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発破前後の出来形体積計測で掘削量を求める4ステップ

発破を伴う岩盤掘削では、施工前後の地形変化を数量として把握することが、工程管理、出来高確認、破砕岩の搬出計画、掘り残しへの対応、過掘り箇所の検討、次工程への引き渡しに役立ちます。岩盤面は節理、亀裂、自由面、穿孔位置、装薬条件、地質のばらつきなどの影響を受けるため、発破後に一様な面が形成されるとは限りません。

一定間隔の測点や限られた横断面だけで数量を求める方法では、測線間の凹凸を補間して扱います。対象面が複雑な場合には、その補間条件が数量へ影響することがあります。そこで、発破前と発破後の三次元データを同じ基準で取得し、共通範囲の形状差を面または立体として集計する出来形体積計測が活用されます。

ただし、二つの点群を重ねれば自動的に発破による掘削量が確定するわけではありません。座標系、高さ基準、計測時点、比較境界、不要点、欠測、面生成方法、発破後に行った搬出や重機整形の扱いが統一されていないと、本来の掘削とは異なる変化まで数量に含まれます。また、水平面に投影した高さ差で求める方法は、地形を一つの平面位置に一つの高さで表せる範囲に向く方法です。垂直面、オーバーハング、えぐれ、洞状の空間がある範囲では、三次元メッシュや断面分割など別の計算方法を検討しなければなりません。

国や発注者の出来形管理に適用する場合は、一般的な解説だけで判断せず、対象工種、契約図書、監督職員との協議、採用する計測技術の要領、精度確認方法、成果品の条件を優先します。国土交通省の現行資料でも、三次元設計データ、工事基準点、計測精度の確認、出来形管理資料などの確認が位置付けられています。([国土交通省][1])

本記事では、「出来形 体積 計測」で情報を探している施工管理、測量、工務、数量管理の担当者に向けて、発破前後の計測から掘削量を求める流れを4ステップで解説します。

発破掘削で出来形体積計測を行う目的

発破前後の出来形体積計測で直接把握できるのは、設定した比較範囲における幾何学的な地形変化です。発破前の現況面と、定めた施工段階の発破後面を比較することで、どの位置がどの程度低くなったか、どの位置が高くなったかを確認できます。

設計図面から算出する数量は、施工前地形と設計面の関係から求める計画上の数量です。一方、施工前後の実測データから求める数量は、実際に生じた変化を表します。両者は目的が異なるため、計画数量と実測数量が一致しない場合でも、直ちに計測誤りと判断することはできません。過掘り、掘り残し、境界外の崩落、追加機械掘削、残置岩塊、計測時点の違いなどを確認する必要があります。

差分分布を表示すれば、総体積だけでは分からない施工結果も確認できます。発破後面が発破前面より低い範囲は、通常は地形が除去された方向の変化です。反対に高い範囲には、破砕岩の残置、崩落物、仮置き材、一時的な堆積物、植生、計測誤差などが含まれる可能性があります。

出来形体積計測は、掘削量の合計を求めるだけでなく、設計面との比較にも活用できます。発破後面と設計面を比較すれば、追加掘削を検討する範囲や、過掘りが疑われる範囲を位置情報とともに確認できます。ただし、許容範囲や処置の要否は、設計図書、施工計画、地質条件、構造物の要求性能、発注者との協議内容に基づいて判断します。

発破ごとのデータを保存しておけば、穿孔記録、装薬記録、岩質、節理、湧水、自由面の条件、重機作業の履歴と施工結果を照合できます。特定位置で掘り残しや過掘りが繰り返される場合には、次回の施工計画を見直す材料になります。ただし、体積差分だけで発破条件の良否を断定することはできません。複数の施工条件と現場観察を合わせて評価します。

