LRTKレフィクシア株式会社

点群土量計算で水面反射ノイズを除去する5つの設定

水面反射ノイズが点群土量計算に与える影響

点群を使った土量計算では、地表面を表す点から三角網や格子面を作成し、基準面との差を積算して体積を求めます。そのため、水たまり、調整池、河川、側溝、仮設沈砂池などの水面付近に不自然な点が含まれていると、土量計算の結果に影響することがあります。

水面は、土、砕石、舗装面などの一般的な地物とは異なる性質を持っています。光を反射しやすい一方で、観測方向や水面の状態によっては計測信号が戻りにくく、点が欠けることもあります。水面が静かな場合と波立っている場合、濁っている場合と透明度が高い場合でも、取得される点の状態は変わります。

点群上で確認される水面由来の異常は、一つの形に限られません。実際の水面より高い位置に点が浮いていることもあれば、水面より深い位置に点が落ち込んでいるように見えることもあります。水面中央だけが欠測し、水際の点から長い三角形が張られる場合もあります。また、水面上に薄い膜のような点群が形成され、その上下に少数の孤立点が分布することもあります。

こうした状態をそのまま使って点群の土量計算を行うと、存在しない盛土や掘削が計上される可能性があります。特に、計算対象面積が広い場合は、一点ごとの高さ誤差が小さく見えても、面積全体に積算されることで体積差が大きくなることがあります。

たとえば、水面上に実際より高い点が残っていると、その部分が盛土として扱われることがあります。反対に、水面下へ伸びる異常点を地表面として採用すると、過大な掘削量が算出される可能性があります。水面中央の欠測部分を周囲の点だけで補間した場合には、実際には存在しない傾斜面が作られることもあります。

ただし、水面付近の点をすべて削除すればよいわけではありません。水際には、法尻、護岸、掘削底、堤体、排水溝の縁など、土量計算に必要な地形が含まれています。広い範囲を一律に削除すると、本来残すべき地形まで失われ、別の誤差が発生します。

重要なのは、水面そのもの、水面反射による異常点、水際の有効な地形点を分けて扱うことです。そのためには、単一のノイズ除去機能に頼るのではなく、範囲、標高、点密度、形状、補間という複数の条件を段階的に設定する必要があります。

点群土量計算における水面反射ノイズの処理では、最初から強いフィルタを適用するよりも、除去対象を限定しながら設定を調整する方法が安全です。元の点群を保存したうえで処理用データを複製し、各設定によってどの点が除去されたかを確認できる状態にしておくことが基本となります。

設定1 水面と陸地を分ける除外範囲を設定する

最初に行いたいのが、水面と判断できる範囲を平面上で区切る設定です。水面反射ノイズが発生している場所を除外範囲として指定し、陸地や構造物の点群と分離します。

この設定が重要な理由は、水面反射ノイズの高さや密度が一定ではないためです。点の高さだけを条件にすると、水面に近い法尻や低地の点まで除去されることがあります。一方、平面上の位置で水面範囲を限定すれば、同じ高さにある周辺地形を残しながら、水面内だけに別の処理を適用できます。

除外範囲を作成する際は、水面の見た目だけで境界を決めないことが大切です。点群の上面表示、断面表示、取得時の写真、現場記録などを組み合わせ、水際がどこにあるかを確認します。水面上に点がほとんどない場合でも、水際の地形変化から境界を推定できることがあります。

範囲を広く取りすぎると、水際の法面や護岸まで削除してしまいます。反対に狭すぎると、水面周辺に発生した反射点が残ります。そのため、最初は水面中央を確実に含む範囲を設定し、境界付近は断面を見ながら少しずつ調整する方法が適しています。

水たまりのように境界が不規則な場合は、単純な四角形ではなく、水際に沿った多角形で範囲を設定します。複数の水たまりがある現場では、一つの大きな範囲でまとめるより、それぞれを個別の範囲として管理したほうが確認しやすくなります。水面ごとに状態が異なる場合も、個別設定のほうが柔軟に対応できます。

河川や水路のように細長い水面では、水際の左右を別々に確認する必要があります。片側が護岸で、もう片側が自然法面という場合、同じ幅で一律に除外すると、必要な地形点を失う可能性があります。水路の方向に沿って断面を複数作成し、幅が変化する場所を確認して境界を調整します。

