LRTKレフィクシア株式会社

積込量のばらつきを車両別に分析|過不足を減らす6つの指標

積込量のばらつきが運搬業務に与える影響

土砂や砕石などを運搬する現場では、同じ種類の車両を使用していても、1回ごとの積込量が一定になるとは限りません。積込機械の操作、荷姿、土質、含水状態、積込場所の混雑、運転者からの合図、車両ごとの荷台形状など、さまざまな要因によって積込量にはばらつきが生じます。

多少のばらつきは避けにくいものですが、その状態を確認せずに運搬を続けると、積載不足による輸送効率の低下や、積載上限を超えるリスクにつながります。積載不足の車両が多い場合、計画した土量を運ぶために必要な運搬回数が増え、燃料、運転時間、積込作業時間、誘導員の対応時間などが余計にかかる可能性があります。

一方で、積込量を増やすことだけを優先すると、車両ごとの積載条件を超えるおそれがあります。積載できる重量は車両の仕様や運行条件によって異なるため、すべての車両に同じ量を積めばよいわけではありません。見た目の荷台容量が近くても、最大積載量や車両重量、荷台形状、土砂の密度などによって適切な積込量は変わります。

運搬土量の管理では、現場全体の合計値だけでなく、車両ごとの積込実績を確認することが重要です。全体の運搬量が計画に近い場合でも、一部の車両だけ積載不足が続いていたり、特定の時間帯に積込量の変動が大きくなっていたりすることがあります。合計値だけでは、このような偏りを把握しにくくなります。

車両別に積込量を分析すると、ばらつきが偶然発生しているのか、特定の車両、積込機械、時間帯、土質、作業班などに偏っているのかを整理できます。原因を把握できれば、積込方法の統一、目標値の見直し、車両配置の変更、積込担当者への情報共有など、具体的な改善につなげやすくなります。

そのためには、単純な平均値だけではなく、ばらつきの大きさ、目標値との差、積載不足の発生割合、作業時間などを組み合わせて確認する必要があります。本記事では、「運搬土量 管理 ツール」で情報を探している実務担当者に向けて、積込量の過不足を減らすために確認したい6つの指標を解説します。

車両別分析を始める前に整理したい管理条件

車両別の積込量を分析する前に、まず何を基準として過不足を判定するのかを明確にする必要があります。基準が曖昧なまま数値を比較すると、本来は適正な積込量であるにもかかわらず不足と判断したり、積載上限に近い状態を問題なしと判断したりする可能性があります。

最初に整理したいのは、車両ごとの管理単位です。積込量を重量で管理するのか、体積で管理するのかによって、必要なデータや分析方法が変わります。計量設備を利用できる現場では重量を記録しやすい一方、設計数量や出来高との比較では体積が使われることもあります。重量と体積を換算する場合は、土質や含水状態によって密度が変わることを考慮しなければなりません。

同じ体積の土砂でも、乾燥した状態と水分を多く含んだ状態では重量が異なります。そのため、固定した換算係数だけで運用すると、実際の積載状態と管理上の数値に差が生じる可能性があります。換算値を利用する場合は、使用する係数、対象となる土質、適用期間、確認方法をあらかじめ定めておくことが重要です。

次に、車両ごとの目標積込量を設定します。目標値は、単に荷台容量から決めるのではなく、車両の積載条件、運搬する材料の性質、現場内外の走行条件、安全面、計量方法などを踏まえて設定します。すべての車両に共通の目標値を設定するよりも、車両区分や個別車両ごとに適切な値を登録した方が、過不足を正しく評価しやすくなります。

また、分析対象となる期間も統一する必要があります。1日単位、週単位、工区単位、搬出先単位など、目的によって適切な集計期間は異なります。日々の積込作業を改善したい場合は日単位の確認が有効ですが、車両ごとの傾向を把握するには複数日のデータも必要です。短期間の結果だけで評価すると、一時的な天候や土質の変化を恒常的な問題と誤認することがあります。

さらに、車両番号、運転者、積込機械、積込場所、搬出先、土質、積込時刻など、分析に利用する項目の記録方法を統一します。車両名称の表記が日によって異なると、同じ車両の実績が別々に集計されるため、正確な分析ができません。車両を一意に識別できる管理番号を設け、表記ゆれを防ぐことが基本です。