運搬管理に利用する場合は、数量が表す状態を明確にします。施工前の地山面と、搬出後に露出した掘削面との差から求めた体積は、地山状態の幾何学的な減少量に近い値です。発破後の岩塊や運搬車両上の材料は空隙を含むため、見かけの体積は同じになりません。さらに、発破前後の間に表土除去や機械掘削が含まれていれば、その差分は発破単独の破砕量ではなく、計測期間全体の地形変化です。

出来高や支払数量へ用いる場合は、三次元計測値がそのまま契約数量になるとは限りません。数量算出方法、控除対象、計測時点、丸め方、検査方法、承認手順は契約図書や発注者の指示に従い、計測結果の用途を明示して管理します。

計測開始前に決めておく管理条件

発破前後を比較する前に、何を、いつ、どの範囲で、どの方法により数量化するかを決めます。機器の公称精度が高くても、前後の条件が異なれば、差分には施工以外のずれが混入します。

最初に統一するのは座標系と高さ基準です。工事基準点に基づく座標、公共座標、現場内の任意座標のいずれを使う場合でも、発破前後で同じ定義を用います。基準点名、座標値、使用した変換、機器高やアンテナ高の扱い、測地成果の時点も記録します。

衛星測位で得られる高さを利用する場合は、楕円体高と標高を混同しないことが重要です。日本の標高を扱う場合、一般に楕円体高からジオイド高を差し引いて標高を求めますが、使用する測量成果、ジオイドモデル、機器やソフトウェアの出力設定を確認する必要があります。([地理院地図][2])

高さに一様なずれがあると、そのずれが比較面積全体へ作用します。例えば、発破後面だけが実際より低く配置されれば、変化していない場所まで掘削されたように見えます。広い範囲ほど体積への影響が増えるため、発破の影響を受けない検証箇所を複数残します。

次に、計測時点を決めます。発破前計測を穿孔前に行うのか、穿孔後に行うのか、穿孔くずや仮設材を除去した後に行うのかで基準面が変わります。発破後についても、発破直後、破砕岩の搬出途中、搬出完了後、機械整形後では面の意味が異なります。

求めたいのが発破後の掘削面までの変化であれば、原則として対象面が確認できる状態を定義し、その状態で計測します。発破後にブレーカやバックホウなどによる追加掘削を行った場合、その作業も差分に含めるのか、別計測で分離するのかを事前に決めます。実務上分離できないときは、結果を「発破から搬出・整形後までの地形変化量」など、実態に合う名称で管理します。

比較範囲も事前に設定します。発破計画範囲だけでなく、外周の法肩、法尻、切羽、既設構造物との接続部、崩落が及ぶ可能性のある周辺を含め、発破前は最終比較境界より広く取得します。発破後に変化が計画境界の外へ広がっても、発破前データがなければ実測差分を求められません。

計算方法も先に決めます。上面や緩斜面のように一つの平面位置に一つの高さを割り当てられる範囲では、格子法や三角網による鉛直差分が使いやすい方法です。一方、垂直に近い切羽、オーバーハング、えぐれ、上下に重なる面がある範囲では、水平投影による高さ差だけでは形状を表現できません。その場合は、対象を区画して局所座標へ投影する方法、断面法、閉じた三次元メッシュ同士の体積比較など、対象形状に適した方法を選びます。

三次元メッシュで体積を求める場合は、前後の面だけでなく、同じ外周境界で側面を閉じ、計算対象が閉じた立体になることを確認します。穴のあるメッシュ、自己交差した面、法線方向が不統一な面、不要な内部面があると、ソフトウェア上で数値が出ても妥当な体積とは限りません。

基準点や検証点は、発破や重機走行の影響を受けにくく、前後で保存できる位置に設置します。固定構造物を照合に使う場合も、その構造物自体が変位していないことを確認します。

最後に、ファイル名、発破回、工区、計測日時、前後区分、搬出状態、処理版、比較境界、担当者を識別できる管理方法を定めます。複数の計測回がある現場では、誤った組み合わせのデータを比較しない仕組みが重要です。

