LRTKレフィクシア株式会社

雨天前後の点群を比較して流出土量を把握する5つの方法

雨天前後の点群比較で流出土量を把握する意味

造成工事、道路工事、法面工事、資材置場の管理などでは、強い雨によって地表の土砂が移動することがあります。斜面の表面が削られるだけでなく、側溝付近や法尻に土砂が集まり、施工範囲外へ流出する場合もあります。こうした変化を目視だけで判断すると、広い範囲に薄く発生した侵食や、複数の場所へ分散した堆積を見落としやすくなります。

雨天前後に取得した点群を比較すれば、地表面の高さがどこで低下し、どこで上昇したのかを三次元的に確認できます。雨天前の地表面に対して雨天後の地表面が低くなった場所は、侵食や土砂の持ち出しが発生した可能性があります。反対に、雨天後の地表面が高くなった場所は、土砂の堆積、崩落物の移動、濁水に含まれる土粒子の沈降などが考えられます。

ただし、二つの点群を単純に重ねただけで、正しい流出土量を算出できるとは限りません。座標系、標高基準、計測範囲、点密度、除去した対象物、面の作成条件などが異なると、実際には変化していない場所まで差として表れることがあります。土量計算に点群を使用するときは、雨天前後のデータを同じ条件にそろえ、地形変化と計測誤差を区別する作業が必要です。

また、雨によって削られた土砂が同じ管理範囲内の別の場所へ移動した場合、範囲全体の差し引き量だけを見ると変化が小さく見えることがあります。実際には斜面で侵食が進み、法尻や排水施設周辺で大量の堆積が起きていても、流出量と堆積量が相殺されるためです。そのため、雨天前後の比較では、差し引き後の純変化量だけでなく、地表が低下した量と上昇した量を分けて把握することが重要です。

流出土量を点群で把握する目的は、単に一つの体積値を求めることではありません。侵食が集中している場所、排水が集まる経路、土砂が滞留している場所、次の雨で被害が拡大しそうな箇所を特定し、対策の優先順位を決めることにあります。雨天前後の比較結果を地図や断面として確認できれば、排水経路の見直し、法面保護、土のうや仮設排水の配置、堆積土砂の撤去範囲なども検討しやすくなります。

比較前にそろえる計測条件と基準

雨天前後の点群を比較する前に、二つのデータが同じ基準で扱える状態かを確認します。最も重要なのは、平面位置と標高の基準です。同じ場所を計測していても、座標系や高さの基準が異なれば、点群全体が水平方向または鉛直方向にずれて表示されます。数センチメートルの鉛直ずれでも、広い面積の土量計算では大きな体積差につながる可能性があります。

計測時には、使用する座標系、標高の扱い、基準点、計測日時、計測者、使用機器、補正方法などを記録しておきます。雨天前と雨天後で同じ設定を使用していても、設定画面の確認だけで終わらせず、変化していない構造物や基準点の座標を照合することが大切です。擁壁、舗装面、コンクリート構造物、固定された測量標などは、点群同士のずれを確認する基準として利用できます。

計測範囲も可能な限り統一します。雨天前は斜面全体を計測している一方、雨天後は侵食箇所の周辺だけを計測していると、同じ境界で比較できません。雨水が流れ込む上流側、侵食が起きる斜面、土砂がたまる法尻、排水先まで含めて計測範囲を設定すると、土砂移動の全体像を把握しやすくなります。

ただし、雨天後の現場には立入りが危険な場所もあります。地盤が緩んだ斜面、増水した水路、崩落の可能性がある法肩などへ無理に近づいてはいけません。点群計測のために安全を損なうことがないよう、現場の立入基準や作業手順を優先し、安全な位置から取得できる範囲を記録します。未計測部分がある場合は、推定値として補完するのではなく、欠測範囲として明示することが重要です。

点密度や計測経路も比較結果へ影響します。雨天前は細かく計測し、雨天後は短時間で粗く計測した場合、細い侵食溝や小さな堆積が雨天後の点群に十分反映されないことがあります。反対に、雨天後だけ点密度が高いと、地表の細かな凹凸が差分として強く現れる場合があります。完全に同じ点密度へそろえる必要はありませんが、最終的に作成する格子や地表面の解像度に対して、両方の点群が十分な密度を持っているかを確認します。

