LRTKレフィクシア株式会社

含水土の体積計算で乾燥後の数量を見積もる4つの補正

含水土の体積計算で乾燥後の数量が変わる理由

含水土の体積計算では、現場で測った湿った土の体積を、そのまま乾燥後の数量として扱うことはできません。土から水分が抜けると質量が減少するだけでなく、土粒子の並び方や粒子間の空隙が変化し、外形の体積も変わる可能性があるためです。

ただし、水分が減った割合と体積が減る割合は同じではありません。含水比が20パーセントだからといって、乾燥後の体積が現在の80パーセントになるわけではありません。含水比は乾燥した土の質量に対する水の質量の割合であり、体積の減少率を示す数値ではないからです。

土中の水が抜けても、その部分が空隙として残れば、土全体の体積は大きく変わらない場合があります。一方で、粘性土のように水分の減少に伴って土粒子同士が近づく土では、乾燥収縮によって外形体積が小さくなることがあります。さらに、乾燥後に重機で締め固めれば体積は減少し、掘削や積込みによってほぐせば体積が増加する可能性があります。

このため、含水土から乾燥後の数量を見積もる際には、現在の湿潤体積だけでなく、含水比、湿潤密度、乾燥密度、土質、乾燥後の置かれ方を整理する必要があります。基本となる考え方は、現在の湿潤土から水分の影響を取り除いて乾燥土質量を求め、その乾燥土質量を乾燥後に想定する密度で割る方法です。

乾燥後体積は、次の考え方で求めます。

乾燥後体積=乾燥土質量÷乾燥後の乾燥密度

この式を使うと、現在の水分量が異なる土でも、乾燥後に残る土粒子の質量を基準として数量を比較できます。ただし、乾燥後の乾燥密度には、自然乾燥後の仮置き状態、ほぐした状態、締固めた状態など、目的に合った数値を設定しなければなりません。

含水土の体積計算で重要なのは、何を乾燥後と定義するかです。表面が乾いた状態、一定期間の自然乾燥後、試験上の乾燥状態では、残っている水分量が異なります。また、同じ含水状態でも、土が緩く積まれているか、締め固められているかによって体積は変わります。

実務では、単に乾燥後体積と表現するのではなく、自然乾燥後の仮置き体積、運搬時のほぐれ土体積、締固め後の完成体積など、土の状態を明記することが大切です。状態を明確にすることで、計算に用いる密度や補正係数を選びやすくなり、計算結果の取り違えも防げます。

補正1 含水比から乾燥土質量を求める

最初の補正は、湿潤土質量に含まれる水の影響を除き、乾燥土質量を求めることです。乾燥後にも残る土粒子の質量を基準にすれば、含水状態が異なる土の数量を同じ条件で扱えます。

土質管理で用いられる含水比は、乾燥土質量に対する水の質量の割合です。含水比をw、水の質量をMw、乾燥土質量をMdとすると、次の関係になります。

含水比=水の質量÷乾燥土質量

含水比をパーセントで表す場合は、最後に100を掛けます。計算式へ代入するときは、20パーセントを0.20、30パーセントを0.30のように小数へ直します。

湿潤土質量をMtとすると、乾燥土質量は次の式で求められます。

乾燥土質量=湿潤土質量÷(1+含水比)

たとえば、湿潤土質量が120トン、含水比が20パーセントの場合、乾燥土質量は次のようになります。

120÷1.20=100トン

この土には、乾燥土100トンと水20トンが含まれていることになります。ここで注意したいのは、湿潤土全体120トンに占める水の割合は20パーセントではないことです。水20トンを湿潤土質量120トンで割ると、湿潤土全体に対する水の割合は約16.7パーセントです。

含水比を湿潤土全体に対する水の割合と誤解すると、乾燥土質量の計算がずれます。含水比はあくまで乾燥土質量を基準とするため、湿潤土質量から乾燥土質量を求めるときには、1と含水比の合計で割る必要があります。

現場で把握している数値が体積だけの場合は、湿潤密度を使って湿潤土質量へ変換します。湿潤体積をV、湿潤密度をρtとすると、湿潤土質量は次の式です。

湿潤土質量=湿潤体積×湿潤密度

その結果を含水比で補正すれば、乾燥土質量を求められます。

乾燥土質量=湿潤体積×湿潤密度÷(1+含水比)