ステップ1 発破前の現況地形を計測する

ステップ1は、掘削前の基準面を取得する工程です。発破後には元の地形を直接再計測できないため、発破前計測の欠測や座標異常は後から完全には修復できません。

計測前に、発破予定範囲と周辺の地形を図面と現地で照合します。法肩、法尻、段差、切羽、作業路、排水施設、既設構造物、仮置き材、一時的な堆積物の位置を確認し、何を地盤面として残すかを決めます。

計測位置は、対象面への見通しを基に選びます。一方向だけから取得すると、突出部の裏、窪み、段差の奥、法肩直下、法尻付近が欠けやすくなります。点数を増やすだけでなく、体積計算に必要な面を連続して取得できるよう、複数方向から補います。

地上レーザーや非接触型の測距では、対象までの距離、入射角、表面の反射条件を確認します。極端に浅い角度では点間隔が広がり、岩盤の輪郭や折れ点が捉えにくくなる場合があります。写真測量では、画像間の重なり、撮影角度、ぶれ、露出、影、濡れた岩盤、単調な模様などが三次元復元へ影響します。採用手法に応じて、事前の精度確認と現場条件の確認を行います。

衛星測位を利用する機器では、上空視界、切羽や樹木による遮蔽、金属設備や重機による反射、通信状態などを確認します。開始時だけでなく、途中と終了時にも既知点または検証点を確認し、時間経過によるずれがないかを見ます。

発破前の地盤上に重機、資材、配管、作業員、仮設物、穿孔くず、仮置き岩などがあると、それらが基準面へ混入します。移動できる物は計測前に除き、移動できない物は位置と形状を写真や記録で残し、後処理で除外できるようにします。

外周部は特に重要です。比較境界ぎりぎりで点が途切れると、面生成時に外側へ不自然な三角形が張られたり、発破後との共通範囲が狭くなったりします。計画範囲より広く取得し、変化しない周辺地盤を位置合わせと精度検証に利用します。

計測終了後は現場を離れる前にデータを確認します。全体表示だけでなく、法肩、法尻、切羽の隅、急勾配部、境界、既設構造物との接続部を拡大し、欠測や飛び点を確認します。断面表示が可能であれば、上下の点が誤って一枚の面で結ばれそうな箇所も確認します。

欠測を発見した場合は、発破前に補測します。補間で補える場合でも、補間範囲と方法によって体積が変わるため、実測できる箇所を安易に推定面へ置き換えないことが大切です。

計測日時、天候、地表状態、座標系、高さ基準、使用基準点、検証結果、計測範囲、計測方法、機器設定、不要物の有無を記録し、点群だけでなく計測条件を一体で保存します。

ステップ2 発破後の出来形面を計測する

ステップ2は、定めた施工段階の発破後面を取得する工程です。発破後の現場では浮石、亀裂、不安定な岩塊、法肩の緩みなどが生じる可能性があるため、計測効率より安全確認を優先します。

明かり掘削では、発破後に点検者が発破箇所と周辺の浮石および亀裂の有無や状態を点検することが労働安全衛生規則に示されています。現場の安全管理手順と関係法令に従い、必要な点検、危険箇所の処置、立入許可が完了する前に計測者が接近してはいけません。([厚生労働省][3])

掘削面までの地形変化を求める場合は、破砕岩を搬出し、対象とする地盤面が確認できる状態で計測します。発破直後の岩塊表面は、岩片と空隙を含む堆積面です。その面を掘削底面として比較すると、実際の底面より高い位置を採用し、地形の減少量を小さく評価することがあります。

発破直後の破砕状態も管理したい場合は、搬出前データと搬出後データを別々に取得し、名称と用途を分けます。搬出前の堆積面、搬出後の掘削面、追加機械掘削後の整形面は、それぞれ異なる施工状態です。

