LRTKレフィクシア株式会社

位置情報の改ざんを見抜く|運搬土量記録を守る6つの検知設定

位置情報の改ざん対策が運搬土量管理で重要な理由

運搬土量の管理では、どの車両が、いつ、どこで積み込み、どの経路を通って、どこへ搬入したかを正しく記録する必要があります。位置情報を利用できる管理ツールは、紙の伝票や口頭連絡だけに頼る運用と比べて、運搬状況を確認しやすくする手段の一つです。

一方で、位置情報が記録されているからといって、その内容が必ず正しいとは限りません。端末の設定変更、測位環境の悪化、通信の遅延、操作ミスなどによって、実際の走行とは異なる地点や時刻が記録される可能性があります。意図的な改ざんでなくても、結果として運搬実績を誤って集計する原因になるため注意が必要です。

位置情報の信頼性が低い状態で集計を続けると、積込回数、搬入回数、運搬距離、車両ごとの稼働時間、現場ごとの運搬土量などにずれが生じます。存在しない運搬便が完了便として扱われたり、途中で終了した便が正常な搬入として集計されたりすることも考えられます。

こうした問題は、月次集計や請求確認の段階まで発見されない場合があります。記録から時間が経過すると、運転者や現場担当者の記憶が曖昧になり、事実関係の確認が難しくなります。紙の伝票、計量記録、車両の入退場記録などを一件ずつ探す作業も発生し、管理担当者の負担が増えてしまいます。

そのため、位置情報の改ざん対策では、異常が疑われる記録をできるだけ早い段階で見つける仕組みが重要です。ただし、位置情報が不自然だからという理由だけで、不正行為と決めつけてはいけません。正常な走行でも、トンネル、高架下、建物付近、切土部、山間部などでは測位が不安定になることがあります。

運搬土量管理ツールに求められるのは、改ざんを自動的に断定する機能ではなく、確認が必要な記録を絞り込む機能です。複数の検知条件を組み合わせ、通常の測位誤差と不自然な記録を区別しやすくすることが、実務的な対策になります。

位置情報だけでは改ざんを断定できない

位置情報の異常には、意図的な操作だけでなく、さまざまな原因があります。衛星からの信号を受信しにくい場所では、現在地が実際の位置から外れたり、しばらく更新されなかったりすることがあります。測位が再開した直後に、離れた地点へ瞬間的に移動したような軌跡が記録される場合もあります。

端末の省電力設定によって位置情報の取得頻度が低下し、走行途中の記録が抜けることも考えられます。通信圏外で端末内に一時保存されたデータが、通信回復後にまとめて送信されると、管理画面上の受信時刻と実際の取得時刻が異なる場合があります。

また、運転者が車両を乗り換えたにもかかわらず端末情報を変更していない、積込地点の選択を間違えた、作業開始ボタンを押し忘れたといった運用上のミスも、位置情報の不整合として現れます。これらをすべて改ざんと判断すると、現場との信頼関係を損なうおそれがあります。

位置情報の改ざんを見抜くには、一つの数値や一回の異常だけで判断せず、移動速度、走行経路、作業時刻、車両情報、積込記録、搬入記録などを組み合わせて確認する必要があります。異常の発生頻度や継続時間も重要です。

例えば、測位点が一度だけ道路から外れたものの、その直後に正常な経路へ戻っている場合は、測位誤差の可能性があります。一方、長時間にわたって位置情報が同じ地点に固定されているにもかかわらず、積込と搬入が繰り返し記録されている場合は、確認の優先度を高くする必要があります。

管理ツールでは、異常の有無を単純に二分するのではなく、注意、要確認、重大といった段階に分けて扱うと運用しやすくなります。異常の種類と重要度を表示し、管理担当者が関連記録を確認できるようにすることが大切です。

検知設定1|積込地点と搬出地点の範囲を設定する

最初に設定したいのが、積込地点、搬出地点、仮置き場、受入先などの作業範囲です。地図上で各地点の中心位置と判定範囲を登録し、車両がその範囲内へ入ったか、一定時間滞在したかを確認できるようにします。

積込完了の記録が登録されたにもかかわらず、車両が積込地点の範囲内へ一度も入っていない場合は、位置情報や操作内容に不整合があると考えられます。同様に、搬入完了が記録されているのに受入先の範囲内へ入っていなければ、確認対象として抽出できます。