比較対象から除外するものも統一します。作業員、車両、建設機械、資材、仮設材、植生、水面などが片方の点群だけに含まれていると、土砂の変化ではない部分が体積差として集計されます。雨天前後で除去方法が異ならないよう、同じ判断基準で不要点を処理します。

方法1 同じ座標系と標高基準で点群を重ねる

一つ目の方法は、雨天前後の点群を同じ座標系と標高基準で正確に重ね、変化していない場所で位置関係を確認する方法です。流出土量の比較では、差分計算を始める前の位置合わせが結果の信頼性を大きく左右します。

最初に、それぞれの点群に設定されている座標系、単位、標高の種類を確認します。平面座標の単位がメートルで統一されているか、標高値の基準が同じか、任意座標を使用している場合は原点や軸方向が一致しているかを確認します。データ形式を変換した場合は、変換時に座標の桁数や単位が変わっていないかも確認が必要です。

次に、雨によって変化していないと考えられる場所を複数選び、点群同士の差を確認します。確認箇所を一か所だけにすると、その場所では一致していても、点群全体が傾いていたり、水平方向へ回転していたりする問題を見落とすことがあります。計測範囲の四隅や中央付近など、離れた複数の位置で照合することが有効です。

確認対象には、舗装面の角、擁壁上端、固定構造物の角部、移動していない縁石などが利用できます。ただし、雨によって洗掘されやすい構造物周辺や、地盤沈下の可能性がある場所は、固定点として扱う前に現地状況を確認します。見た目が変わっていなくても、構造物周辺の土砂が流出している場合があるためです。

点群のずれは、断面表示でも確認できます。変化していない舗装面や構造物を横切る断面を作成し、雨天前後の線が重なるかを確認します。点群全体が一定量だけ上下している場合は標高基準の違いが疑われます。場所によって差が変化する場合は、点群の傾き、計測姿勢、位置合わせ、局所的な誤差などを疑う必要があります。

位置合わせのために点群を移動または回転させた場合は、その補正量と判断根拠を記録します。結果だけを保存すると、後から再計算したときに同じ状態を再現できません。補正前の原本データを残し、補正後の作業用データと区別して管理することが大切です。

変化していない範囲で残る差が、求めたい流出深さと同程度である場合は、体積値を細かく算出しても判断が難しくなります。例えば、広い範囲に数センチメートル程度の侵食が生じたと考えられる現場で、固定構造物上にも同程度の標高差が残っている場合、その差が地形変化なのか計測誤差なのかを慎重に判断しなければなりません。

このような場合は、一つの体積値だけで結論を出さず、差が明確な場所と不確かな場所を分けます。変化判定の基準値を設定し、その値より小さい差を計測ばらつきとして扱う方法もあります。ただし、基準値を大きくしすぎると、薄く広がった侵食を見落とす可能性があるため、固定箇所で確認した差、点密度、地表の粗さなどを踏まえて設定します。

方法2 流出範囲を区切って比較対象を明確にする

二つ目の方法は、計測範囲全体を一度に計算するのではなく、雨水の流れや地形条件に応じて管理区画を設定し、流出範囲を区切って比較する方法です。雨による土砂移動は均一には発生しません。法肩、斜面中央、法尻、排水溝周辺、集水箇所などで現象が異なるため、範囲を分けたほうが原因と対策を整理しやすくなります。

まず、雨水が流入する範囲と流出する範囲を確認します。現場外から水が流れ込んでいる場合、施工範囲内の土砂だけを見ても原因を説明できないことがあります。上流側の地形、仮設道路、資材置場、舗装面などから水が集中していないかを確認し、流路に沿って点群の変化を追います。

斜面では、法肩付近の侵食、斜面上の細い水みち、斜面中央の表面流出、法尻の堆積を分けて確認します。法肩が削られている場合は、上部から流入する雨水への対策が必要になる可能性があります。斜面中央に複数の侵食溝ができている場合は、表面保護や排水誘導の状態を確認します。法尻へ大量の土砂が集まっている場合は、流出防止施設や排水断面への影響を検討します。

管理区画の境界は、雨天前と雨天後で同じ形状を使用します。点群ごとに目視で別々の境界を作ると、境界の違いが土量差へ混入します。最初に共通の比較範囲を作成し、その範囲を両方の点群へ適用することが基本です。