発破後も、掘削範囲だけでなく変化していない周辺地盤と検証点を取得します。周辺を含まないデータでは、前後の高さや位置に小さなずれがあっても判定しにくくなります。計算に使うのは前後双方に有効なデータがある共通範囲ですが、検証のためにはその外側も必要です。

複雑な凹凸や岩陰がある面は、複数の安全な位置から計測します。垂直に近い切羽については、上方からの計測だけでは壁面が不足し、正面からだけでは上端や段差奥が不足することがあります。対象形状と計算方法を踏まえて視点を組み合わせます。

水たまりや湧水がある場合は、採用する計測手法が水面下を取得できるかを確認します。一般的な光学計測や写真測量では、水面下の地形を安定して取得できないことがあります。水面を地盤面として扱えば窪みが浅く表現されるため、排水後に再計測する、別手法で補う、対象から除外するなどの処理方針を記録します。

発破後に残る大きな岩塊は、地山の掘り残しなのか、搬出前の破砕岩なのか、点群だけで判断しにくい場合があります。現場写真、作業記録、施工担当者の確認を組み合わせ、分類根拠を残します。

発破後計測にも重機、車両、資材、人員、粉じんなどの不要点が混入します。移動体は同じ位置に存在し続けないため、複数方向のデータを統合した際に残像のような点を生じることがあります。後処理だけに頼らず、可能な範囲で計測時間と作業動線を調整します。

計測後は、発破前と同じ箇所を中心に欠測を確認します。安全上取得できない範囲がある場合は、その位置、理由、面積、数量計算での扱いを記録します。危険区域へ入って欠測を埋めるのではなく、安全な補測方法または除外方法を選びます。

ステップ3 発破前後の三次元データを整合する

ステップ3では、発破前後のデータを同じ条件で比較できる状態へ整えます。主な確認対象は、座標、高さ、不要点、点密度、欠測、面生成、比較境界、計算方式です。

最初に、工事基準点、検証点、変化していない周辺地盤、固定構造物を用いて、前後データの重なりを確認します。水平方向、高さ方向、傾きのいずれにずれがあるかを分けて確認します。

周辺の複数箇所にほぼ同じ高さ差がある場合は、高さ基準、機器高、アンテナ高、ジオイドや座標変換の設定などを見直します。場所によって差が変わる場合は、標定、計測中の姿勢、測位状態、点群結合、面生成の歪みも確認します。

発破範囲そのものを基準に見た目で位置合わせすると、実際の地形変化まで一致させてしまうおそれがあります。再調整が必要な場合は、発破の影響を受けていない基準と検証結果を使い、補正量と根拠を記録します。

次に、地形ではない点を除去します。発破前後の重機、資材、仮設物、人員、車両、植生、粉じん、飛び点、残置物を確認します。自動分類やフィルターを利用しても、岩盤と岩塊、低植生と地表、法面と仮設材を完全に分離できるとは限りません。平面、斜視、断面を組み合わせて確認します。

面生成では、前後に同じ考え方を適用します。片方だけを強く平滑化したり、片方だけ異なる格子間隔で処理したりすると、施工変化ではなく表現方法の違いが差分になります。点密度の差が大きい場合は、必要な形状を失わない範囲で条件をそろえます。

上面や通常の法面を鉛直差分で比較する場合は、同じ平面位置に前後の高さが一つずつ存在することを確認します。垂直面やオーバーハングでは、一つの平面位置に複数の高さが存在し得るため、格子化によって面が欠落したり、上下の点が誤って接続されたりします。

このような範囲は、上面と壁面を分割し、壁面に適した投影方向で比較する方法や、三次元メッシュを閉じて立体差を求める方法を検討します。異なる方式で算出した数量を合算する場合は、区画の重複と隙間がないことを確認します。

欠測部を自動補間するときは、最大補間距離や三角形の辺長を制限します。急斜面の上下端を大きな三角形で結ぶと、実在しない斜面が形成されます。補間できない範囲は、補測、除外、別手法による推定のいずれかを選び、実測範囲と推定範囲を分けて記録します。