ただし、判定範囲を狭くしすぎると誤検知が増えます。山間部や構造物の近くでは測位位置がずれやすく、実際には積込場所に到着していても範囲外と判断されることがあります。反対に範囲を広くしすぎると、近隣道路を通過しただけの車両が到着扱いになる可能性があります。

適切な範囲は、現場の広さ、進入路の形状、待機場所、計量場所、積込機の配置などによって異なります。現場の中心点だけを基準にするのではなく、車両が実際に停止する場所を確認して設定する必要があります。

範囲内へ入った瞬間だけで到着を判定するのではなく、滞在時間も組み合わせると精度を高めやすくなります。例えば、範囲内に短時間入っただけの記録は通過として扱い、積込や荷下ろしに必要と考えられる時間以上滞在した場合に到着候補とする方法です。

もっとも、積込時間は土質、積込機、車両の大きさ、待機状況によって変化します。固定した時間だけで正常か異常かを判断するのではなく、現場ごとの通常値から大きく外れた記録を抽出する考え方が適しています。

積込地点と搬入地点の範囲設定では、現場の移動に合わせた更新も欠かせません。施工の進行によって積込場所が変わった場合、古い範囲を使い続けると正常な記録まで異常として扱われます。範囲の変更履歴を残し、どの期間にどの設定が適用されていたかを確認できる状態にしておくことが重要です。

検知設定2|移動速度と所要時間の異常を検知する

位置情報の改ざんや記録異常を見つけるうえで、移動速度と所要時間は有効な確認項目です。連続する測位点の距離と取得時刻から移動速度を求め、通常の運搬では考えにくい値を検知します。

例えば、短時間で数十キロメートル離れた地点へ移動した記録は、位置情報の飛びや時刻の不整合が疑われます。反対に、長距離を走行した扱いになっているのに、位置情報がほとんど更新されていない場合も確認が必要です。

ただし、瞬間的な速度だけを判定に使うと、測位誤差による誤検知が増えます。一つの測位点が道路から大きく外れ、次の測位点で元の道路へ戻った場合、計算上は極端に速い移動として表れることがあるためです。

実務では、一回の速度超過ではなく、複数回連続して異常が発生しているか、異常値がどの程度続いているかを確認します。異常な測位点を除いた前後の軌跡が自然につながる場合は、単発の測位誤差として扱える可能性があります。

積込地点から搬入地点までの所要時間も重要です。通常は一定の時間を要する区間で、積込完了の直後に搬入完了が記録されている場合、作業時刻や位置情報のどちらかに問題がある可能性があります。

一方で、所要時間が長すぎる記録も確認対象になります。渋滞、通行規制、休憩、車両故障などの理由がある場合は正常ですが、位置情報が不自然に固定されている、途中の経路がすべて欠落しているといった状態が重なれば、確認の優先度を上げる判断材料になります。

所要時間のしきい値は、最短時間と最長時間を一律に決めるのではなく、時間帯や曜日、現場条件を考慮して設定します。朝夕で交通状況が大きく変わる経路では、時間帯別の基準を設けた方が実態に合います。

過去の正常な運搬記録を蓄積できる場合は、平均値だけでなく、記録のばらつきも確認します。平均所要時間から少し外れただけで異常にするのではなく、通常の変動範囲を超えた記録を抽出すると、管理担当者が確認すべき件数を抑えやすくなります。

検知設定3|走行軌跡の飛びや逆行を検知する

運搬車両の位置情報を地図上で結ぶと、積込地点から搬入地点までの走行軌跡を確認できます。正常な運搬であれば、道路に沿って連続した軌跡が形成されます。改ざんや記録異常がある場合は、軌跡の飛び、急な方向転換、同一区間の不自然な往復などが表れることがあります。

軌跡の飛びとは、連続する測位点の間が大きく離れ、途中の移動記録が存在しない状態です。通信圏外や省電力設定によっても発生するため、飛びがあるだけで改ざんとは判断できません。しかし、通信状態が良い区間で繰り返し発生している場合や、積込地点と搬入地点の周辺だけ位置情報が残り、中間経路が常に欠落している場合は確認が必要です。

逆行の検知では、車両が目的地へ向かう途中で大きく引き返した記録を抽出します。道路事情による迂回や通行止めへの対応であれば正常ですが、極端に短い時間で往復している場合や、実際の道路では移動できない地点間を往復している場合は、測位異常の可能性があります。

