LRTKレフィクシア株式会社

深い掘削現場の点群欠損を減らす5つの撮影位置

深い掘削現場で点群を取得すると、地表から見下ろすだけの計測では側壁や底面の一部が隠れやすくなります。点群の欠損が残った状態で土量計算を行うと、ソフトウェア上では面が生成されていても、実際には計測できていない範囲を補間している可能性があります。その結果、掘削量や残土量の算出値が、現場の実態と合わなくなることがあります。

欠損を減らすために重要なのは、高性能な計測機器を使うことだけではありません。掘削形状をどの方向から見れば死角を補えるのかを考え、計測位置を組み合わせることが重要です。特に、法肩、側壁、小段、底面、隅角部、仮設構造物の周囲は、一つの位置からすべてを取得することが難しい場所です。

この記事では、「土量計算 点群」と検索している施工管理担当者、測量担当者、出来形管理担当者を想定し、深い掘削現場で点群欠損を減らすための5つの撮影位置を解説します。ここでいう撮影には、レーザー計測、距離センサーを用いた計測、連続写真による点群生成など、現場で実施する点群取得作業を含みます。

深い掘削現場で点群欠損が生じやすい理由

深い掘削現場で点群欠損が生じる主な理由は、計測対象が別の地形や構造物に遮られるためです。点群計測では、計測位置と対象面の間に見通しが必要です。法肩から底面を見下ろした場合、法面上部は取得できても、法尻や側壁下部が上部の張り出しに隠れることがあります。反対に、底面から見上げるだけでは、法肩付近や上部の水平面が取得しにくくなります。

掘削深さが増すほど、上端から底面までの見通し角度は急になります。計測光や撮影視線が対象面に対して浅い角度で当たると、取得点の密度が低くなったり、位置のばらつきが大きく見えたりする場合があります。特に、ほぼ垂直に近い掘削面を上から計測すると、側壁が細い帯のようにしか記録されず、面として十分な点数を確保できないことがあります。

掘削現場には、切梁、腹起し、覆工板、手すり、仮設階段、排水管、重機、資材なども存在します。これらは安全や施工に必要な設備ですが、点群計測では遮蔽物になります。計測位置から見て仮設材の背後にある面は、点群が取得されません。重機が移動した後に現れる地面や、資材を撤去した後の壁面も、計測時点によっては欠損したままになります。

湿った地盤、水たまり、模様の乏しい土質面、反射率の低い暗色面なども、計測方式によってはデータ品質へ影響します。写真から点群を生成する方式では、模様の少ない面や照明差の大きい場所で対応点を見つけにくくなることがあります。距離センサーを用いる方式でも、水面、強く反射する対象、反射率の低い対象などでは、周囲と同じ条件で取得できない場合があります。

点群による土量計算では、取得した現況面と基準面の間の体積を求めます。そのため、底面や境界付近の欠損は計算結果へ影響しやすい部分です。欠損範囲を自動補間した場合、実際の凹凸とは異なる面が作られる可能性があります。小さな穴であれば計算結果への影響が限定的なこともありますが、法尻に沿って連続する欠損や、隅角部全体の欠損は見過ごせません。

重要なのは、欠損をゼロにすることだけを目標にしないことです。現場では安全上立ち入れない場所や、施工中で計測できない時間帯もあります。どこを直接取得し、どこを別方向から補い、どこを既知の設計面や別時点の計測結果で確認するのかを決める必要があります。その判断を支えるのが、複数の撮影位置を組み合わせる計画です。

撮影位置1 掘削上端の対角位置から全体を押さえる

最初に確保したい撮影位置は、掘削上端にある対角方向の位置です。平面形状が四角形に近い掘削であれば、少なくとも一つの角から見るだけでなく、対角側からも全体を取得します。円形や不整形な掘削では、外周上で互いに反対方向となる位置を選びます。

上端からの計測には、掘削全体の平面形状、法肩線、開口部、周辺地盤との接続関係を把握しやすい利点があります。土量計算を行う際には、計算対象範囲の境界が正しく閉じていることが重要です。上端の複数位置から計測しておくと、法肩や掘削外周の欠損を減らし、計算範囲を設定しやすくなります。

