LRTKレフィクシア株式会社

ドローン出来形体積計測で飛行高度を決める3つの計算基準

ドローン出来形体積計測で飛行高度が重要な理由

ドローンを用いた出来形体積計測では、現場全体が写真に収まるかだけで飛行高度を決めることはできません。高度が変わると、写真1画素が地上で表す長さである地上画素寸法、1枚の写真が覆う範囲、写真同士の重なり、撮影枚数、飛行時間、生成される点群の細かさが同時に変わるためです。飛行高度は撮影効率だけでなく、地表面モデルの再現性や体積算出の安定性にも関係する計画値です。

体積は、起工時と施工後など異なる時点の地表面を比較する方法や、計測面と設計面または基準面との差を積算する方法で求めます。個々の点の誤差が小さく見えても、広い範囲へ同じ方向の偏りが続けば、体積差として表れる可能性があります。法肩、法尻、掘削底、土砂山の裾、段差、狭い水路など、形状が急に変化する部分では、解像度不足、遮蔽、点群欠落、過度な補間が数量へ影響しやすくなります。

ただし、高度を低くすれば必ず成果精度が向上するわけではありません。低高度では1枚の撮影範囲が狭くなり、同じ面積を撮影するためのコース数と画像枚数が増えます。飛行時間が延びれば、日照、風、地表の乾湿、施工機械の位置、土砂の形状がフライト中に変化しやすくなります。シャッター間隔や飛行速度が適切でなければ、低く飛んでも必要な重複度を確保できません。

反対に、高度を上げると短時間で広範囲を撮影できますが、地上画素寸法は大きくなります。細い形状や小さな起伏が少ない画素数でしか表現されないと、点群上で形状が丸められたり、境界が不明瞭になったりすることがあります。飛行高度は、解像度、重複度、安全性、飛行時間、処理負荷の均衡から決める必要があります。

ここで区別したいのが、対地高度と設定高度です。対地高度は、撮影時のカメラと直下付近の地表面との距離です。設定高度は、離陸地点など機体側が基準とする高さから設定されることがあります。平坦地では差が小さくても、斜面、盛土、掘削地では一致しません。地上画素寸法を計算するときに直接用いるのは、原則として地表面からカメラまでの対地高度です。

国土地理院のUAVを用いた公共測量マニュアルでは、撮影計画を立てる際に、地上画素寸法、対地高度、使用機器、地形形状、土地被覆、気象条件などを考慮する考え方が示されています。また、国土交通省の令和7年3月版の出来形管理要領では、計測場面ごとに必要な計測性能、測定精度、計測密度を確認する構成になっています。実務では、契約図書と適用する最新版の要領を優先し、飛行高度だけを独立して決めないことが重要です。([国土地理院][1])

計算基準1 必要な地上画素寸法から対地高度を逆算する

第一の計算基準は、目標とする地上画素寸法から対地高度を逆算する方法です。地上画素寸法はGSDとも呼ばれ、写真の1画素が地上で何ミリメートルまたは何センチメートルに相当するかを表します。値が小さいほど地表を細かく記録できますが、同じカメラでは対地高度が低くなり、1枚の撮影範囲も狭くなります。

地上画素寸法、対地高度、画素ピッチ、焦点距離の関係は、概ね次の式で整理できます。

地上画素寸法 = 対地高度 × 画素ピッチ ÷ 焦点距離

対地高度を求める形へ変形すると、次のようになります。

対地高度 = 目標地上画素寸法 × 焦点距離 ÷ 画素ピッチ

画素ピッチは、撮像素子の横幅を画像の横方向画素数で割ることで概算できます。

画素ピッチ = 撮像素子の横幅 ÷ 画像の横方向画素数

したがって、横方向の値を使ってまとめると、次の式になります。

対地高度 = 目標地上画素寸法 × 焦点距離 × 画像の横方向画素数 ÷ 撮像素子の横幅

縦方向でも同じ考え方で確認できます。撮像素子と記録画像の縦横比が一致し、画素が正方形として扱える一般的な撮影条件では、横方向と縦方向の結果はほぼ一致します。画像が切り出される撮影モードや、電子的な拡大、解像度を落とした保存設定を使う場合は、実際に保存される画像寸法で計算します。

計算では単位を統一します。焦点距離と撮像素子寸法をミリメートル、目標地上画素寸法をミリメートル毎画素で入力すると、対地高度はミリメートルで算出されます。メートルへ直す場合は1000で割ります。地上画素寸法だけをセンチメートルで入力するなど、単位が混在すると大きな計算ミスになるため、計算表には入力単位を明記します。