たとえば、湿潤体積が80立方メートル、湿潤密度が1.80トン毎立方メートル、含水比が20パーセントの場合、湿潤土質量は144トンです。

80×1.80=144トン

乾燥土質量は次のようになります。

144÷1.20=120トン

したがって、この含水土には乾燥土として120トン分の土粒子が含まれていると計算できます。

含水比は、土山全体で均一とは限りません。表面は日射や風の影響で乾きやすい一方、内部や底部は水分を保持しやすい傾向があります。降雨直後には表面付近の含水比が高くなり、その後に水が下方へ移動すると底部の含水状態が高くなることもあります。

そのため、土山の表面から一つの試料を採取しただけでは、全体の含水比を適切に代表できない場合があります。規模の大きな土山や、異なる時期に搬入された土が混在する場所では、位置と深さを変えて複数の試料を採取する方法が適しています。

含水比を複数測定した場合も、単純に平均すればよいとは限りません。体積や質量が異なる区画を同じ重みで平均すると、全体の水分状態を正しく表せない可能性があります。実務では、区画ごとに湿潤体積、湿潤密度、含水比を設定し、それぞれの乾燥土質量を求めてから合計する方法が分かりやすく、計算根拠も残しやすくなります。

補正2 湿潤密度と乾燥密度を使い分ける

2つ目の補正は、湿潤密度と乾燥密度を正しく使い分けることです。湿潤密度には土粒子と水の両方の質量が含まれています。一方、乾燥密度は単位体積当たりに含まれる乾燥土質量を示します。

湿潤密度をρt、乾燥密度をρd、含水比をwとすると、乾燥密度は次の式で求められます。

乾燥密度=湿潤密度÷(1+含水比)

たとえば、湿潤密度が1.80トン毎立方メートル、含水比が20パーセントの場合、乾燥密度は次のようになります。

1.80÷1.20=1.50トン毎立方メートル

この1.50トン毎立方メートルは、現在の土の1立方メートルに乾燥土が1.50トン含まれていることを示します。ただし、この数値を乾燥後の密度としてそのまま使えるとは限りません。

乾燥によって土粒子の配置が変化すれば、乾燥後の体積も変わります。また、乾燥後に土を敷きならして締め固める場合は、現在より乾燥密度が高くなる可能性があります。反対に、地山を掘削してほぐした場合は、乾燥密度が低くなる場合があります。

乾燥後体積を求める際には、現在の乾燥土質量を、乾燥後に想定する乾燥密度で割ります。

乾燥後体積=乾燥土質量÷乾燥後乾燥密度

たとえば、乾燥土質量が150トンで、自然乾燥後の仮置き状態における乾燥密度を1.50トン毎立方メートルと想定すると、乾燥後体積は100立方メートルです。

150÷1.50=100立方メートル

同じ乾燥土質量を締め固め、乾燥密度が1.65トン毎立方メートルになった場合は、体積が約90.9立方メートルになります。

150÷1.65=約90.9立方メートル

一方、掘削や積替えによってほぐれ、乾燥密度が1.35トン毎立方メートルになった場合は、体積が約111.1立方メートルになります。

150÷1.35=約111.1立方メートル

このように、乾燥土質量が同じでも、土の置かれ方によって体積は大きく変わります。乾燥後の数量を見積もるときには、乾燥による水分減少だけではなく、乾燥後に土をどのような状態で使用または保管するかを明確にしなければなりません。

湿潤密度や乾燥密度は、土質、粒度構成、含水状態、締固めの程度、異物の混入などによって異なります。一般的な目安だけで計算すると、実際の数量と差が生じることがあります。重要な数量計算では、対象土の試験値、試験施工の結果、同じ現場における過去の測定値などを優先して使用することが適切です。

また、密度の測定位置にも注意が必要です。重機が通行した部分は強く締め固められ、土山の内部より密度が高い場合があります。法面表層や積み上げ直後の土は、内部より緩い可能性があります。土山全体を一つの密度で扱う場合は、その値が対象範囲を代表しているか確認する必要があります。

補正3 乾燥収縮と締固めによる体積変化を反映する

3つ目の補正は、乾燥収縮と施工状態の変化を反映することです。水分が抜けたときの体積変化は、土質によって大きく異なります。

砂や礫を多く含む土では、土粒子そのものが乾燥によって小さくなるわけではありません。排水後に粒子間の空隙が残れば、水分が減っても外形体積は大きく変わらない場合があります。水が抜けた場所が空気に置き換わるだけであれば、質量は減っても体積はほぼ維持されます。