境界線は、地形上の区切りや施工管理上の区切りに沿って設定します。法面の上下端、工区境、排水施設の位置、土砂流出防止施設の内外など、現場で説明しやすい線を使用すると、結果を関係者と共有しやすくなります。一方で、侵食箇所を囲むためだけに複雑な境界を作ると、雨ごとに同じ範囲を再現することが難しくなります。

流出範囲を区切る際は、差分表示を利用して変化箇所を探します。雨天後に低くなった場所が帯状に連続している場合、そこが雨水の通り道である可能性があります。その下流側に高さが増加した場所があれば、削られた土砂が移動して堆積した可能性を検討できます。点群だけで原因を断定するのではなく、現場写真、排水状況、降雨中の巡回記録などと照合することが重要です。

区画ごとに流出量を集計すると、対策前後の効果も確認しやすくなります。仮設排水を設置した区画と未対策の区画を分けて比較すれば、侵食の広がり方や土砂移動の傾向を確認できます。ただし、降雨量や施工状態が異なる期間を単純に比較することは避け、雨量、降雨継続時間、地表の状態、植生や養生の有無なども記録しておきます。

点群による土量計算では、区画の外へ移動した土砂を把握できる範囲まで計測することも大切です。斜面だけを計測すると、削られた量は確認できても、その土砂が法尻へ堆積したのか、排水路を通って現場外へ流出したのかを判断しにくくなります。安全に計測できる範囲で、土砂の移動先まで含めた管理区画を設定します。

方法3 共通の格子や面を作成して標高差を求める

三つ目の方法は、雨天前後の点群から共通条件の地表面を作成し、同じ位置における標高差を計算する方法です。点群は、取得した点の位置が雨天前後で完全には一致しません。そのため、点同士を直接比較するよりも、共通の格子や三角形面へ変換して比較するほうが、土量計算を行いやすくなります。

格子を使う場合は、比較範囲を一定の大きさの区画へ分け、それぞれの格子内で代表標高を求めます。その後、同じ格子位置における雨天前と雨天後の標高差を計算し、格子面積を掛けて体積を求めます。格子ごとの体積を合計することで、管理範囲全体の流出量や堆積量を集計できます。

格子の大きさは、細かければよいとは限りません。点密度に対して格子が細かすぎると、点が存在しない格子が増え、補間結果に依存しやすくなります。また、ぬかるみや粗い地表面の細かな凹凸まで差として拾い、全体の変化を判断しにくくなる場合があります。反対に格子が大きすぎると、細い侵食溝や局所的な洗掘が平均化されて見えにくくなります。

適切な格子の大きさは、点密度、地表の粗さ、対象とする変化の大きさ、必要な管理精度によって異なります。最初から一つの設定だけで計算するのではなく、複数の格子寸法で結果を比較し、流出箇所の形状や体積値が大きく変化しない範囲を確認するとよいでしょう。

三角形面を使用する場合は、点群から地表を表す面を作成し、雨天前後の面の間にある体積を計算します。斜面や複雑な地形を表現しやすい一方で、点が不足している場所に長い三角形が作られると、実際には計測できていない地表が補間されることがあります。水たまり、植生の陰、急斜面の裏側などに欠測がある場合は、面の形状を確認する必要があります。

雨天前後の面を作成するときは、可能な限り同じ処理条件を使用します。片方だけ強く平滑化したり、異なる補間方法を使用したりすると、地形変化ではなく処理条件の違いが差になります。ノイズ除去、点の間引き、地表面の抽出、穴埋め、面の平滑化などの設定を記録し、同じ手順を再現できるようにします。

差分を表示する際は、どちらの標高からどちらを引いたのかを明確にします。雨天後の標高から雨天前の標高を引く場合、値が負になる場所は地表低下、値が正になる場所は地表上昇を表します。計算の順序を反対にすると符号も反対になるため、図面、報告書、集計表で表現を統一しなければなりません。

また、変化量の表示範囲を適切に設定します。極端な外れ値が一つあるだけで表示範囲が広がると、数センチメートルから数十センチメートル程度の変化が見えにくくなります。外れ値を確認したうえで、実務上確認したい変化量に合わせて表示範囲を調整します。ただし、表示上見えない値も計算には含まれる場合があるため、表示条件と集計条件を混同しないよう注意します。