国土地理院のマニュアルでも、対地高度を地上画素寸法、カメラの1画素の大きさ、焦点距離から求め、地形、土地被覆、使用カメラなどを考慮して決定する考え方が示されています。式で得た対地高度は、目標GSDを超えないための上限候補であり、現場条件を反映した最終高度そのものではありません。

目標GSDは、小さければ小さいほどよいとは限りません。出来形管理へ用いる場合は、対象工種、計測場面、要求される測定精度、必要な計測密度、抽出したい形状の大きさを確認します。土砂山の概略数量を社内管理する場合と、正式な出来形評価へ使用する場合では、必要条件が異なる可能性があります。契約図書や適用要領に条件が示されている場合は、その値を優先します。

地上画素寸法は、点群の位置精度そのものではありません。例えばGSDが10ミリメートル毎画素でも、すべての点が10ミリメートル以内の誤差へ収まることを意味しません。成果精度には、標定点や検証点の精度と配置、カメラ位置の品質、撮影重複度、画像のぶれ、レンズ特性、地表の模様、処理条件などが関係します。GSDは重要な計画条件ですが、単独で成果精度を保証する値ではありません。

理論上の上限高度をそのまま採用せず、最高地盤と最低地盤の双方を考慮することも重要です。固定高度で飛行すると、最低地盤側では対地高度が大きくなり、GSDが粗くなります。計画範囲のうち、最も対地高度が大きくなる位置でも目標GSDを超えないかを確認します。

計算基準2 ラップ率と撮影間隔から成立する高度を求める

第二の計算基準は、必要な写真重複度を確保できるかという観点から高度を確認する方法です。写真測量では、同じ地表が複数の画像へ写ることで対応点を求め、三次元形状を復元します。GSDが十分でも、写真同士の重なりが不足すれば、点群の欠落、局所的な変形、標定の不安定化が生じる可能性があります。

進行方向の重なりはオーバーラップ、隣接コース間の重なりはサイドラップと呼ばれます。必要値は、適用する要領、工種、計測目的、地形、処理方法によって異なります。国土地理院のUAVを用いた公共測量マニュアルの三次元点群作成では、撮影後に実際の写真重複度を確認できる場合は進行方向80パーセント以上、隣接コース間60パーセント以上を確保する計画を標準とし、実際の重複度確認が困難な場合は進行方向90パーセント以上、隣接コース間60パーセント以上とする考え方が示されています。ただし、これはすべての工事へ一律適用する数値ではないため、実際の業務では契約図書と最新版の適用要領を確認します。

高度と重複度を結び付けるには、まず1枚の写真が地上で覆う範囲を求めます。カメラがほぼ鉛直下向きで、地表を平面として概算する場合、横方向の地上撮影幅は次の式で求められます。

地上撮影幅 = 対地高度 × 撮像素子の横幅 ÷ 焦点距離

進行方向の地上撮影長さは、進行方向へ対応する撮像素子寸法を使います。

地上撮影長さ = 対地高度 × 進行方向の撮像素子寸法 ÷ 焦点距離

カメラの取り付け向きにより、画像の長辺と短辺のどちらが進行方向になるかは変わります。計算表では、横幅と進行方向長さを固定的に扱わず、実際のカメラ姿勢に合わせます。

進行方向の写真中心間隔は、地上撮影長さと目標オーバーラップ率から求めます。

写真中心間隔 = 地上撮影長さ ×(1 - オーバーラップ率)

例えば、進行方向の地上撮影長さが60メートルで、オーバーラップ率を90パーセントとする場合、写真中心間隔は6メートル以下です。80パーセントなら12メートル以下です。高度を低くすると撮影長さが短くなるため、同じ重複度を保つには撮影間隔も短くする必要があります。

時間間隔で撮影する場合、写真中心間の移動距離は次の式で概算できます。

写真中心間距離 = 対地速度 × 撮影間隔時間

したがって、計画が成立する条件は次のように表せます。

対地速度 × 撮影間隔時間 ≦ 地上撮影長さ ×(1 - オーバーラップ率)

機体が毎秒5メートルで飛行し、2秒ごとに撮影する場合、写真中心間距離は10メートルです。目標重複度から許される距離が6メートルなら、その設定では成立しません。飛行速度を下げる、撮影間隔を短くする、対地高度を見直す、距離間隔撮影を使うなどの再計算が必要です。

