途中から始まる場合、切土と盛土が入れ替わる場合などは、変化点に追加断面を設定し、計算区間を細分化することが重要です。

手順1 計算対象と基準面を明確にする

複数断面による体積計算を始める前に、何の体積を、どの範囲で、どの基準面から求めるのかを決めます。この条件が曖昧なまま断面積を算出すると、計算式が正しくても、目的とは異なる数量が得られる可能性があります。

造成工事では、現況地盤と計画地盤との差から切土量や盛土量を求めます。道路工事では、路床、路体、舗装、法面など、計算対象となる層や範囲を区別する必要があります。河川や水路では、計画断面と現況断面との差から掘削量を求める場合や、過去の断面と現在の断面を比較して堆積量を求める場合があります。

最初に確認したいのは、比較する2つの面です。現況地盤と計画面を比較するのか、施工前と施工後を比較するのか、設計形状と出来形を比較するのかによって、断面積の意味が変わります。

全断面で同じ基準を使うことも必要です。ある測点では計画法面までを計算対象とし、別の測点では用地境界まで含めてしまうと、断面積の変化に一貫性がなくなります。対象範囲の左右端、上端、下端をあらかじめ決め、各断面で同じ考え方を適用します。

切土と盛土が一つの断面内に混在する場合は、それぞれの面積を分けて求めます。切土面積から盛土面積を差し引いて正味面積だけを計算すると、実際に掘削する量と盛り立てる量が分からなくなります。

たとえば、ある断面で切土面積が30平方メートル、盛土面積が20平方メートルである場合、正味面積は10平方メートルです。しかし、施工上必要なのは10平方メートル分の作業ではなく、30平方メートル分の切土と20平方メートル分の盛土です。そのため、切土用の断面積列と盛土用の断面積列を別々に作成し、それぞれの体積を計算します。

計算対象の途中に構造物がある場合は、その構造物を体積に含めるのか、控除するのかを決めます。橋台、擁壁、基礎、管路、既設構造物、空洞などが対象区間の一部だけに存在する場合、すべての断面から一律に控除することはできません。

構造物の開始位置と終了位置に断面を設ける方法や、全体の土量を求めた後に構造物体積を別計算して控除する方法があります。どちらを採用する場合でも、控除範囲と計算方法を記録しておく必要があります。

体積の状態区分も確認します。横断面から算出する体積は、基本的にはその形状が占める幾何学的な体積です。掘削前の地山体積、掘削後にほぐれた状態の体積、締固め後の盛土体積は、同じ土であっても一致しないことがあります。

材料の搬出量、運搬回数、締固め後の必要数量などを検討する場合は、プリズモイド法で求めた体積とは別に、設計条件や現場条件に基づく換算を行います。換算率を使用するときは、根拠となる仕様、試験結果、契約条件などを確認し、固定的な数値を無条件に適用しないことが大切です。

手順2 測点位置と断面間隔を確認する

対象範囲を決めたら、すべての断面について測点位置と断面間隔を確認します。プリズモイド法では断面積だけでなく、断面がどこに配置されているかが重要です。

測点名が一定間隔に見えても、実際の距離が同じとは限りません。測点番号、追加測点、曲線区間の管理方法などにより、隣接断面間の距離が異なることがあります。そのため、名称だけで判断せず、起点からの累加距離を確認します。

たとえば、測点0、測点1、測点2という名称であっても、それぞれが0メートル、10メートル、20メートルに配置されているとは限りません。実際には0メートル、12メートル、20メートルである可能性もあります。

プリズモイド法の基本式を適用する3断面では、中央断面が両端断面の中間距離にあることを確認します。始点から終点までの距離が20メートルなら、中央断面は始点から10メートルの位置に必要です。

0メートル、10メートル、20メートルに断面がある場合は、その3断面を一組として計算できます。0メートル、8メートル、20メートルの場合は、10メートル地点に新たな断面を作成することを検討します。