指標1|1回当たりの平均積込量

最初に確認したい指標は、車両ごとの1回当たり平均積込量です。平均積込量は、対象期間に記録された積込量の合計を積込回数で割って求めます。車両ごとの積込水準を比較するうえで分かりやすく、積載不足が続いている車両を見つけるための基本的な指標です。

たとえば、同じ車両区分で運行している複数の車両のうち、特定の車両だけ平均積込量が低い場合、その車両に固有の原因がある可能性があります。荷台の形状、積込位置、運転者の合図、積込機械との組み合わせ、付着土の残り方などを確認することで、積載不足の原因を絞り込めます。

ただし、平均値だけを見て判断するのは適切ではありません。平均積込量が目標値に近くても、実際には積込量が大きく上下していることがあります。極端に少ない積込と多い積込が混在すると、平均値では問題が隠れてしまいます。そのため、平均積込量は後述するばらつきの指標と組み合わせて確認する必要があります。

平均値を比較するときは、車両の条件をそろえることも重要です。最大積載量や荷台容量が異なる車両を、そのまま同じ基準で並べても適切な評価にはなりません。車両区分ごとに集計するか、各車両の目標積込量に対する割合へ換算して比較すると、条件の異なる車両でも傾向を把握しやすくなります。

また、平均積込量を日別に確認することで、作業条件の変化も見えてきます。午前中は目標値に近いものの、午後になると積込量が減る場合は、土砂の状態変化、積込場所の混雑、作業者の交代、疲労、工程の遅れなどが影響している可能性があります。日平均だけでなく、時間帯別に分けて確認すると、より具体的な改善点を見つけられます。

平均積込量が低い車両については、すぐに積込量を増やすのではなく、車両の積載条件と実測値を確認することが欠かせません。目標値そのものが高すぎる場合もあるため、現場の実態に合った基準かどうかを見直したうえで改善を進めます。

指標2|積込量の標準偏差と変動係数

積込量の安定性を確認するには、標準偏差や変動係数が役立ちます。標準偏差は、個々の積込量が平均値からどの程度離れているかを表す指標です。数値が小さいほど積込量が平均付近に集まり、大きいほど積込量のばらつきが大きいと判断できます。

平均積込量が同じ車両でも、標準偏差が異なれば作業の安定性は異なります。毎回ほぼ同じ量を積んでいる車両と、積載不足と積載上限付近を繰り返している車両では、後者の方が管理上の注意が必要です。平均値と標準偏差を同時に確認することで、積込量の水準と安定性を分けて評価できます。

ただし、平均積込量の異なる車両同士では、標準偏差の数値だけを直接比較しにくい場合があります。そのようなときに利用できるのが変動係数です。変動係数は、標準偏差を平均値で割ることで、平均値に対するばらつきの割合を示します。車両区分や目標積込量が異なる場合でも、相対的なばらつきを比較しやすくなります。

変動係数が大きい車両については、積込作業の条件を詳しく確認します。積込機械のオペレーターによって量が変わっていないか、荷台への投入回数が統一されているか、最後の調整方法が異なっていないか、積込場所の地盤状態により車両姿勢が変化していないかなどを確認します。

土砂の状態もばらつきに影響します。大きな塊を含む材料や、付着しやすい材料、水分量が変化しやすい材料では、同じ回数を積み込んでも重量や体積が一定にならないことがあります。この場合は、作業者の操作だけを原因とせず、材料条件を記録して分析することが必要です。

標準偏差や変動係数には、現場共通の絶対的な適正値があるわけではありません。車両の種類、材料、計測方法、運搬条件などによって許容できる範囲は変わります。まずは自社や対象現場の実績を蓄積し、安定して運用できていた期間の数値を基準として、管理範囲を設定する方法が現実的です。

運搬土量管理ツールを利用する場合は、平均値だけでなく、最小値、最大値、標準偏差、変動係数を車両別に表示できるかを確認します。ばらつきが一定範囲を超えた車両を抽出できれば、担当者がすべての記録を目視で確認する負担を減らせます。

指標3|積載不足率と積載上限超過率

積込量の過不足を直接把握するには、積載不足率と積載上限超過率を確認します。積載不足率は、設定した下限値を下回った積込回数が、全体の積込回数に占める割合です。積載上限超過率は、車両ごとに設定した上限値を超えた記録の割合を示します。

積載不足を判定する下限値は、目標積込量に対して一定の許容幅を設けて設定します。すべての積込を目標値と完全に一致させることは難しいため、わずかな差まで不足として扱うと、現場で対応すべき記録が多くなりすぎます。計測誤差や材料の状態を踏まえ、実務上管理できる範囲を定めることが重要です。