一方、細粒分を多く含む粘性土では、水分の減少に伴って粒子間隔が狭くなり、乾燥収縮が生じることがあります。表面にひび割れが発生し、土塊の内部や外形が変化することもあります。ただし、粘性土であれば常に一定割合で縮むわけではありません。

収縮の程度には、初期含水比、土の性質、乾燥速度、層の厚さ、排水条件、拘束状態などが影響します。薄く敷き広げた土と、大きな土山の内部とでは乾燥の進み方が異なります。表面だけが乾燥し、内部に水分が残っている状態では、土山全体の体積変化を含水比一つで説明できません。

乾燥収縮を計算へ反映する方法の一つが、乾燥前後の実測体積から収縮係数を求める方法です。

乾燥収縮係数=乾燥後体積÷乾燥前体積

乾燥前の体積が10立方メートル、乾燥後の体積が9.5立方メートルであれば、乾燥収縮係数は0.95です。同じ土質と同様の乾燥条件が再現される場合には、この係数を参考にできます。

ただし、収縮係数を使用するときには、乾燥後乾燥密度との重複に注意します。乾燥後の実測密度が、すでに収縮後の粒子配置を反映している場合、その密度を使った体積計算には収縮の影響が含まれています。そこへさらに収縮係数を掛けると、同じ体積減少を二重に補正することになります。

収縮係数を別に使うのは、乾燥後の密度を直接測定できない場合や、土山全体の外形変化を別途調整したい場合です。使用する係数が何を表しているかを明確にし、密度補正との関係を確認する必要があります。

締固めを行う場合は、乾燥収縮よりも締固めによる体積減少の影響が大きくなることがあります。締固めでは、土粒子間にある空気を減らし、粒子を密な状態へ移動させます。そのため、乾燥土質量が同じでも、締固め前より締固め後の体積が小さくなります。

逆に、地山を掘削して積み上げると、土塊の間に空隙が生まれ、体積が増える場合があります。乾燥によって水分が減っていても、ほぐれの影響が大きければ、乾燥前の地山体積より仮置き土体積が大きくなる可能性があります。

したがって、乾燥後の体積計算では、現在の状態と将来の状態を区別する必要があります。現在が地山なのか、掘削後のほぐれ土なのか、仮置き土なのか、締固め済みの土なのかを記録します。乾燥後についても、自然乾燥後のままなのか、積替えを行うのか、盛土として締め固めるのかを決めます。

体積計算の結果には、単に何立方メートルと書くのではなく、自然乾燥後仮置き体積、締固め後完成体積、運搬時ほぐれ土体積など、対象となる状態を添えることが重要です。状態が明記されていれば、異なる目的の数量を誤って比較するリスクを抑えられます。

補正4 土質と含水状態のばらつきを考慮する

4つ目の補正は、土質、含水比、密度のばらつきを考慮することです。現場にある含水土は、全体が均一な状態であるとは限りません。

土砂置場では、日射や風を受ける表面が乾きやすく、内部や底部は湿りやすい傾向があります。排水の悪い場所では局部的に含水比が高くなり、重機の通行部分では締固めによって密度が高くなることがあります。

異なる場所から搬入された土を同じ土山へ積んでいる場合は、砂質土、粘性土、礫を含む土などが混在していることもあります。同じ含水比でも、土質が異なれば乾燥後の収縮や密度の変化は同じになりません。

ばらつきが大きい対象を一つの平均値で計算すると、乾燥土質量や乾燥後体積が実態から外れる可能性があります。特に、体積が大きい区画と小さい区画を同じ重みで平均する方法は避ける必要があります。

適切な方法は、対象を複数の区画に分け、区画ごとに計算することです。各区画の乾燥土質量は次の式で求めます。

区画の乾燥土質量=区画体積×区画の湿潤密度÷(1+区画の含水比)

区画ごとの乾燥土質量を合計すれば、対象全体の乾燥土質量を求められます。乾燥後の状態が区画によって異なる場合は、乾燥後体積まで区画ごとに計算してから合計します。

たとえば、上部が乾いた砂質土、下部が湿った粘性土で構成されている場合、上部と下部を分けて体積、湿潤密度、含水比を設定します。一つの平均含水比を使うよりも、乾燥後数量を実態に近づけやすくなります。