一方の角から見たときに取得できない部分は、対角側から見ることで補える可能性があります。例えば、手前側の法面が奥側の法尻を隠している場合、反対側から取得すると、その法尻が見えることがあります。掘削内部に重機や仮設材がある場合も、視線方向を変えることで背後の地形を補えます。

撮影位置は、単純に開口部へ近づければよいわけではありません。法肩の近くには崩落、転落、地盤の緩みなどの危険があります。現場で定められた立入範囲、手すり、作業通路、退避経路を優先し、安全な位置から計測します。安全設備の外側から十分な見通しが確保できない場合は、無理に身を乗り出さず、別の高さや別方向からの計測で補います。

上端から取得するときは、掘削内部だけでなく、基準となる周辺地盤も同時に含めることが大切です。複数データを統合するときに共通して写る地物が少ないと、位置合わせが不安定になる可能性があります。移動しない構造物、既知点、基準標、周辺舗装、固定された縁部などを各撮影位置に共通して含めると、データ間の関係を確認しやすくなります。

計測範囲を広げすぎると、必要な掘削面に対する点密度が不足する場合があります。全景を取得した後は、法肩線、側壁上部、仮設材の背後など、欠損しやすい場所へ視線を向けた補助計測を行います。全景データと詳細データの両方を確保することで、位置関係と表面形状を同時に管理しやすくなります。

上端の対角位置から取得したデータは、計測直後に確認します。掘削の外周が連続しているか、法肩の一部が安全柵や資材に隠れていないか、底面がどの程度見えているかを見ます。この段階で欠損が確認できれば、小段や底面へ移動する前に追加位置を決められます。

撮影位置2 小段や中間高さの両端から側壁を補う

深い掘削では、上端と底面の間に小段、中間ステージ、作業床、仮設通路などが設けられる場合があります。これらの中間高さは、側壁を正面に近い角度から取得するための重要な撮影位置です。上から見下ろすだけでは不足しやすい法面中央部や、ほぼ垂直な壁面の点群を補えます。

中間高さで計測するときは、一つの位置に固定せず、通路や小段の両端から取得します。片側からのみ計測すると、腹起しや切梁、配管、足場などの背後に欠損が残りやすいためです。同じ側壁を斜め左方向と斜め右方向から見ることで、遮蔽物の裏側を相互に補いやすくなります。

側壁の凹凸を点群で表現するには、対象面に対して極端に浅い方向から計測しないことが重要です。中間高さの位置を利用すると、壁面へ比較的正面に近い方向から視線を向けられます。これにより、法面の段差、掘り残し、局所的な張り出し、法尻付近の形状を把握しやすくなります。

ただし、中間位置から計測したデータだけでは、上端や底面との接続が分かりにくくなることがあります。計測時には、側壁中央だけを拡大して取得するのではなく、法肩側と法尻側を一定範囲含めます。上端から取得した点群、底面から取得した点群と共通する範囲を作ることで、統合後の段差やずれを確認できます。

小段そのものを土量計算に含める場合は、小段の水平面と奥側の立ち上がり部も欠かせません。小段の手前端だけを取得すると、奥側が上部法面に隠れる場合があります。小段の両端や安全な折返し位置から、表面を斜めに横切るような方向で取得すると、水平面と立ち上がりの両方を記録しやすくなります。

中間高さでは、作業員や資機材の往来が多い場合があります。人や重機が点群に含まれると、地盤面とは異なる点が混在します。計測前に短時間だけ作業範囲を調整できる場合は、対象面の前を空けてから取得します。停止が難しい場合は、同じ位置を時間を変えて再計測し、移動体による欠損や不要点を補う方法もあります。

また、壁面の状態が施工中に変化する点にも注意が必要です。掘削直後の地山面、吹付け後の面、支保工設置後の面では、点群が表す対象が異なります。土量計算の目的が掘削出来高の把握であれば、どの施工段階の面を計測したのかを明確にします。異なる状態の点群を一つの現況面として混在させると、局所的な段差や二重面が生じる可能性があります。

中間高さの撮影位置は、側壁欠損を減らすだけでなく、上下の点群を接続する役割も持ちます。上端と底面のデータが直接重ならないほど深い掘削では、中間位置の点群を橋渡しとして利用できます。固定物や既知点を継続して含め、各高さの関係を追跡できるようにすることが重要です。