除外範囲を作成した後は、水面内の点をすぐに完全削除するのではなく、一時的に非表示にするか、別の分類へ移動できる方法が望ましいです。後から水面高を確認したり、処理前後を比較したりする際に、元の点が残っていると検証しやすくなります。

また、水面範囲を土量計算の対象外とするのか、水面高を基準面として計算するのかによっても扱いが変わります。水面下の土砂を計測できていない場合、水面の内側を通常の地表面として土量計算することはできません。見えていない地形を点群だけから確定することは難しいため、対象外範囲として明示するか、別の測量結果や設計面を利用する必要があります。

水面範囲の設定は、単なるノイズ除去ではなく、土量計算の有効範囲を定義する作業でもあります。計算結果を報告する際には、どの範囲を除外したのかが分かるように、境界データや処理記録を保存しておくことが重要です。

設定2 標高の上下限と水面基準高を設定する

水面範囲を限定した後は、標高の上下限を設定して異常点を除去します。水面反射によるノイズには、水面より極端に高い点や低い点が含まれることがあるため、高さ方向の条件は有効です。

ただし、標高条件を現場全体へ一律に適用するのは避けたほうがよい場合があります。現場に高低差があると、水面付近では異常な高さでも、別の場所では正常な地形となることがあるためです。設定1で作成した水面範囲の内側に限定し、標高条件を適用する方法が基本となります。

まず、水面の代表的な高さを確認します。水際に残っている安定した点、護岸に付着した水位の痕跡、既知点から計測した水位などを参考にします。水面上の点群自体が乱れている場合は、水面中央の点だけを使って代表高を決めないことが大切です。

水面がほぼ静止している小規模な水たまりでは、水際の複数地点から推定した高さが参考になります。一方、流れのある水路や波立つ水面では、瞬間的な高低差が含まれるため、単一の高さだけで水面を表すことが適切とは限りません。水面が傾いている可能性がある場合は、一定標高ではなく、流下方向に変化する基準面を検討します。

標高の上限は、水面上に浮いた点や反射によって生じた高い点を除去するために設定します。下限は、水面下へ落ち込むように分布した点や、明らかに周辺地形と連続しない低い点を除去するために使います。

設定値は、使用した計測方法、点間隔、現場の起伏、水面の状態によって変わります。そのため、特定の数値をすべての現場に共通して使うのではなく、断面表示で点の分布を確認して決める必要があります。水面高の近くに有効な地形が存在する場合は、閾値を狭くしすぎないよう注意します。

実務では、水面に直交する断面と、水面に沿った断面の両方を作ると判断しやすくなります。直交断面では、水際から水面中央へ向かう点の変化を確認できます。水面に沿った断面では、水位が一定か、流れに沿って変化しているかを確認できます。

高さ条件で除去した後は、水際の連続性を確認します。法面の下部が不自然に切れていないか、護岸の下端が消えていないか、掘削底の必要な点が除去されていないかを見ます。標高だけでは水面ノイズと地形を完全には分けられないため、後述する近傍条件や形状条件と組み合わせることが重要です。

水面高を基準面として利用する場合には、その高さが何を表しているのかも明確にします。計測時点の水位なのか、管理上の基準水位なのか、設計上の計画水位なのかによって意味が異なります。土量計算で使用する基準面と、ノイズ除去のために推定した水面高を混同しないようにします。

また、異なる日に取得した点群を比較する場合は、水位変動に注意が必要です。前回と今回で水面高が異なると、水面周辺の差分が地形変化として表示されることがあります。時系列の点群土量計算では、各時点の水面範囲を除外するか、共通の基準にそろえて比較する必要があります。

設定3 孤立点と低密度点を除去する近傍条件を設定する

水面反射ノイズには、周辺から離れて存在する孤立点や、まばらに分布する低密度点が含まれることがあります。こうした点には、近傍点の数や周囲との距離を使った除去設定が有効です。

近傍条件によるフィルタは、対象となる点の周辺に一定数以上の点が存在するかを調べ、周囲から孤立している点を除去します。水面上に散発的に発生した点や、水面下へ筋状に伸びた異常点を減らせる可能性があります。

設定項目としては、近傍を探索する半径、比較する点の数、周辺点との平均距離、許容する距離の偏りなどが使われます。ただし、名称や処理方法は点群処理環境によって異なるため、設定の意味を確認したうえで使用する必要があります。