区画を分ける基準としては、土質の見た目、色、粒の大きさ、粘り、搬入時期、含水状態、積み方、排水条件などがあります。計測時に区画の境界を記録しておくと、後から含水比や密度を見直した場合にも再計算しやすくなります。

試料採取では、表面だけでなく、可能な範囲で深さを変えて採取します。ただし、安全を確保できない土山へ無理に立ち入ることは避けます。必要に応じて、積込み時や掘削時に内部の試料を採取し、採取位置と時刻を記録します。

大きな礫、植物片、廃材などが混入している場合は、それらを体積と質量の計算に含めるかを統一します。含水比の試料では大きな異物を除外している一方、体積測定では異物を含む外形を測っていると、試験値と現場体積の対象が一致しません。

ばらつきが十分に把握できない場合は、結果を一つの確定値ではなく、範囲で示す方法があります。含水比や乾燥後密度について低い条件、代表条件、高い条件を設定し、それぞれの乾燥後体積を計算すれば、数量が変動する幅を確認できます。

4つの補正を組み合わせた体積計算の手順

含水土から乾燥後の数量を求める場合は、計算の順序を統一しておくと、条件の抜けや二重補正を防げます。

最初に行うのは、対象範囲の決定です。土山であれば、隣接する土、地盤、構造物、排水溝などとの境界を決めます。掘削土であれば、どの掘削区画から発生した土を対象にするのかを明確にします。

次に、現在の湿潤体積を測定します。形状が単純な場合は、長さ、幅、高さから求められます。不整形な土山では、複数断面を使う方法や、三次元形状を計測して基準面との差を求める方法が適しています。

その後、土質と含水状態を確認し、必要に応じて対象を区画分けします。異なる時期に搬入した土、明らかに色や粒度が異なる土、乾燥部分と湿潤部分などを分けます。

各区画で湿潤密度と含水比を測り、湿潤土質量を求めます。

湿潤土質量=湿潤体積×湿潤密度

続いて、湿潤土質量から乾燥土質量を求めます。

乾燥土質量=湿潤土質量÷(1+含水比)

全区画の乾燥土質量を合計したら、乾燥後に想定する状態を決めます。自然乾燥後の仮置き状態、積替え後のほぐれ状態、締固め後の完成状態など、用途に対応する乾燥密度を設定します。

乾燥後体積は次の式で求めます。

乾燥後体積=乾燥土質量÷乾燥後乾燥密度

乾燥収縮係数や現場固有の外形補正係数を使う場合は、乾燥後密度に同じ影響が含まれていないか確認します。含まれていない場合に限り、計算結果へ係数を反映します。

最後に、使用した数値と条件を記録します。記録には、体積測定日時、含水比測定日時、湿潤密度、乾燥後乾燥密度、土質区分、乾燥条件、施工状態、補正係数の根拠などを含めます。

途中計算では、数値を早い段階で丸めすぎないことも重要です。区画ごとの計算値を整数へ丸めてから合計すると、区画数が多いほど誤差が蓄積します。途中では必要な桁を保持し、最終結果を報告するときに目的に応じて丸めます。

含水土100立方メートルの計算例

ここでは、含水状態の異なる二つの区画から構成される100立方メートルの土について、乾燥後体積を求めます。

区画Aは60立方メートルで、湿潤密度を1.85トン毎立方メートル、含水比を15パーセントとします。区画Bは40立方メートルで、湿潤密度を1.70トン毎立方メートル、含水比を30パーセントとします。

