運搬土量管理で車検期限まで管理する必要性
工事現場でダンプや運搬車両を安定して稼働させるためには、日々の運搬回数や搬出土量だけでなく、車検期限や整備予定も管理する必要があります。どれだけ精密な運搬計画を作成しても、計画に組み込んだ車両が予定日に使用できなければ、目標土量を運び切ることはできません。
運搬土量の管理では、積込場所、搬入先、車両、運転者、運搬回数、予定土量、実績土量などを記録します。しかし、登録されている車両が実際に稼働可能かどうかを確認できなければ、画面上の計画と現場の実態にずれが生じます。車検や整備による停止予定は、運搬能力を左右する重要な情報です。
たとえば、1日当たり複数台の車両で一定量の土砂を搬出する現場では、1台が使用できなくなるだけでも、計画全体へ影響が及びます。残りの車両の運搬回数を増やして補おうとしても、積込時間、往復時間、搬入先の受入時間、運転者の勤務時間、休憩、道路状況などの制約があります。そのため、車両が1台減った分を単純にほかの車両へ振り分けられるとは限りません。
また、車検期限を車検証や紙の車両台帳だけで管理していると、運搬計画を作る担当者が最新情報を確認できないことがあります。車両管理担当者は期限を把握していても、配車担当者や現場責任者へ情報が届いていなければ、停止予定日に車両を割り当ててしまう可能性があります。
協力会社の車両を使用する現場では、さらに管理が複雑になります。自社車両であれば車検予定を社内で確認できますが、協力会社の車両は、期限や入庫予定を都度確認しなければなりません。電話や口頭で確認した内容が記録されていないと、担当者の不在時や交代時に状況が分からなくなります。
運搬土量管理ツールに車検期限を登録し、期限までの日数に応じて通知を出す仕組みを設ければ、車両管理と配車管理を同じ情報の流れで進められます。期限が近い車両を早い段階で把握し、車検予約、代替車両の確保、土量計画の変更、関係者への周知を順番に実施できます。
重要なのは、期限日を記録することだけではありません。いつ準備を始めるか、いつ予約を確定するか、いつ配車を変更するか、どの段階で車両を使用不可にするかを決めることです。これらを5段階の通知として設定すれば、担当者の記憶だけに依存しない管理を構築できます。
車検期限の見落としが運搬計画に与える影響
車検期限の見落としによって発生する問題は、対象車両が一時的に使えなくなることだけではありません。運搬工程は、掘削、積込、場外搬出、走行、搬入、荷下ろし、受入確認といった複数の作業で構成されています。車両の停止は、それらの工程へ連鎖的に影響します。
積込場所では、予定していた車両が来なければ、積込機械の待機時間が増えます。残った車両へ積込を集中させた場合は、車両の到着間隔が偏り、積込場所の周辺に待機車両が滞留することがあります。現場内の動線が狭ければ、ほかの作業車両や作業員の通行にも影響します。
搬入先では、予約していた時間帯に必要な車両が到着せず、受入枠を十分に活用できない可能性があります。予定より搬入量が少なくなれば、その日の未達分を翌日以降へ繰り越さなければなりません。後工程が搬出完了を前提としている場合は、掘削や造成などの工程にも遅れが生じます。
車検期限の直前になって入庫日を決めようとすると、希望する日程で調整できない場合があります。整備内容によって停止期間が長くなれば、当初の想定以上に運搬能力が低下します。代替車両を急いで探すことになり、配車担当者、協力会社、運転者、現場責任者の調整負担が増えます。
代替車両を用意できたとしても、すぐに運搬へ投入できるとは限りません。車両番号、所属会社、運転者、積載条件、使用する積込場所、搬入先、入退場方法などを登録する必要があります。現場によっては、事前の入場確認や運行ルートの共有も必要です。準備時間が短いほど、登録漏れや伝達ミスが起こりやすくなります。
実績データにも影響があります。予定車両とは異なる車両を急きょ使用した場合、車両台帳への登録が間に合わず、別の車両名や仮の識別名で実績が記録されることがあります。そのまま集計すると、車両別の運搬回数、土量、生産性、待機時間などの分析結果が不正確になります。
車検期限の管理は、車両を使用できるかどうかを確認するだけの作業ではありません。予定した運搬能力を維持し、実績データの正確性を保つための工程管理です。期限が近づいた段階で自動的に通知し、運搬計画への影響を事前に確認できるようにすることが重要です。