比較境界は前後で共通にします。外周線が異なると、端部の面延長や側面の閉じ方によって体積が変わります。平面図だけでなく断面と三次元表示で境界を確認し、急な段差を不自然に横切っていないかを見ます。

処理後は、前後の面を重ね、変化していない周辺に系統的な差が残っていないことを確認します。掘削範囲外に広い差分が出る場合、数量計算へ進む前に座標、高さ、不要点、面生成、境界を再点検します。

ステップ4 体積差分から掘削量を算出する

ステップ4では、整合した前後データから地形変化量を算出します。計算方式は対象形状に応じて選び、ソフトウェアが表示した数値だけでなく、どの面と境界から算出した値かを確認します。

地形を高さ関数として表せる範囲では、同じ平面位置における発破前後の高さ差へ対応面積を掛け、全範囲を集計します。三角網を使う方法でも格子を使う方法でも、共通境界、欠測処理、面の細かさが結果に影響します。

垂直面、オーバーハング、えぐれを含む範囲では、鉛直方向の高さ差だけに限定しません。対象を区画して投影方向を変える、連続断面から体積を求める、前後の閉じた三次元形状を比較するなど、形状を表現できる方法を採用します。どの方式でも、境界面をどのように閉じたかを記録します。

発破前面より発破後面が低い領域は、通常は除去方向の変化として集計します。発破後面が高い領域は、堆積方向の変化として別に集計します。掘削方向と堆積方向を相殺した正味体積だけを見ると、大きく掘削した場所と残置岩塊がある場所が打ち消し合い、施工実態を見誤る可能性があります。

まず除去方向の体積、次に堆積方向の体積、最後に正味変化量を分けて確認します。堆積方向が大きい場合は、破砕岩の残置、崩落物、仮置き物、不要点、位置ずれを確認します。

掘削量の総計だけでなく、差分分布と代表断面を確認します。計画値に近い総体積であっても、外周に不自然な差が広がっていれば、前後のずれや境界処理の誤りが含まれている可能性があります。

発破前後の差分と、発破後面から設計面までの差分は分けます。前者は計測期間に生じた地形変化、後者は施工後形状と設計形状の関係です。発破後面が設計面に達していない範囲は追加掘削候補となり、設計面を越えた範囲は過掘り候補となりますが、最終評価は適用する出来形規格、設計図書、測定方向、許容値に従います。

体積計算結果には、計測日時、計測状態、座標系、高さ基準、使用した前後データ、比較境界、計算方式、格子間隔またはメッシュ条件、平滑化、補間、除外範囲、推定範囲、除去方向と堆積方向の集計値、丸め方法を残します。

表示桁は計測と処理の不確かさに合わせます。ソフトウェアが多くの小数を表示しても、その桁まで現場数量が確定しているとは限りません。契約上の管理単位と精度検証結果に基づいて表示します。

発破前後の体積計測で確認すべき精度

体積計測の精度は、機器単体の性能だけでは決まりません。基準点、標定、現場環境、入射角、点密度、計測範囲、不要点処理、補間、面生成、境界、計算方式が組み合わさって最終値へ影響します。

最初に確認するのは、発破の影響を受けていない周辺地盤の差分です。複数箇所で前後差を確認し、一様なずれ、傾き、局所的な乱れを区別します。一か所だけが一致していても、全体が正しいとは限りません。

既知座標の検証点がある場合は、前後の計測結果と既知値との差を確認します。写真測量やレーザー計測では、採用技術に応じた精度確認試験、標定点、検証点、機器点検の要否を確認し、適用要領や発注者の条件を満たします。

境界や処理条件に対する感度も確認します。境界線、格子間隔、平滑化、補間条件を合理的な範囲で変えたとき、体積がどの程度変化するかを比較します。小さな条件変更で結果が大きく変わる場合は、欠測、端部、急斜面、面の交差、不要点の影響を疑います。