隣接コース間隔も同じ考え方です。

コース間隔 = 地上撮影幅 ×(1 - サイドラップ率)

地上撮影幅が80メートルで、サイドラップ率が60パーセントなら、コース間隔は32メートル以下です。高低差がある現場では、高所側で対地高度が小さくなり、撮影幅が狭くなるため、固定コース間隔ではサイドラップが不足することがあります。最も対地高度が小さくなる高所側でも必要な重なりが残るかを確認します。

重複度を増やせば必ず体積精度が比例して向上するわけではありません。画像枚数が増えると処理負荷が高まり、露出差やぶれを含む画像も増える可能性があります。必要な重複度を確保したうえで、撮影条件を均一に保つことが重要です。

撮影範囲は、体積計算境界より外側まで広げます。対象範囲の端で撮影を開始または終了すると、端部を十分な枚数の画像から観測できない場合があります。点群作成範囲、地表面作成範囲、体積計算境界を同じ線へ重ねず、撮影には余白を持たせます。

計算基準3 地形高低差と安全余裕から実運用高度を補正する

第三の計算基準は、理論上の対地高度を、地形の高低差と安全条件から実運用高度へ補正する方法です。平坦地では一定の設定高度でも対地高度はほぼ一定ですが、切土法面、盛土、採石場、土砂仮置場、谷地形では地盤高が大きく変化します。離陸地点から一定高度で飛ぶだけでは、低地でGSDが粗くなり、高地で障害物との離隔が小さくなります。

最初に、計測範囲内の最高地盤高と最低地盤高を把握します。

地形高低差 = 最高地盤高 - 最低地盤高

GSDの上限を守る観点では、対地高度が最も大きくなる最低地盤側が厳しい条件です。安全離隔の観点では、対地高度が最も小さくなる最高地盤側が厳しい条件です。一つの固定高度で両方を満たせるかを確認し、成立しない場合は高度帯や計測範囲を分けます。

離陸地点標高を基準に設定高度を概算する場合は、次の関係で整理できます。

設定高度 = 対象地表面標高 - 離陸地点標高 + 目標対地高度

離陸地点より20メートル高い地表を、対地高度35メートルで撮影するなら、離陸地点基準の設定高度は概ね55メートルです。ただし、機体に表示される高度の基準、気圧変化、測位状態、地形追従機能の仕様は機体や運用方法によって異なります。数式だけで安全離隔を保証せず、現地確認、飛行経路確認、障害物調査を別に行います。

高低差が大きい場合は、低地と高地を別の高度帯に分ける方法が有効です。地形に沿って対地高度を保つ計画、法面に沿ったコース、斜め撮影、地上計測の追加などを対象形状に応じて組み合わせます。等対地高度に近づけることで、GSDと撮影範囲のばらつきを抑えやすくなりますが、地形追従機能を使用する場合も、元となる地形データの更新時点と高さ精度を確認します。

安全余裕には、地盤高だけでなく、樹木、電線、クレーン、照明設備、仮設物、施工機械、周辺建物を含めます。設計図や過去の地形データが最新の現況を表しているとは限りません。飛行当日に障害物の位置と高さ、施工機械の稼働範囲、旋回部の空間を確認します。

風の影響も見落とせません。時間間隔撮影では、対地速度が変化すると写真中心間隔も変わります。機体が姿勢を大きく傾けると、撮影範囲、画像のぶれ、地上画素寸法の局所的なばらつきへ影響する可能性があります。上空の風況を確認し、必要に応じて速度を下げます。

航空法上の飛行空域と飛行方法も個別に確認します。国土交通省航空局は、空港等の周辺、地表または水面から150メートル以上の高さの空域、人口集中地区の上空など、許可が必要となる空域を案内しています。夜間飛行、目視外飛行、人または物件との距離を確保できない飛行など、飛行方法に関する承認が必要となる場合もあります。緊急用務空域の指定を含め、飛行日時点の公式情報を確認し、必要な手続きを完了してから飛行します。([国土交通省][2])

実運用高度は、GSDから得られる上限、安全離隔から得られる下限、法令や許可条件、機体性能、電波環境、飛行時間の制約の間で決まります。すべてを同時に満たせない場合は、無理に一回のフライトへまとめず、範囲分割、高度帯分割、補助撮影、地上計測との併用へ切り替えます。