通知1|期限90日前の準備開始通知
最初に設定したいのが、車検期限のおおむね90日前に送る準備開始通知です。この段階では、直ちに車両を配車計画から外す必要はありません。車検予定を確認し、今後の手続きを始めるための通知として利用します。
90日前の通知には、車両番号、管理上の車両名、所属会社、車検期限、現在の配属現場、車両管理担当者などを表示します。通知を受けた担当者は、ツールに登録されている期限と確認可能な車両情報が一致しているかを確認します。
車検期限の登録時には、年や月の入力違い、別車両の情報の転記、更新前の期限が残っているといったミスが起こる可能性があります。早い段階で確認すれば、誤った日付を基準に通知や配車調整が進むことを防げます。
協力会社の車両であれば、90日前通知をきっかけとして、車検予定日や代替車両の有無を確認します。この時点で具体的な入庫日が決まっていない場合でも、いつまでに回答を受けるかを設定しておくことが重要です。「確認中」という状態だけで放置せず、回答期限と確認担当者を登録します。
90日前から準備を始める利点は、車検だけでなく、整備や部品交換の可能性も含めて予定を調整できることです。日常点検で気になる箇所が報告されている車両や、稼働時間が長い車両は、入庫期間が想定より長くなる場合があります。早めに状況を確認しておけば、工事の繁忙日を避けて入庫する計画を立てやすくなります。
運搬土量管理ツールでは、対象車両が今後どの現場に配属され、どの程度の運搬回数を予定しているかも確認します。期限直前まで多くの運搬が割り当てられている場合は、別の車両へ徐々に回数を分散する準備が必要です。
反対に、現場の切替時期や運搬量が少ない期間があれば、その時期に車検を実施することで工程への影響を抑えられます。車両管理だけで入庫日を決めるのではなく、運搬予定と照らし合わせて判断することが重要です。
準備開始通知を受信した後の完了条件も決めておきます。登録期限の確認、車検予定時期の入力、担当者の設定、協力会社への確認依頼などが完了した時点で、準備済みとして扱います。単に通知を開いただけで対応済みにしない仕組みが必要です。
通知2|期限60日前から30日前の予約確認通知
2つ目は、期限60日前から30日前にかけて送る予約確認通知です。この段階では、車検の実施日や入庫期間を具体化し、運搬計画へ反映する準備を進めます。
通知対象は、期限までの日数だけで決めるのではなく、予約日が未入力、入庫先が未確認、担当者が未設定、協力会社からの回答がないといった状態と組み合わせます。すでに予約が確定している車両へ同じ警告を繰り返すと、通知が多くなり、未対応案件が目立たなくなります。
期限60日前の時点では、予約状況を確認し、未確定であれば担当者へ対応を促します。期限30日前になっても予約が確定していない場合は、通知の重要度を上げ、車両管理者だけでなく配車責任者や管理者にも共有します。
予約が決まったら、入庫日と復帰予定日を運搬土量管理ツールへ登録します。車検が1日で完了する予定であっても、車両の引渡しや受取りに時間がかかることがあります。そのため、車両を運搬へ使用できない期間を明確に入力します。
入庫日を登録した後は、その期間の配車計画を確認します。対象車両に運搬予定が割り当てられている場合は、予定回数と予定土量を抽出します。どの現場で、どれだけの運搬能力が不足するかを把握することで、代替車両や土量調整の必要性を判断できます。
ここでは、単純に車両台数だけを比較しないことが大切です。車両ごとに積載条件や使用可能な運搬ルートが異なる場合があります。狭い搬入路や高さに制約がある現場では、別の車両を用意しても使用できない可能性があります。
また、代替車両を協力会社から手配する場合は、車両情報の登録や運転者への連絡も必要です。期限30日前までに候補を決めておけば、現場への入場手続きや運行ルートの確認を余裕を持って進められます。
予約確認通知には、「予約してください」という案内だけでなく、対応期限、予約状況、入庫予定日、復帰予定日、代替車両の確認状況を表示します。担当者が通知画面から必要情報を更新できるようにすると、別の台帳へ転記する手間を減らせます。
通知3|期限14日前から7日前の配車調整通知
3つ目は、期限14日前から7日前に送る配車調整通知です。この段階では、車検予定が確定し、停止期間中の運搬計画を具体的に変更する必要があります。
