LRTKレフィクシア株式会社

施工前後の点群取得時刻をそろえる6つの管理ポイント

施工前後の点群取得時刻をそろえる重要性

施工前後の点群を比較して土量計算を行うときは、座標系、標高基準、計測範囲、点密度などをそろえる必要があります。それと同じくらい重要なのが、点群を取得した時刻の管理です。 ここでいう「時刻をそろえる」とは、施工前と施工後を完全に同じ時刻に計測することだけを意味するものではありません。計測時刻を明確にし、その時点の施工状態や現場条件を比較できるように管理することが目的です。 たとえば施工前の点群を作業開始前に取得し、施工後の点群を重機がまだ稼働している途中で取得すると、比較対象となる地形の状態が一致しません。施工後の計測が完了した直後に追加の掘削や盛土が行われれば、点群から求めた土量と日報や運搬記録の数量が合わなくなる可能性もあります。 降雨、散水、潮位、積雪、凍結、乾燥、資材の仮置きなど、時間の経過により変化する条件にも注意が必要です。点群そのものは取得時点の形状を記録しますが、その形状が土工の成果だけで形成されているとは限りません。地表面に水たまりがある場合や、ぬかるみに重機のわだちが残っている場合には、施工前後の差分へ一時的な変化が含まれることがあります。 「土量計算 点群」で検索する実務担当者が結果の信頼性を高めるには、計測精度だけでなく、いつ、どの施工状態で、どのような現場条件のもとで取得した点群なのかを説明できる状態にしておくことが大切です。 取得時刻を管理すれば、数量差が発生したときの原因を追跡しやすくなります。施工前後の点群、写真、作業日報、運搬記録、気象記録などを時刻で関連付けることで、点群処理の問題なのか、計測後に地形が変化したのかを切り分けられます。 時刻管理は、単にファイルへ日付を書く作業ではありません。土量計算に用いる地形の基準時点を定義し、その時点に含める施工と含めない施工を明確にするための管理です。

管理ポイント1 計測基準時刻と施工の区切りを決める

最初の管理ポイントは、点群を取得する基準時刻と施工の区切りを事前に決めることです。 点群取得を担当者の判断だけに任せると、施工前は朝礼後、施工後は作業途中、別の日は終業後というように計測条件がばらつきやすくなります。同じ現場で複数回の土量計算を行う場合には、計測時刻のばらつきが数量管理の一貫性を損なう原因になります。 施工前の点群は、対象範囲で作業が始まる前に取得するのが基本です。施工機械が対象範囲へ進入する前、資材が搬入される前、掘削土や盛土材が移動される前など、比較の基準となる状態を明確にします。 施工後の点群は、対象とする施工が完了し、地形の変更作業が止まった後に取得します。単に予定時刻になったから計測するのではなく、その時点で掘削、盛土、整形、転圧、残土移動などがどこまで完了しているかを確認する必要があります。 たとえば一日の施工量を確認する目的であれば、始業前の状態と終業時点の状態を比較します。ただし終業時刻になっても重機が整形作業を続けている場合は、計測時刻だけを優先すると施工途中の点群になります。施工終了確認を行い、重機の作業が止まった時刻と点群取得の開始時刻を記録することが重要です。 週単位や工区単位で土量を管理する場合は、計測対象となる施工の締め時刻を定めます。たとえば対象日の作業終了時点までを今回の土量へ含め、締め時刻より後の施工は次回の比較へ含めるというルールを決めます。 この区切りが曖昧だと、点群による土量、運搬土量、施工日報の数量が異なる期間を示すことになります。点群は夕方の状態、日報は夜間作業を含む状態、運搬記録は翌朝までの状態という組み合わせでは、正しい照合ができません。 点群取得時刻を決める際には、計測開始時刻だけでなく、計測終了時刻も管理します。広い現場では点群取得に時間がかかるため、計測開始地点と終了地点で地形の基準時点に差が生じることがあります。 計測中に重機が動いていると、開始時には存在した土砂が終了時には別の場所へ移動している可能性があります。このような状態では、一つの点群データ内に異なる時点の地形が混在します。対象範囲の施工を一時停止できない場合は、計測範囲を小さな区画に分け、区画ごとに取得時刻と施工状態を管理する方法が有効です。 施工前後で完全に同じ時刻に計測できなくても、同じ施工区切りを基準にすることは可能です。重要なのは「午前8時に計測した」という情報だけではなく、「対象工区の作業開始前に計測した」という施工状態を併せて残すことです。