飛行高度計算の前にそろえる入力値

正しい式を使っても、入力値が曖昧では適切な高度を求められません。計算前に、要求成果、カメラ仕様、機体条件、地形条件、安全条件を一つの計画書へまとめます。

最初に確認するのは計測目的です。起工測量、出来高確認、出来形管理、土砂仮置量の把握、掘削前後の差分計測では、必要な測定精度や成果の扱いが異なります。正式な出来形管理へ使う場合は、適用工種、管理手法、要求精度、計測密度、検証方法、成果品の条件を施工計画段階で確認します。

カメラ側では、撮像素子の横幅と縦幅、実際に保存される画像の横縦画素数、使用する焦点距離、画像保存形式、シャッター方式、安定して撮影できる最短間隔を確認します。カタログ上の最大画素数ではなく、実際の撮影モードの値を使います。焦点距離が変化する設定は、計算条件と処理条件を不安定にするため、業務仕様に沿って固定または管理します。

機体側では、設定高度の基準、計画速度での安定性、撮影トリガーが時間間隔か距離間隔か、地形追従の可否、飛行可能時間を確認します。時間間隔撮影では、想定される最大対地速度を用いて重複度を確認します。

地形側では、計測範囲、最高地盤高、最低地盤高、法面の向きと勾配、段差、構造物、樹木、電線、施工機械の範囲を整理します。既存の三次元データを使う場合も、施工によって地表が変化していないかを当日に照合します。

撮影条件として、目標オーバーラップ率、目標サイドラップ率、飛行速度、撮影間隔、コース間隔、撮影方向を決めます。法面や複雑な土砂形状では、主コースだけで見えない面を補う撮影が必要になる場合があります。定期計測では、撮影パターンの変更が体積差へ影響しないよう、標準計画と変更履歴を残します。

地上側では、工事基準点、標定点、検証点の位置、観測方法、標識寸法を整理します。カメラ位置を高精度に取得できる場合でも、成果を独立して確認する検証点の役割は残ります。飛行高度の妥当性は、GSDの計算値だけでなく、最終成果と既知座標との差で確認します。

数値例で確認する飛行高度の決め方

ここでは架空のカメラ仕様を用いて計算手順を確認します。特定機器の性能や推奨条件を示すものではありません。

撮像素子の横幅を13.2ミリメートル、縦幅を8.8ミリメートル、画像を横5472画素、縦3648画素、焦点距離を8.8ミリメートルとします。目標GSDを10ミリメートル毎画素、オーバーラップ率を90パーセント、サイドラップ率を60パーセント、飛行速度を毎秒4メートルとします。

横方向の画素ピッチは次のとおりです。

13.2ミリメートル ÷ 5472画素 = 約0.00241ミリメートル毎画素

目標GSDから対地高度を逆算します。

10ミリメートル毎画素 × 8.8ミリメートル ÷ 0.00241ミリメートル毎画素 = 約36500ミリメートル

理論上の対地高度は約36.5メートルです。この値を上限候補とし、地形変化や飛行中の変動を考慮して、計画対地高度を35メートルと仮定します。

対地高度35メートルでの地上撮影幅は次のとおりです。

35メートル × 13.2ミリメートル ÷ 8.8ミリメートル = 52.5メートル

画像の短辺方向を進行方向へ使う場合、進行方向の地上撮影長さは次のとおりです。

35メートル × 8.8ミリメートル ÷ 8.8ミリメートル = 35メートル

オーバーラップ率90パーセントを確保する写真中心間隔は次のようになります。

35メートル ×(1 - 0.90)= 3.5メートル

毎秒4メートルで飛行する場合の撮影間隔時間は次のとおりです。

3.5メートル ÷ 毎秒4メートル = 0.875秒

撮影システムが0.875秒以下の間隔で安定して撮影できない場合、この速度では90パーセントの重複度を確保できません。1秒間隔までしか安定撮影できないなら、理論上は毎秒3.5メートル以下とし、速度変動を考慮してさらに余裕を持たせます。