三次元計測データや地形モデルがある場合は、距離上の中央位置に仮想的な断面線を設定し、その断面積を算出できます。ただし、モデルに欠測や不要点がある場合は、仮想断面にもその影響が現れるため、断面形状を目視で確認します。

両端断面積を平均して中央断面積とする方法は、区間途中の実際の形状を新たに取得したことにはなりません。中央断面積を次のように置いた場合を考えます。

Am=(A1+A2)÷2

この値をプリズモイド公式に代入すると、計算結果は平均断面法と同じになります。したがって、プリズモイド法の利点を生かすには、中央位置の実測断面または信頼できる地形モデルから得た断面を使うことが望まれます。

断面間距離には、計算基準に合った距離を使用します。道路や河川のように中心線に沿って延長を管理する場合、両断面間の単純な直線距離ではなく、中心線上の累加距離の差を使うことが一般的です。

曲線区間で両断面の中心点を直線で結ぶと、中心線に沿った距離より短くなる場合があります。計画や数量算出の条件が中心線距離を基準としているなら、直線距離を使わないよう注意します。

縦断勾配が大きい場所では、水平距離と斜距離のどちらを使うかも確認します。一般的な土量計算では水平投影された断面と測点距離を用いることがありますが、対象物の種類や算出基準によって条件が異なります。図面、設計条件、数量算出条件を確認し、全区間で同じ基準を使用します。

複数断面を連続して計算する場合、断面数と区間数の関係も整理します。断面が5つあれば隣接断面間の区間は4つです。断面が7つあれば区間は6つです。

等間隔の断面をプリズモイド法で連続計算するときは、2区間を一組として扱います。そのため、すべての区間を一括して計算するには、区間数が偶数であることが基本です。断面数で考えると、等間隔の断面が奇数個並んでいれば、全区間を2区間ずつに分けられます。

手順3 各測点の断面積を求める

断面位置を確認したら、各測点の断面積を求めます。プリズモイド法の計算式が正しくても、入力する断面積が不正確であれば、最終的な体積も不正確になります。

長方形の断面であれば、幅に高さを掛けて面積を求めます。三角形は底辺と高さを掛けて2で割り、台形は上辺と下辺の合計に高さを掛けて2で割ります。

実際の地形断面は、単純な長方形や台形ではなく、複数の折れ点を持つ不規則な形状になることが一般的です。この場合は、対象範囲を複数の三角形や台形に分割し、それぞれの面積を合計します。

現況線と計画線の間の面積を求めるときは、2本の線が交差する位置を正確に把握します。交点の前後で切土と盛土が入れ替わる場合、その交点を境界として面積を分割します。

断面内で現況線と計画線が複数回交差することもあります。その場合は、切土領域と盛土領域が交互に現れるため、それぞれを閉じた領域として計算します。正味の差だけを求めず、切土面積と盛土面積を個別に集計します。

座標から断面積を算定する場合は、断面を構成する頂点の並び順を確認します。点を時計回りまたは反時計回りに統一し、対象領域の周囲を順番に一周するように接続します。

頂点の順序が入れ替わると、領域内で線が交差し、実際とは異なる面積が算出される可能性があります。自動計算を利用する場合でも、断面図を表示して閉合形状を確認することが大切です。

単位の統一も欠かせません。横方向の座標がメートルで、標高差がミリメートルのまま計算されていると、面積の値が大きく誤ります。断面積を求める前に、すべての長さを同じ単位へ変換します。

図面から寸法を読み取る場合は、縮尺にも注意します。紙面上で測った長さをそのまま実寸として扱うことはできません。また、断面図では縦方向と横方向に異なる縮尺が使われている場合があります。

縦方向が横方向より大きく表示されている断面図を図形としてそのまま面積測定すると、実際の断面積とは一致しません。寸法値または座標値を使用し、実寸へ戻して計算します。