まず、区画Aの湿潤土質量を求めます。

60×1.85=111トン

区画Aの乾燥土質量は次のようになります。

111÷1.15=約96.52トン

次に、区画Bの湿潤土質量を求めます。

40×1.70=68トン

区画Bの乾燥土質量は次のようになります。

68÷1.30=約52.31トン

二つの区画の乾燥土質量を合計します。

96.52+52.31=約148.83トン

乾燥後は、自然乾燥させたうえで仮置き状態を維持するものとし、乾燥後乾燥密度を1.58トン毎立方メートルと設定します。

乾燥後体積は次のようになります。

148.83÷1.58=約94.20立方メートル

この条件では、湿潤状態で100立方メートルだった土が、自然乾燥後の仮置き状態では約94.2立方メートルになると見積もれます。

次に、乾燥後の土を締め固め、乾燥密度が1.68トン毎立方メートルになる場合を考えます。

148.83÷1.68=約88.59立方メートル

乾燥土質量は同じですが、締固めによって密度が高くなるため、完成体積は約88.6立方メートルになります。

反対に、乾燥後に積み替えてほぐれた状態となり、乾燥密度が1.40トン毎立方メートルになる場合は次のとおりです。

148.83÷1.40=約106.31立方メートル

乾燥によって水分は減っていますが、ほぐれによって空隙が増えたため、体積は元の湿潤体積100立方メートルより大きくなります。

この計算例から分かるように、乾燥後の体積は水分量だけでは決まりません。乾燥土質量が同じでも、乾燥後の密度設定によって約88.6立方メートルから約106.3立方メートルまで変化します。

したがって、体積計算では乾燥後の用途を先に決めることが重要です。仮置き、運搬、盛土完成など、何の数量を求めているかによって使用する乾燥密度を変える必要があります。

搬出土量と盛土量で計算条件を変える

含水土の体積計算は、利用目的によって条件が異なります。搬出計画と盛土計画では、必要とする数量の意味が違うため、同じ計算結果をそのまま使用できない場合があります。

搬出計画で必要なのは、積込み時や運搬時に土が占める体積です。掘削土を積み込むと、地山状態からほぐれて空隙が増えることがあります。水分が抜けて質量が減っていても、ほぐれの影響によって積載体積が増える可能性があります。

また、運搬中の振動によって土が沈下し、積込み直後より到着時の体積が小さくなる場合があります。搬出量を見積もる際は、自然乾燥後の土山密度ではなく、積込み時のほぐれ状態に対応する密度を使う必要があります。

盛土計画では、締固め後の完成体積が基準になります。設計上必要な完成体積と乾燥密度から、必要な乾燥土質量を逆算できます。

必要乾燥土質量=完成体積×目標乾燥密度

たとえば、完成体積が500立方メートル、目標乾燥密度が1.65トン毎立方メートルの場合、必要な乾燥土質量は825トンです。

この乾燥土質量を、搬入時の含水比と湿潤密度を使って湿潤土量へ換算すれば、搬入に必要な体積を見積もれます。

含水比が20パーセントであれば、必要な湿潤土質量は次のようになります。

825×1.20=990トン

搬入時の湿潤密度が1.80トン毎立方メートルであれば、必要な湿潤体積は次のとおりです。

990÷1.80=550立方メートル

この例では、締固め後500立方メートルを確保するために、湿潤状態で約550立方メートルの土が必要になります。ただし、施工中のこぼれ、異物除去、土質のばらつきなどがある場合は、その影響も別途検討します。

保管容量を求める場合は、保管期間中の沈下や降雨も考慮します。短期間の仮置きではほぐれ状態が残っていても、長期間保管すると自重や重機走行によって密度が高くなることがあります。

処分数量を確認する場合は、現場体積、運搬時体積、受入れ時質量など、異なる状態の数値を比較することになります。比較するときは、含水比と密度を使って同じ基準へ換算しなければなりません。湿潤質量と乾燥体積をそのまま比較しても、差の原因を判断できません。

現場で含水比と密度を測るときの注意点

計算式が正しくても、入力する含水比や密度が実態と合っていなければ、乾燥後数量の精度は上がりません。現場では測定値の代表性を確認する必要があります。

含水比の試料は、体積を測定した対象範囲から採取します。隣接する別の土山や、異なる日に搬入された土の測定値を流用すると、体積と含水状態の対象が一致しません。

体積測定と含水比測定の時刻もできるだけ近づけます。測定の間に降雨、排水、蒸発が起きると、体積測定時と試料採取時の含水状態が異なる可能性があります。

晴天が続いた場合でも、土山の内部まで均等に乾燥しているとは限りません。表面が乾いて見えても、内部に高い水分が残っている場合があります。反対に、降雨直後でも、締め固められた土の内部まですぐに水が浸透するとは限りません。

試料採取では、土山の規模と状態に応じて採取位置を分散させます。上部、側面、底部付近、日当たりの違う場所、排水状態の異なる場所などを確認し、偏りを避けます。

湿潤密度も一地点だけで決めると、対象全体を代表しない可能性があります。重機の走行部分は密度が高く、緩く積み上げられた部分は密度が低いことがあります。施工履歴や積み方を確認し、必要に応じて区画を分けます。