積載不足率が高い車両は、1回当たりの運搬量が少なく、計画土量を運ぶための回数が増えている可能性があります。平均積込量が目標値に近い場合でも、不足記録が多ければ、特定の回だけ多く積み込むことで平均値が引き上げられていることがあります。平均値と不足率を組み合わせることで、このような偏りを確認できます。

積載上限超過率については、単に効率の問題として扱わず、安全と法令順守に関わる管理項目として慎重に確認する必要があります。記録上の積込量が上限を超えた場合は、計測値、車両情報、材料区分、入力内容に誤りがないかを確認し、必要に応じて現場の運用を見直します。

上限値は、車両区分だけで一括設定するのではなく、個々の車両情報に基づいて管理することが望まれます。同じ呼び方の車両でも、仕様や架装によって条件が異なる場合があります。車両の入れ替えや更新があったときに古い上限値が残らないよう、車両台帳と連動して見直す仕組みが必要です。

不足率や上限超過率を分析するときは、発生した時間帯、積込機械、作業者、積込場所も併せて確認します。特定の積込機械を使用したときだけ不足率が高い場合は、投入量の目安や操作手順に原因がある可能性があります。特定の時間帯に上限超過が集中する場合は、工程の遅れを取り戻そうとして積込量が増えていないかを確認します。

管理ツールに通知機能がある場合は、上限を超えた可能性のある記録を早い段階で担当者へ知らせる運用が有効です。ただし、通知だけで安全が確保されるわけではありません。現場での確認方法、積み直しの判断、記録の修正手順、責任者への連絡方法まで定めておく必要があります。

指標4|目標積込量に対する差異

車両ごとの積込状況を分かりやすく評価するには、実績値と目標積込量との差異を確認します。差異は、実績積込量から目標積込量を引くことで求められます。正の値であれば目標を上回り、負の値であれば目標を下回っている状態です。

差異を数量だけで表示すると、車両ごとの目標値が異なる場合に比較しにくくなります。そのため、目標値に対する差異率も併用すると便利です。差異率は、実績と目標の差を目標値で割り、割合として表します。車両の積載条件が異なっていても、目標に対してどの程度ずれているかを同じ尺度で比較できます。

差異を見るときは、平均差異だけでなく、正方向と負方向の偏りにも注目します。平均差異がほぼゼロでも、実際には大幅な不足と超過が交互に発生している可能性があります。平均値だけでは相殺されてしまうため、差異の絶対値や差異の分布も確認することが重要です。

目標値を下回る状態が継続している車両では、積込担当者がその車両の条件を正しく把握していない可能性があります。車両ごとに目標値が異なる場合、紙の一覧や口頭指示だけでは確認に時間がかかり、思い込みによる積込が起こりやすくなります。積込場所で車両を識別し、対象車両の目標値をすぐ確認できる仕組みが有効です。

反対に、目標を上回る状態が続く場合は、目標値が低すぎるのか、積込量が過大なのかを切り分けます。実績が安定しており、車両の積載条件にも余裕がある場合は、目標値の見直しを検討できることがあります。ただし、効率向上だけを理由に上限へ近づけるのではなく、計測誤差や材料状態の変動を考慮した余裕を確保する必要があります。

差異分析は、計画土量と実績土量の管理にも利用できます。車両別の小さな不足が積み重なると、日単位では大きな未達になることがあります。各車両の差異を合計すれば、計画に対する不足量がどの車両や時間帯で生じているかを把握しやすくなります。

指標5|車両別の積込回数と日別推移

積込量を評価するときは、1回当たりの数量だけでなく、車両別の積込回数も確認する必要があります。平均積込量が適正でも、積込回数が少なければ、車両が十分に稼働していない可能性があります。反対に、積込回数が多くても1回当たりの量が少なければ、輸送効率が上がっていないことがあります。

積込回数は、運搬回数、搬出回数、搬入回数などの記録と照合して確認します。積込記録はあるものの搬出記録がない場合や、搬入実績に対して積込回数が不足している場合は、記録漏れ、重複、車両選択の誤りなどが考えられます。異なる工程の記録を関連付けることで、数量だけでは見つけにくい不整合を確認できます。