撮影位置3 掘削底面の外周から隅角部を囲む

三つ目の撮影位置は、掘削底面の外周です。底面は土量計算の基礎となる重要な面ですが、上端からの計測だけでは法尻や隅角部が欠損しやすくなります。安全に立ち入れる条件が整っている場合は、底面の中央だけでなく、外周に沿った複数位置から取得します。

底面中央から全周を見渡す方法は効率的に見えますが、側壁近くの地形が重機、残土、排水設備、仮設材に隠れることがあります。また、深い掘削では壁面上部へ向かう角度が急になり、法肩付近を十分に取得できない場合があります。底面外周から少しずつ方向を変えて取得すると、法尻と側壁下部を詳しく記録できます。

四角形の掘削では、特に四隅が欠損しやすい場所です。二つの側壁が交わる隅角部は、正面から見える範囲が限られます。隅そのものへ近づくのではなく、隅を挟む二方向の安全な位置から計測し、両側壁の点群を重ねます。これにより、隅に向かって点密度が急に低下する状態を減らせます。

底面外周を移動するときは、計測位置ごとの高さが変化していないかを確認します。ぬかるみ、掘り残し、仮設路、敷鉄板などの上から計測すると、機器の高さや姿勢が位置ごとに変わります。計測システムが自己位置を推定する方式であっても、急な姿勢変化や滑り、振動がデータ品質へ影響する可能性があります。移動中は一定の速度と安定した姿勢を意識し、必要に応じて静止計測を組み合わせます。

底面の土量計算では、水たまりや排水溝の扱いも決めておく必要があります。水面は地盤面そのものではないため、水面を取得した点をそのまま底面として扱うと、実際の掘削形状と異なる場合があります。排水後に再計測するのか、既知の排水溝形状を利用するのか、欠損範囲として明示するのかを事前に決めます。

掘削底面に残土山や掘削土が仮置きされている場合も注意が必要です。出来形確認の対象が最終掘削面であれば、仮置き土を含んだ状態では底面を直接取得できません。仮置き前に計測する、撤去後に再計測する、施工区画を分けて取得するなど、計測時点を管理します。

底面外周から取得するときは、対象範囲の境界より少し外側までデータを含めます。土量計算の境界線ぎりぎりで点群が終わると、面生成時に端部が不安定になる可能性があります。計算対象外となる周辺部も一定範囲取得し、その後に正しい境界で切り出すほうが、法尻や隅角部を確認しやすくなります。

外周を一周できない現場では、安全な区間だけを複数方向から取得します。立入禁止範囲を無理に通過するのではなく、上端や小段からの計測と組み合わせます。取得できなかった範囲は、点群処理時に自動で埋めて見えなくするのではなく、欠損範囲として把握したうえで計算結果への影響を検討することが大切です。

撮影位置4 掘削軸線上の前後から長手方向を重ねる

道路、管路、構造物基礎、連続壁内の掘削など、長手方向を持つ現場では、掘削軸線に沿った前後の撮影位置が重要です。横断方向だけから取得すると、掘削の延長方向に並ぶ凹凸や段差が重なり、奥側が見えにくくなるためです。

長手方向の一方から計測した後、反対側からも同じ範囲を取得します。前方から見たときに隠れる法尻や掘り残しは、後方から見ることで補える場合があります。特に、底面に緩やかな縦断勾配がある現場では、一方向のみの点群では奥側の地盤が手前側に隠れやすくなります。

前後方向からの取得は、掘削断面の連続性を確認するうえでも有効です。点群による土量計算では、局所的な断面だけでなく、施工区間全体の表面を連続したモデルとして扱います。長手方向のデータが不足すると、断面間が大きく補間され、掘削形状の変化を十分に反映できない可能性があります。

長い現場では、両端だけで全区間を取得しようとすると、中央付近の点密度が不足することがあります。その場合は、一定の区間ごとに中継位置を設けます。中継位置では、前のデータと後のデータに共通する地盤や固定物を含め、連続してつながるように取得します。

直線区間だけでなく、屈曲部や幅員変化部も重点的に確認します。掘削線形が曲がる場所では、手前の側壁が奥側を隠すため、直線区間と同じ位置配置では欠損が残りやすくなります。曲がりの内側と外側、幅が変わる前後など、形状変化を挟む位置から取得します。