中央断面についても、始点や終点と同じ範囲、同じ基準面、同じ断面方向で面積を求めます。中央断面だけ左右の計算範囲が広い場合や、異なる基準高を使用した場合は、3断面の連続性が失われます。

三次元点群から断面を作成する場合は、断面線の方向と点の抽出幅を統一します。対象の延長方向に対して斜めの断面を作ると、同じ形状でも断面積が大きく見えることがあります。

道路や河川の曲線区間では、各測点における中心線の接線方向を確認し、それに対して直交するように断面線を設定します。すべての断面を同じ方位で切り出すと、曲線区間では対象物を斜めに横切る可能性があります。

点群から一定幅内の点を集めて断面へ投影する場合、抽出幅が広すぎると前後の地形が混在します。反対に、抽出幅が狭すぎると点が不足し、地表面が途切れることがあります。点密度や地形変化に応じた幅を設定し、断面ごとに極端に異なる条件を使わないようにします。

植生、車両、資材、作業員、仮設物などの不要な点が含まれていると、断面線に不自然な盛り上がりが生じます。地表面を対象とする場合は、不要点を除外したうえで断面を作成します。

各断面積を算出した後は、測点順に並べて変化を確認します。前後の断面と比べて面積が急激に増減している場合は、実際の形状変化なのか、入力ミスや範囲設定の違いなのかを確認します。

手順4 プリズモイド法を適用する区間に分ける

断面積がそろったら、複数断面をプリズモイド法の適用単位に分けます。基本となる単位は、等間隔に配置された3断面です。

起点から0メートル、10メートル、20メートル、30メートル、40メートルの位置に断面がある場合を考えます。0メートル、10メートル、20メートルの3断面を第1組とし、20メートル、30メートル、40メートルの3断面を第2組とします。

第1組では、0メートル地点が始点断面、10メートル地点が中央断面、20メートル地点が終点断面です。第2組では、20メートル地点が始点断面、30メートル地点が中央断面、40メートル地点が終点断面になります。

20メートル地点の断面は、第1組と第2組の両方に使われます。第1組では終点断面、第2組では始点断面として必要になるためであり、不適切な二重計上ではありません。

各組に代入する区間長Lは、始点断面から終点断面までの距離です。隣接断面間隔が10メートルの場合、3断面で構成される一組の区間長は20メートルです。中央断面までの10メートルをLに代入すると、計算結果が本来の半分になるため注意します。

断面間隔が5メートルで、0メートル、5メートル、10メートルの断面を使う場合は、Lに10メートルを代入します。プリズモイド公式のLは、隣接断面間隔ではなく、一組の始点から終点までの全長です。

複数断面の途中で間隔が変わる場合は、等間隔の範囲ごとに分割します。0メートル、10メートル、20メートル、25メートル、30メートルに断面がある場合、0メートルから20メートルまでは10メートル間隔の一組として計算できます。

20メートルから30メートルまでは、20メートル、25メートル、30メートルの3断面を使い、5メートル間隔の別の一組として計算できます。このように、間隔が途中で変わっていても、各組の内部で中央断面が距離上の中央にあれば個別に計算できます。

区間分けでは、地形や構造の変化点も考慮します。法面勾配が変わる場所、道路幅が変わる場所、掘削底面の高さが変化する場所、構造物が始まる場所、構造物が終わる場所などには追加断面を設けることを検討します。

切土から盛土へ変わる位置も重要な変化点です。始点断面が切土、終点断面が盛土である場合、区間途中のどこかに切土面積と盛土面積がともにゼロとなる境界が存在する可能性があります。

この区間を正味面積のまま一つにまとめるのではなく、切土が終わる位置や盛土が始まる位置を確認し、それぞれの体積を分けて計算します。必要に応じて、断面積がゼロとなる位置を補間して追加測点を設定します。

地形が急変する区間では、両端と中央の3断面だけでは形状を十分に表せない場合があります。プリズモイド法は中央断面を使用するため、平均断面法より途中の変化を反映しやすい方法ですが、局所的な段差やくぼみを自動的に再現するものではありません。