配車調整通知には、対象車両、入庫日、復帰予定日、配属現場、停止期間中の予定回数、予定土量、代替候補車両を表示します。運搬土量管理ツール上で、車検予定と配車予定が重なっている箇所を自動的に抽出できれば、確認漏れを減らせます。
たとえば、対象車両が3日間停止し、1日当たり8回の運搬を予定している場合は、合計24回分の運搬を再調整する必要があります。これをほかの車両へ振り分ける際は、各車両の往復時間や1日に対応できる回数を確認します。
残りの車両へ無理に運搬を集中させると、積込場所で待機が増えたり、運転者の予定に無理が生じたりします。運搬回数だけでなく、積込能力、搬入先の受入可能時間、走行距離、道路状況などを考慮して再配分します。
対応方法には、代替車両を確保する方法のほか、車検前に一部の土量を前倒しして運ぶ方法、復帰後へ一部を後ろ倒しする方法があります。前倒しする場合は、積込側と搬入側の能力を超えないか確認します。後ろ倒しする場合は、工期や後工程に影響しないかを確認します。
代替車両が決まったら、車両番号、所属会社、運転者、使用期間、積込場所、搬入先などを登録します。車両を識別するための受付方法を採用している場合は、現場へ到着する前に必要な情報を準備します。
配車調整通知は、車両管理担当者だけでなく、配車担当者、現場責任者、積込担当者、必要に応じて搬入先との調整担当者へ共有します。ただし、全員へ同じ内容を送る必要はありません。
配車担当者には車両と運搬回数、現場責任者には日別土量への影響、運転者には最終稼働日と代替車両、積込担当者には当日の車両構成を伝えます。役割に応じて必要な情報を分けることで、通知を確認しやすくなります。
対応状況は、「代替車両確定」「配車変更済み」「土量計画変更済み」「関係者周知済み」などの状態で管理します。単なる確認済みでは、具体的に何が終わっているか分かりません。複数の作業がすべて完了して初めて調整完了とする運用が必要です。
通知4|期限前日と当日の稼働可否通知
4つ目は、車検期限の前日と当日に送る稼働可否通知です。90日前から段階的に管理していても、情報の更新漏れや急な配車変更が起こる可能性があります。直前通知は、誤って使用できない車両を配車しないための最終確認です。
前日通知では、翌日以降の車両状態を確認します。車検がすでに完了し、新しい期限が登録されている場合は、通常の稼働可能車両として扱えます。車検完了の連絡はあるものの、新しい期限が未登録の場合は、確認が終わるまで配車候補に戻さない運用が必要です。
当日の通知は、配車画面、車両選択画面、現場の受付画面など、車両を使用する判断を行う場所へ表示します。期限情報が未更新の車両を選択した際に警告を出せば、配車担当者が気付けます。
警告の表示だけでなく、条件に応じて配車確定を制限する方法もあります。ただし、誤った期限が登録されている場合にすべての業務が止まらないよう、管理者が確認して状態を修正できる手順も必要です。
前日や当日の通知で重要なのは、警告を受けた後の連絡先と判断手順を明確にすることです。車検が完了しているか、登録だけが遅れているのか、入庫日が変更されたのかを確認します。確認できない場合は、その車両を運搬へ使用せず、代替計画へ切り替えます。
現場入口で車両を受け付ける運用では、到着した車両の状態を再確認することも有効です。配車時点で見落とされていても、入場時に期限警告が表示されれば、現場内へ進入する前に確認できます。
複数現場を移動する車両は、一つの現場で情報が更新されても、別の現場の台帳に反映されていないことがあります。車両の基本情報を共通の台帳で管理し、期限や稼働状態をすべての現場へ反映することが重要です。
期限前日や当日に初めて配車変更が発生すると、現場の負担は大きくなります。直前通知の発生件数や、その通知によって計画変更が必要になった件数を記録すれば、前段階の通知が機能しているかを評価できます。
直前対応が繰り返される場合は、予約確認の時期が遅い、担当者が通知を確認していない、協力会社からの回答が記録されていないなどの原因が考えられます。前日通知を最後の安全策として使い、日常的な調整手段にしないことが大切です。
通知5|完了未更新と期限超過の管理者通知
5つ目は、車検が完了しているにもかかわらず新しい期限が登録されていない車両と、期限を超過した状態の車両を管理者へ知らせる通知です。
