LRTKレフィクシア株式会社

等高線の平滑化で地形を削りすぎない5つの調整ポイント

等高線の平滑化で起こる「地形の削りすぎ」とは

等高線の平滑化は、細かな折れや不自然な凹凸を整え、地形を見やすく表現するための処理です。測量点や標高データから生成された等高線は、元データの点密度、補間方法、測定誤差、地表面の状態などによって細かく揺れることがあります。そのまま図面に表示すると線が過度に複雑になり、地形の大きな傾向を読み取りにくくなるため、平滑化によって線形を整える作業が行われます。

ただし、平滑化を強くかければよいわけではありません。処理量が大きすぎると、尾根や谷、法肩、法尻、段差、くぼみなど、実務上重要な地形の特徴まで丸められてしまいます。見た目はきれいでも、実際の地形とは異なる等高線になるおそれがあるため注意が必要です。

ここでいう「地形を削りすぎる」とは、地表そのものを削ることではなく、等高線上に表現されていた地形の特徴を平滑化処理によって消してしまう状態を指します。例えば、小さな尾根を示す等高線の張り出しが平らになれば、図面上では尾根の存在を判別しにくくなります。谷を示す等高線の入り込みが浅くなれば、水の集まりやすい方向を誤って判断する可能性があります。

造成地では、法面の上端や下端が曖昧になることもあります。道路や宅地のように平坦面と斜面が明確に切り替わる地形では、変曲点の位置が施工計画や排水計画に影響します。平滑化によって角が丸くなると、平坦面が実際より広く見えたり、斜面の勾配が緩く見えたりする場合があります。

等高線の平滑化では、線を美しくすることよりも、用途に必要な地形情報を残すことが優先されます。どの程度まで細部を省略できるかは、図面の縮尺、等高線間隔、対象地形、成果物の用途によって異なります。そのため、一定の設定をすべてのデータへ一律に適用するのではなく、地形の性質を確認しながら調整することが重要です。

平滑化の前に確認したい元データの品質

平滑化の設定を調整する前に、元となる標高データの品質を確認する必要があります。等高線の細かな乱れが、単なる表示上の問題なのか、測定値や補間処理に起因するものなのかによって、適切な対応は異なります。

元データに外れ値が含まれている場合、等高線には局所的な突起やくぼみが現れます。これを平滑化だけで目立たなくすると、線の形は整っても、誤った標高値がデータ内部に残ります。後から断面図や土量計算に利用した場合、見た目では分からない誤差が結果へ影響する可能性があります。

地表面以外の点が混ざっていないかも確認が必要です。植生、車両、資材、仮設物、構造物などの点を地盤面として扱うと、周囲より高い局所的な面が生成されます。反対に、水面や反射の弱い場所などで点が欠けると、補間によって不自然なくぼみが生じることがあります。

測点の配置も等高線の品質を左右します。平坦部に点が集中し、法肩や谷底などの変化点に点が少ない場合、補間面は実際の地形を十分に表現できません。この状態で強い平滑化を行うと、もともと少なかった地形情報がさらに失われます。

まずは元データを点表示や立体表示で確認し、不自然に孤立した点、周囲と連続しない標高、点密度が極端に異なる場所を探します。必要に応じて外れ値を除去し、地盤面に使用する点を選別したうえで等高線を再生成します。

等高線の揺れが細かな測定ノイズに起因している場合でも、平滑化だけが解決方法とは限りません。標高面を生成する段階で適切な格子間隔や補間条件を設定すると、等高線を過度に変形させずに細かな乱れを抑えられることがあります。

平滑化は、元データの問題を隠すための処理ではありません。元データを整理したうえで、成果物の読みやすさを高める仕上げとして利用することが基本です。

調整ポイント1|平滑化の許容幅を地図縮尺に合わせる

平滑化で最初に調整したいのが、元の等高線からどの程度まで線を移動させるかという許容幅です。許容幅が小さければ元の形状を多く残し、許容幅が大きければ線は滑らかになりますが、地形の細部が失われやすくなります。

重要なのは、画面上の見た目だけで設定を決めないことです。画面を拡大すると、わずかな折れも大きく見えます。反対に、縮小表示では大きな位置ずれが目立たないことがあります。実際に使用する図面縮尺を基準に、成果物上でどの程度の差になるかを考える必要があります。