サイドラップ率60パーセントを確保するコース間隔は次のとおりです。

52.5メートル ×(1 - 0.60)= 21メートル

ただし、現場に10メートルの高低差があり、高所側で対地高度が25メートルへ小さくなる場合、高所側の地上撮影幅は次のとおりです。

25メートル × 13.2ミリメートル ÷ 8.8ミリメートル = 37.5メートル

コース間隔を21メートルのままにすると、高所側のサイドラップ率は次の計算になります。

1 - 21メートル ÷ 37.5メートル = 0.44

約44パーセントとなり、目標の60パーセントを満たしません。高所側でも60パーセントを確保するには、コース間隔を15メートル以下にする必要があります。

37.5メートル ×(1 - 0.60)= 15メートル

この例では、GSDだけなら対地高度35メートルで成立していても、高低差によってサイドラップが不足します。コース間隔を狭める、高度帯を分ける、等対地高度に近い経路へ変更するなどの再計算が必要です。

飛行高度を低くしすぎた場合に起こる問題

低高度ではGSDを小さくできますが、撮影枚数とコース数が増えます。高度を概ね半分にすると、1枚が覆う縦横の長さも概ね半分となるため、同じ面積を撮影する画像数は単純に2倍では済まない場合があります。バッテリー交換や複数フライトが増え、撮影中の照明条件や地表状態が変化しやすくなります。

低高度では、必要重複度を保つために撮影間隔を短くする必要があります。記録処理が追いつかなければ、画像間隔が不均一になったり、欠番が生じたりする可能性があります。飛行速度、撮影間隔、保存時間の組み合わせを実機で確認します。

地表へ近づくほど、盛土頂部、仮設照明、電線、樹木、施工機械などの障害物に対する余裕も小さくなります。前回の地形データを使う場合、施工によって地盤高が変化していないかを必ず確認します。

また、低高度の鉛直撮影だけでは、急な法面や垂直に近い面が十分に写らないことがあります。解像度が高くても、画像へ写っていない面は復元できません。必要に応じて撮影方向の追加や地上計測を組み合わせます。

点群が過度に細かくなると、小石、雑草、走行痕、仮設物なども詳細に記録され、地表抽出や不要点除去の判断が増えます。必要精度を満たす範囲で、過剰な画像枚数と処理負荷を避けます。

飛行高度を高くしすぎた場合に起こる問題

高度を高くすると撮影効率は上がりますが、GSDが大きくなります。法肩、法尻、狭い掘削底、薄い盛土層、小規模な段差が少ない画素数でしか表現されないと、点群上で形状が丸められたり、周辺面へ補間されたりする可能性があります。

土砂山の裾や体積計算境界が不明瞭になると、境界線の設定差が数量差へ直結します。高度計画では、地表面の高さだけでなく、体積算出境界を安定して判読できるかも確認します。

均質な土、砂、舗装、水分を含む表面などでは、地表模様が少なく、写真間の対応点が得にくい場合があります。高度を上げるほど細かな模様が画像上で小さくなるため、撮影枚数が少なくても三次元復元が安定するとは限りません。

高低差がある現場では、最低地盤側の対地高度がさらに大きくなります。平均地盤を基準に高度を決めず、体積計測で重要となる低地や掘削底の対地高度を個別に確認します。

高度変更により、飛行許可、承認、安全計画の条件へ影響する場合があります。計画変更時は、空域、飛行方法、周辺障害物、緊急時対応との整合を再確認します。

体積差を安定させる撮影計画と現場確認

同じ現場を繰り返し計測する場合、表示高度を前回と同じにするだけでは十分ではありません。盛土や掘削で地表高が変われば、同じ設定高度でも対地高度、GSD、撮影範囲、重複度が変化します。毎回、最新の地表高を基に再確認します。

時系列比較では、撮影方向、コース間隔、重複度、速度、カメラ設定、標定方法、処理条件をできるだけ統一します。条件変更が必要な場合は、変更理由と影響範囲を記録します。

撮影前には、施工機械、車両、資材、人、仮設材など、地表面ではない対象をできる範囲で計測範囲から外します。移動できない場合は、撮影時刻と位置を記録し、後処理で除外する範囲を明確にします。

長い雑草、水たまり、粉じん、強い反射、深い影は、地表抽出を難しくします。高度計算が正しくても、カメラから地表が見えない部分は安定して復元できません。必要に応じて草刈り、撮影時刻の変更、別方式の計測を検討します。

標定点と検証点は、計画GSDに対して十分な画素数で識別できる寸法とします。高度を上げるほど標識は画像上で小さくなるため、地上で見えるかではなく、撮影画像で中心を安定して特定できるかを確認します。