管理ポイント2 計測端末の時計と時刻帯を統一する

二つ目の管理ポイントは、点群取得に使用する端末や機器の時計を統一することです。 現場では、点群を取得する端末、位置情報を記録する機器、写真撮影用の端末、施工管理用の端末など、複数の機器を使用することがあります。それぞれの時計がずれていると、同じ出来事を記録していても時刻が一致しません。 たとえば点群ファイルでは15時20分、現場写真では15時27分、作業日報では15時30分と記録されている場合、実際に計測と施工のどちらが先だったのか判断しにくくなります。数分程度の差でも、その間に重機が土砂を移動していれば、数量差の原因になります。 計測前には端末の自動時刻設定が有効になっているか、現在時刻が正しいかを確認します。通信環境が不安定な現場や長期間電源を切っていた端末では、時計が正しく補正されていない可能性もあるため注意が必要です。 時刻帯の設定も統一します。国内の現場だけを扱う場合でも、処理用の端末やクラウド上の記録が異なる時刻帯で保存されると、表示時刻がずれることがあります。点群データを別の環境へ移した際に、取得時刻が数時間ずれて見えるケースも考えられます。 ファイルに記録される時刻には、撮影時刻、計測開始時刻、保存時刻、更新時刻、処理時刻などがあります。これらは同じ意味ではありません。点群を処理した日時が新しくても、元データの取得日時はそれより前である場合があります。 写真から点群を生成する方法では、点群ファイルの作成日時だけを確認しても、実際の現場取得時刻は分かりません。元となった写真の撮影時刻や計測記録を確認し、点群の取得時点を特定する必要があります。 計測方式によっては、点ごとの時刻情報、走査の開始時刻、軌跡の時刻などが記録される場合があります。一方で、書き出した点群ファイルに詳細な時刻情報が残らない場合もあります。そのため、ファイル内部の情報だけへ依存せず、別途計測記録を残す運用が安全です。 時計のずれを確認する簡単な方法は、計測開始時に複数の端末で同じ時計表示を確認し、その画面や時刻を記録することです。端末間に差があれば、計測前に修正します。 また、時計を修正した場合は、いつ、どの端末を、どの程度修正したかを記録します。過去のデータと新しいデータで時刻の基準が変わる可能性があるためです。 施工前後で同じ端末を使用できる場合は、端末変更による時計差を減らせます。ただし同じ端末であっても、設定変更、再起動、電池切れ、時刻帯変更などにより時刻が変わることがあります。毎回の計測前確認を省略しないことが大切です。

管理ポイント3 天候や水分など時間で変わる条件を記録する

三つ目の管理ポイントは、時刻とともに変化する現場条件を記録することです。 点群土量計算では、施工前後の地表面差から体積を求めます。そのため、地表面の高さに影響する一時的な条件があると、土工による変化と一時的な変化を区別しにくくなります。 代表的な条件が降雨です。雨が降ると、地表面に水たまりができたり、軟らかい土が沈んだり、表面が流されたりすることがあります。雨上がり直後に計測すると、施工による地形変化だけでなく、雨水や浸食の影響が点群へ含まれる可能性があります。 施工前は乾燥した状態、施工後は大雨直後という条件では、取得時刻が同じ時間帯であっても比較条件はそろっていません。計測時刻に加えて、降雨の有無、地表面の湿潤状態、水たまりの位置などを記録します。 散水を行う現場でも同様です。粉じん対策や締固めのための散水直後は、地表面の見え方や沈下状態が変わることがあります。施工前後で散水条件が大きく異なる場合は、どちらの状態を出来形として扱うのかを事前に決めます。 海岸、河川、港湾、水路周辺の工事では、水位や潮位の変化も考慮します。水面下や水際の形状は、取得時刻によって観測できる範囲が変わります。施工前後で水位が異なれば、同じ境界を設定しても比較可能な地表面が一致しないことがあります。 このような場所では、計測時刻だけでなく、水位の状態、水際線の位置、計測できなかった範囲を残します。水面付近の点をそのまま地表面として使用すると、補間面の形状が実際の地盤と異なる可能性があるため、処理時にも確認が必要です。 冬季の現場では、積雪や凍結も取得時刻によって変化します。早朝は凍結していた地盤が日中に緩み、夕方には再び凍ることがあります。積雪面を地表面として点群化すると、施工前後の差分へ雪の体積が含まれます。 直射日光や影は、地表面の実際の高さを直接変えるものではありませんが、計測方式によってはデータ品質へ影響することがあります。光の当たり方が大きく変わると、地表面の特徴を捉えにくくなったり、暗い部分の情報が不足したりする場合があります。 施工前は曇天、施工後は強い日差しという条件でも、十分な点群が取得できていれば直ちに問題になるとは限りません。ただし欠測範囲やノイズ量が増えていないかを確認し、取得条件として記録しておくと原因分析に役立ちます。 風による影響にも注意が必要です。草木、養生材、シート、標識などが動くと、一時的な形状が点群へ記録されます。強風時には計測者の姿勢や機器の安定性にも影響する可能性があります。 時刻をそろえる目的は、時計表示を一致させることではなく、比較する地表面の条件をできるだけ近づけることです。天候や水分状態を完全に同じにできない場合は、違いを記録し、結果を評価するときにその影響を考慮します。