方法4 流出量と堆積量を分けて集計する

四つ目の方法は、雨天後に地表が低くなった量と高くなった量を分けて計算する方法です。土量計算で点群を比較するとき、範囲全体の差し引き結果だけを確認すると、現場で起きている変化を過小評価する可能性があります。

例えば、斜面から十立方メートル相当の土砂が削られ、そのうち八立方メートル相当が同じ管理範囲の法尻へ堆積したとします。この場合、範囲全体の純変化は二立方メートル相当となります。しかし、実際には斜面で大きな侵食が起き、法尻にも多量の堆積が発生しています。純変化だけでは、斜面保護や堆積土砂撤去の必要性を適切に判断できません。

そこで、標高差が低下側に現れた格子や面を侵食側として集計し、上昇側に現れた部分を堆積側として別に集計します。侵食側の合計を流出候補量、堆積側の合計を堆積候補量として整理し、両者の差を純変化量として確認します。

ただし、地表低下のすべてが雨による流出とは限りません。雨天前後の間に掘削、整地、車両走行、資材移動などが行われていれば、その影響も含まれます。反対に、地表上昇も土砂堆積だけでなく、搬入土、作業用資材、泥水、水たまり、植生の倒れ込みなどによって生じる可能性があります。

雨天による変化を抽出するには、比較期間中の施工記録を確認します。雨天前の計測後にどの作業が行われ、雨天後の計測までに何が移動したのかを整理します。施工による変化がある場所は別区画として除外するか、雨天影響と施工影響を分けて解釈します。

侵食量と堆積量が一致しないこともあります。計測範囲外へ土砂が流出した場合、侵食量のほうが堆積量より大きくなる可能性があります。一方で、上流側から土砂が流入した場合は、堆積量のほうが大きくなることがあります。点群の誤差、欠測、境界設定、締固めや含水状態の変化などによっても一致しないため、差があることだけを理由に計算ミスと判断しないようにします。

雨を含んだ土は、乾燥時とは表面状態が異なります。細粒分を含む土では、表面が軟化して車両や作業員の足跡が残ることがあります。粗い土砂では、水によって細かな粒子が流され、表面の凹凸が変わる場合があります。こうした変化も点群差に含まれるため、求めた体積をそのまま搬出土量や重量へ換算できるとは限りません。

流出量と堆積量を分けた結果は、位置情報と合わせて評価します。流出量が大きい場所だけでなく、侵食深さが局所的に大きい場所も確認します。全体の体積は小さくても、法肩や構造物周辺が深く削られていれば、早急な対応が必要になることがあります。逆に、薄い堆積が広範囲に広がっている場合は、排水機能や次工程への影響を確認します。

方法5 固定断面と管理区画で変化を継続確認する

五つ目の方法は、毎回同じ位置に断面線と管理区画を設定し、雨天のたびに地形変化を継続して確認する方法です。一度の豪雨前後を比較するだけでも流出状況は把握できますが、複数回の降雨を通じて変化を追うことで、侵食が進行している場所や対策効果を判断しやすくなります。

固定断面は、雨水の流れと直交する方向や、侵食が発生しやすい斜面を横切るように設定します。法肩から法尻までを通る断面、排水溝を横切る断面、土砂が堆積する出口付近の断面などを設定しておくと、雨ごとの変化を比較できます。

断面位置は、現場内で再現できるよう座標で管理します。点群を表示するたびに目視で断面位置を決めると、わずかな位置の違いによって形状が変化します。特に細い侵食溝や局所的な洗掘では、断面が数十センチメートルずれるだけで結果が大きく異なることがあります。

断面では、地表の低下量、侵食溝の幅、法肩の後退、法尻の堆積高、排水断面の減少などを確認します。体積値だけでは分かりにくい地形変化を視覚的に説明できるため、現場関係者との情報共有にも役立ちます。対策前後の断面を並べれば、排水誘導や表面保護の効果も確認しやすくなります。

管理区画も固定しておきます。法面を上部、中部、下部に分ける方法や、排水系統ごとに集水範囲を分ける方法などがあります。毎回同じ区画で流出量と堆積量を集計すれば、どの区画で変化が繰り返されているのかを把握できます。

継続管理では、計測日だけでなく降雨情報との対応を記録します。降雨の総量だけでなく、短時間に集中した雨か、長時間続いた雨かによって、地表流出の発生状況が異なることがあります。計測結果と降雨状況を並べて管理すると、どの程度の雨で変化が大きくなるのかを検討する材料になります。