代表断面では、発破範囲の中央、外周、掘り残しが疑われる場所、過掘りが疑われる場所、補間範囲、垂直面との接続部を確認します。三次元表示では見落としやすい面の折れ、交差、架空の三角形を発見しやすくなります。

別手法による数量や搬出記録との比較は、妥当性確認の参考になります。ただし、横断面法は測線間を補間し、運搬実績はほぐれと積載状態の影響を受けます。比較対象の定義が異なるため、完全一致を前提にせず、差の原因を説明できる状態を目指します。

精度管理では、総体積に一つの精度値を付けるだけでなく、実測が十分な範囲、補間した範囲、水面下や遮蔽で不確かな範囲を区別します。提出資料には、検証点の結果、周辺不変部の差分、欠測と補間、除外範囲、採用方式を残します。

掘削量を誤計上しやすい代表的な原因

代表的な誤計上の原因は、発破前の計測範囲が狭いことです。発破後に法肩の崩落や境界外の変化が生じても、発破前面がなければ実測差分を算出できません。

次に、高さ基準の不一致があります。楕円体高と標高、異なる仮ベンチ、機器高やアンテナ高の入力、座標変換の設定が前後で異なると、変化していない範囲に系統的な差が生じます。

発破直後の破砕岩表面を搬出後の掘削面と同じ意味で扱うことも誤りの原因です。岩塊堆積面は掘削底面ではありません。データ名に計測状態を含め、用途を分けます。

発破前後の間に行った表土除去、穿孔くず撤去、重機による追加掘削、作業路整形、法面整形を区別しない場合、差分は発破だけの量ではなく期間中の総変化になります。

重機、資材、仮置き岩、植生、水面を地盤として残すと、除去または堆積の体積として集計されます。現場写真と作業記録を使い、分類根拠を残します。

前後で異なる点密度、平滑化、格子間隔、補間条件を使うと、地形変化に処理条件の差が混入します。同じ設定を機械的に適用するだけでなく、必要な形状を保持できる条件かも確認します。

欠測を無制限に自動補間すると、急斜面の上下、窪み、岩陰を架空の面で閉じることがあります。補間距離を制限し、大きな欠測は補測または除外します。

垂直面やオーバーハングを水平格子の高さ差だけで計算すると、形状の一部が失われます。対象面が高さ関数として表せるかを確認し、必要に応じて区画分割、断面法、三次元メッシュ法へ切り替えます。

掘削方向と堆積方向を相殺した正味体積だけを採用すると、掘削量を小さく見せる場合があります。両方向を別集計し、堆積の原因を確認します。

最後に、計測担当者と数量担当者の認識違いがあります。比較境界、計測時点、必要な周辺範囲、計算方式、納品形式、数量の用途を計測前に共有します。

算出した掘削量を施工管理へ活用する方法

算出した体積は、計画数量との比較、施工進捗、掘り残し、過掘り、搬出計画、発破条件の検討に活用できます。ただし、数値の名称と対象期間を明確にし、異なる定義の数量を混在させないことが前提です。

計画数量との差が大きい場合は、差分分布から原因を絞ります。外周に変化が集中していれば境界外の掘削や崩落、底面に高い部分が残っていれば掘り残し、面全体に一様な差があれば高さ基準の不一致が疑われます。

設計面との差分を併用すれば、追加掘削候補を位置と深さで示せます。過掘り候補についても、面積、最大差、体積を確認し、次工程への影響を検討できます。処置は現場判断だけで決めず、必要な協議と承認を経ます。

発破ごとの差分を穿孔・装薬記録と重ねれば、施工結果の傾向を検討できます。同じ地質区分でも節理や自由面の違いで結果が変わるため、単一の指標だけで結論を出さず、地質観察、穿孔時の記録、湧水、振動、破砕状況と合わせます。