管理ポイント4 人や重機が少ない時間帯に計測する

四つ目の管理ポイントは、人、重機、車両、資材などの一時的な物体が少ない時間帯を選ぶことです。 点群には、取得時に見えている物体が記録されます。地盤の上に重機が停止していれば重機の表面が点群化され、土砂の前に車両があれば背後の地表面が欠測します。 施工前後の土量計算では、地表面以外の点を除去する必要があります。しかし大きな重機や車両が対象範囲にあると、その下や背後の地盤は計測できません。不要な点を削除できても、隠れていた地表面の形状を正確に復元できるとは限りません。 そのため、始業前、休憩時間、作業終了後など、対象範囲の動きが少ない時間帯に計測する方法が適しています。ただし現場の安全管理や作業計画を優先し、計測者が稼働中の重機へ接近しない動線を確保する必要があります。 施工前の点群を取得するときは、重機や資材が搬入される前が理想です。すでに重機が配置されている場合は、計測範囲外へ移動できるかを確認します。移動できない場合は、重機の位置と占有範囲を記録し、施工後の比較でも同じ範囲を除外するなどの処理を検討します。 施工後も、出来形確認の前に次の作業用資材が搬入されることがあります。完成した地盤の上へ砕石、管材、型枠材、土のうなどが置かれると、それらが地表面として誤って扱われる可能性があります。 施工完了から点群取得までの時間を短くし、次工程が始まる前に計測する運用が重要です。作業終了の連絡を受けてから計測担当者が現場へ向かうのでは間に合わない場合があるため、施工予定と計測予定を事前に共有します。 広い現場では、全域を一度に停止させるのが難しいことがあります。その場合は工区を分け、計測する区画だけ一時的に作業を止めます。区画ごとに計測開始時刻、終了時刻、作業再開時刻を記録すれば、点群がどの施工状態を表しているか整理できます。 移動中の重機や車両は、点群内で形状が崩れたり、複数の位置へ断片的に記録されたりする場合があります。自動処理だけでは地表面との区別が難しいこともあるため、計測中に移動物が入った範囲は現場で把握しておきます。 計測者自身や補助者も点群へ写り込むことがあります。地表面を遮らないように移動し、必要に応じて異なる方向から補完します。計測終了後には、人や重機の点が残っていないかを確認します。 時刻を選ぶ際は、単に作業が少ない時間だけでなく、計測後に地形が変更されない時間を選ぶことも重要です。終業前に計測しても、その後に整形作業が行われれば、点群は最終状態を表しません。 施工責任者と計測担当者の間で、計測開始前の作業停止確認と、計測終了後の作業再開確認を行う運用にすると、点群取得中の地形変化を防ぎやすくなります。