車両別の積込回数を日別に並べると、稼働状況の偏りが見えてきます。同じ運搬経路を担当している車両のうち、特定の車両だけ回数が少ない場合は、待機時間、走行時間、荷下ろし時間、休憩、故障、経路選択などに違いがないかを確認します。

積込回数と平均積込量を掛け合わせると、車両ごとの日間運搬量を把握できます。日間運搬量が少ない原因は、1回当たり積込量の不足だけとは限りません。積込量は適正でも、回転数が少ないことで全体の運搬量が不足する場合があります。逆に、積込量が少なくても回数で補っている車両は、燃料や作業時間の面で改善余地がある可能性があります。

日別推移を確認するときは、天候、土質、運搬経路、搬出先の受入状況、使用した積込機械などの条件も記録しておくと、数値変化の理由を説明しやすくなります。雨天後に積込量が変化した場合、土砂の重量や付着状態が影響している可能性があります。搬出先が混雑した日に回数が減った場合は、現場内の積込作業ではなく受入側の待機が原因かもしれません。

車両別の順位だけを表示すると、条件の違いを無視した評価になりやすいため注意が必要です。運搬距離や搬出先が異なる車両を回数だけで比較しても、公平な判断にはなりません。同じ条件の車両群で比較するか、1時間当たりの回数、走行距離当たりの運搬量、稼働時間当たりの運搬量などに換算して確認します。

指標6|積込時間と待機時間

積込量のばらつきを改善するには、数量だけでなく、積込作業に要した時間と積込前後の待機時間も確認します。積込時間が短すぎる場合は、十分な量を積み込めていない可能性があります。一方、積込時間が長い場合は、積み直し、荷姿の調整、車両位置の修正、積込機械の移動などが発生していることがあります。

積込時間と積込量を組み合わせると、単位時間当たりの積込量を確認できます。積込時間が長いにもかかわらず積込量が少ない車両では、車両の停止位置、荷台形状、積込機械との位置関係、積込手順などに改善余地がある可能性があります。

待機時間は、積込場所に到着してから積込を開始するまでの時間や、積込完了後に出発するまでの時間として把握します。待機時間が長い場合、車両が特定の時間帯に集中している、積込機械の能力に対して配車台数が多い、積込場所への進入順序が整理されていないなどの原因が考えられます。

待機時間が積込量のばらつきに影響することもあります。後続車両が長く待っている状況では、作業を急ぐことで積込量の確認が不十分になる可能性があります。また、工程の遅れを解消しようとして、積込量を増やす方向へ判断が偏ることも考えられます。時間と数量を別々に管理するのではなく、同じ記録として関連付けることが重要です。

積込時間を分析するときは、開始と終了の判定方法を統一します。作業者が手入力する場合、入力するタイミングによって数分程度の差が生じることがあります。位置情報や車両の停止状態を使って自動的に推定する方法もありますが、測位環境や判定範囲によって誤差が生じるため、現場条件に合わせた確認が必要です。

積込量が安定している車両については、積込時間や車両位置、積込機械の動きなどを標準的な作業例として整理できます。良好な実績を基準にすることで、単に作業者へ注意を促すのではなく、再現しやすい改善手順として共有できます。

正確な分析に必要なデータ収集の考え方

6つの指標を活用するには、基礎となるデータが正しく記録されている必要があります。記録漏れや入力間違いが多い状態で高度な分析を行っても、結果の信頼性は高まりません。まずは、誰が、いつ、どこで、どの車両に、何を、どれだけ積み込んだのかを追跡できる記録を整えます。

車両情報は、車両名だけでなく、一意の管理番号で登録します。同じ車両を略称、運転者名、登録番号の一部など複数の方法で入力すると、データが分散します。選択式の入力や事前登録した車両マスターを利用し、現場担当者が自由入力する項目を減らすことが有効です。

積込量の入力単位も統一します。重量、体積、荷台杯数、積込機械の投入回数などが混在すると、そのままでは集計できません。やむを得ず複数の単位を使う場合は、元の計測値と換算後の値を分けて保存し、どの係数を使ったかを確認できるようにします。

手入力を利用する場合は、入力時点を明確にします。積込直後に入力するのか、計量後に入力するのか、搬出時に確定するのかが担当者によって異なると、未確定値と確定値が混在します。修正が発生した場合は、元の値、修正後の値、修正者、修正日時、修正理由を残せる運用が望まれます。