区間内に複数の変曲点がある場合は、断面間隔を短くし、複数の小さな計算区間へ分割します。区間分けが完了したら、各組の始点測点、中央測点、終点測点、区間長を記録しておきます。

手順5 区間ごとの体積を計算する

プリズモイド法を適用する区間が決まったら、各組について体積を計算します。始点断面積をA1、中央断面積をAm、終点断面積をA2、始点から終点までの距離をLとすると、計算式は次のとおりです。

V=L÷6×(A1+4Am+A2)

たとえば、始点断面積が18平方メートル、中央断面積が24平方メートル、終点断面積が31平方メートル、始点から終点までの距離が20メートルである場合を考えます。

V=20÷6×(18+4×24+31)

中央断面積24平方メートルに4を掛けると96平方メートルです。括弧内の合計は145平方メートルとなります。

V=20÷6×145

この区間の体積は約483.33立方メートルです。

次の組として、始点断面積が31平方メートル、中央断面積が29平方メートル、終点断面積が22平方メートル、区間長が20メートルである場合は、次のように計算します。

V=20÷6×(31+4×29+22)

括弧内は169平方メートルとなり、体積は約563.33立方メートルです。

区間ごとに計算するときは、途中の小数を早い段階で丸めないようにします。小数第2位や整数へ丸めた区間体積を多数合計すると、最終結果に丸め誤差が蓄積する可能性があります。

内部計算では十分な桁数を保持し、全区間を合計した後に、提出条件や数量算出条件に従って丸めます。断面積についても、元データに小数が含まれている場合は、計算前に不要な丸めを行わないことが重要です。

単位も区間ごとに確認します。断面積が平方メートルで区間長がメートルなら、体積は立方メートルです。断面積が平方ミリメートルで距離がメートルといった異なる単位をそのまま掛けないようにします。

切土と盛土は別々の計算列で処理します。切土用の始点断面積、中央断面積、終点断面積から切土体積を求め、盛土用の3断面積から盛土体積を求めます。

一つの断面内に離れた複数の切土領域がある場合、同じ測点の切土面積として合計できる場合があります。ただし、区間途中で一方の領域が消えたり、新しい領域が現れたりする場合は、形状の連続性を確認します。必要であれば変化点に断面を追加します。

計算記録には、測点位置、断面積、係数、加重後の面積、区間長、区間体積を残します。プリズモイド法の基本式では係数が1、4、1となるため、中央断面に4が付いていることを確認します。

元の断面図や断面積一覧に修正があった場合に備え、使用したデータの作成日や版も記録します。最新の断面図と古い断面積一覧を組み合わせると、計算過程だけを見ても誤りを発見しにくくなります。

手順6 全区間を合計して結果を検証する

各区間の体積を求めたら、対象範囲全体の体積として合計します。ただし、区間体積を合計しただけで計算を終了せず、距離、断面積、概算値などを使って結果を検証します。

最初に確認するのは、計算対象となった総延長です。各プリズモイド区間の長さを合計し、対象範囲の始点から終点までの距離と一致することを確認します。

区間の一部が重複していると、その範囲の体積が二重計上されます。反対に、隣接する組の間に空白があると、一部の体積が計算されません。測点範囲を連続して並べ、始点と終点の対応を確認します。

次に、全体体積を総延長で割り、全区間の平均的な断面積を求めます。この値が、元の断面積の範囲から大きく外れていないかを確認します。

たとえば、すべての断面積が20平方メートルから40平方メートルの範囲にあるにもかかわらず、全体体積を総延長で割った値が100平方メートルになっている場合は、距離、単位、係数、計算式などに誤りがある可能性があります。

平均断面法で概算した体積との比較も有効です。プリズモイド法と平均断面法の結果が完全に一致する必要はありません。中央断面の形状を反映するため、両者には差が生じることがあります。