前後方向の点群を統合するときは、施工の進行時点をそろえる必要があります。一方から計測した後に掘削や埋戻しが進むと、同じ場所に異なる地形が記録されます。統合処理では位置ずれのように見えることがありますが、実際には地形が変化している可能性があります。計測日時、施工区画、掘削段階を記録し、同一状態のデータを組み合わせます。

長手方向の撮影では、機器や作業者が移動しながら取得することもあります。移動計測を行う場合は、急な旋回や停止、同じ場所の往復によって、点群が二重に見えることがあります。取得後は、壁面や底面が厚い帯状になっていないか、固定物が複数位置に重なっていないかを確認します。

土量計算の対象が複数工区に分かれている場合は、撮影位置と工区境界を対応させます。工区境界の前後で十分な重複範囲を確保しておけば、工区別の点群を結合した場合でも境界欠損を減らせます。反対に、境界線上で計測データを切ってしまうと、必要な点が不足し、端部の面生成が不安定になる場合があります。

撮影位置5 昇降路や斜路の折返し位置から高さをつなぐ

五つ目の撮影位置は、上端と底面を結ぶ昇降路、斜路、階段、中間踊り場などの折返し位置です。深い掘削では、上端と底面の点群が直接つながりにくい場合があります。高さの異なるデータを安定して統合するには、その間を結ぶ中継位置が必要です。

折返し位置からは、上側の法面と下側の法面を同じ計測に含めます。これにより、上端側の点群と底面側の点群に共通する範囲を作れます。位置合わせを行う際にも、同じ固定物や地形が複数の高さから記録されていれば、統合結果を確認しやすくなります。

斜路周辺は、掘削面の一部として土量計算へ影響する場合があります。施工用の斜路を残した状態の土量と、撤去後の最終掘削量では、計算対象が異なります。斜路を含む現況を測るのか、斜路撤去後を測るのかを明確にし、計測時点と計算目的を合わせます。

折返し位置は見通しが変わる場所でもあります。上側からは見えなかった法尻が見え、下側からは見えなかった法肩が見えることがあります。昇降経路を単なる移動ルートとして通過するのではなく、視界が切り替わる地点を補完計測位置として活用します。

ただし、階段や斜路では手すり、支柱、養生材などが点群に入りやすくなります。対象面が仮設材の背後に隠れる場合は、同じ踊り場の左右や、上下の折返し位置から方向を変えて取得します。仮設材そのものを削除する処理を行っても、その背後の地盤が自動的に復元されるわけではありません。別方向から直接取得することが基本です。

昇降中に連続計測する場合は、上下方向の移動による姿勢変化にも注意します。機器を急に上下へ振ったり、階段の昇降で大きな衝撃が続いたりすると、方式によっては点群の連続性に影響する場合があります。踊り場や安定した床面で一度静止し、周囲を丁寧に取得してから次の高さへ移動すると、区間ごとの確認がしやすくなります。

高さをつなぐデータには、地盤面以外の固定対象も含めます。動かない支柱、壁面上の特徴、基準点、既知の標高を持つ点などを複数高さから確認できるようにします。ただし、施工中に移設される仮設物を固定基準として扱うと、後日の計測と一致しないことがあります。基準として利用する対象が本当に動いていないかを確認します。

深さ方向に複数の小段がある場合は、各段の折返し位置を順番に取得します。上端から底面までを一度に結ぼうとせず、隣接する高さ同士が重なるように計測します。この考え方は、深い掘削だけでなく、段階掘削、立坑、地下構造物、法面掘削などにも応用できます。

5つの撮影位置をつなぐ実務手順

5つの撮影位置は、それぞれを独立して選ぶのではなく、現場全体を覆う一つの計測経路として計画します。最初に平面図、掘削断面図、仮設計画図、施工手順を確認し、法肩、側壁、小段、法尻、底面、隅角部の位置を把握します。そのうえで、どの面がどの位置から見えるかを整理します。

計測開始前には、土量計算の目的を明確にします。掘削前後の差分を求めるのか、設計面に対する掘削量を求めるのか、残土山の体積を求めるのかによって、必要な対象範囲が変わります。掘削前後を比較する場合は、両時点で同じ座標系、同じ計算境界、同じ基準面を使用できるよう準備します。