体積計算範囲の外側には撮影余白を設けます。端部の点群欠落や補間が体積へ直接影響しないよう、撮影範囲、点群作成範囲、最終境界を段階的に設定します。

飛行計画書には、目標GSD、計算対地高度、採用高度、最大対地高度、最小対地高度、重複度、速度、撮影間隔、コース間隔、地形高低差、障害物、安全余裕を記録します。計算値と実際の設定値を分けて残すと、現場変更時に再計算しやすくなります。

飛行後に高度設定の妥当性を検証する方法

飛行高度は、撮影前の計算だけで確定するものではありません。飛行後に画像、撮影位置、飛行ログ、点群、検証点を確認し、計画が実際に成立していたかを検証します。

最初に、画像枚数、欠番、撮影時刻、位置情報を確認します。計画した撮影間隔に対して大きな空白がないか、コース端や旋回後に撮影が途切れていないかを見ます。ぶれ、露出不良、ピント不良が連続する区間は、点群品質へ影響する可能性があります。

次に、撮影位置と地表標高から実際の対地高度を確認します。最大対地高度が計画上限を超えていれば、その範囲のGSDが目標より粗い可能性があります。最小対地高度が小さすぎれば、重複度の低下や障害物離隔を確認します。

実績重複度は、計画値ではなく、撮影位置と地上撮影範囲から確認します。風や速度変化により、時間間隔撮影の写真中心間隔が変わることがあります。重複度の実績確認を前提とする仕様では、所定の方法で確認結果を整理します。

点群作成後は、平均点密度だけでなく、分布の均一性を確認します。法面、段差、土砂山の側面、コース端などに点の欠落や不自然な補間がないかを、平面表示、断面表示、陰影表示などで確認します。

検証点では、既知座標と点群から得た座標または標高との差を確認します。平均値だけでなく、最大値、方向別の偏り、位置ごとの傾向を見ます。低地側だけ差が大きい場合は、対地高度、画像品質、標定条件などを見直します。

体積算出では、基準面、計測面、境界線、不要点除去、補間範囲、メッシュ条件を記録します。合理的な範囲の処理変更で体積が大きく変動する場合は、元点群の不足、境界の不明瞭さ、地表抽出の不安定さを疑います。

前回計測と比較する場合は、変化していない固定構造物や安定地盤の較差を確認します。固定部まで広く上下しているなら、実際の土量変化ではなく、座標系、標定、基準点、処理条件の差が含まれている可能性があります。

検証結果は次回計画へ戻します。低地でGSDが不足したなら高度帯を分け、進行方向の重複が不足したなら速度または撮影間隔を変更し、法面で欠測したなら撮影方向を追加します。実績を蓄積して標準計画を更新することが、再現性と効率を両立させる方法です。

まとめ

ドローン出来形体積計測の飛行高度は、三つの計算基準を順番に確認して決めます。第一に、要求成果と対象形状から目標GSDを定め、焦点距離、撮像素子寸法、画像画素数から対地高度を逆算します。第二に、その高度で得られる撮影範囲から、オーバーラップ率、サイドラップ率、撮影間隔、速度、コース間隔が成立するかを確認します。第三に、最高地盤高と最低地盤高、障害物、安全余裕、空域と飛行方法の条件を反映し、実運用高度へ補正します。

式で得た高度は、成果精度を保証する単独の値ではありません。標定点と検証点、画像品質、重複度、地表状態、処理方法がそろって初めて、安定した地表面と体積を求めやすくなります。同じ設定高度でも施工によって地表が変化すれば対地高度は変わるため、計測ごとに最新地形を確認します。

飛行後は、実際の対地高度、重複度、画像品質、点群欠測、検証点較差を確認し、体積計測へ使用できる品質かを判断します。高度を低くすればよい、高くすれば効率がよいという単純な選択ではなく、精度、重なり、安全、作業時間の均衡を取ることが再撮影と数量差を減らす基本です。

地上での基準点確認や検証点観測にはLRTK Phoneを活用し、取得した座標や現場情報をLRTKクラウドで共有し、撮影後の点群確認や体積算出をLRTK点群CADへつなげることで、飛行計画から出来形体積計測までの記録を整理しやすくなります。製品を採用する場合は、対象工事の要求精度、適用要領、機器仕様、現場条件への適合を事前に確認してください。

現場を3Dで残して、あとから測る。
実際の画面と動画で使い方を確認できます。

LRTK Phoneの使い方・実例を見る
資料請求導入相談
現場をスマホで3DスキャンLRTK Phone実例を見る