探索半径を小さくしすぎると、正常な点でも近傍点が不足し、除去されやすくなります。特に水際の法面、細い構造物、点密度が低下した範囲では注意が必要です。反対に探索半径を大きくしすぎると、水面上の異常点が離れた陸地の点と同じ集団として扱われ、残ることがあります。

点数を条件にする場合も同様です。必要な近傍点数を多く設定すると強い除去になりますが、点密度にばらつきがあるデータでは有効点まで失う可能性があります。まず点群全体の平均的な点間隔を確認し、水面付近の密度がどの程度低下しているかを見て設定します。

水面反射ノイズの中には、孤立点ではなく、ある程度まとまった点群として現れるものもあります。その場合、近傍点数だけでは除去できません。水面の上下に薄い層が形成されている場合や、反射点が線状に並んでいる場合は、標高条件や平面性の判定を併用する必要があります。

近傍フィルタを適用する際は、一度に強い条件をかけるより、弱い条件から段階的に適用するほうが安全です。最初の処理で明らかな孤立点を除去し、その後に残った点を断面で確認します。さらに必要な場合だけ条件を調整します。

また、点群全体に同じ近傍条件を適用すると、植生、フェンス、細い配管、法肩などの点が減ることがあります。水面範囲とその周辺だけを処理対象にすることで、他の地物への影響を抑えられます。

除去前後の点数だけで処理の良否を判断しないことも重要です。点数が大きく減ったからといって、土量計算に適した点群になったとは限りません。残った点が地表面を正しく表しているか、地形の連続性が保たれているかを確認する必要があります。

近傍条件を調整した後は、水際の複数断面を比較します。処理前に見られた浮遊点や落ち込み点が減っているかを確認するとともに、法面や護岸の輪郭が保たれているかを見ます。点群土量計算では、ノイズを減らすことと必要な地形を残すことの両方が求められます。

設定4 平面性と勾配を使って水面候補を分類する

水面は比較的平らに見えることが多いため、周辺点から計算した平面性や勾配を使って水面候補を分類できます。特に、水面上に一定の密度で点が残っており、孤立点フィルタだけでは除去できない場合に有効です。

平面性の判定では、ある点の周囲にある点群が、一つの平面にどの程度近いかを評価します。平面に対するばらつきが小さく、勾配も小さい領域は、水面候補として抽出できる可能性があります。

ただし、平らな場所は水面だけではありません。舗装面、コンクリート床、造成地盤、構造物の天端なども高い平面性を持ちます。そのため、平面性だけで水面を自動判定するのは危険です。設定1の除外範囲や設定2の水面高と組み合わせ、水面が存在する可能性のある場所だけで判定します。

勾配条件を設定する際は、水面が必ず完全な水平面になるとは限らない点に注意します。河川や排水路では流下方向に勾配があります。風や流れによって波立っている場合は、局所的なばらつきも生じます。勾配をゼロに近い値へ固定するのではなく、現場の状態を考慮した許容範囲を設定します。

平面性を評価する近傍範囲も重要です。範囲が小さすぎると、反射ノイズの一部が局所的な平面として判定されることがあります。範囲が大きすぎると、水際の法面や護岸を含み、水面候補を正しく抽出できなくなります。点間隔と水面の広さを見ながら、複数の範囲で試す必要があります。

水面上に波状の点群が形成されている場合は、平面性だけでなく、表面粗さも確認します。周辺地形に比べて不自然な凹凸が連続している領域は、水面反射ノイズの可能性があります。一方で、砕石面や植生面も粗さが大きくなるため、位置情報との組み合わせが欠かせません。

形状条件による分類では、抽出された点をすぐに削除せず、水面候補として別の分類へ移す方法が適しています。その状態で上面表示、側面表示、断面表示を行い、本当に水面由来の点だけが選ばれているかを確認します。

分類結果の境界が水際と一致しない場合は、平面性の閾値だけを変更するのではなく、除外範囲や標高条件も見直します。水面反射ノイズの処理は、各設定が互いに関係します。特定の設定だけを強くするより、複数の条件を弱めに組み合わせたほうが、有効点を残しやすくなります。

また、水面候補を除去した後に、地表面分類をやり直すことも重要です。ノイズを含んだ状態で作成された地表面分類には、水面上の異常点が地盤として残っている場合があります。除去後の点群から改めて地表面を抽出し、三角網や格子面を再作成します。