測定値には、採取日時、位置、深さ、天候、土質の見た目、表面状態を添えて保存します。後から計算結果を見直す際に、数値がどの範囲を代表していたか判断しやすくなります。

乾燥後の密度を設定する場合も、一般的な数値だけで判断せず、実際の施工方法を確認します。敷きならし厚、締固め回数、施工機械、含水状態などによって、達成される乾燥密度は変わります。

不整形な土山の体積を求める方法

含水土の乾燥後数量を求めるには、現在の湿潤体積を把握しなければなりません。土山が直方体や台形に近い場合は、長さ、幅、高さから概算できますが、実際の土山は不整形であることが多くあります。

代表高さだけを使う方法では、頂部の凹凸、法面の丸み、重機の走行跡、局部的な沈下などが十分に反映されません。土量が大きいほど、小さな高さの差が大きな体積差につながることがあります。

断面法では、土山を一定間隔の断面に分け、各断面積と断面間距離から体積を求めます。形状変化が大きい場所では断面間隔を狭くし、変化が小さい場所では間隔を広げます。

三次元形状を取得できる場合は、土山表面と基準面の差から体積を求められます。この方法では、複雑な表面形状を反映しやすくなりますが、基準面の設定が重要です。

土山の下にある地盤が傾斜しているにもかかわらず、水平な基準面を設定すると、土量を過大または過小に算定します。土を置く前の地形データがある場合は、それを基準面として使用する方法が適しています。

事前の地形データがない場合は、土山の周囲に見えている地盤高から基準面を推定します。ただし、土山の下にくぼみや盛り上がりがある可能性もあるため、推定条件を記録しておきます。

乾燥前後の体積を比較する場合は、同じ対象範囲と同じ基準面を使用します。乾燥中に一部を搬出したり、周囲の地盤を掘削したりすると、その変化が乾燥収縮として計算されてしまうため注意が必要です。

含水土の体積計算で起こりやすい誤り

最も起こりやすい誤りは、含水比を体積の減少率として使うことです。含水比20パーセントだから乾燥後体積を現在体積の80パーセントとする計算には、密度や土粒子の配置が反映されていません。

次に多いのが、含水比と湿潤土全体に対する水の割合を混同することです。含水比は乾燥土質量を基準とします。含水比20パーセントの土は、乾燥土100に対して水20を含む状態です。

湿潤密度を乾燥後の計算へそのまま使用する誤りもあります。湿潤密度には水の質量が含まれるため、乾燥後体積を求める前に乾燥土質量または乾燥密度へ換算する必要があります。

乾燥後の密度を一律に決めることも避けます。自然乾燥後の仮置き土、積込み後のほぐれ土、締固め後の盛土では密度が異なります。

収縮係数と乾燥後密度を二重に適用する誤りにも注意します。乾燥後の実測密度に収縮の影響が含まれている場合、さらに収縮係数を掛けると体積を過小に見積もります。

異なる区画の含水比を単純平均することも、数量差の原因になります。区画ごとの体積や密度が異なる場合は、それぞれの乾燥土質量を計算して合計します。

単位の混在も確認が必要です。長さをミリメートルで測った場合は、立方メートルへ正しく換算します。質量についても、キログラムとトンを混ぜないようにします。

途中計算で数値を丸めすぎると、区画数が多い場合に誤差が蓄積します。途中では十分な桁数を保持し、最終的な数量で丸めます。

計算結果の精度と安全側の数量設定

含水土の体積計算には、体積測定、含水比、湿潤密度、乾燥後密度など、複数の不確かな要素があります。そのため、計算結果を完全に確定した値として扱うのではなく、条件に応じた幅を確認することが重要です。

たとえば、含水比が18パーセントから22パーセント、乾燥後密度が1.50トン毎立方メートルから1.60トン毎立方メートルの範囲にある場合、それぞれの組合せで体積を再計算します。

乾燥後密度が低いほど、同じ乾燥土質量から求める体積は大きくなります。保管場所の容量を検討する場合は、体積が大きくなる側の条件を確認する必要があります。

一方、盛土に必要な材料量を検討する場合は、利用できる乾燥土質量が少なくなる側の条件も確認します。単に全項目を大きく設定するのではなく、何が不足や超過につながるかを考えて条件を選びます。