例えば、広い区域の地形傾向を把握する図面では、小規模な凹凸をある程度省略しても目的を満たせる場合があります。一方、造成計画、排水計画、法面管理、構造物の配置検討などに利用する図面では、数値上は小さな凹凸でも重要な意味を持つことがあります。

許容幅を決める際は、図面上で見える線の太さだけではなく、現地寸法へ換算して考えます。処理によって等高線が現地で数十センチメートル、数メートルと移動する場合、その移動量が用途上許容できるかを確認します。

平滑化後の線が元の線から大きく離れる場所は、もともと細かな折れや急な曲率変化があった場所です。そのような場所には、尾根、谷、段差、局所的な盛り上がりなどが含まれる可能性があります。単に線が複雑だから不要と判断せず、地形的な意味を確認することが大切です。

実務では、最初から強い設定を使うのではなく、小さな許容幅から試します。処理後の線を確認し、まだ不要な揺れが残っている場合に少しずつ設定を強めます。この方法なら、どの段階で地形の特徴が消え始めたかを把握しやすくなります。

同じ縮尺の図面でも、利用目的によって適切な許容幅は変わります。説明資料として全体像を見せる等高線と、設計や施工管理の判断に使う等高線では、求められる形状保持の水準が異なります。平滑化の設定値は、成果物の用途とセットで記録しておくことが望まれます。

調整ポイント2|頂部・谷部・変曲点を保護する

等高線の形状で特に残すべき場所は、頂部、谷部、尾根、くぼみ、法肩、法尻などの地形的な特徴点です。これらの場所は等高線の曲がり方が急であるため、平滑化の影響を受けやすい部分でもあります。

尾根では、等高線が低い側へ張り出すような形になります。谷では、等高線が高い側へ入り込むような形になります。この張り出しや入り込みが平滑化で浅くなると、尾根線や谷線の位置が曖昧になります。

谷部の形状は排水方向を考えるうえで重要です。地表水は一般に高い場所から低い場所へ流れますが、実際の流下経路は地形の細かな起伏に左右されます。谷の入り込みを丸めすぎると、水が集まりやすい線状の地形を読み違える可能性があります。

法肩や法尻も保護すべき変曲点です。斜面上部から平坦面へ切り替わる位置や、斜面下部から平坦面へ切り替わる位置は、施工範囲、法面面積、排水施設の配置などに関係します。等高線を連続的に滑らかにしすぎると、この切り替わりが緩やかな曲面のように表現されます。

特徴点を残す方法としては、重要箇所を通過する線や点を制約条件として扱う方法があります。地形面を生成する段階で尾根線、谷線、法肩線、法尻線などを明示すると、平滑化後も地形の骨格を保ちやすくなります。

すでに等高線だけが存在する場合は、平滑化の前に重要箇所を識別し、その周辺を処理対象から外す方法も有効です。全体を弱く平滑化したうえで、必要な範囲だけ個別に調整すれば、特徴点を残しながら不要な折れを減らせます。

頂部にある閉じた等高線にも注意が必要です。小さな閉曲線は、平滑化や単純化によって消える場合があります。しかし、その閉曲線が山頂、盛土、局所的な高まりを表しているなら、消去すると最高部の範囲を読み取れなくなります。

くぼみを表す閉曲線も同様です。雨水が滞留しやすい場所や、造成面の不陸を示している可能性があるため、面積が小さいという理由だけで削除してはいけません。重要度は大きさではなく、利用目的と現地状況によって判断します。

平滑化前に地形の骨格を把握し、消してはいけない形を決めておくと、処理後の確認が容易になります。何を残すべきかを決めずに線の美しさだけを追求すると、必要な情報まで失いやすくなります。

調整ポイント3|処理回数を増やしすぎない

平滑化は、一度の処理が弱く見えても、複数回繰り返すことで影響が積み重なります。同じ設定を二回、三回と適用すると、細かな凹凸だけでなく、中規模の地形特徴まで徐々に丸くなります。

一回目の処理では問題がないように見えても、二回目以降で尾根の張り出しが小さくなり、谷の入り込みが浅くなることがあります。処理回数が増えるほど、元の線からの位置ずれも大きくなりやすいため、回数を記録せずに試行を続けることは避けたいところです。