車検の予約と入庫が完了すると、担当者は対応が終わったと考えがちです。しかし、運搬土量管理ツール上の期限が更新されていなければ、実際には使用可能な車両が停止状態のまま残る可能性があります。
反対に、車検を受けていない車両について、古い期限情報や誤った状態が残っていれば、使用可能と判断されるおそれがあります。車検完了後の情報更新までを一連の管理作業として扱う必要があります。
完了未更新通知は、登録された車検完了予定日を過ぎても新しい期限が入力されていない場合に送ります。通知を受けた担当者は、車検の完了状況を確認し、必要な情報を更新します。
新しい期限を登録する際は、対象車両を取り違えないようにします。同じ所属会社に似た車両番号がある場合は、管理番号や車両写真など、複数の情報を照合できる仕組みが役立ちます。
期限超過通知は、通常の注意通知より重要度を高く設定します。対象車両を稼働可能一覧から外し、配車候補や運搬実績の新規登録画面で選択できない状態にすることが考えられます。
期限超過が見つかった場合は、単に期限を修正して終わらせず、なぜ超過状態が発生したのかを記録します。入力漏れ、協力会社からの回答遅れ、予約調整の遅れ、車両の配属変更、担当者の交代など、原因によって対策が異なります。
通知履歴には、通知日時、通知先、確認者、対応内容、情報の更新日時を残します。複数の担当者がいる場合でも、誰が対応しているかを確認できるため、同じ問い合わせを重ねたり、誰も対応しなかったりする事態を防げます。
車検完了後に新しい期限を登録すれば、次回の90日前通知まで管理サイクルが継続します。毎回手作業で通知予定を作り直すのではなく、新しい期限を基準に次回通知が自動設定される運用が効率的です。
車検期限管理に必要な車両台帳の登録項目
5つの通知を正しく機能させるためには、元になる車両台帳を整備する必要があります。期限情報が誤っていたり、担当者が登録されていなかったりすると、適切な通知を送ることができません。
車両台帳には、車両番号、管理用の識別番号、所属会社、車種区分、積載に関する条件、車検期限、車検予定日、車検完了予定日、稼働停止期間、復帰予定日、車両管理担当者を登録します。
運搬土量管理との連動を考えると、現在の配属現場、使用する積込場所、搬入先、運行ルート、主な運転者、代替候補車両も登録しておくと便利です。車検停止時に影響する計画を抽出しやすくなります。
車検期限は手入力だけに頼ると、転記ミスが起こる可能性があります。初回登録後に別の担当者が確認する、登録時に確認済みの状態を付ける、過去の日付や不自然な日付を警告するといった対策が必要です。
協力会社の車両については、情報提供を依頼する窓口と回答期限を登録します。現場への初回入場時に確認した情報を長期間そのまま使うのではなく、一定期間ごとに見直します。
車両の入替えがあった場合は、旧車両を削除するのではなく、使用停止や登録終了の状態に変更すると、過去の運搬実績との関係を残せます。過去の実績を集計する際に、どの車両が使用されていたかを確認しやすくなります。
同じ車両を複数の現場で利用する場合、現場ごとに別々の期限を登録すると情報が不一致になる可能性があります。車両の基本情報は共通台帳で管理し、現場ごとの配属や入場条件だけを個別に持たせる方法が適しています。
登録内容の変更履歴も必要です。誰が、いつ、どの項目を変更したかを確認できれば、期限や停止期間が誤って変更された場合に原因を追えます。
車両台帳は、登録した時点で完成するものではありません。車検完了、車両の配属変更、運転者変更、協力会社との契約変更などに応じて更新します。通知機能の精度は、台帳情報の鮮度に左右されます。
運搬土量計画と車検予定を連動させる方法
車検期限の通知を運搬工程の改善につなげるには、車検予定と日別の配車計画を連動させる必要があります。期限を知らせるだけでは、どの運搬予定へ影響するかを担当者が手作業で探さなければなりません。
まず、車検の入庫日から復帰予定日までを稼働停止期間として登録します。停止期間中は、その車両を新しい配車へ割り当てないようにします。
すでに停止期間中の配車が登録されている場合は、競合する予定として表示します。対象日、現場、積込場所、搬入先、予定回数、予定土量を確認し、変更対象を明確にします。