登録ルートからの逸脱も確認項目になります。運搬経路を事前に定めている現場では、車両が許容範囲を超えて離れた場合に通知できます。ただし、登録ルートを一本の線として厳密に判定すると、道路幅や測位誤差によって誤検知が起こります。道路や周辺環境に合わせた幅を持たせて判定する必要があります。

ルート逸脱を検知する目的は、運転者を常時監視することではありません。土砂の搬出先間違い、指定外経路への進入、搬入先の取り違え、途中離脱などを早期に確認し、運搬土量記録の整合性を保つことにあります。位置情報を扱う目的と確認範囲は、関係者へ事前に説明しておくことが望まれます。

軌跡の確認画面では、測位点を単純に線で結ぶだけでなく、取得時刻、測位精度、通信状況などを同時に確認できると原因を判断しやすくなります。精度の低い測位点だけが道路から外れている場合は、改ざんよりも測位環境の影響を疑うことができます。

また、軌跡を補正して道路上へ表示する機能を利用する場合は、元の位置情報も確認できる状態が必要です。補正後の軌跡だけでは、実際に取得された位置と処理後の位置の違いが分からず、異常の原因を追跡しにくくなるためです。

検知設定4|記録時刻と作業順序の矛盾を検知する

運搬土量の記録は、位置だけでなく作業時刻の順序が整っている必要があります。一般的な運搬では、積込地点への到着、積込開始、積込完了、搬入先への移動、搬入先への到着、荷下ろし完了という流れになります。

この順序が入れ替わっている場合は、入力ミス、端末時刻のずれ、通信遅延、後からの修正などが考えられます。例えば、搬入完了時刻が積込完了時刻より前になっている記録は、そのまま集計せず確認対象とする必要があります。

端末内でデータを一時保存し、通信回復後に送信する運用では、取得時刻と送信時刻を分けて管理することが重要です。送信時刻だけで作業順序を判定すると、通信圏外で取得された正常な記録まで異常と判断される可能性があります。

記録には、端末が取得した時刻、管理システムが受信した時刻、利用者が修正した時刻など、複数の時刻が含まれる場合があります。どの時刻を運搬実績の基準にするかを明確にし、後から変更された場合は変更前の値も残す設計が求められます。

端末の時刻が大きく変更された場合も検知対象になります。位置情報の取得間隔が一定であったにもかかわらず、途中から時刻が逆戻りしたり、短時間で大きく進んだりしている場合は、端末設定や記録処理に問題がある可能性があります。

同じ車両や同じ利用者が、同じ時間帯に離れた複数地点で作業したことになっている記録も確認が必要です。車両の乗り換えや担当者の交代で説明できる場合がありますが、登録変更が行われていなければ、運搬実績の帰属を誤る原因になります。

作業順序の検知では、未完了便も確認します。積込完了までは記録されているものの、搬入完了がない状態で次の積込が始まっている場合、前の運搬便が途中で終了したのか、操作を忘れたのかを確認しなければなりません。

後から修正できる仕組みを設ける場合は、修正を禁止するのではなく、修正理由、修正者、修正日時を残します。現場では通信障害や操作ミスによる訂正が必要になるため、修正機能そのものをなくすと、かえって実態と異なる記録が残ることがあります。

検知設定5|測位精度と端末状態の変化を監視する

位置情報には、緯度や経度だけでなく、測位精度を判断するための情報が含まれることがあります。管理ツールを選定するときは、位置だけでなく、測位精度や取得状態を記録できるか確認することが重要です。

測位精度が低い状態では、実際の車両位置から大きく外れた地点が記録される可能性があります。そのため、精度が一定の基準を満たしていない測位点は、到着判定やルート逸脱判定にそのまま利用せず、参考情報として扱う方法があります。

ただし、精度の数値が良好に見えるからといって、位置情報が必ず正しいとは限りません。精度情報だけで改ざんの有無を判断せず、速度、軌跡、時刻、作業記録との整合性を組み合わせて確認します。

位置情報の取得方法や権限設定が途中で変わった場合も、記録しておきたい項目です。運搬開始時には連続して測位できていたのに、途中から更新間隔が急に長くなった場合は、省電力設定、位置情報権限、アプリの停止などが影響している可能性があります。

