LRTKレフィクシア株式会社

盛土の体積計算で締固め後の数量を求める6つの考え方

盛土の体積計算で最初に区別したい3つの状態

盛土工事の体積計算では、単純に縦、横、高さを掛ければ必要な土の数量が求まるとは限りません。土は掘削、運搬、敷均し、締固めによって空隙の状態が変わるため、同じ土であっても工程ごとに体積が変化するからです。

実務では、地山状態、ほぐした状態、締固め後の状態を区別して扱う必要があります。地山状態とは、掘削する前に自然の地盤として存在している状態です。ほぐした状態とは、掘削によって土粒子の配列が乱れ、ダンプなどに積み込まれている状態です。締固め後の状態とは、盛土箇所に敷き均し、所定の方法で転圧した後の状態を指します。

例えば、地山で100立方メートルあった土が、掘削後には100立方メートルを超えることがあります。掘削によって土の塊が崩れ、空隙が増えるためです。その土を盛土に使用して締め固めると、再び体積が小さくなる可能性があります。ただし、どの程度変化するかは土質、含水状態、締固め方法、施工機械、転圧回数、粒度構成などによって異なります。

したがって、盛土の体積計算を行う際には、計算しようとしている数量がどの状態の土量なのかを明確にしなければなりません。完成形として必要な締固め後体積を求めているのか、現場へ搬入するほぐし土量を求めているのか、土取場で確保すべき地山土量を求めているのかによって、計算方法と使用する係数が変わります。

数量表や計算書には、単に「盛土量」と記載するだけでなく、「締固め後の完成体積」「運搬時のほぐし土量」「土取場における地山土量」のように状態を明記すると、発注者、施工管理者、運搬担当者の間で認識を合わせやすくなります。

考え方1 設計形状から締固め後の完成体積を求める

締固め後の盛土数量を求める基本は、完成した盛土の設計形状を体積として計算することです。設計図に示された天端幅、盛土高さ、法面勾配、延長などから、完成形の断面積を求め、それを延長方向に積み上げます。

断面形状が一定であれば、基本式は「体積=断面積×延長」です。例えば、道路盛土の横断面が台形で、区間全体にわたって形状が変わらない場合は、台形の断面積に施工延長を掛けることで体積を求められます。

台形断面の面積は、「上辺と下辺の合計×高さ÷2」で求めます。天端幅を上辺、法尻間の幅を下辺、盛土高さを台形の高さとして扱えば、盛土断面積を計算できます。左右の法面勾配が同じであれば、法尻間の幅は天端幅と盛土高さから求めることも可能です。

例えば、法面勾配が水平1.5に対して鉛直1、天端幅が4メートル、盛土高さが2メートルの場合、片側の水平幅は3メートルです。左右を合わせると6メートルとなり、法尻間の幅は10メートルです。このときの断面積は、(4+10)×2÷2=14平方メートルとなります。断面形状が100メートル続く場合、締固め後の設計体積は1,400立方メートルです。

ただし、実際の盛土では地盤の高さや横断勾配が変化するため、同じ断面が連続するケースばかりではありません。その場合は、測点ごとに断面積を計算し、平均断面法などを用いて区間体積を求めます。

平均断面法では、隣接する2断面の面積を平均し、その間の距離を掛けます。区間体積は「前断面積と後断面積の合計÷2×断面間距離」です。複数の区間がある場合は、それぞれの区間体積を合計します。

設計形状から求めた体積は、通常、完成後に確保すべき幾何学的な盛土体積です。この段階では、運搬時のほぐれ、転圧による収縮、施工中の損失、長期的な沈下などは含めず、まず基準となる完成体積を明確にします。

ここで注意したいのは、設計面と現況地盤面の間にある部分だけを計算することです。基礎地盤の掘削、表土除去、段切り、置換、排水層などがある場合は、それぞれの範囲を整理しなければなりません。盛土の外形全体をそのまま体積にすると、既存地盤と重なる部分や盛土材以外の構造部分まで含めてしまう可能性があります。

考え方2 土量変化率を使って搬入土量へ換算する

設計形状から締固め後の完成体積を求めても、その数量と同じ体積の土を搬入すれば足りるとは限りません。搬入時の土はほぐれた状態であり、締固めることで体積が変化するためです。