管理ポイント5 ファイル名と計測記録に取得時刻を残す

五つ目の管理ポイントは、点群ファイルと計測記録の両方に取得時刻を残すことです。 点群データが増えると、ファイルの作成日時だけでは施工前後の区別が難しくなります。処理、変換、複製、圧縮、共有などを行うと、ファイルの日時情報が更新される場合があるためです。 ファイル名には、現場名、工区名、施工段階、取得年月日、取得時刻などを一定の順序で記載します。たとえば施工前と施工後を明確に区別し、時刻を24時間表記で統一すると、並べ替えたときに時系列を確認しやすくなります。 ただし、ファイル名だけに情報を集約するのは避けます。長いファイル名は入力ミスが起こりやすく、名称変更によって取得時刻が失われる可能性もあります。 計測記録には、計測開始時刻、計測終了時刻、対象工区、施工状態、担当者、使用端末、天候、地表面の状態、重機の有無、欠測の可能性がある範囲などを残します。 施工前後の点群を組み合わせるときは、どのファイルとどのファイルを比較したのかも記録します。似た名称の点群が複数存在すると、誤った組み合わせで土量計算を行う可能性があるためです。 元データ、編集後の点群、地表面抽出後の点群、三角網、土量計算結果などは、役割を分けて保存します。処理済みファイルの作成日時を取得時刻と誤認しないように、元データの取得時刻を処理記録へ引き継ぎます。 たとえば施工前の点群を月曜日に取得し、水曜日にノイズ除去を行い、金曜日に土量計算を実施した場合、地形の基準時点は月曜日です。金曜日の処理日時を施工前の時点として扱ってはいけません。 写真から点群を作成する場合は、最初の写真と最後の写真の撮影時刻を記録します。撮影に長時間を要した場合は、その途中で地形や重機位置が変化していないかを確認します。 移動しながら点群を取得する場合も、開始時刻と終了時刻を残します。広い範囲を複数回に分けて取得した場合は、各区画の時刻を分けて記録します。 点群の保存先では、最新版だけでなく、元データと処理履歴を追跡できる状態を維持します。同じファイル名で上書きすると、どの時点のデータを使ったのか説明できなくなる可能性があります。 修正版を作成した場合は、取得時刻と処理版を分けて表現します。取得時刻は現場でデータを取得した時点を示し、処理版はノイズ除去や範囲修正を行った段階を示します。 計測記録とファイルをひも付ける識別番号を設ける方法も有効です。識別番号が一致していれば、名称が変更されても元の計測記録を確認しやすくなります。 最終的な土量計算結果には、使用した施工前点群と施工後点群の取得日時を記載します。結果だけを共有した場合でも、どの期間の地形変化を計算した数量なのかを確認できるようにするためです。

管理ポイント6 施工前後の時刻差を確認してから土量計算する

六つ目の管理ポイントは、土量計算を開始する前に施工前後の取得時刻と施工履歴を照合することです。 点群ファイルがそろっていると、すぐに位置合わせや地表面作成へ進みたくなります。しかし使用する点群の時刻を誤ると、処理が正しくても求める期間とは異なる土量が算出されます。 最初に、施工前点群の取得開始時刻と終了時刻を確認します。次に、施工後点群の取得開始時刻と終了時刻を確認し、その間に行われた作業を日報や施工記録と照合します。 施工前点群の取得後、実際の施工開始までに土砂の搬入や仮置きが行われていないかも確認します。施工前として保存されていても、すでに対象範囲の一部が変更されていれば、正しい基準面になりません。 施工後点群については、取得後に追加施工が行われていないかを確認します。点群取得時点では未完了だった作業が、日報上では当日完了として記録されることがあります。この場合、点群数量と日報数量は対象時点が異なります。 取得時刻の差が大きいこと自体が、直ちに問題になるわけではありません。施工前から施工後まで一週間空いていても、その期間に対象とする施工だけが行われ、境界外からの土砂流入や地形変化が適切に管理されていれば比較できます。 一方、取得間隔が短くても、その間に重機が動いていたり、別工区の土砂が仮置きされたりしていれば、比較条件は一致しません。重要なのは経過時間の長さより、その間に何が起きたかです。 施工履歴を確認した後は、施工前後の点群を重ねて、変化が想定される範囲と実際の差分範囲を比較します。施工していない場所に大きな高低差が出ている場合は、時刻条件だけでなく、座標、標高、点群処理、地表面抽出などの問題も疑います。 逆に、施工したはずの範囲に変化が見られない場合は、施工後点群の選択ミスやファイルの取り違えが考えられます。取得時刻とファイル名を確認し、正しい組み合わせになっているかを再確認します。 時刻差の影響を確認するには、点群だけでなく、同じ時間帯に撮影した現場写真も役立ちます。写真に写る重機位置、仮置き土、地表面状態などを点群と照合することで、取得時点を具体的に判断できます。 施工前後で計測範囲が異なる場合は、共通して取得できている範囲を確認します。施工後の点群にしか存在しない範囲や、施工前に欠測していた範囲をそのまま土量計算へ含めると、補間面による差が数量へ混入する可能性があります。 土量計算を実行する前に、取得時刻、施工区切り、対象範囲、座標基準、標高基準、地表面処理の条件を確認する工程を設けることで、計算後の手戻りを減らせます。