運搬計画では、地山状態の幾何学的変化量と、ほぐした岩の見かけ体積を区別します。発破回ごとに計測量と搬出実績を蓄積すれば、その現場における差の傾向を把握できますが、固定的な換算率として他現場へそのまま適用するのは避けます。

進捗管理では、発破回ごとの対象範囲と計測状態を統一し、累積量を更新します。施工日数、機械稼働、搬出量などと組み合わせれば、工程の遅れや追加作業の影響を把握しやすくなります。

出来高資料に利用する場合は、体積値だけでなく、発破前後の面、比較境界、差分図、代表断面、計測条件、精度確認、補間・除外範囲を一緒に示します。第三者が計算過程を追跡できる資料にすることが重要です。

発破現場の出来形体積計測を効率化するポイント

継続計測では、毎回の手順を標準化します。発破前後の計測時点、取得範囲、基準点、検証点、データ名、点群処理、比較境界、計算方式、確認帳票を統一すると、担当者が変わっても同じ基準で比較しやすくなります。

発破前計測は施工手順に明示します。発破前データを取り忘れると元の地形を再現できないため、穿孔、装薬、退避、発破、点検、搬出、整形、計測の工程表に計測の位置付けを入れます。

現場で取得結果を確認できる環境も重要です。全体表示だけでなく、欠測しやすい法肩、法尻、切羽、段差奥、外周を定型的に確認し、必要ならその場で補測します。

処理テンプレートを用意する場合も、条件を固定し過ぎないようにします。地形や点密度が変われば、同じ補間距離や平滑化が適切とは限りません。標準値と変更記録を分け、変更理由を残します。

計測、クラウド共有、点群編集、体積計算、断面確認、CAD成果作成までのデータ受け渡しを整理すると、変換の重複と条件の食い違いを減らせます。スマートフォン型の計測機器を採用する場合も、携帯性だけで選ばず、座標基準、現場での精度確認、遮蔽環境への対応、必要範囲の取得、点群処理、成果出力まで一連の運用を確認します。

発破後は安全上の制約が大きいため、危険区域へ近づかずに必要面を取得できる機器配置と計測方法を計画します。短時間で計測できることは利点ですが、安全点検や精度確認を省略する理由にはなりません。

まとめ

発破前後の出来形体積計測で掘削量を求める基本は、発破前面と定めた施工段階の発破後面を同じ座標系と高さ基準で取得し、共通境界内の地形変化を適切な方法で集計することです。

ステップ1では、発破予定範囲より広く現況を計測し、法肩、法尻、切羽、段差、周辺不変部の欠測を防ぎます。発破前データは後から再取得できないため、現場で確認して不足を補います。

ステップ2では、発破後の安全点検と立入管理を優先し、破砕岩搬出前、搬出後、追加掘削後などの計測状態を区別します。水面、残置岩塊、重機、資材の扱いも記録します。

ステップ3では、座標、高さ、不要点、点密度、補間、面生成、比較境界を整合します。垂直面やオーバーハングを含む場合は、水平投影による高さ差だけで処理せず、区画分割、断面法、閉じた三次元メッシュなどを検討します。

ステップ4では、除去方向、堆積方向、正味変化量を分けて算出し、差分分布と代表断面で妥当性を確認します。発破前後の差分と設計面との差分は目的が異なるため、別々に管理します。

計測結果を出来高や支払数量へ利用する場合は、契約図書、発注者の要領、精度確認、承認手順に従います。三次元計測は複雑な地形変化を面的に把握できる有力な手段ですが、計測時点と計算モデルの選択を誤ると、精密に見える誤った数量を作ることがあります。

発破ごとに安定した出来形体積計測を行うには、計測前の条件整理、発破後の安全確認、現場での欠測確認、処理条件の記録、第三者が追跡できる成果作成までを一連の手順として標準化することが重要です。

現場を3Dで残して、あとから測る。
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