現場に入ったら、まず上端の安全な位置から全景を確認します。この段階で、図面では分からなかった遮蔽物、重機の配置、資材置場、立入禁止範囲を把握します。当初予定していた撮影位置から対象面が見えない場合は、安全な代替位置を設定します。

次に、上端の対角位置から計測し、外周と全体形状を押さえます。その後、中間高さの小段や作業床へ移動し、側壁を左右方向から補います。底面へ安全に進入できる場合は、外周から法尻と隅角部を取得します。長手方向を持つ現場では前後から重ね、移動経路上の折返し位置で上下のデータを接続します。

各位置では、直前の撮影位置と共通する範囲を残します。対象面だけを細かく取得しても、データ間の関係が分からなければ、統合時の確認が難しくなります。周辺の固定物や特徴的な地形を含め、隣接データが連続していることを判断できるようにします。

撮影位置を記録することも重要です。平面図上へ位置番号を記入し、計測時刻、計測者、施工状態、使用した基準、対象区画を残します。後から欠損が見つかったときに、どの位置から追加計測すればよいかを判断しやすくなります。

現場で点群を確認できる場合は、取得のたびに簡易表示を行います。点群を上から見るだけでなく、横断方向、縦断方向、斜め方向から回転させて確認します。平面表示では埋まっているように見える範囲でも、側面から見ると壁面が欠けている場合があります。

欠損が見つかった場合は、同じ位置で繰り返すだけでなく、原因を考えます。対象までの距離が遠いのか、遮蔽物があるのか、視線角度が浅いのか、照明や表面状態に問題があるのかによって、適切な補完方法が変わります。遮蔽が原因であれば位置を変え、点密度が不足しているのであれば対象へ安全な範囲で近づきます。

計測終了後は、現場から退出する前に主要範囲の欠損を確認します。再入場に手続きが必要な現場や、次工程で地形が変わる現場では、その場で追加計測できるかどうかが重要です。後日になって欠損が分かっても、既に支保工や構造物が設置されていれば、同じ地盤面を取得できない可能性があります。

土量計算に使える点群かを確認する品質管理

点群が画面に表示できることと、土量計算に利用できることは同じではありません。計算前には、欠損、不要点、位置ずれ、二重面、境界不足、基準面との整合を確認する必要があります。

最初に、計算対象となる地盤面が連続しているかを確認します。底面中央だけでなく、法尻、隅角部、小段の奥、仮設材の背後を重点的に見ます。大きな穴がなくても、法尻に沿って細長い欠損が続いている場合は、土量計算へ影響する可能性があります。

次に、点群を断面表示して確認します。平面表示では点が密集して見えても、断面では地盤面が途切れていたり、上下に二重化していたりすることがあります。複数方向から取得したデータの接続部は、段差や厚みが発生しやすい場所です。

二重面が見つかった場合は、位置合わせの問題だけでなく、計測時点の違いも確認します。掘削が進行した前後の点群を混在させると、旧地盤面と新地盤面が同時に存在します。単純に平均化すると、実際には存在しない中間面が生成される可能性があります。土量計算に使用する時点を決め、対象外のデータを分離します。

不要点の除去では、作業員、重機、資材、手すり、仮設材、粉じんなどを確認します。自動処理によって地盤以外の点を分類できる場合でも、結果を目視で確認します。地盤の張り出しを不要点として削除したり、仮設材の背後にある欠損を地盤として補間したりしていないかを見る必要があります。

点群密度は、場所ごとの偏りを確認します。全体の点数が多くても、底面の隅や側壁下部だけが疎らであれば、土量計算の精度を一律に評価できません。重要な境界部や勾配変化部に必要な点があるかを確認します。

欠損補間を使用するときは、補間範囲を把握します。小さな点抜けを周辺形状から埋める処理と、広い未計測範囲を一枚の面でふさぐ処理では、計算結果の信頼性が異なります。補間後の見た目が滑らかでも、直接計測した面とは限りません。直接取得範囲と補間範囲を区別して管理することが望まれます。

土量計算では、基準面の設定も確認します。掘削前点群、設計面、一定標高面、既知の底面など、どの面との差を計算するかによって結果は変わります。座標系、標高基準、単位、計算境界が一致していないと、撮影位置を工夫して欠損を減らしても、正しい体積になりません。