取得時刻のずれが点群土量計算へ与える影響

取得時刻のずれによる影響は、単純な時計の差だけではありません。計測時点の違いによって地表面に含まれる対象が変わり、その差が体積として積み上がります。 たとえば対象範囲に仮置き土がある状態で施工後点群を取得すると、その仮置き土が盛土量として算入される可能性があります。後から仮置き土を撤去しても、点群土量は取得時点の形状を基に計算されるため、最終出来形とは一致しません。 掘削現場では、掘削後に底面へ雨水がたまり、水面付近の点や欠測を補間した面が地盤面として処理されることがあります。その結果、実際の掘削底より高い面が作られ、掘削量が小さく算出される可能性があります。 軟弱な地盤では、重機走行後のわだちや沈下が時間とともに変化する場合があります。施工直後と翌朝で地表面の状態が異なれば、施工量以外の変化が点群差分へ含まれます。 盛土では、材料を敷きならした直後と転圧後で地表面の高さが変わります。施工前後という名称だけでは、施工後点群が敷きならし後なのか、転圧後なのか、整形完了後なのか分かりません。どの工程の完了時点を数量管理の基準とするかを決める必要があります。 同じ土量を扱っていても、締固め前の体積と締固め後の体積は同じ状態を示しません。点群取得時刻と工程を関連付けずに運搬数量と比較すると、数量差をすべて計測誤差と判断してしまうおそれがあります。 また、施工中の広い範囲を長時間かけて計測すると、点群内部の時刻差が問題になります。計測開始時には未施工だった場所が、計測終了時には施工済みになっている場合、一つの点群の中に異なる工程状態が混在します。 この状態で一枚の地表面を作成すると、明確な基準時点を持たない点群になります。計測中に施工を停止できないときは、区画分けや計測順序の工夫が必要です。 取得時刻をそろえることは、時間に起因するすべての誤差をなくすことではありません。比較条件を明確にし、数量差のうち施工による変化と、それ以外の変化を切り分けやすくするための対策です。

施工前後の点群取得を安定させる現場手順

安定した運用を行うには、計測担当者だけでなく、施工管理者、重機担当者、土量管理担当者の間で計測時刻を共有します。 施工計画を作成する段階で、点群取得が必要な工程とタイミングを決めます。掘削開始前、一定層の施工完了後、転圧完了後、工区完成後など、土量計算の目的に応じて基準時点を設定します。 計測前には、対象工区の作業状態を確認します。施工前点群であれば未着手であること、施工後点群であれば対象工程が完了していることを施工責任者と確認します。 続いて、端末の時刻、時刻帯、電池残量、保存容量、位置情報の取得状態などを確認します。時刻に異常があれば、計測を始める前に修正します。 対象範囲から、移動可能な重機、車両、資材、標識などを移動します。移動できないものがある場合は、その位置を記録し、点群処理時に確認できるようにします。 計測開始時刻を記録してから点群を取得します。広い範囲では、計測順序と区画ごとの時刻を残します。計測中に重機が進入した場合や、土砂が移動した場合も記録します。 計測終了後は、現場を離れる前にデータの欠測や異常を確認します。対象範囲が十分に取得できていなければ、施工が再開される前に追加計測を行います。 データを保存するときは、決められた名称を付け、計測記録とひも付けます。元データは編集せずに保存し、ノイズ除去や範囲切り出しを行う場合は別ファイルとして管理します。 施工後点群を取得するときも同じ手順を繰り返します。施工前と同じ計測範囲、同じ座標基準、近い計測経路を意識すると、比較しやすいデータになります。 土量計算前には、施工前後の取得時刻と施工日報を照合します。対象期間、施工範囲、工程状態が一致していることを確認してから、点群の編集や地表面作成へ進みます。 計算結果が想定と大きく異なる場合は、処理条件を変更する前に時刻記録を確認します。計測後の追加施工、仮置き土の移動、降雨、重機の残置などが原因である可能性があります。 この手順を定型化しておけば、担当者が変わっても取得時刻の管理方法を統一できます。現場ごとの経験だけに頼らず、計測前確認、取得中記録、計測後確認、土量計算前照合という流れを決めることが重要です。