位置情報を利用する場合は、積込場所や搬出先の判定範囲を適切に設定します。判定範囲が狭すぎると、測位誤差や車両の停止位置によって記録が漏れる可能性があります。反対に、範囲が広すぎると、近くを通過しただけの車両を積込済みと判定することがあります。実際の車両動線を確認しながら、現場ごとに調整する必要があります。

通信環境が不安定な現場では、記録を端末内に一時保存し、通信が回復した後に送信できる仕組みが重要です。ただし、再送時に同じ記録が重複しないよう、各記録に識別情報を持たせる必要があります。通信復旧後の同期状態を確認できる画面や、未送信件数を表示する機能があると管理しやすくなります。

計量設備や車載機器などからデータを取り込む場合も、自動連携であることだけを理由に正しいと判断してはいけません。車両の選択間違い、時刻のずれ、単位設定の違い、重複取込などが発生する可能性があります。定期的に元データと管理ツール上の記録を照合し、連携状態を確認することが必要です。

運搬土量管理ツールで分析を効率化する方法

車両別の積込量分析を表計算ファイルだけで行う場合、データの収集、整理、集計、グラフ化、共有に時間がかかります。複数の担当者が個別にファイルを管理すると、どのデータが最新なのか分からなくなり、集計条件の違いによって結果が一致しないこともあります。

運搬土量管理ツールを利用すると、積込記録、車両情報、運搬回数、位置情報、時刻などを一元的に管理しやすくなります。車両を選択すると、対象期間の平均積込量、最小値、最大値、目標値との差、積載不足の回数などを確認できる構成であれば、問題のある車両を効率的に抽出できます。

分析画面では、車両区分、積込場所、搬出先、土質、日付、時間帯、作業班などで絞り込めることが重要です。全記録をまとめて表示するだけでは、ばらつきの原因を特定しにくくなります。複数の条件を組み合わせて比較できれば、特定の積込機械を使った時間帯だけ積込量が不安定になるといった傾向を把握できます。

異常値の抽出機能も有効です。あらかじめ設定した下限値や上限値を外れた記録、前回値から大きく変化した記録、同じ車両の通常範囲から外れた記録などを表示できれば、担当者は確認すべきデータに集中できます。

ただし、異常値を自動的に削除する運用は避けるべきです。極端な数値が入力間違いとは限らず、実際に積載不足や積載上限付近の作業が発生した可能性もあります。異常値は除外するのではなく、確認対象として表示し、元記録や現場状況を確認したうえで扱いを決めます。

現場担当者と管理者で必要な画面が異なることも考慮します。現場では、対象車両の目標値、直前の積込量、警告の有無などを素早く確認できることが重要です。一方、管理者には、日別推移、車両間比較、計画との差、修正履歴などを確認できる機能が求められます。

スマートフォン型の端末を使って現場で記録する場合は、手袋を着けた状態でも操作しやすいか、日差しの強い場所で画面を確認できるか、入力項目が多すぎないかを確認します。高機能であっても、入力に時間がかかる仕組みでは記録漏れが増える可能性があります。

ツールを選ぶ際は、分析機能だけでなく、データの出力、権限設定、履歴管理、通信が不安定な環境への対応、車両追加時の設定方法なども確認します。導入後に現場が増えたり、協力会社の車両が追加されたりすることを想定し、継続的に運用できる仕組みを選ぶことが重要です。

分析結果を現場改善につなげる進め方

車両別の指標を確認しても、結果を現場へ共有するだけでは積込量のばらつきは改善しません。数値から原因を仮定し、現場で確認し、対策を実施し、再度データで効果を確かめる流れをつくる必要があります。

最初に、改善対象を絞り込みます。すべての車両を同時に見直すと、現場の負担が大きくなり、どの対策が有効だったのか分かりにくくなります。積載不足率が高い車両、変動係数が大きい車両、目標との差が継続している車両など、優先順位を付けて確認します。

次に、対象車両の積込記録を、積込場所、積込機械、時間帯、作業者、材料条件などに分けて確認します。車両自体に問題があるのか、特定の作業条件でのみ発生するのかを切り分けるためです。必要に応じて現場で積込作業を観察し、データだけでは分からない車両位置や合図の方法も確認します。

対策は、できるだけ具体的な手順として定めます。単に「均等に積む」「積載不足をなくす」と伝えるだけでは、作業者ごとの判断が残ります。車両の停止位置、積込機械の投入回数、荷台内での配置、最終確認の方法など、現場で再現できる内容にします。