そこで使用されるのが、土の状態間の変化を表す係数です。ただし、係数の名称や定義は計算書、積算基準、社内基準などによって異なることがあります。数値を使う前に、分子と分母がどの状態を表しているかを確認することが重要です。

例えば、締固め後体積に対するほぐし土体積の比を「ほぐし土体積÷締固め後体積」と定義した場合、必要な搬入土量は「締固め後の完成体積×換算係数」で求められます。

締固め後の完成体積が1,400立方メートルで、現場試験や過去の施工記録から、ほぐし土体積が締固め後体積の1.20倍になると判断した場合、搬入時に必要となる土量の目安は1,680立方メートルです。

ただし、1.20という数値をどの現場にも適用できるわけではありません。砂質土、粘性土、礫質土、岩塊を含む材料では、掘削後のほぐれ方や締固め後の空隙率が異なります。同じ土質分類であっても、含水比、粒度分布、最大粒径、運搬中の振動、仮置き期間などによって体積変化は変わります。

また、締固め条件によっても必要量は変わります。施工含水比が適切で、所定の層厚と転圧回数が守られていれば、比較的安定した締固め結果を得やすくなります。一方、含水状態が不適切な場合や、一層の敷均し厚さが大きすぎる場合には、同じ運搬量を投入しても均一な締固め状態にならないことがあります。

土量変化率を使う場合は、係数の根拠を記録しておくことが大切です。設計資料に指定されている値なのか、試験施工で確認した値なのか、類似工事の実績値なのかを明確にします。工事途中で土質が変わった場合は、同じ係数を使い続けず、必要に応じて見直します。

さらに、運搬車両の台数を算出するときは、車両の荷台容積をそのまま実積載量として扱わないよう注意が必要です。積み方、土の盛り上がり、付着、荷下ろし後の残土、過積載防止などの影響があるため、車両1台当たりの管理数量は現場条件に合わせて設定します。

土量変化率による換算は、施工開始前の搬入計画に適しています。一方、施工後の完成数量を確定するには、出来形測量や密度管理など、別の確認方法と組み合わせる必要があります。

考え方3 乾燥密度と質量収支から必要数量を求める

土の体積は空隙や含水状態によって変化します。そのため、体積だけでなく、乾燥した土粒子の質量を基準に考えると、締固め後の必要数量をより論理的に整理できます。

乾燥密度とは、土の全体積に対する乾燥土質量の割合です。水分の質量を除いて考えるため、含水状態が異なる土を比較するときにも使用できます。

締固め後の必要乾燥土質量は、「締固め後の体積×目標乾燥密度」で求められます。例えば、締固め後体積が1,400立方メートルで、目標とする乾燥密度が1立方メートル当たり1.70トンである場合、必要な乾燥土質量は2,380トンです。

次に、搬入土の乾燥密度が分かれば、必要なほぐし土体積を計算できます。搬入状態の乾燥密度が1立方メートル当たり1.40トンであれば、必要なほぐし土体積は2,380÷1.40=1,700立方メートルです。

この計算では、締固め前後で乾燥土質量が基本的に保存されるという考え方を使います。ただし、実際の現場では土のこぼれ、車両や機械への付着、選別による除去、異物の混入、降雨による流出などが生じることがあります。そのため、計算上の数量と実際の搬入量が完全には一致しない可能性があります。

密度による計算の利点は、体積変化の理由を空隙の変化として把握しやすい点です。ほぐした土は空隙が多いため乾燥密度が小さく、締め固めると空隙が減って乾燥密度が大きくなります。必要な土粒子の質量が同じであれば、密度が高いほど体積は小さくなります。

一方で、密度の値を適切に設定しなければ計算精度は上がりません。搬入土の乾燥密度は、土取場の地山密度と同じとは限らず、積込み後のほぐし状態によって変わります。また、締固め後の目標乾燥密度は、室内試験から得られる最大乾燥密度そのものではなく、施工仕様で求められる締固め度との関係で判断する必要があります。

締固め度を用いる場合、目標乾燥密度は「最大乾燥密度×必要締固め度」で整理できます。ただし、締固め度の定義、試験方法、適用する土質、判定単位は工事仕様によって異なります。計算書では採用した試験結果と要求条件を対応させておくことが重要です。