端末の再起動、利用者の切り替え、車両とのひも付け変更なども、異常記録の原因を確認する手がかりになります。ただし、端末から取得する情報の範囲は、業務上必要な内容に限定することが大切です。目的に対して過剰な情報収集にならないよう、社内ルールや関係者への説明を整えておく必要があります。

位置情報が一定時間更新されていない場合は、単純に異常通知を出すだけでなく、通信圏外、測位不能、端末停止、電池残量低下など、考えられる状態を区別できると確認が容易になります。

例えば、位置情報の取得自体は続いているものの送信だけが止まっている場合は、通信回復後に記録を補完できる可能性があります。取得も送信も止まっている場合は、端末設定や電源状態を確認する必要があります。

長時間にわたって緯度と経度が完全に同一でありながら、速度や作業状態だけが変化している記録も確認対象です。実際に待機している可能性はありますが、積込と搬入が繰り返されている場合は、位置情報と作業記録の組み合わせに矛盾があります。

管理画面では、正常、精度低下、通信待ち、取得停止、設定変更などを区別して表示すると、管理担当者が原因を推測しやすくなります。単に記録なしと表示するだけでは、現場へ何を確認すべきか判断できません。

検知設定6|位置情報を他の作業記録と照合する

位置情報の信頼性を高めるには、位置情報以外の記録との照合が欠かせません。積込記録、計量記録、入退場記録、運搬伝票、車両番号、担当者情報、現場写真など、業務上必要な情報を関連付けて確認します。

例えば、位置情報では受入先へ到着したことになっていても、受入先の入場記録や計量記録が存在しない場合は確認が必要です。反対に、受入先の記録はあるものの、位置情報が残っていない場合は、端末や通信の問題が考えられます。

積込地点で計量を行う場合は、計量時刻と位置情報を照合します。計量時刻に車両が現場付近にいなければ、車両番号の選択間違い、記録のひも付け誤り、時刻のずれなどを疑うことができます。

車両番号と端末の組み合わせも重要です。同じ端末を複数車両で共用する場合は、乗り換え時の切り替え忘れが起こりやすくなります。同じ時間帯に一つの車両番号が複数の端末で使用されている場合や、一つの端末が離れた複数車両にひも付いている場合は、重複登録として検知します。

運搬土量を車両の規格や計量値から算出する場合は、位置情報だけでなく数量の変化も確認します。同じ車両が同じ経路を走行しているにもかかわらず、特定の便だけ土量が大きく異なる場合は、入力単位、換算方法、計量値の登録内容を確認する必要があります。

写真を証跡として利用する場合も、写真だけで改ざんを判断しないようにします。撮影時刻や撮影位置を参考にしつつ、作業記録や現場の状況と合わせて確認します。既存の画像を誤って添付したり、通信回復後にまとめて送信したりする可能性があるためです。

位置情報と他の作業記録を照合するときは、一致しない記録を自動的に削除しないことが大切です。不一致の理由を確認する前にデータを除外すると、通信障害や操作ミスなどの正常な訂正機会を失うおそれがあります。

管理ツールには、不一致の内容、関連する運搬便、元の記録、修正履歴をまとめて表示できることが望まれます。管理担当者が複数の画面や帳票を行き来しなければならない状態では、確認作業が続かなくなりやすいためです。

6つの検知設定を組み合わせる考え方

位置情報の改ざん検知では、一つの条件に該当しただけで重大な異常と判断しないことが基本です。複数の条件が同時に成立した場合に、確認の優先度を上げる仕組みが適しています。

例えば、積込地点の範囲外で積込完了が記録されたとしても、測位精度が低い時間帯であれば、位置のずれによる可能性があります。一方、範囲外での積込完了に加えて、積込から搬入までの時間が極端に短く、途中の軌跡も欠落している場合は、より詳しい確認が必要です。

各条件に点数を設定し、合計点で重要度を分類する方法もあります。単発の軽微な異常は注意として記録し、複数の異常が重なった便は要確認として管理担当者へ通知します。

ただし、点数の根拠が分からない仕組みにすると、現場が判定結果を信頼しにくくなります。なぜ要確認になったのかを、積込範囲外、所要時間不足、軌跡欠落、時刻矛盾などの具体的な理由として表示する必要があります。

検知条件は、すべての現場で同じにする必要はありません。短距離を往復する場内運搬と、公道を利用する長距離運搬では、適切な所要時間やルート判定が異なります。現場、経路、車両区分ごとに設定を分けられると、誤検知を抑えやすくなります。