ただし、降雨量と流出土量の関係は、土質、勾配、植生、地表保護、締固め状態、排水設備、施工段階などによって変わります。少数回の計測結果だけで単純な比例関係を決めることは避け、現場ごとの傾向として扱います。

対策工事を行った場合は、対策前の点群を残し、対策直後の状態を新たな基準として計測します。その後の雨天後点群と比較することで、対策箇所の変化を追えます。基準となる点群を途中で変更する場合は、どの時点を基準にした計算なのかを明確にし、累積変化と各降雨期間の変化を分けて管理します。

例えば、工事開始時点からの累積流出量だけを見ると、直近の雨による影響が分かりにくくなります。反対に、毎回の雨天前後だけを比較すると、長期間にわたる少量の侵食を見落とす可能性があります。初期状態からの累積比較と、直前計測からの期間比較を併用することが有効です。

雨天後の点群に生じやすい誤差への対処

雨天後の点群には、乾燥した地表を計測するときとは異なる誤差要因があります。代表的なものが、水面、ぬかるみ、濡れた材料、植生、作業跡、欠測です。これらを土砂の変化と区別しなければ、流出量や堆積量を過大または過小に算出する可能性があります。

水たまりや流れている水の表面は、地盤面そのものではありません。雨天前には乾燥した地盤を計測し、雨天後にはその上に水がたまっている場合、水面を地盤面として処理すると地表上昇と判断されることがあります。水面の下にある地盤を直接確認できない場合は、無理に補完せず、計測不能または判定保留の範囲として扱うことが安全です。

泥水が排水溝や低地へたまっている場合も同様です。堆積した土砂と水面を点群だけで完全に区別できないことがあります。現地写真、目視確認、水が引いた後の再計測などを組み合わせて判断します。水が引くまで待つ場合でも、その間に土砂撤去や車両走行が行われると比較条件が変わるため、現場作業の記録が必要です。

植生がある斜面では、雨によって草が倒れ、点群上の表面が低くなったように見える場合があります。反対に、流木、落葉、枝などが堆積すると地表が高く見えます。土量計算の対象を地盤面に限定する場合は、植生や落下物を除去する処理が必要ですが、雨天前後で処理基準をそろえなければなりません。

ぬかるんだ地面には、作業員の足跡や車両のわだちが残ります。これらは実際の地形変化ではありますが、雨水による流出とは原因が異なります。流出土量を把握する目的であれば、車両走行範囲を別区画にするなど、施工影響を分けて整理します。

点群の外れ値を除去するときは、侵食溝の底や小さな堆積まで誤って消さないよう注意します。周囲から離れた点を機械的に削除する設定では、急激な段差や細い溝の点がノイズと判断されることがあります。処理前後の断面を比較し、地形の特徴が失われていないかを確認します。

欠測部分の穴埋めも慎重に行います。斜面の一部が計測できていないとき、周囲の点から滑らかな面を作ると、実際には深い侵食溝がある場所を平らに補間する可能性があります。補間範囲が大きい場合は、推定体積として別に示すか、その範囲を土量集計から除外します。

計測日時の違いにも注意が必要です。雨天前の点群を数週間前に取得している場合、その間の施工、乾燥収縮、車両走行、風による移動なども差に含まれます。可能であれば降雨直前に基準点群を取得し、雨天後も安全確認後の早い段階で計測します。

点群による流出土量管理を現場運用へ組み込む手順

点群比較を継続的な現場管理へ組み込むには、計測、処理、確認、共有の手順を定めておくことが大切です。担当者ごとに計測方法や処理条件が変わると、雨ごとの結果を比較しにくくなります。

最初に、計測対象範囲と固定確認箇所を決めます。侵食が懸念される斜面だけでなく、上流側の流入経路、法尻、排水施設、土砂の流出先まで含めて設定します。固定構造物や基準点など、位置合わせに使用する箇所もあらかじめ記録します。

次に、雨天前点群を取得します。工事の進行によって地形が変化する現場では、毎日の計測が必要とは限りませんが、大雨が予想される前、法面施工が完了した直後、仮設排水を変更した時点など、管理上重要なタイミングで計測しておくと比較しやすくなります。

雨天後は、現場の安全確認を優先します。立入可能範囲が限定される場合は、安全な場所から取得できた範囲を明確にし、未計測部分を記録します。危険な箇所を完全に計測することよりも、同じ安全条件で繰り返し確認できる運用を整えることが重要です。