また、湿潤質量で搬入管理を行う場合は、含水比を考慮する必要があります。同じ乾燥土質量でも、水分を多く含む土ほど湿潤質量が大きくなるからです。重量計測の結果をそのまま土粒子の量とみなさず、必要に応じて含水比を使って乾燥質量へ換算します。

考え方4 施工層ごとの厚さと面積から積み上げる

盛土は一般に、一度に完成高さまで土を投入するのではなく、一定の厚さに敷き均して転圧し、その作業を繰り返して構築します。そのため、締固め後の数量を施工層ごとに計算する方法も実務的です。

各層の締固め後体積は、「施工面積×仕上がり厚さ」で求められます。施工面積が2,000平方メートルで、締固め後の一層厚さが0.20メートルであれば、その層の完成体積は400立方メートルです。

ただし、盛土の法面が外側へ広がる形状では、下層ほど施工面積が大きく、上層ほど小さくなります。全層に同じ面積を使うと誤差が生じるため、層ごとに外周形状を求めるか、上下の面積を平均して体積を計算します。

ある層の下面積が2,000平方メートル、上面積が1,900平方メートル、仕上がり厚さが0.20メートルである場合、簡便には平均面積1,950平方メートルに厚さを掛け、390立方メートルと計算できます。形状の変化が大きい場合は、より細かい層に分けるか、三次元形状を用いて計算したほうがよいでしょう。

施工層ごとの計算は、日々の進捗管理にも向いています。どの範囲を何層まで施工したかが分かれば、その日の締固め後数量を把握できます。搬入土量、転圧面積、施工層数を照合することで、計算上の数量と現場の進み方に大きなずれがないか確認できます。

ここで区別したいのが、敷均し時の厚さと締固め後の仕上がり厚さです。転圧前には一定の厚さで土を広げますが、転圧後には沈み込んで厚さが小さくなります。計画数量を求めるときに転圧前の敷均し厚さを使うのか、転圧後の仕上がり厚さを使うのかを混同すると、数量が合わなくなります。

締固め後体積を求める場合は、原則として転圧後の仕上がり厚さを使用します。搬入量や敷均し作業量を考える場合は、転圧前の厚さや、その厚さを確保するための土量換算が必要です。

施工層管理では、基礎地盤の不陸も影響します。最初の層は、設計上の平均厚さより厚い部分と薄い部分が生じやすくなります。単純に平面積へ一定厚さを掛けるだけでは、凹凸を埋める土量を十分に表せない場合があります。施工前の地盤面を測量し、最初の計画面との差分を計算しておくと、初期層の必要量を把握しやすくなります。

考え方5 沈下や余盛りを別枠で見込む

盛土の完成形を計算しただけでは、施工後の沈下や変形まで含めた必要数量にならない場合があります。盛土自体の圧縮、基礎地盤の沈下、施工中のなじみ、長期的な圧密などが予想される場合は、設計体積とは別に余盛りを検討します。

余盛りとは、将来の沈下などを見込んで、計画高より高く施工する部分です。ただし、余盛り量を一律の割合で決めるのは適切とは限りません。沈下量は盛土材料だけでなく、基礎地盤の地層構成、盛土高さ、施工速度、排水条件、地下水、荷重の継続時間などの影響を受けます。

余盛りを体積として求める基本的な考え方は、「余盛り部分の平面積×余盛り高さ」です。余盛り高さが一様でない場合は、複数区画に分けるか、余盛り前後の面の差分から計算します。

例えば、天端面積が1,000平方メートルで、天端全体に平均0.10メートルの余盛りを行う単純な条件であれば、追加体積は100立方メートルです。ただし、法面にも余盛り形状が連続する場合は、天端部分だけでなく、外周側に増える体積も含める必要があります。

余盛りを考える際には、「締固め不足を補うための上乗せ」と「予測沈下に対応するための余盛り」を混同しないことが重要です。締固め不足は、追加の土を載せるだけで解決するものではありません。所定の品質を満たすように施工条件を見直し、必要な締固め状態を確保する必要があります。

また、施工中の損失や端部の整形分も、沈下とは分けて考えます。法面整形による削り取り、運搬中のこぼれ、仮置き場への残留、雨水による流出、土質不適合部分の除去などが想定される場合、計画上の予備量を設定することがあります。