計算範囲は、点群が存在する範囲より内側へ適切に設定します。データ端部ぎりぎりまで計算すると、面の外挿や端部補間が結果へ入り込む場合があります。法肩線、工区境界、施工範囲など、現場で確認できる根拠に基づいて境界を設定します。

算出した土量は、前回計測、搬出記録、設計数量、断面による概算などと比較します。異なる方法の数値が完全に一致するとは限りませんが、大きな差がある場合は原因を確認できます。欠損位置、基準面、対象範囲、施工時点、不要点の残存などを順番に見直します。

品質管理の結果は、点群データだけでなく記録として残します。計測日、撮影位置、欠損範囲、補間の有無、使用した基準面、計算境界、算出結果を整理します。後日、数量の根拠を説明するときに、どのデータから計算したのかを追跡しやすくなります。

安全と施工を両立する撮影計画

深い掘削現場では、点群欠損を減らすことよりも安全確保が優先されます。法肩への接近、掘削底面への立入り、仮設階段の昇降、重機作業範囲への進入には危険が伴います。撮影位置は、現場の安全計画、作業手順、立入区分に従って選びます。

計測のためだけに危険な位置へ入ることは避けます。見えない範囲がある場合は、反対側、上段、下段、施工停止後など、別の方法で補います。立入できない範囲を完全に計測したように扱わず、欠損として記録する判断も必要です。

重機稼働中の計測では、オペレーターから計測者が見えない位置へ入らないようにします。計測に集中すると周囲の動きへの注意が低下しやすいため、誘導者や監視者の配置、作業区画の一時調整など、現場ルールに沿った対策を行います。

掘削面は時間経過や降雨によって状態が変化します。降雨後は法面の緩み、底面のぬかるみ、水たまり、排水設備の増設などが生じる可能性があります。以前安全だった撮影位置であっても、当日の状態を確認せずに使用しないことが重要です。

計測のタイミングは施工工程と合わせます。掘削完了直後、支保工設置前、残土仮置き前、コンクリート施工前など、対象面が見える短い時間帯を逃さないようにします。施工担当者と事前に調整し、必要な区画を必要な時点で取得します。

毎回同じ撮影位置を再現したい場合は、位置番号や基準物を利用します。ただし、固定位置にこだわりすぎると、施工状況の変化によって対象面が見えなくなることがあります。同じ比較条件を保ちながらも、その時点での遮蔽物や安全条件に応じて補助位置を追加します。

深い掘削では照明条件も確認します。暗部と明部が混在する場合、写真を利用する方式では一部の面が不鮮明になることがあります。仮設照明を使用する場合は、強い影ができない配置を検討し、撮影途中で照明条件が大きく変わらないようにします。

現場で使用する端末や計測機器は、落下防止、粉じん、水分、泥の付着にも配慮します。保護具や落下防止措置が計測視野を遮る場合は、安全を損なわない範囲で取り回しを見直します。機器の操作に両手が必要な場所では、無理に移動しながら計測せず、安定した足場で作業します。

安全と計測品質を両立するには、少ない位置から無理に全体を取得しようとしないことが大切です。安全な位置を複数設定し、それぞれの見える範囲を重ねるほうが、欠損の少ない点群を取得しやすくなります。

まとめ

深い掘削現場の点群欠損を減らすには、掘削上端から見下ろすだけでは不十分です。上端の対角位置、小段や中間高さの両端、底面外周、掘削軸線上の前後、昇降路や斜路の折返し位置を組み合わせることで、法肩、側壁、法尻、底面、隅角部を異なる方向から補えます。

重要なのは、撮影位置の数を増やすこと自体ではありません。各位置の点群に共通範囲を持たせ、施工状態と計測時点をそろえ、どの面を直接取得できたのかを確認することが重要です。仮設材や重機の背後は、不要点を削除するだけでは地盤面を復元できないため、別方向からの追加計測が必要です。

点群による土量計算では、欠損補間によって見た目の整った面を作ることより、直接計測した範囲と未計測範囲を区別することが大切です。計算前には断面表示や複数方向からの確認を行い、法尻、隅角部、工区境界、底面端部に欠損や二重面がないかを確認します。

撮影計画は、掘削深さや現場形状だけでなく、安全設備、施工手順、重機配置、仮設材、計測時点を含めて作成します。上端、中間、底面を順番につなぎ、現場から退出する前に欠損を確認することで、再計測の負担を減らせます。

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