特に注意したいのが、平滑化済みのデータを再び元データとして使用するケースです。過去に誰かが処理した等高線を知らずに再処理すると、見た目以上に形状が変化する可能性があります。データを受け取ったときは、生成方法や編集履歴を確認し、未処理の原本が残っているかを確かめます。

適切な進め方は、必ず原本を保存し、原本から複製したデータへ一回ずつ処理を適用する方法です。設定を変更する場合も、直前の処理結果へ重ねるのではなく、原本から別の候補を作成します。これにより、設定ごとの差を公平に比較できます。

一回で強く平滑化する方法と、弱い処理を複数回重ねる方法では、結果が同じになるとは限りません。処理の仕組みによっては、繰り返すたびに線の頂点位置や曲率が変わり、予想以上に形状が崩れることがあります。

不要な細部が一部に残っている場合、全体へ二回目の処理をかけるのではなく、残った範囲だけを修正する方が安全です。局所的な問題を全体処理で解決しようとすると、すでに適切な部分まで変形してしまいます。

処理回数には絶対的な正解があるわけではありませんが、少ない回数で目的を達成することが基本です。一回の処理後に必ず比較し、必要性を確認したうえで次の処理を判断します。見た目が少し気になるという理由だけで繰り返すのではなく、成果物の用途に照らして追加処理が本当に必要かを考えることが大切です。

調整ポイント4|等高線間隔と地形勾配に応じて設定を変える

等高線間隔が異なれば、同じ平滑化設定でも地形表現への影響は変わります。細かな等高線間隔で作成されたデータには、小さな起伏が多く表現されます。粗い等高線間隔では、もともと表現される地形情報が限定されるため、わずかな形状変化でも相対的な影響が大きくなることがあります。

例えば、等高線間隔より小さな標高差による起伏は、等高線だけでは十分に表現されない場合があります。その状態で平滑化を強くすると、限られた情報がさらに単純化され、地形の傾向しか残らなくなります。

一方、非常に細かな等高線間隔を使用すると、測定ノイズや地表面の小さな凹凸も線として現れやすくなります。すべてを忠実に残すと図面が読みにくくなるため、利用目的に応じて適切に整理する必要があります。

勾配も重要な判断材料です。急斜面では等高線が密集し、線同士の間隔が狭くなります。平滑化によって線が移動すると、隣接する等高線へ接近したり、局所的に交差しそうな形になったりすることがあります。

等高線は通常、異なる標高の線同士が交差しないように表現されます。処理後に線が極端に接近した場合は、平滑化が強すぎる可能性があります。急斜面では、見た目を整えるためのわずかな移動でも、平面位置の誤差が勾配評価へ影響することがあります。

緩斜面では等高線の間隔が広いため、線形の小さな揺れが目立ちやすくなります。しかし、その揺れが微地形を示していることもあります。水たまりが生じやすい浅いくぼみや、わずかな盛り上がりは、緩斜面ほど排水方向へ影響する場合があります。

そのため、急斜面では線の位置関係と変曲点を重視し、緩斜面では小さな起伏の意味を重視する必要があります。同じ設定を適用するのではなく、傾斜区分ごとに処理量を変える考え方が有効です。

自然斜面と人工地形でも設定を分けるべきです。自然斜面は曲線的な形状が多い一方、造成地や道路周辺には直線的な法肩、法尻、平坦面が存在します。人工地形を自然な曲線へ整えすぎると、設計上意図された形状が失われます。

等高線間隔、勾配、自然地形と人工地形の違いを考慮して設定を変えることで、見やすさと形状保持の両立がしやすくなります。

調整ポイント5|全体処理ではなく範囲を限定する

等高線の一部に乱れがあると、データ全体をまとめて平滑化したくなります。しかし、地形を削りすぎないためには、処理範囲を必要な場所へ限定する方法が有効です。

等高線が不自然に折れている場所は、点密度が不足している区域、植生や構造物の影響を受けた区域、補間境界の周辺などに集中していることがあります。問題が局所的なら、全域を変形させる必要はありません。

範囲を限定する際は、行政区画や任意の四角形だけで切るのではなく、地形のまとまりを意識します。谷の途中だけを処理すると、処理範囲の境界で線形が不連続になることがあります。尾根や斜面の一連の形状を確認し、自然につながる範囲を選ぶことが大切です。