ただし、予備量を大きく設定すれば安全というわけではありません。過剰な搬入は残土の発生につながり、仮置き場所や搬出処理が必要になることがあります。余盛り、施工損失、品質不適合による除去量は、それぞれ根拠を分けて計算することが望まれます。

沈下を見込む場合には、時間軸も重要です。施工直後に生じる沈下と、一定期間後に生じる沈下では、管理方法が異なります。施工途中で沈下量を測定し、予測値と実測値を比較しながら盛土速度や追加量を調整する方法もあります。

したがって、締固め後の必要数量は、「完成形の設計体積」「余盛り体積」「合理的に見込む施工損失」などに分けて整理すると、数量の意味が明確になります。

考え方6 施工前後の測量結果から実績体積を確認する

計画段階の数量は、設計形状、土量変化率、密度、施工層などから求めます。しかし、実際に完成した盛土の数量を確認するには、施工前後の地形を測量し、二つの面の差分を計算する方法が有効です。

施工前には現況地盤面を測量し、施工後には完成した盛土面を測量します。平面上の同じ位置で標高差を求め、その差を対象面積全体で積分することで盛土体積を計算できます。

測量点から格子状の面を作成する方法では、各格子の面積と平均高低差を掛けて体積を求めます。格子幅を細かくすると地形の変化を表現しやすくなりますが、測量密度やデータ精度が不十分なまま格子だけを細かくしても、必ずしも実態に近づくとは限りません。

三角形の集合として地表面を表現する方法では、施工前後の三次元面を作成し、その間の体積を計算します。法面、段差、曲線部、不整形な敷地など、単純な断面法では扱いにくい形状にも対応しやすい方法です。

測量による体積計算で重要なのは、施工前後の座標系、標高基準、対象範囲を統一することです。基準が異なるデータを比較すると、実際には存在しない高低差が生じる可能性があります。

また、盛土範囲の境界設定も結果に影響します。法尻の外側や、既存地盤を掘削した範囲、排水施設、構造物、仮設道路などをどこまで含めるかを事前に決めます。計算範囲が施工前後で異なると、正しい差分体積を得られません。

施工後の表面を測るだけでは、盛土内部の品質までは判断できません。体積が設計値と一致していても、締固め度や含水状態が要求を満たしているとは限らないためです。測量による数量確認と、密度試験などによる品質確認は別の目的を持つ管理として組み合わせます。

測量結果から得た実績体積は、搬入記録との照合にも使えます。施工後体積、搬入時のほぐし土量、乾燥密度、含水比などを比較すると、採用した換算係数が妥当だったかを確認できます。この結果を次の施工区間に反映すれば、工事が進むにつれて数量予測の精度を高められます。

盛土の断面形状に応じた代表的な体積計算

盛土の体積計算では、対象形状に合った方法を選ぶ必要があります。単純な直方体に近い盛土であれば、「幅×長さ×高さ」で概算できます。仮設ヤードのかさ上げや、ほぼ水平な敷地に一定厚さで盛土する場合などに使いやすい方法です。

ただし、現況地盤に傾斜や凹凸がある場合、一定高さとして計算すると誤差が大きくなります。この場合は、対象範囲を複数の区画に分割し、区画ごとに平均盛土厚を設定します。

道路や堤体のように延長方向へ続く盛土では、横断面を使う方法が一般的です。一定間隔で横断面積を求め、隣接断面の平均面積に区間距離を掛けます。地形や盛土高さが大きく変化する場所では、断面間隔を狭くして形状変化を捉えます。

平均断面法は分かりやすく実務で扱いやすい一方、断面間の地形が直線的に変化するという近似を含みます。急な谷地形、局所的な盛り上がり、複雑な法面などがある場合は、補助断面を追加するか、三次元測量による面計算を検討します。

広い造成地では、メッシュ法を用いることがあります。敷地を一定間隔の格子に分け、各格子で計画高と現況高の差を求めます。その高低差と格子面積を掛けて、全格子の体積を合計します。

メッシュ法では、盛土になる格子と切土になる格子が混在する場合があります。正負をそのまま合計すると、盛土量と切土量が相殺されます。施工計画では切土量と盛土量を分けて集計し、場内流用できる数量を検討する必要があります。