一律の安全率を最後に掛ける方法だけでは、どの不確かさを補っているのか分かりにくくなります。まず含水比、密度、体積測定の変動範囲を個別に確認し、そのうえで施工上必要な余裕を設定する方法が説明しやすくなります。

計算結果には、使用した数値だけでなく、測定日、土の状態、乾燥後の用途、補正の根拠を残します。前提条件を明示しておけば、天候や施工方法が変わった場合にも再計算できます。

LRTK Phoneを活用した土量管理

含水土の乾燥後数量を見積もるには、含水比や密度に加えて、現在の土山体積をできるだけ同じ条件で測定する必要があります。不整形な土山では、長さ、幅、代表高さだけの計算では形状を十分に反映できない場合があります。

三次元的な形状データを取得すると、土山表面と基準面の差から体積を把握しやすくなります。乾燥前後を同じ座標条件で測定すれば、外形の沈下や法面の変化も比較できます。

LRTK Phoneを活用して土山の位置や形状を記録すれば、体積を区画ごとに整理しやすくなります。含水状態が異なる範囲を分けて管理する場合も、試料採取位置と区画境界を対応させることで、どの含水比や密度をどの体積へ適用したかを確認できます。

乾燥前後の比較では、同じ基準面、同じ対象範囲、同じ座標条件を使うことが重要です。途中で土を搬出した場合や、周囲の地形が変わった場合は、その変化を記録し、乾燥収縮と区別します。

形状計測で求めた湿潤体積と、試料から求めた含水比、密度を組み合わせることで、体積だけに依存しない数量管理が可能になります。乾燥後に再度測定すれば、事前に設定した乾燥後密度や収縮条件が妥当だったかを検証する材料にもなります。

ただし、三次元計測だけで乾燥後の数量が決まるわけではありません。計測で把握できるのは主として外形体積です。乾燥土質量を求めるためには、含水比と密度を別途確認する必要があります。

体積計測、含水比測定、密度測定を同じ対象範囲と時点で管理することで、乾燥後数量の計算根拠を整理しやすくなります。現場の土量把握と位置情報の記録を効率化する手段として、LRTK Phoneを活用できます。

まとめ

含水土の体積計算では、現在の湿潤体積へ含水比を直接掛けたり、含水比の分だけ体積を減らしたりする方法では、乾燥後の数量を適切に求められません。含水比は乾燥土質量に対する水の質量の割合であり、体積の減少率ではないからです。

乾燥後数量を求める基本は、湿潤体積と湿潤密度から湿潤土質量を求め、含水比を使って乾燥土質量へ換算することです。その乾燥土質量を、乾燥後に想定する乾燥密度で割れば、乾燥後体積を算定できます。

1つ目の補正では、含水比を使って水分の質量を除きます。2つ目の補正では、湿潤密度と乾燥密度を使い分けます。3つ目の補正では、乾燥収縮、ほぐれ、締固めなどの状態変化を反映します。4つ目の補正では、土質や含水状態のばらつきを区画ごとに整理します。

乾燥後の体積は、自然乾燥後の仮置き、運搬時のほぐれ状態、締固め後の完成状態など、用途によって異なります。計算結果には、どの状態を想定した数量なのかを明記する必要があります。

また、含水比や密度は土山全体で均一とは限りません。表面、内部、底部、重機の走行部分などで状態が異なる場合は、対象を区画に分けて計算します。区画ごとの乾燥土質量を合計することで、単純平均より実態に近い数量を求めやすくなります。

計算精度を高めるには、体積、含水比、密度をできるだけ近い時点で測定し、採取位置、土質、天候、施工状態を記録することが重要です。乾燥前後の形状を比較する場合は、同じ対象範囲と基準面を使用します。

不整形な土山では、三次元的な形状計測によって現在体積を把握し、含水比と密度による補正を組み合わせる方法が有効です。土量の区画管理、試料採取位置の記録、乾燥前後の比較を効率化したい現場では、LRTK Phoneの活用が選択肢になります。

現場を3Dで残して、あとから測る。
実際の画面と動画で使い方を確認できます。

LRTK Phoneの使い方・実例を見る
資料請求導入相談
現場をスマホで3DスキャンLRTK Phone実例を見る