ただし、その差が非常に大きい場合は理由を確認します。中央断面積が実際に大きく膨らんでいるのか、測点を取り違えているのか、断面方向が他の測点と異なるのか、計算範囲が広すぎるのかを調べます。

断面積を測点順に並べて変化を見ることも重要です。前後の断面積が20平方メートル程度であるのに、一つの断面だけが200平方メートルになっている場合は、実際の地形変化だけでなく、単位や閉合範囲の誤りを疑います。

単純な形状を使った検算もできます。すべての断面積が同じであれば、全体体積は断面積に総延長を掛けた値になるはずです。

たとえば、5つの断面積がすべて20平方メートルで、隣接断面間隔が10メートルなら、総延長は40メートルです。したがって、全体体積は20×40で800立方メートルになります。

同じ条件をプリズモイド法で計算して800立方メートルにならなければ、区間長や係数の設定に誤りがある可能性があります。この検算は、計算表や自動計算式の初期確認に役立ちます。

切土と盛土は、それぞれの合計体積を別々に確認します。切土体積から盛土体積を差し引いた正味量だけでは、搬出量、搬入量、場内流用量などを検討できません。

計算結果を第三者が再現できるように、対象範囲、測点距離、断面積、計算方法、控除条件、丸め方法を記録します。後から設計変更や追加測量が発生した場合にも、再計算する範囲を判断しやすくなります。

複数断面をまとめて計算する方法

等間隔に並んだ複数断面があり、区間数が偶数の場合は、個別のプリズモイド計算を一つの式にまとめられます。この計算方法は、複数の2区間を連続的に扱うものです。

隣接断面間隔をdとし、5つの断面積をA0、A1、A2、A3、A4とすると、全体体積は次の式で求められます。

V=d÷3×(A0+4A1+2A2+4A3+A4)

ここで使用するdは、隣接する断面同士の間隔です。基本式で使うLが3断面の始点から終点までの距離であるのに対し、合成した式では隣接断面間隔dを使います。この違いを混同しないようにします。

係数は最初の断面が1、次が4、その次が2、さらに次が4、最後が1です。両端の断面には1、内部の断面には4と2が交互に付きます。

この係数になる理由は、0番目から2番目までのプリズモイド体積と、2番目から4番目までのプリズモイド体積を合計すると分かります。

最初の2区間の体積は、次の式です。

V1=2d÷6×(A0+4A1+A2)

次の2区間の体積は、次の式です。

V2=2d÷6×(A2+4A3+A4)

この2式を合計すると、A2が両方の式に1回ずつ現れるため、合計した式ではA2の係数が2になります。

7つの断面積A0からA6を使用する場合は、次のようになります。

V=d÷3×(A0+4A1+2A2+4A3+2A4+4A5+A6)

最初と最後は1、内部では4と2が交互に並びます。最後の一つ前の内部断面には4が付きます。

この一括計算を使用するには、隣接断面間隔がすべて等しいことが必要です。0メートル、10メートル、20メートル、35メートル、50メートルのように間隔が途中で変わる断面へ、一つのdを使った式を適用することはできません。

また、区間数が偶数であることも必要です。5断面なら区間数は4であるため適用できます。7断面なら区間数は6であり、同様に適用できます。

6断面では区間数が5となるため、すべての区間をこの一括式だけで処理できません。最初の4区間を5断面で計算し、残りの1区間を別の方法で計算することはできますが、計算方法が混在することになります。

残った1区間にもプリズモイド法を使用したい場合は、その区間の距離上の中央に断面を追加します。追加断面を実測するか、十分な品質を持つ三次元データから作成し、始点、中央、終点の3断面で計算します。

プリズモイド法による体積計算の具体例

ここでは、等間隔に配置された5つの断面から全体体積を求めます。隣接断面間隔は10メートルとし、各断面積は次の値とします。

0メートル地点の断面積A0は18平方メートル、10メートル地点のA1は24平方メートル、20メートル地点のA2は31平方メートル、30メートル地点のA3は29平方メートル、40メートル地点のA4は22平方メートルです。