対策後は、同じ指標を使って効果を確認します。平均積込量が目標に近づいたか、標準偏差が小さくなったか、積載不足率が下がったか、積込時間が過度に増えていないかを確認します。積込量だけが改善しても、作業時間や待機時間が大幅に増えた場合は、現場全体として効率化できたとは限りません。

改善結果が良好であれば、対象車両だけの対応で終わらせず、同じ条件の車両へ展開します。ただし、車両の仕様や材料条件が異なる場合は、そのまま同じ手順を適用せず、必要な調整を行います。

定例会議では、すべての記録を細かく説明するよりも、目標範囲を外れた車両、前期間から変化した車両、対策を実施した車両に絞って共有すると効率的です。数値の良し悪しだけでなく、原因、実施した対策、次回確認日を記録することで、継続的な改善活動として管理できます。

車両別分析を運用するときの注意点

車両別の分析結果を、運転者や積込担当者の評価に直結させる場合は注意が必要です。積込量のばらつきは、個人の操作だけでなく、車両仕様、材料状態、積込場所、配車計画、計測方法など複数の条件によって発生します。数値だけを見て担当者の責任と判断すると、正しい原因分析ができなくなる可能性があります。

分析の目的は、作業者を順位付けすることではなく、運搬業務全体の過不足を減らすことです。現場へ共有するときは、個人を責める表現を避け、どの条件でばらつきが発生したかを一緒に確認する姿勢が重要です。

計測方法が変わった場合は、変更前後のデータをそのまま比較しないようにします。手入力から自動計測へ変更した場合や、重量管理から体積管理へ変更した場合は、数値の特性や誤差範囲が変わります。変更日、使用機器、換算方法などを記録し、分析上の区切りを明確にします。

車両マスターの更新も欠かせません。車両の追加、入れ替え、仕様変更、協力会社の変更などがあったときは、積載条件や目標値を見直します。使用されなくなった車両を選択できる状態のまま残すと、入力間違いが起こりやすくなります。

データの修正権限についても整理が必要です。誰でも過去の記録を変更できる状態では、分析結果の信頼性を保ちにくくなります。現場担当者、確認者、管理者などの役割に応じて操作範囲を分け、修正履歴を残します。

また、分析結果は一定期間保存し、改善前後を比較できるようにします。日々の数値だけを上書きすると、どの対策が効果を上げたのか確認できません。元データを保持したうえで、集計条件や目標値の変更履歴も管理することが望まれます。

運搬土量管理ツールを導入しても、現場の記録ルールが定着しなければ十分な効果は得られません。導入初期は入力項目を必要最小限にし、記録漏れや操作上の不明点を確認しながら段階的に分析項目を増やす方法が適しています。

まとめ|積込量のばらつきを継続的に見直す

積込量のばらつきを車両別に分析することで、現場全体の合計値だけでは見えにくい積載不足、積載上限付近の記録、作業条件による偏りを把握できます。確認したい主な指標は、1回当たりの平均積込量、標準偏差と変動係数、積載不足率と積載上限超過率、目標積込量との差異、車両別の積込回数と日別推移、積込時間と待機時間です。

平均積込量だけでは、積込量の上下や異常値を十分に捉えられません。ばらつき、発生割合、時間、回数を組み合わせて確認することで、積込不足が車両固有の問題なのか、積込機械、時間帯、材料状態、配車計画などに起因するのかを判断しやすくなります。

分析を正確に行うには、車両番号、積込量、単位、目標値、積込時刻、積込場所、材料区分などの記録方法を統一することが欠かせません。特に、車両名の表記ゆれ、入力単位の混在、目標値の更新漏れ、通信復旧後の重複記録などは、集計結果を不正確にする原因となります。

運搬土量管理ツールを活用すれば、車両別の実績を集約し、目標範囲を外れた記録や変動の大きい車両を抽出しやすくなります。ただし、ツールが自動的に原因を解決するわけではありません。データから仮説を立て、現場で作業状況を確認し、対策後に同じ指標で効果を検証する運用が必要です。

積込量の管理では、積載量を増やすことだけを目標にしてはいけません。車両ごとの積載条件を守りながら、積載不足を減らし、積込時間や待機時間を含めて運搬工程全体を安定させることが重要です。

車両別の積込実績を現場で記録し、位置情報や時刻と合わせて管理する方法を検討している場合は、次にLRTK Phoneの活用方法をご覧ください。

現場を3Dで残して、あとから測る。
実際の画面と動画で使い方を確認できます。

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