また、検知条件の変更履歴も重要です。集計期間の途中でしきい値を変更した場合、同じ内容の運搬便でも判定結果が変わる可能性があります。いつ、誰が、どの条件を変更したかを残し、過去の判定に適用された設定を確認できるようにします。

誤検知を減らすためのしきい値設計

検知機能を実務で活用するには、異常を多く拾うことより、確認すべき記録を適切に絞ることが重要です。毎日大量の通知が出る状態では、管理担当者がすべてを確認できず、本当に重要な異常が埋もれてしまいます。

導入初期は、厳しいしきい値を設定するのではなく、実際の運搬データを収集して通常の範囲を把握します。積込時間、待機時間、移動時間、荷下ろし時間、位置情報の取得間隔などを確認し、現場ごとのばらつきを把握します。

しきい値は、正常と異常の境界を一つだけ設けるのではなく、注意範囲と要確認範囲に分ける方法があります。少し外れた記録は一覧へ残し、大きく外れた記録だけを通知対象にすれば、管理担当者の負担を抑えられます。

天候、施工段階、交通規制、受入先の混雑などによって運搬条件が変わる場合は、一定期間だけ判定条件を変更できる仕組みも有効です。ただし、一時的な変更であっても、変更理由と適用期間を残しておきます。

現場から誤検知の報告があった場合は、単に通知を無効にするのではなく、原因を分類します。測位環境、通信状況、範囲設定、作業手順、端末設定など、原因によって改善方法が異なるためです。

誤検知を減らすために判定を緩くしすぎると、不自然な記録を見逃す可能性があります。通知件数、確認結果、実際に修正が必要だった件数を定期的に振り返り、検知精度を調整することが必要です。

運搬土量管理ツールを導入する前の準備

位置情報の検知機能を導入する前に、現在の運搬業務を整理します。積込地点、搬入地点、車両、運転者、運搬経路、作業時間、数量の算出方法などを明確にし、どの情報を記録するか決めます。

現在の記録で発生している問題も確認します。搬入完了の押し忘れが多いのか、車両番号の選択間違いが多いのか、通信圏外による欠落が多いのかによって、優先すべき検知設定は変わります。

次に、位置情報を取得する目的と利用範囲を明確にします。運搬便の完了確認、土量集計の整合性確認、搬入先間違いの防止など、業務上の目的を具体化します。取得した位置情報を誰が確認し、どの程度の期間利用するかも運用ルールとして定めます。

車両と端末のひも付け方法も決めておきます。車両ごとに専用端末を割り当てるのか、共用端末を乗り換えて使用するのかによって、必要な切り替え手順が異なります。共用する場合は、切り替え確認や重複登録の検知が特に重要です。

試験運用では、一部の車両や経路に対象を絞り、実際の走行と記録を比較します。通知が出た理由を現場担当者と確認し、判定範囲や所要時間の設定を調整します。最初からすべての車両へ展開すると、誤検知の原因を切り分けにくくなる場合があります。

管理ツールの選定では、位置情報を表示できるかだけでなく、元データ、取得時刻、送信時刻、測位精度、変更履歴などを確認できるかが重要です。検知結果だけが表示され、根拠となる情報を確認できない仕組みでは、異常の原因を判断できません。

データを出力できるかも確認します。月次集計や監査対応で別の帳票と照合する場合、運搬便ごとの位置情報、判定結果、修正履歴などを整理して取り出せると確認作業を進めやすくなります。

検知後の確認フローと証跡の残し方

異常を検知した後の対応方法を決めていなければ、通知が出ても処理されずに残ってしまいます。誰が確認し、誰へ問い合わせ、どのように判定を確定するかを事前に決める必要があります。

最初の確認では、検知された理由と関連記録を確認します。位置情報だけでなく、測位精度、取得時刻、送信時刻、積込記録、搬入記録、車両情報などを合わせて見ます。

次に、現場担当者や運転者へ事実関係を確認します。この段階では、改ざんを前提に問いただすのではなく、通信状況、端末操作、車両変更、迂回、待機など、記録と実際の作業が異なった理由を確認します。

原因が操作ミスであれば、元の記録を残したまま正しい内容へ訂正します。通信障害で後からデータが届いた場合は、受信した記録を既存の運搬便へ適切に関連付けます。設定不備が原因であれば、同じ条件による誤検知が他の便でも発生していないか確認します。