設定5 補間距離と三角網の最大辺長を制限する

水面反射ノイズを除去しても、水面部分には点が存在しない欠測範囲が残ります。この状態で無制限に三角網を作成すると、水際の点同士が長い辺で結ばれ、実際には計測していない面が生成されることがあります。

そのため、最後に設定したいのが、補間距離と三角網の最大辺長です。これはノイズそのものを削除する設定ではありませんが、ノイズ除去後に誤った面が作られることを防ぐうえで重要です。

三角網は、周辺の点を結んで地表面を表現します。点が密に分布している地盤では、短い辺による細かな三角形が作られます。しかし、水面部分の点を除去すると、水際の離れた点同士が結ばれ、大きな三角形が水面上を横断する場合があります。

この三角形が土量計算に使われると、水面の内側に存在しない地盤面が作られます。対岸の標高差がある場合には、水面を斜めに横切る面となり、大きな体積誤差につながる可能性があります。

最大辺長を設定すると、一定距離以上離れた点を結ぶ三角形を作成しないようにできます。設定値は、通常の地表面における点間隔や、残したい地形の大きさを参考に決めます。点間隔に対して極端に長い辺だけを除外するところから始めると、必要な地形面を残しやすくなります。

ただし、最大辺長を短くしすぎると、点密度が低い正常な地形まで穴になります。法面の一部や計測距離が遠い場所では、周辺より点間隔が広がることがあります。水面付近だけに異なる設定を適用できる場合は、範囲を限定して調整します。

格子による補間を行う場合も、補間可能な欠測幅を制限します。周囲に点があるからといって、大きな欠測範囲を自動的に埋めるのは適切ではありません。特に水面下の地形は、周辺の水際点だけから正確に推定できるとは限りません。

補間が必要な場合は、その目的を明確にします。表示を見やすくするための補間と、土量計算に使用する地表面の補間は意味が異なります。見た目が滑らかになっても、実際に計測していない範囲の高さが正しいとは限りません。

小さな欠測で、周囲の地形が連続していることを確認できる場合には、限定的な補間が有効なことがあります。一方、水面全体のような広い欠測を補間する場合には、設計面、過去の測量成果、横断測量など、別の根拠が必要です。

土量計算の対象から水面範囲を除外する場合は、三角網にも同じ境界を反映します。点を削除しただけでは、三角網が除外範囲を横断することがあるため、面の作成範囲や穴領域を明示的に設定します。

最終的には、上面表示だけでなく断面表示で三角網を確認します。水面を横断する長い辺が残っていないか、除外境界の外側に不自然な面が張られていないか、法尻が直線で切り取られていないかを確認します。

5つの設定を適用する実務手順

水面反射ノイズを安定して処理するには、設定を適用する順番も重要です。最初から複数のフィルタをまとめて実行すると、どの設定によって必要な点が消えたのか分からなくなります。

まず、計測した元の点群を保存し、処理用の複製データを作成します。元データを直接編集すると、設定を戻せなくなったり、処理前後の比較が難しくなったりします。処理条件を変更する可能性を考え、元データは変更しない状態で保管します。

次に、点群全体を上面、側面、斜め方向から確認します。水面の位置、反射ノイズの分布、欠測範囲、水際の地形を把握します。この段階では、点を削除せず、どこに問題があるかを確認することを優先します。

その後、水面を横断する断面を複数作成します。一つの断面だけでは、局所的な異常を全体の傾向と誤認することがあります。水面の中央、上流側、下流側、水際の形状が変わる場所などで断面を確認します。

状態を把握したら、設定1の除外範囲を作成します。水面中央を確実に含め、水際は必要な地形を残せるように調整します。範囲を作成した時点で、水面内外の点を別々に表示できるようにすると確認しやすくなります。

次に、設定2の標高条件を適用し、明らかに高い点と低い点を除外します。水面の代表高を確認し、その周辺に分布する点を残しながら、地形と連続しない異常点を減らします。

続いて、設定3の近傍条件を弱めに適用します。孤立点や低密度点がどの程度減るかを確認し、有効な水際点が消えていないかを断面で確認します。必要に応じて探索範囲や近傍点数を調整します。

近傍条件で残った面的なノイズについて、設定4の平面性や勾配を使って分類します。この処理では水面候補を別分類に移し、削除前に選択結果を確認します。舗装面や構造物まで選択されていないことを確かめます。