点群を取得した後は、座標と標高、計測範囲、点密度、不要物、欠測範囲を確認します。すぐに体積計算へ進まず、変化していない構造物で点群の重なりを確認します。ずれが残っている場合は、原因を特定してから差分を計算します。

差分計算では、共通の境界、共通の格子または面作成条件、共通の変化判定基準を使用します。結果は流出側、堆積側、純変化の三つに分け、区画ごとに整理します。あわせて、最大侵食深さ、主な流出経路、排水施設周辺の堆積状況などを確認します。

結果を共有するときは、体積値だけを伝えないことが重要です。どの期間を比較したのか、どの範囲を集計したのか、欠測や水面があったか、施工による変化を除外したかなどを添えます。差分表示や固定断面を使用すると、現場で起きた変化を説明しやすくなります。

計算結果には、元データと処理条件を関連付けます。雨天前後の点群、比較範囲、断面位置、格子寸法、除外範囲、補正内容、集計結果を一つの管理単位として保存すれば、後から再確認できます。ファイル名には計測日や対象区画を含め、旧版点群との取り違えを防ぎます。

点群による土量計算は、現場確認を置き換えるものではありません。点群は広い範囲の変化を定量的に把握するための有効な材料ですが、原因の判断には現場の排水状況、土質、施工記録、写真、降雨情報などが必要です。数値と現地状況を組み合わせることで、対策につながる管理が可能になります。

LRTK Phoneを活用した計測と情報共有

雨天前後の点群比較を継続するには、必要なタイミングで現場を計測し、同じ基準でデータを整理できる環境が求められます。大掛かりな準備が必要な計測方法だけに依存すると、降雨直前の状態や、安全確認後の限られた時間に点群を取得できないことがあります。

LRTK Phoneを活用すると、現場で位置情報を持つ点群を取得し、雨天前後の状況を記録する運用を検討できます。計測時には、対象範囲、基準点、計測経路、日時をそろえ、比較に使用する点群を明確に管理することが重要です。

流出が疑われる場所では、点群だけでなく位置情報を持つ現場写真も残しておくと、差分結果を確認しやすくなります。斜面の水みち、法尻の堆積、側溝の閉塞、仮設排水の状態などを記録し、点群の変化箇所と照合します。

同じ現場を繰り返し計測する場合は、毎回の計測範囲と確認位置を統一します。現場で取得した情報を日付や区画ごとに整理し、雨天前、雨天直後、対策後といった状態を区別できるようにします。これにより、流出量の算出だけでなく、対策の実施前後や経時変化の確認にも利用しやすくなります。

点群を使った雨天管理を日常業務へ取り入れたい場合は、現場での計測からデータ共有までの流れを簡潔に整えることが重要です。雨天前後の地形変化を記録し、流出土量を継続的に確認する手段として、LRTK Phoneの活用を検討してみてください。

まとめ

雨天前後の点群を比較すると、地表が低下した場所と高くなった場所を三次元的に把握でき、流出土量や堆積土量を定量的に確認できます。ただし、点群を重ねて体積を計算するだけでは、正しい結果になるとは限りません。

まず、雨天前後の点群を同じ座標系と標高基準へそろえ、変化していない構造物や基準点で位置関係を確認します。そのうえで、流出経路や地形条件に応じて比較範囲を区切り、共通の格子や地表面を使って標高差を算出します。

計算結果は、地表低下による流出候補量と、地表上昇による堆積候補量を分けて集計することが重要です。範囲全体の純変化だけでは、斜面の侵食と法尻の堆積が相殺され、実際の変化を小さく見積もる可能性があります。

さらに、固定断面と管理区画を設定し、複数回の降雨について同じ条件で比較すれば、侵食の進行、流出経路、対策効果を継続して確認できます。水面、ぬかるみ、植生、車両走行、欠測などは誤差要因になるため、現場写真や施工記録と照合しながら判断します。

土量計算に点群を活用する価値は、体積値を求めることだけではありません。変化の位置と大きさを把握し、排水対策、法面保護、堆積土砂の撤去、次の降雨への備えにつなげることにあります。現場で継続的な点群計測と情報共有を行う手段として、LRTK Phoneの詳細を確認し、雨天前後の管理方法に取り入れてください。

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