まず、0メートルから20メートルまでを一組として計算します。この組の区間長は20メートルです。

V1=20÷6×(18+4×24+31)

4×24は96であり、括弧内の合計は145です。

V1=20÷6×145

第1組の体積は約483.33立方メートルです。

次に、20メートルから40メートルまでを一組として計算します。

V2=20÷6×(31+4×29+22)

4×29は116であり、括弧内の合計は169です。

V2=20÷6×169

第2組の体積は約563.33立方メートルです。

全体体積は、2つの区間体積を合計します。

V=483.33+563.33

計算途中の丸め前の値で合計すると、全体体積は約1046.67立方メートルです。

同じ条件を一括式で計算すると、次のようになります。

V=10÷3×(18+4×24+2×31+4×29+22)

括弧内を順番に計算すると、18+96+62+116+22となり、合計は314です。

V=10÷3×314

全体体積は約1046.67立方メートルとなり、区間ごとに計算した結果と一致します。

この例を平均断面法でも計算します。0メートルから10メートルまでの体積は、次のとおりです。

V=10×(18+24)÷2

計算結果は210立方メートルです。

10メートルから20メートルまでは、10×(24+31)÷2で275立方メートルです。20メートルから30メートルまでは300立方メートル、30メートルから40メートルまでは255立方メートルです。

これらを合計すると1040立方メートルとなります。今回の条件では、プリズモイド法との違いは約6.67立方メートルです。

両者の差が小さいからといって、常に平均断面法で十分とは限りません。断面積が長さ方向にほぼ直線的に変化する区間では差が小さくなりやすい一方、中央部分が大きく膨らむ場合やくぼむ場合には差が大きくなる可能性があります。

始点断面積と終点断面積がともに20平方メートル、中央断面積が50平方メートル、始点から終点までの距離が20メートルである場合を考えます。

プリズモイド法では、次のように計算します。

V=20÷6×(20+4×50+20)

括弧内は240であり、体積は800立方メートルです。

両端断面だけを使った平均断面法では、20×(20+20)÷2となり、体積は400立方メートルです。中央部の大きな膨らみを反映するかどうかによって、結果に大きな差が生じます。

ただし、中央だけが極端に大きい場合は、その形状が滑らかに変化しているのか、局所的な突起なのかも確認します。区間内に複雑な変化があるなら、さらに断面を追加して細分化する方が適切です。

平均断面法との違い

平均断面法は、隣接する2断面の平均面積に区間長を掛ける方法です。式は次のように表されます。

V=L×(A1+A2)÷2

プリズモイド法は、始点と終点だけでなく、中央断面を使用します。

V=L÷6×(A1+4Am+A2)

平均断面法は必要な断面が2つであり、計算が比較的簡単です。短い区間で断面形状がほぼ直線的に変化している場合は、実務上扱いやすい方法です。

プリズモイド法は中央断面を追加するため、計測や断面作成の作業が増えます。その代わり、区間中央の膨らみやくぼみを計算に反映できます。

どちらの方法が適切かは、地形の複雑さ、断面間隔、必要な精度、発注者や管理者が定める算出条件などによって異なります。プリズモイド法が常に指定されるわけではなく、平均断面法を使用する条件が定められている場合もあります。

数量計算に使用する方法は、設計図書、数量算出要領、契約条件、社内基準などを確認して決めます。独自の判断で計算方法を変更すると、他の数量表や設計数量と整合しなくなる可能性があります。

プリズモイド法を採用する場合でも、中央断面の精度が低ければ結果の信頼性は高まりません。中央断面積に4の係数が付くため、中央断面の誤差は計算結果へ比較的大きく影響します。

そのため、中央断面は両端断面以上に位置、方向、抽出範囲、基準面を確認することが重要です。

不等間隔の断面を扱うときの注意点

実際の現場では、すべての断面が等間隔に配置されているとは限りません。地形の変化点、構造物の位置、測量可能な場所などに合わせて断面を設定すると、間隔が不均等になることがあります。