ノイズ除去が完了したら、地表面の分類と三角網を作り直します。処理前に作成された面をそのまま使うと、削除済みの点をもとにした形状が残る場合があります。点群の更新後は、土量計算に使う面も更新します。

最後に、設定5の最大辺長と補間距離を調整します。水面を横断する三角形を抑え、計測していない範囲が自動的に地表面として埋められないようにします。

各段階で処理結果を保存し、設定値を記録しておくと再現性が高まります。同じ現場を継続計測する場合は、前回の設定を参考にできます。ただし、水位、天候、計測位置、点密度が変われば適切な設定も変わるため、数値をそのまま流用せず再確認します。

水際の土量計算で基準面を設定する際の注意点

水面反射ノイズを適切に除去できても、基準面の設定が不適切であれば正しい土量にはつながりません。点群土量計算では、現況面と比較する基準面の定義が結果を大きく左右します。

水面付近の土砂量を算出する場合、どの高さまでを土砂として扱うのかを明確にする必要があります。計測時の水面高を基準にするのか、設計上の河床面や掘削面を使うのか、過去の地形面と比較するのかによって、算出される体積は異なります。

水面下の地形が取得できていない場合、点群だけで水中の土量を確定することはできません。水際の点を延長して水底を推定すると、実際の地形と異なる面が作られる可能性があります。見えていない範囲を含む土量計算では、別の計測方法や既存資料を組み合わせる必要があります。

水たまりが一時的に発生している造成現場では、水面下に施工地盤が存在する場合があります。過去の点群や設計面がある場合は、それらを基準として利用できることがあります。ただし、雨水による浸食、泥の堆積、車両走行による変形などが起きている可能性もあるため、過去面を現在の地盤とみなせるかを確認します。

盛土量を計算する場合は、現況面から水面部分を除外したことで、計算面積が変わっていないかを確認します。処理前後で面積が異なると、体積差の原因がノイズ除去なのか対象範囲の変更なのか分かりにくくなります。

掘削量を計算する場合も同様です。水面下に異常な低い点が残ると掘削量が過大になりますが、すべてを一定の水面高に置き換えると、実際の掘削底の凹凸が失われる場合があります。水面下を計測できている根拠がない場合は、推定値であることを明示する必要があります。

基準面は、名称だけでなく作成方法も記録します。一定標高面、設計面、過去点群から作成した面、水際点から推定した面など、同じ体積結果でも根拠は異なります。後から結果を確認する担当者が判断できるようにしておくことが重要です。

また、水面除外範囲と土量計算境界は別々に管理したほうが安全です。水面除外範囲はノイズ処理のための境界であり、土量計算境界は体積を積算する範囲です。両者を一つにすると、処理条件を変更した際に計算範囲まで意図せず変わる可能性があります。

計測段階で水面反射ノイズを減らす方法

点群処理で水面反射ノイズを完全に解決しようとすると、必要な地形点まで除去する可能性があります。可能であれば、計測段階から水面の影響を抑えることが重要です。

まず、水面に対する計測方向を変えて取得します。一方向からだけ計測すると、水面反射や遮蔽の影響が特定方向へ偏ることがあります。水際を複数方向から計測することで、法尻や護岸の点を補いやすくなります。

ただし、水面中央を多方向から計測しても、水中の地形を取得できるとは限りません。目的は、水面そのものを高密度化することではなく、水際にある必要な地形の欠測を減らすことです。

水面に近づきすぎると、計測機器の安全性や作業者の転落リスクに関わります。水際の計測では、地盤の軟弱化、法面の崩れ、増水、滑りやすさなどを確認し、安全な位置から実施します。点群の欠測を埋めるために危険な場所へ進入しないことが前提です。

雨天直後は、水たまりの範囲が広がり、水面も不安定になりやすいため、計測時期を調整できる場合は水が引いた後の再計測を検討します。ただし、施工管理上の記録時点が決まっている場合は、計測時の水面範囲を記録し、計算対象外として扱えるようにします。

水際には目印となる特徴が少ない場合があります。現場条件に応じて、水面から離れた安定した場所に確認点を設け、点群の位置や高さを検証できるようにします。水面付近だけを見て位置精度を判断しないことが重要です。