造成地では、平坦面、法面、周辺自然地形を分けて扱う方法があります。平坦面では細かな揺れを抑えたい一方、法面では法肩と法尻を保持しなければなりません。周辺自然地形では尾根や谷の形状が重要になります。

処理対象を地形区分ごとに分けると、それぞれに適した強さを設定できます。全体へ平均的な設定を適用するよりも、必要な箇所だけを整える方が元の情報を残しやすくなります。

境界部分の確認も欠かせません。処理範囲内だけ線が滑らかになり、範囲外との接続部分に角や段差が生じると、別の不自然さが発生します。処理後は境界周辺を拡大し、線の方向や曲率が急に変わっていないかを確認します。

範囲を限定する方法は作業量が増えるように見えますが、修正のやり直しを減らせる利点があります。全体処理で重要地形を消してから個別に復元するより、初めから必要な範囲だけ処理する方が安全です。

特に、設計境界、構造物周辺、排水経路、切土と盛土の境界などは、全体平滑化の対象から除外することを検討します。実務判断に直結する部分は、読みやすさより位置と形状の保持を優先します。

平滑化前後を正しく比較する確認方法

平滑化の適否は、処理後の線だけを見ても判断できません。必ず処理前の等高線と重ねて比較し、どこがどの程度変化したかを確認します。

比較時には、単に線が滑らかになったかを見るのではなく、線の位置、閉曲線の数、尾根と谷の形、変曲点の位置、隣接する等高線との間隔を確認します。特に、処理後の線が元の線から大きく離れている場所は重点的に確認します。

平滑化前後を異なる線種や表示方法で重ねると、差を把握しやすくなります。表示を切り替えながら見るだけでは小さな位置ずれを見落とすことがあるため、可能であれば同じ画面上で比較します。

断面形状の比較も有効です。尾根、谷、法面、平坦面を横切る位置に確認線を設定し、処理前後の地形断面を比べます。等高線の見た目が大きく変わっていなくても、断面上では斜面の折れ点や高低差が変化している場合があります。

ただし、等高線自体を平滑化しただけで元の地形面を変更していない場合、断面図は変化しないことがあります。その場合は、平滑化された等高線を再び地形面へ変換して使用する予定があるかを確認します。表示用の線として使うのか、再計算の入力データとして使うのかによって、求められる精度が異なります。

面積や長さの変化も確認材料になります。閉じた等高線の面積が大きく変わった場合、頂部やくぼみの範囲が過度に縮小または拡大している可能性があります。法肩や法尻に沿う線の長さが大きく短くなった場合は、地形の入り組みが削られている可能性があります。

隣接する等高線との整合も重要です。ある標高の線だけを強く平滑化すると、上下の標高線との形が合わなくなることがあります。地形は連続した面であるため、複数の等高線をまとめて観察し、尾根や谷の方向が標高ごとに不自然にずれていないかを確認します。

最終確認では、実際に使用する縮尺で出力した状態を確認します。拡大画面では気になる折れでも、成果物では判別できない場合があります。反対に、画面上では気にならない線の密集が、印刷や帳票化によって読みにくくなることもあります。

平滑化の評価は、拡大表示、使用縮尺、断面、地形全体という複数の視点で行うことが重要です。

用途別に考える等高線平滑化の判断基準

等高線に求められる形状は、利用目的によって異なります。すべての成果物に同じ平滑化基準を当てはめると、必要以上に細かい図面になったり、反対に重要な情報が不足したりします。

全体的な地形傾向を説明する資料では、細かな凹凸よりも尾根、谷、斜面方向、標高差の分かりやすさが重視されます。この用途では、局所的な揺れをある程度整理することで、読みやすい等高線になります。ただし、大きな尾根や谷の位置が変わるほどの処理は避けます。

造成計画に使用する場合は、平坦面、法肩、法尻、切土と盛土の境界などを正確に残す必要があります。見た目が多少角ばっていても、設計上の形状を保持する方が重要です。

排水計画では、谷地形、くぼみ、微地形の連続性を重視します。平滑化によって小さなくぼみを消すと、表面水の滞留や流下方向を見落とす可能性があります。等高線だけで最終判断せず、地形面の勾配や現地状況も合わせて確認します。