次に、対象車両が停止することで不足する運搬能力を計算します。1日当たりの予定回数だけでなく、1回当たりの管理土量、往復時間、待機時間を確認します。
代替車両を選ぶ場合は、積載条件や現場条件を照合します。車両の大きさ、搬入路の状態、場内の旋回条件などによっては、候補車両を使用できない場合があります。
代替車両だけで不足分を補えない場合は、前後の日程へ土量を振り分けます。前倒しする場合は、積込能力と搬入先の受入能力を確認します。後ろ倒しする場合は、工期や後工程への影響を確認します。
計画を変更した後は、日別の予定土量を再確認します。車検停止日の不足だけを解消しても、別の日に運搬が集中し、現場の処理能力を超えてしまっては意味がありません。
運搬土量管理ツール上で、日ごとの予定土量、車両台数、運搬回数を確認できれば、変更後の計画が現実的かを判断しやすくなります。
配車変更後は、関係者へ新しい計画を共有します。現場責任者、積込担当者、運転者、協力会社、搬入先との調整担当者が、同じ内容を確認できるようにします。
車検が完了した後は、復帰日を確定し、車両の停止状態を解除します。ただし、新しい車検期限が登録されていない場合は、配車候補へ戻さない運用にすると更新漏れを防げます。
通知先と確認責任者を明確にする運用
車検期限の通知は、多くの人へ送ればよいわけではありません。関係のない通知が増えると、受信者が内容を確認しなくなり、重要な通知が埋もれる可能性があります。
車両管理担当者には、期限確認、車検予約、入庫日、完了後の情報更新に関する通知を送ります。配車担当者には、停止期間、影響する予定回数、代替車両、配車変更の必要性を通知します。
現場責任者には、車検停止による日別土量への影響と、変更後の計画を共有します。運転者には、最終稼働日、入庫日、復帰予定、代替車両の割当てなど、本人が必要とする情報を伝えます。
協力会社の窓口には、期限の確認依頼、回答期限、車検予定日、代替車両の情報提供依頼を送ります。管理者には、期限30日前でも予約が未確定の案件、期限超過、完了未更新など、通常対応が進んでいない案件を通知します。
通知文には、対象車両、期限、現在の状態、必要な対応、対応期限、担当者を含めます。「期限が近づいています」という内容だけでは、受信者が何をすべきか判断できません。
通知の頻度は、期限と対応状況に応じて調整します。90日前は一度の通知でよくても、30日前の時点で未予約なら再通知が必要です。期限超過の案件は、確認されるまで管理者へ継続して知らせる運用が考えられます。
ただし、対応済みの案件へ同じ通知を送り続けると、通知への信頼が低下します。予約日や新しい期限が登録されたら、該当する通知を自動的に停止します。
通知を確認した人と、実際に対応する人が異なる場合もあります。通知画面で対応担当者を指定し、作業状況を記録できるようにすると、責任の所在が明確になります。
通知の受信経路を複数用意する場合でも、対応状況は運搬土量管理ツールへ集約します。別々の連絡手段で対応が進むと、最新状況が分からなくなるためです。
導入時に起こりやすい失敗と対策
車検期限通知の導入時に多い失敗は、通知日だけを設定し、通知後の手順を決めていないことです。通知が届いても、誰が確認し、誰が予約し、誰が配車を変更するかが決まっていなければ、対応は進みません。
各通知には、担当役割と完了条件を設定します。90日前通知では期限確認と担当者設定、60日前から30日前では予約確定、14日前から7日前では配車変更、完了後では新しい期限の登録を完了条件とします。
初期登録が不完全な状態で通知を開始することも問題です。一部の車両だけ期限が登録されていると、通知が来ない車両を問題なしと誤認する可能性があります。
運用開始前に、対象となるすべての車両を一覧化し、期限未登録、担当者未登録、所属会社未登録などの不足項目を解消します。
通知を多く設定しすぎる失敗もあります。毎日同じ通知を送ったり、すべての担当者へ一律に送ったりすると、確認されにくくなります。
期限までの日数と対応状態によって通知を分け、受信者が実行すべき作業がある場合だけ送ることが大切です。
協力会社からの情報を口頭だけで受け取る運用にも注意が必要です。電話で予定日を確認しても、ツールへ登録されなければ、ほかの担当者は確認できません。
協力会社から回答を受けた担当者が、予定日、停止期間、代替車両の有無を登録する手順を決めます。登録されるまでは未確認状態を維持します。