点群などから三次元面を作成できる場合は、施工前面と設計面、または施工後面との差分を直接求められます。この方法は不整形な地形に適していますが、計測できていない部分、植生、車両、資材、仮設物などがデータに含まれると、体積に影響することがあります。不要な点を除去し、対象となる地表面を適切に作成することが重要です。

どの方法を選んでも、計算精度は元となる寸法や測量データに左右されます。複雑な地形に対して高度な計算法を使っても、基準点の誤りや測り漏れがあれば、正しい数量にはなりません。

締固め後の数量を求める計算例

ここでは、完成形の体積から搬入土量を求める流れを考えます。計算条件として、盛土の天端幅を6メートル、高さを3メートル、左右の法面勾配を水平1.5に対して鉛直1、施工延長を200メートルとします。断面形状は全区間で一定であるものとします。

盛土高さが3メートルで、片側の水平幅が高さの1.5倍であれば、片側の法面水平幅は4.5メートルです。左右を合わせると9メートルとなるため、法尻間の幅は6+9=15メートルです。

台形断面積は、(6+15)×3÷2=31.5平方メートルです。これに施工延長200メートルを掛けると、締固め後の設計体積は6,300立方メートルとなります。

次に、余盛り部分の体積を計算します。単純化のため、天端面積に平均0.10メートルの余盛りを行うとします。天端面積は6×200=1,200平方メートルであるため、余盛り部分は120立方メートルです。

この条件では、締固め後に確保する計画体積は6,300+120=6,420立方メートルです。ただし、実際には余盛りに伴って法面側の形状も変化する可能性があるため、施工図に基づいて追加体積を確認します。

次に、締固め後体積に対するほぐし土体積の換算係数を1.18と仮定します。搬入土量の計画値は6,420×1.18=7,575.6立方メートルです。実務では管理単位に合わせて丸めますが、丸め処理は計算途中では行わず、最終段階で行うほうが誤差を抑えやすくなります。

さらに、施工中の損失を締固め後数量とは別に見込むとします。仮に搬入土量に対して2パーセントを計画上の予備量とする場合、追加量は約151.5立方メートルとなり、搬入計画量は約7,727立方メートルです。

ただし、この2パーセントや換算係数1.18は説明用の仮定であり、実際の工事でそのまま使用する数値ではありません。現場の土質試験、試験施工、過去の実績、仕様書などに基づいて設定する必要があります。

密度から確認する場合は、締固め後の目標乾燥密度を1立方メートル当たり1.75トンと仮定すると、必要乾燥土質量は6,420×1.75=11,235トンです。搬入状態の乾燥密度が1立方メートル当たり1.48トンであれば、必要なほぐし土体積は11,235÷1.48で約7,591立方メートルとなります。

換算係数による計算結果と、密度による計算結果には若干の差があります。この差は、採用した係数や密度の前提が完全には一致していないためです。複数の方法で計算した結果を比較し、差が大きい場合は、土質条件や数値の定義を見直します。

盛土の体積計算で起こりやすい間違い

盛土の数量計算で特に起こりやすいのが、締固め後体積とほぐし土体積の混同です。設計図から求めた完成体積を、そのままダンプの運搬容量で割ると、搬入台数が不足する可能性があります。

反対に、ほぐし土量を完成体積として扱うと、出来形数量を過大に評価することがあります。計算式の横に「地山」「ほぐし」「締固め後」のどれを示す数値なのか記載しておくと、混同を防ぎやすくなります。

換算係数を逆に掛ける間違いにも注意が必要です。例えば、係数が「締固め後体積÷ほぐし土体積」と定義されているのに、締固め後体積へ掛けてしまうと、必要搬入量が小さく計算されます。係数名だけで判断せず、分子と分母を書き出して確認します。

単位の混在もよくある問題です。寸法の一部がミリメートル、別の寸法がメートルのまま計算されると、大きな誤差になります。体積を立方メートルで求める場合は、計算前にすべての長さをメートルへ統一します。

法面勾配の読み違いにも注意が必要です。水平距離と鉛直距離の比を反対に扱うと、法尻幅と断面積が大きく変わります。勾配表記は数値だけを転記せず、どちらが水平でどちらが鉛直か確認します。