土量計算や施工数量の算定では、表示用に平滑化した等高線をそのまま計算へ使わないことが基本です。平滑化によって線の位置や閉曲線の面積が変わると、再構成された地形面の体積にも影響する可能性があります。計算には品質確認済みの元地形面を使用し、平滑化した線は説明や図面表示のために分けて管理します。

維持管理や変状確認では、小さな地形変化が重要になる場合があります。沈下、隆起、洗掘、堆積などを比較する際に強い平滑化を行うと、変化の兆候を消してしまうおそれがあります。時期の異なるデータを比較する場合は、両方に同一条件を適用するだけでなく、元データの取得条件や点密度も確認します。

現地誘導や施工位置の確認に使用する場合は、線の見やすさと位置精度の両方が必要です。表示が細かすぎると現場で判読しにくくなりますが、平滑化しすぎると目標位置とのずれが生じます。現場で必要な情報だけを選び、重要な境界線と補助的な等高線を分けて表示すると扱いやすくなります。

用途を明確にすると、残すべき地形と省略できる細部を判断しやすくなります。平滑化の前に、誰が何の判断に使う等高線なのかを整理することが重要です。

等高線を平滑化するときに起こりやすい失敗

よくある失敗の一つは、画面上の線をきれいにすることだけを目的に設定を強くすることです。曲線が整っていても、元の地形から離れていれば適切な成果とはいえません。

拡大表示だけで判断することも失敗につながります。大きく拡大すると、測定点に由来する小さな揺れが目立ちます。しかし、その揺れは実際の出力縮尺では見えないことがあります。見えない細部を消すために強い平滑化をかけると、必要な形状まで変わってしまいます。

元データを上書きすることも避けるべきです。処理後に問題が見つかっても、原本がなければ条件を変えてやり直せません。元の等高線、設定ごとの処理結果、採用した成果を分けて保存することが必要です。

平滑化後の等高線を、未処理の地形面と同じものとして扱うことにも注意が必要です。表示上の線を編集しても、元の標高面が変わるとは限りません。反対に、平滑化した線から地形面を再作成すると、元の標高面とは異なる形になる場合があります。

隣接する等高線を個別に編集しすぎると、標高ごとの形状に一貫性がなくなることがあります。ある線だけ谷が深く入り、上下の線では浅くなるような状態は、地形面として不自然です。個別修正を行った後は、周囲の標高線との連続性を確認します。

人工地形をすべて曲線化することも典型的な失敗です。直線的な法面や段差が存在する場所では、角や折れが正しい地形表現であることがあります。滑らかでないから誤りだと決めつけず、現地や設計形状と照合する必要があります。

異なる区域へ同じ設定を一括適用することにも問題があります。山地、平地、造成地、河川周辺では、地形の性質も必要な情報も異なります。全域処理は効率的ですが、重要地形を失う可能性が高いため、区域ごとの確認が欠かせません。

平滑化の設定や処理履歴を残さない場合、後から成果の再現ができません。担当者が変わると、なぜその形状になったのか分からなくなります。処理対象、設定、回数、作業日、確認内容を記録し、元データとの関係を追えるようにします。

実務で使える平滑化作業の進め方

実務では、最初に成果物の用途を確認します。説明用の図面なのか、設計検討に使用するのか、施工管理や数量算定に関係するのかを明確にします。用途が分からなければ、どこまで細部を省略してよいか判断できません。

次に、元データの座標系、標高基準、取得時期、点密度、測定範囲を確認します。異なる条件のデータを混在させると、接続部に段差や不自然な等高線が生じることがあります。平滑化で接続部を丸める前に、データ条件の不一致がないかを調べます。

その後、外れ値や地表面以外の点を確認し、必要に応じて元データを整理します。等高線を再生成できる場合は、補間条件や格子間隔も見直します。元データの修正で解消できる乱れは、平滑化に頼らず生成段階で整える方が安全です。

等高線を生成したら、尾根、谷、頂部、くぼみ、法肩、法尻、構造物周辺など、保持すべき場所を確認します。これらの位置をあらかじめ把握しておけば、処理後に形状が残っているかを判断できます。

平滑化は弱い設定から試し、原本とは別のデータとして保存します。一回処理するごとに元の等高線と重ね、位置ずれと形状変化を確認します。設定を強める場合は、処理済みデータへ重ねるのではなく、原本から新しい候補を作ります。