確認結果は、正常、操作ミス、通信障害、測位誤差、設定不備、要再確認などの区分で残すと、後から傾向を分析できます。自由記述だけでは集計しにくいため、区分と補足理由を組み合わせる方法が適しています。

記録を修正した場合は、修正前の値、修正後の値、修正理由、修正者、修正日時を残します。元データを上書きして消去すると、なぜ集計値が変わったのか説明できなくなります。

異常検知の対象となった記録を削除する場合も、削除理由や承認者を残す必要があります。単に集計から除外しただけでは、後から確認したときにデータ欠落との区別がつきません。

重大な不整合が疑われる場合は、現場担当者だけで判断せず、管理責任者が関連資料を確認できる流れにします。ただし、すべての軽微な測位誤差を責任者確認にすると運用が滞るため、重要度に応じて確認者を分けることが大切です。

現場で形骸化させない運用ルール

位置情報の検知機能は、導入しただけでは効果を発揮しません。現場の作業手順と合っていなければ、操作漏れや誤検知が増え、利用者が通知を無視するようになります。

操作手順は、できるだけ簡潔にします。運搬開始のたびに多数の項目を入力させると、入力漏れや選択間違いが起こりやすくなります。車両、現場、搬入先など、事前に設定できる項目はあらかじめ登録し、作業時の入力を減らします。

端末の交換や車両の乗り換えが発生した場合の手順も決めておきます。誰が登録を変更し、変更後に何を確認するかを明確にします。現場判断で自由にひも付けを変更できる状態では、記録の追跡が難しくなります。

通信圏外や端末不具合が発生した場合の代替記録も必要です。位置情報が取得できないときに、すべての運搬を停止できるとは限りません。紙や別の記録方法を一時的に使用し、復旧後にどのように照合するかを決めます。

定期的な振り返りでは、異常通知の件数だけでなく、原因の内訳を確認します。操作ミスが多ければ手順を改善し、測位誤差が多ければ範囲設定を見直し、通信障害が多ければ一時保存や再送の運用を確認します。

検知件数が減ったことだけを成果としないように注意が必要です。しきい値を緩くすれば通知は減りますが、異常を見逃している可能性があります。実際に修正が必要だった記録の割合や、月次集計時の差異が減ったかを合わせて確認します。

位置情報を利用する理由や確認方法を、運転者や協力会社へ分かりやすく説明することも大切です。監視を目的としているように受け取られると、現場の協力を得にくくなります。運搬実績の確認を効率化し、誤った請求や記録漏れを防ぐための仕組みであることを共有します。

まとめ|位置情報を複数の記録から検証できる仕組みをつくる

位置情報の改ざんや記録異常を見抜くには、位置情報だけを監視するのではなく、複数の条件を組み合わせて整合性を確認することが重要です。

積込地点と搬入地点の範囲、移動速度と所要時間、走行軌跡、記録時刻と作業順序、測位精度と端末状態、他の作業記録との照合という6つの検知設定を組み合わせることで、確認が必要な運搬便を絞り込みやすくなります。

ただし、不自然な位置情報が記録されていても、それだけで意図的な改ざんとは断定できません。測位環境、通信障害、省電力設定、端末操作、車両変更など、正常な業務の中でも不整合が発生する可能性があります。

管理ツールには、異常を一方的に確定する機能ではなく、判定理由と関連記録を表示し、管理担当者が確認できる仕組みが求められます。修正が必要な場合は、元の記録を残したまま、修正内容と理由を追跡できるようにすることも大切です。

検知設定は一度決めて終わりではありません。現場や経路ごとの実績を確認し、誤検知と見逃しの両方を減らせるよう継続的に調整します。位置情報を証拠として盲信するのではなく、運搬土量記録の信頼性を検証する材料の一つとして活用する姿勢が必要です。

運搬土量の記録、現場での位置確認、データの一元管理を効率化する方法を検討する際は、利用環境や必要な検知条件を整理したうえで、LRTK Phoneの活用をご検討ください。

現場を3Dで残して、あとから測る。
実際の画面と動画で使い方を確認できます。

LRTK Phoneの使い方・実例を見る
資料請求導入相談
現場をスマホで3DスキャンLRTK Phone実例を見る