プリズモイド法の基本式を使う場合は、始点と終点の距離上の中央に中間断面が必要です。したがって、不等間隔の断面が並んでいても、3断面の位置関係が1対1になっていれば個別に計算できます。

たとえば、0メートル、12メートル、24メートルの3断面は等間隔であるため、0メートルから24メートルまでの一組として計算できます。

一方、0メートル、10メートル、24メートルでは、10メートル地点は中央ではありません。距離上の中央は12メートル地点です。この場合は12メートル地点の断面を追加する方法を検討します。

0メートル、10メートル、20メートル、26メートル、32メートルという配置では、最初の3断面を0メートルから20メートルの組として計算し、後半の20メートル、26メートル、32メートルを別の組として計算できます。

この場合、前半の隣接間隔は10メートル、後半は6メートルですが、各組の中では中央断面が距離上の中央にあります。各組の始点から終点までの距離を使えば、個別のプリズモイド公式を適用できます。

不等間隔のすべての断面を、一つの等間隔用の合成式に当てはめてはいけません。各断面に付ける1、4、2という係数は、等間隔であることを前提としています。

距離が不均等な場合は、適用条件を満たす3断面単位に分けるか、必要な中央断面を追加します。高度な数値計算によって不等間隔のデータを扱う方法もありますが、使用する式の前提や算出基準を確認し、一般的な等間隔用の式と混同しないことが重要です。

体積計算で起こりやすい間違い

プリズモイド法で起こりやすい間違いは、3つの断面があれば計算できると考えてしまうことです。中央断面は、両端断面間の距離上の中央に位置する必要があります。

次に多いのが、区間長の取り違えです。10メートル間隔の3断面を使う場合、始点から終点までの距離は20メートルです。式のLに10メートルを入れると、体積が本来の半分になります。

中央断面の係数4を付け忘れる間違いもあります。プリズモイド法は3断面積を単純平均する方法ではありません。始点と終点には1、中央には4の重みを付けます。

複数断面の一括式では、内部断面の係数2と4を取り違えやすくなります。計算対象の最初の断面をA0として、係数を1、4、2、4、2、4、1の順に割り当てます。

現場の測点番号が奇数か偶数かで係数を判断してはいけません。たとえば現場の名称が測点101から始まっていても、計算対象の最初をA0、次をA1として整理します。

不等間隔の断面に等間隔用の一括式を使用する間違いにも注意します。間隔が変わる場所では計算区間を分け、各組の距離条件を確認します。

断面積と距離の単位が統一されていないこともあります。図面上のセンチメートル、現場座標のメートル、標高差のミリメートルなどが混在しないようにします。

縦横の縮尺が異なる断面図を、そのまま図形として面積測定することも誤差の原因です。実寸の座標値や寸法値へ戻してから計算します。

切土と盛土を相殺する間違いもあります。切土面積が30平方メートル、盛土面積が20平方メートルだからといって、10平方メートルだけを体積計算へ使用すると、実際の施工数量を表せません。

構造物の控除範囲にも注意します。構造物が区間の一部にしか存在しないのに、全断面から同じ面積を控除すると、過大な控除となる可能性があります。

断面の並び順が誤っている場合もあります。測点名称を文字として並べると、測点1、測点10、測点11、測点2のような順番になることがあります。名称ではなく累加距離で昇順に並べます。