車検完了後の更新漏れも起こりやすい問題です。入庫前の準備に比べ、完了後の登録は後回しにされることがあります。
完了予定日を過ぎても新しい期限が登録されていない場合は、自動的に通知します。新しい期限を登録しなければ車両を稼働可能へ戻せない運用にすると、更新を促しやすくなります。
また、車検予定と配車計画が別々に管理されていると、担当者が毎回照合しなければなりません。停止予定期間に配車が入っている場合は、自動的に警告を表示し、影響する土量まで確認できることが重要です。
導入後は、通知が適切なタイミングで届いているかを定期的に見直します。車両数、工事の繁忙期、整備の予約状況によって、必要な準備期間は異なります。
直前の配車変更が多い場合は、通知時期を早めます。通知への対応が遅い場合は、担当者や確認期限を見直します。運用実績に応じて設定を調整することが、継続的な改善につながります。
車検期限管理を現場へ定着させるポイント
車検期限管理を定着させるには、特別な確認作業として追加するのではなく、日常の配車や工程確認へ組み込むことが重要です。
配車担当者は、翌日や翌週の計画を作る際に、稼働可能車両の一覧を確認します。その一覧へ車検期限と停止予定が反映されていれば、別の資料を開かなくても判断できます。
現場責任者は、週次の工程確認で、今後停止する車両と影響する予定土量を確認します。車両管理担当者は、期限が近い車両や未対応通知を確認し、予約や更新を進めます。
毎週決まった曜日に、一定期間内に期限を迎える車両、予約未確定車両、停止予定と配車が重なっている車両、完了後未更新の車両を確認する方法も有効です。
自動通知だけに任せるのではなく、一覧で全体を確認することで、通知設定の漏れや担当者の登録ミスにも気付きやすくなります。
運用ルールは簡潔にまとめます。車検期限を誰が登録するか、協力会社へ誰が確認するか、予約をどの時点で確定扱いにするか、代替車両を誰が承認するか、完了後いつまでに更新するかを明確にします。
担当者が交代する場合も、通知履歴と対応状況が残っていれば、未対応案件を引き継げます。個人の予定表や記憶だけで管理しないことが重要です。
車両の配属現場が変わった場合は、通知先も更新します。以前の現場責任者へ通知が届き続け、新しい担当者へ届かない状態を防ぎます。
運用の効果は、直前に車検期限が発覚した件数、代替車両を緊急手配した件数、完了後の更新遅延、期限超過件数などで確認できます。
通知件数が多いこと自体は成果ではありません。直前対応や更新漏れが減り、運搬計画の変更を余裕を持って実施できるようになったかを評価します。
車検期限と運搬実績を同じ車両情報へ紐づければ、将来の整備時期だけでなく、車両ごとの稼働状況も確認しやすくなります。稼働が集中している車両を早めに把握し、配車の偏りを見直すきっかけにもなります。
まとめ
運搬土量管理ツールで車検期限を管理する際は、期限日を記録するだけでなく、準備、予約、配車調整、直前確認、完了後更新までを5段階の通知でつなぐことが重要です。
期限90日前の準備開始通知では、登録情報を確認し、車検予定の検討を始めます。期限60日前から30日前の予約確認通知では、未予約や未回答の車両を抽出し、入庫日と停止期間を確定します。
期限14日前から7日前の配車調整通知では、対象車両に割り当てられている運搬回数と予定土量を確認し、代替車両や前後の日程へ再配分します。期限前日と当日の稼働可否通知では、情報未更新の車両が誤って配車されることを防ぎます。
完了未更新と期限超過の管理者通知では、対応が止まっている案件を抽出し、車両の状態を正しく更新します。新しい期限が登録されれば、次回の通知まで管理サイクルを継続できます。
通知を機能させるためには、正確な車両台帳、役割別の通知先、明確な対応期限、配車計画との連動が欠かせません。通知を見た後に何を行えば完了なのかを決めることで、担当者の記憶に依存しない運用を構築できます。
車検による停止予定を早めに把握できれば、代替車両の確保、日別土量の調整、搬入先との時間調整を余裕を持って進められます。急な稼働停止による搬出量の未達や現場待機を減らし、運搬工程を安定させるためにも、車検期限を運搬土量管理の一部として扱うことが大切です。
車両情報と運搬実績に加え、現場で取得する位置情報や記録もまとめて活用したい場合は、運搬管理の運用に合わせてLRTK Phoneの活用を検討するとよいでしょう。