問題が局所的な場合は、対象範囲を限定します。平坦部、斜面、自然地形、人工地形を分け、地形区分ごとに適した設定を使用します。重要な境界や変曲点は処理対象から除外することも検討します。

候補を比較したら、実際の利用縮尺で確認します。線が密集して読みにくい場合は、平滑化を強める前に表示する等高線の間隔や主線の表現を見直す方法もあります。すべての線を大きく変形させなくても、表示方法の調整で読みやすくできる場合があります。

採用後は、平滑化された等高線が表示用なのか、解析や再計算にも使用できるデータなのかを明確にします。用途が混同されないように名称や属性を分け、処理履歴を記録します。

最後に、必要に応じて現地写真、測点、設計線、過去の地形データと照合します。等高線だけでは判断できない場所を確認し、実際の地形と矛盾していないことを確かめます。

現地情報と等高線を組み合わせて判断する

等高線は地形を理解するための重要な資料ですが、等高線だけですべての現地状況を表現できるわけではありません。小さな段差、側溝、縁石、擁壁、法肩、植生に隠れた地形などは、等高線間隔や測点配置によって十分に表現されないことがあります。

平滑化の判断に迷った場所は、現地写真や位置情報と照合することが有効です。等高線上の細かな張り出しが実際の盛り上がりなのか、測定ノイズなのかを写真から確認できる場合があります。

谷のように見える場所に側溝がある場合、地表水の流れは自然地形だけでなく人工的な排水施設にも影響されます。等高線を滑らかにして谷形状を整理しても、側溝の位置を把握していなければ排水経路を正しく判断できません。

造成地では、施工中に地形が変化します。測量時点と写真撮影時点が異なると、等高線と現況が一致しないことがあります。データの取得日と施工記録を関連付け、どの時点の地形を表しているかを確認することが重要です。

現地情報と照合するときは、写真の撮影位置だけでなく、撮影方向や撮影時刻も管理すると状況を理解しやすくなります。同じ場所でも撮影方向によって見える斜面や構造物が異なるためです。

また、平滑化前後の等高線を現場で確認することで、図面上では分かりにくい差に気付ける場合があります。谷の入り込み、法肩の位置、平坦面の範囲などを現況と比べると、どちらの線が実態に近いかを判断しやすくなります。

ただし、現地写真だけで標高や勾配を正確に判断することはできません。写真は地形データを補足する資料として使用し、測量結果、設計資料、施工記録などと合わせて確認します。

まとめ

等高線の平滑化は、線の細かな乱れを抑え、地形を読みやすくするために有効な処理です。しかし、設定を強くしすぎると、尾根、谷、頂部、くぼみ、法肩、法尻など、実務判断に必要な地形特徴まで失われる可能性があります。

地形を削りすぎないためには、平滑化の許容幅を成果物の縮尺と用途に合わせること、特徴点や変曲点を保護すること、処理回数を増やしすぎないことが重要です。さらに、等高線間隔や勾配に応じて設定を変え、問題のある範囲だけを限定して処理することで、元の形状を残しやすくなります。

平滑化の前には、元データの外れ値、点密度、地表面以外の点、補間条件などを確認します。元データに問題がある場合は、平滑化で隠すのではなく、データを整理して等高線を再生成することが基本です。

処理後は必ず原本と重ねて比較し、線の位置、閉曲線、尾根と谷の形、変曲点、隣接線との間隔を確認します。必要に応じて断面や現地情報とも照合し、見た目の美しさだけでなく、地形としての整合性を評価します。

等高線を表示用に平滑化する場合と、設計、数量計算、施工管理へ使用する場合では、必要な形状保持の水準が異なります。成果物の用途を先に決め、どの地形を残すべきかを明確にしてから処理することが、適切な調整につながります。

現場で等高線と実際の状況を照合する際には、写真、位置情報、施工記録を一緒に管理できる仕組みが役立ちます。LRTK Phoneを活用すれば、現場写真に位置情報を関連付け、測量結果や施工時点の記録と合わせて整理できます。平滑化前後で判断に迷う地形についても、現地の状態とデータを照合しやすくなり、地形情報を削りすぎない成果作成を支援できます。

現場を3Dで残して、あとから測る。
実際の画面と動画で使い方を確認できます。

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