途中計算を早く丸めることも避けます。各区間の体積を整数に丸めてから合計すると、区間数が多いほど最終結果との差が大きくなる可能性があります。

計算精度を高めるための実務対策

プリズモイド法による体積計算の精度を高めるには、複雑な式を使うことよりも、必要な位置に適切な断面を配置することが重要です。

断面形状がほぼ一定の区間では、一定の断面間隔で管理しやすくなります。一方、地形や構造が急変する場所では、通常の間隔とは別に追加断面を設定します。

追加断面を検討したい場所には、法面勾配の変更点、幅員の変化点、掘削底面の変化点、曲線の始終点、構造物の端部、切土と盛土の境界などがあります。

断面間隔を単純に短くすれば、常に正確になるわけではありません。測量値が不安定な断面や、方向がずれた断面を増やすと、誤差を多く取り込む可能性があります。

断面位置、断面方向、基準高、計算範囲を統一し、形状変化が大きい場所で重点的に断面を増やします。

三次元計測データを利用する場合は、座標系、標高基準、位置合わせ、点密度、欠測範囲、不要点の除去状況を確認します。異なる時期のデータを比較するときは、同じ座標系と標高基準にそろえます。

水面、植生、急斜面、構造物の裏側などには、計測できない範囲が生じることがあります。欠測範囲を自動的に補間すると、実際には存在する溝や段差が平坦に処理される可能性があります。

重要な断面では、地形モデルだけでなく、現場写真、設計図、既知の寸法、補助測量結果などと照合します。推定で補った範囲は、実測範囲と区別して記録します。

断面積を修正するときは、元の値を直接上書きせず、元データ、補正内容、補正後の値を分けて管理すると確認しやすくなります。構造物控除や欠測補完も別項目として残します。

計算を自動化する場合は、入力段階で異常を検出できるようにします。累加距離が昇順になっているか、断面積が欠落していないか、中央断面が距離上の中央にあるか、区間数が偶数か、単位が統一されているかを確認します。

自動計算結果をそのまま採用せず、単純な形状を使って計算式を検証します。すべての断面積が一定となる条件や、断面積が一定割合で増加する条件を使うと、係数や距離の誤りを発見しやすくなります。

また、平均断面法による概算、全体体積を総延長で割った平均面積、断面積の最大値と最小値などを併せて確認します。異なる方法から結果を見ることで、大きな入力ミスを見つけやすくなります。

成果を保存するときは、最終的な体積だけでなく、測点一覧、断面積一覧、区間分け、使用式、丸め前の結果を残します。設計変更や追加測量が行われた場合でも、変更箇所だけを追跡して再計算できます。

まとめ

複数断面の体積計算にプリズモイド法を使用する場合は、始点断面、中央断面、終点断面の3つを一組として扱います。中央断面が始点と終点の距離上の中央に位置していることが、基本式を適用するうえで重要です。

計算は、対象範囲と基準面を決め、測点位置と断面間隔を確認し、各測点の断面積を求める順で進めます。その後、プリズモイド法を適用できる区間に分け、各区間の体積を計算し、全体を合計して妥当性を確認します。

等間隔の断面が奇数個あり、区間数が偶数であれば、複数区間を一つの式にまとめることができます。ただし、断面間隔が不均等な場合や区間数が奇数の場合は、無理に一括計算せず、適用条件を満たす区間に分割します。

プリズモイド法は、中央断面を利用することで区間途中の形状変化を反映しやすい体積計算方法です。しかし、断面不足、測点のずれ、異なる断面方向、単位の混在、切土と盛土の相殺などを自動的に解決するものではありません。

地形や構造の変化点に断面を追加し、すべての断面で計算範囲と基準を統一することが、計算精度を高めるための基本です。計算後は平均断面法による概算や平均断面積との比較を行い、結果の妥当性を確認します。

現場で必要な中間断面を効率よく取得し、測点位置と三次元データを対応付けて管理したい場合は、LRTK Phoneを活用した計測方法も選択肢になります。現地計測から断面作成、体積計算までの条件を一貫して管理することで、複数断面を使ったプリズモイド法の確認作業を進めやすくなります。

現場を3Dで残して、あとから測る。
実際の画面と動画で使い方を確認できます。

LRTK Phoneの使い方・実例を見る
資料請求導入相談
現場をスマホで3DスキャンLRTK Phone実例を見る