現況地盤を水平とみなすことも誤差の原因になります。盛土厚が場所によって異なる場合、平均高さだけで計算すると、谷部や傾斜部の土量を正しく反映できません。重要な施工では、横断面、メッシュ、三次元面などを使って地形変化を捉えます。

構造物部分を盛土に含める間違いもあります。擁壁、排水構造物、基礎、路盤、表土、置換材など、盛土材と異なる材料の範囲は分けて計算します。

出来形測量では、植生、仮置き資材、施工機械、土の山などを完成面として取り込まないようにします。また、施工前後で測量範囲や基準標高が異なると、比較結果が不安定になります。

計算途中で数値を何度も丸めることも、区間数が多い場合には無視できない差につながります。断面積や区間体積は必要な桁数を保持し、最終集計後に管理単位へ丸める方法が適しています。

計算結果を施工計画と数量管理に生かす方法

盛土の体積計算は、完成数量を求めるだけでなく、運搬、施工、品質、進捗の管理に活用できます。まず、完成体積から必要搬入量を求めれば、土取場の確保量、運搬車両の台数、施工日数の計画につなげられます。

施工期間中は、日々の搬入量と締固め後の施工量を照合します。搬入量に対して完成体積が極端に小さい場合は、土量変化率、含水状態、施工範囲、損失などを確認します。反対に、計算上あり得ないほど完成体積が大きい場合は、測量範囲や基準面の設定を見直します。

施工区間ごとに計画体積、搬入量、施工層数、実測体積を記録すると、残りの必要量を予測しやすくなります。土質が区間ごとに異なる場合は、材料区分ごとに換算係数や密度を分けます。

試験施工の結果も数量計画に反映できます。一定量の土を搬入し、敷均し厚さ、転圧後厚さ、密度、完成体積を確認すれば、その材料と施工条件における実績換算率を求められます。

ただし、試験区間と本施工区間で材料、含水状態、施工機械、層厚などが変われば、同じ結果になるとは限りません。条件変更があった場合は、換算値を固定せず、実績を継続的に確認します。

測量データを活用する場合は、計測日、使用した基準点、対象範囲、除外範囲、計算方法を記録します。同じ点群や座標データでも、境界や基準面の設定によって体積結果が変わるためです。

現場で座標を取得し、施工前後の状態を三次元データとして管理できれば、複雑な盛土形状でも数量を把握しやすくなります。法面や不整形地盤の確認、施工範囲の記録、出来形面との差分確認などを一連の流れとして管理することが重要です。

LRTK Phoneを活用すると、現場で取得した位置情報や三次元データをもとに、施工範囲や地形の変化を記録しやすくなります。机上の設計数量だけでなく、現場の実測結果を組み合わせることで、残土や土不足のリスクを早い段階で把握し、次の施工判断につなげられます。

まとめ

盛土の締固め後数量を正しく求めるには、最初に地山、ほぐし、締固め後という土の状態を区別することが重要です。設計図から求める完成体積は、運搬時の土量や土取場で必要となる土量と同じではありません。

基本となる第一の考え方は、設計形状から締固め後の完成体積を求めることです。第二に、土量変化率を使って搬入時のほぐし土量へ換算します。第三に、乾燥密度と質量収支から必要量を確認すれば、体積変化を土粒子量の観点から整理できます。

第四の考え方として、施工層ごとの面積と仕上がり厚さを積み上げれば、日々の進捗管理にも活用できます。第五に、沈下を見込む余盛りや施工損失は、完成形の設計体積とは分けて計算します。第六に、施工前後の測量結果から実績体積を求め、計画値や搬入記録と照合します。

使用する換算係数や密度は、土質や施工条件によって変わります。根拠のない固定値を使うのではなく、試験結果、設計条件、施工実績を確認して設定することが大切です。

盛土の体積計算は、一度だけ行って終わる作業ではありません。計画時の数量、施工中の搬入実績、施工層ごとの完成量、出来形測量の結果を継続して比較することで、予測精度を高められます。現場の地形や完成面を効率よく記録し、体積差を数量管理へ生かす方法として、LRTK Phoneの活用も検討できます。

現場を3Dで残して、あとから測る。
実際の画面と動画で使い方を確認できます。

LRTK Phoneの使い方・実例を見る
資料請求導入相談
現場をスマホで3DスキャンLRTK Phone実例を見る