点群取得時刻を管理するときの注意点

取得時刻を細かく記録しても、その情報が土量計算へ反映されなければ意味がありません。記録を残すこと自体が目的にならないように、計算結果と関連付けて管理します。 まず注意したいのが、ファイルの作成日時を取得日時と決めつけることです。データを別の端末へコピーしたときや形式変換したときに、ファイルの日時が変わる場合があります。 次に、計測開始時刻だけを記録し、終了時刻を残さない運用です。計測に数分しかかからない範囲では大きな問題にならないこともありますが、広い現場や複数区画の計測では終了時刻も必要です。 施工前後で異なる担当者が計測する場合は、時刻の記載方法が変わらないようにします。年月日の順序、24時間表記、工区名称、施工状態の表現などを統一します。 午前、午後、夕方といった表現だけでは、他の記録と正確に照合できません。時刻は可能な範囲で時分まで記載し、必要に応じて秒単位の記録を利用します。 ただし、細かい時刻を記録すれば必ず精度が上がるわけではありません。15時00分00秒と記録していても、その時点の施工状態が不明であれば、土量計算の基準として十分ではありません。 時刻とともに、作業開始前、転圧完了後、整形完了後などの工程状態を記録することが重要です。時刻情報と施工状態の両方がそろって初めて、点群がどの地形を表しているか説明できます。 点群取得後に現場の地形が変更された場合は、既存データの名称を変更して最終点群として扱うのではなく、必要に応じて再計測します。点群は取得時点の形状を後から更新できないためです。 再計測した場合は、古い点群を削除せず、使用しなかった理由を残します。計測失敗、施工未完了、重機の写り込み、欠測、時刻設定異常などを記録しておくと、同じ問題の再発防止につながります。 複数の点群を統合する場合は、それぞれの取得時刻を確認します。異なる日に取得した点群を一つにまとめると、部分ごとに基準時点が異なる地表面になる可能性があります。 統合が必要なときは、各範囲で地形が変化していないことを確認します。変化している可能性がある場合は、同一時点の土量として扱わず、区画ごとに分けて計算する方法を検討します。 時刻管理だけで座標ずれや標高ずれを防げるわけではありません。施工前後の点群比較では、既知点や変化していない構造物などを使い、位置と高さの整合も確認します。 取得時刻が正しくても、境界範囲が異なれば土量は変わります。時刻、座標、標高、境界、地表面抽出、補間条件を一連の管理項目として確認することが必要です。

まとめ

施工前後の点群取得時刻をそろえる目的は、同じ時刻に計測することではなく、比較する地形の基準時点を明確にすることです。 点群による土量計算では、計測機器の精度や点密度だけでなく、施工前後のどの時点を比較しているかが結果の意味を左右します。施工途中の点群、仮置き土が残る点群、降雨直後の点群などを使用すると、処理自体が正しくても目的と異なる土量が算出される可能性があります。 管理の基本は、計測基準時刻と施工の区切りを決め、端末の時計を統一し、天候や地表面状態を記録することです。さらに、人や重機が少ない時間帯を選び、ファイルと計測記録へ取得時刻を残し、土量計算前に施工履歴と照合します。 施工前後で時刻条件を完全に同一にできない現場もあります。その場合でも、違いを記録し、数量への影響を確認できるようにしておけば、結果の説明性を高められます。 点群土量計算の信頼性は、計測時の工夫だけで決まるものではありません。計測計画、施工との連携、データ保存、処理前確認までを一つの流れとして管理することが重要です。 現場で点群を取得する際は、施工前後の計測時刻、施工状態、対象範囲を一緒に記録し、誰が確認しても同じ点群を選択できる運用を整えましょう。施工前後の点群取得と記録を効率的に進めたい場合は、LRTK Phoneの活用をご検討ください。

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