計測時には写真やメモも残します。水面の範囲、水の濁り、波立ち、降雨後かどうか、水際に泥や植生があるかなどを記録すると、後処理で点群の異常を判断しやすくなります。

同じ場所を継続的に計測する場合は、できるだけ同じ範囲、同じ基準、近い計測条件で取得します。水面の状態を完全にそろえることは難しいものの、計測条件の差を減らすことで、時系列比較の不確実性を抑えられます。

ノイズ除去後に確認したい品質管理項目

水面反射ノイズの除去が完了した後は、土量計算を実行する前に品質確認を行います。見た目が整っていても、地表面や計算範囲に問題が残っている場合があります。

最初に確認したいのは、水際の地形が連続しているかどうかです。法面が途中で切れていないか、護岸の縁が消えていないか、掘削底や盛土の裾が不自然に直線化されていないかを見ます。

次に、水面を横断する三角形が残っていないか確認します。上面表示では分かりにくいことがあるため、三角網の辺を表示し、水面範囲に長い辺が作られていないかを確認します。断面表示でも、対岸同士を結ぶ斜面が生成されていないかを見ます。

処理前後の体積差も確認します。差が大きい場合は、除去したノイズが体積へ大きく影響していた可能性がありますが、有効点や計算範囲まで削除している可能性もあります。差の大きさだけで処理の成功を判断せず、変化した場所を平面図や差分表示で確認します。

面積の変化も重要です。水面を対象外にしたことで計算面積が減るのは想定される場合がありますが、意図しない場所まで面積が減っていないかを確認します。体積を比較する際には、同じ面積を対象としているかをそろえます。

複数の設定で体積を試算する方法も有効です。標高条件や最大辺長を少し変えたときに、結果が大きく変動する場合は、水面周辺の面が安定していない可能性があります。小さな設定変更で体積が大きく変わる範囲は、点群だけでは判断しにくい場所として個別確認します。

検証用の断面を固定しておくと、設定変更による影響を比較しやすくなります。水面中央、水際、法面、護岸などを通る代表断面を保存し、処理前後で同じ位置を確認します。

除去した点の分類や境界も保存します。最終的な点群だけでは、どの点をどの理由で除外したのか分からなくなります。元点群、処理済み点群、水面範囲、除外点、地表面、基準面、計算境界を分けて管理すると、再計算や説明がしやすくなります。

土量計算結果には、体積の数値だけでなく、除外した水面範囲や使用した基準面を併記することが望まれます。水面下を計測していない場合は、その範囲が計算に含まれていないことを明確にします。

処理担当者以外による確認も有効です。水際の境界や補間範囲は判断が入りやすいため、施工状況を知る担当者や現場計測者と照合することで、点群だけでは分からない誤認を減らせます。

まとめ

点群土量計算で水面反射ノイズを除去する際は、一つの自動フィルタだけで処理を完結させないことが重要です。水面の点群には、浮遊点、落ち込み点、低密度点、面的な反射点、欠測など、複数の状態が混在するためです。

最初に水面と陸地を分ける除外範囲を設定し、処理対象を限定します。次に水面高を参考に標高の上下限を設定し、明らかな異常点を除去します。その後、近傍条件で孤立点や低密度点を減らし、平面性や勾配を使って面的な水面候補を分類します。最後に補間距離と三角網の最大辺長を制限し、計測していない範囲へ不自然な面が作られることを防ぎます。

各設定は強くかけすぎず、処理前後の断面を確認しながら段階的に調整することが基本です。水面反射ノイズを減らすことだけを優先すると、水際の法尻、護岸、掘削底など、土量計算に必要な点まで失う可能性があります。

また、水面下の地形を取得できていない場合は、周辺点から無理に補間して確定的な土量を算出しないことが大切です。水面範囲を計算対象外として明示するか、設計面、過去の測量成果、別の計測結果などを使って根拠のある基準面を設定します。

点群の土量計算では、ノイズ除去後の見た目だけでなく、計算範囲、地表面、基準面、三角網、面積、体積差まで一連の流れで確認する必要があります。元点群と処理条件を保存し、誰が再計算しても判断過程を追える状態にすることで、結果の説明性も高められます。

現場で水面の位置や水際の地形を確認しながら点群を取得し、その場で計測結果を見直せる環境を整えたい場合は、LRTK Phoneを活用した点群計測と土量確認へつなげることで、再計測が必要な範囲を早い段階で判断しやすくなります。

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