LRTKレフィクシア株式会社

土質の膨張・収縮を考慮した出来形体積計測の4つの換算基準

出来形体積計測で先に決めるべき「何の体積か」

切土、盛土、床掘り、埋戻し、残土処分、土砂運搬などの数量を管理するときは、計測機器や処理ソフトが表示した体積を、そのまま設計数量や精算数量として扱えるとは限りません。土は掘削、積込み、運搬、敷均し、締固めの過程で粒子間の空隙が変化し、同じ材料でも状態によって体積が異なるためです。

出来形体積計測で最初に確認すべきなのは、測定値がどの状態の体積を表しているかです。掘削前後の地形差から算出する切土量は、対象範囲と基準面が適切であれば、掘削前の原位置に存在した地山状態の体積に対応します。掘削後に仮置きした土砂山を測る場合は、一般に空隙が増えたほぐし状態の形状体積です。施工前地盤と締固め後の盛土面との差から算出する量は、控除対象や沈下の扱いを整理したうえで、締固め後の盛土形状体積として扱います。

国土交通省の積算資料では、土量を地山の土量、ほぐした土量、締固め後の土量という三つの状態に分け、地山を基準とする体積比としてLとCを定義しています。Lはほぐした土量を地山土量で割った値、Cは締固め後土量を地山土量で割った値です。したがって、立方メートルという単位が同じでも、状態が異なる数量同士をそのまま比較することはできません。国土交通省+1

三次元点群、写真測量による三次元モデル、横断測量、平均断面法などで直接求められるのは、設定した範囲と基準面に基づく幾何学的な体積です。計測手法そのものが、自動的に地山土量、運搬土量、締固め後土量へ統一してくれるわけではありません。計測時期、土の状態、底面、境界、控除対象を確認し、必要な場合に別工程で換算します。

「切土量は合っているのに運搬台数と一致しない」「搬入量に対して完成盛土量が少ない」といった差は、計測誤差だけでなく、比較対象の状態が違うことで生じます。地山土量と仮置き場のほぐし土量を直接比較すれば、通常はほぐし側が大きく見えます。一方、ほぐし土量と締固め後土量を直接比較すれば、締固め後の数量が少なく見えることがあります。

そのため、計測計画には「掘削前後差による地山土量」「仮置き場で計測したほぐし土量」「締固め後の完成形状体積」のように状態を明記します。設計数量、施工数量、運搬数量、受入数量、残土数量で基準状態が異なる場合は、実測値と換算値を別欄にし、同じ名称で混在させないことが重要です。

なお、本記事でいう膨張・収縮は、主として掘削によるほぐれと締固めによる空隙変化を指します。乾燥収縮、吸水膨潤、凍上、化学反応による体積変化までをLとCだけで説明するものではありません。こうした現象が重要になる材料では、土質試験や個別の設計条件を優先します。

換算基準1:地山・ほぐし・締固めの土量状態を統一する

一つ目の換算基準は、比較する土量の状態を統一することです。基準となる三つの状態を区別し、どの状態からどの状態へ換算するのかを明確にします。

地山土量は、掘削前に原位置に存在していた状態の体積です。切土計画、掘削数量、施工前後の地形差による数量算出では、地山土量を基準にすることが一般的です。ただし、施工前地盤が沈下した場合や、掘削範囲に既設構造物が含まれる場合は、単純な地形差が純粋な地山土量を表さないことがあります。

ほぐし土量は、掘削によって土の骨格が乱れ、粒子間の空隙が変化した状態の体積です。仮置き土、積込み対象の土砂、運搬中の土砂はこの状態に近いものの、積込み方法、走行振動、仮置き期間、降雨、排水、重機走行によって締まり方が変わります。仮置き場の体積と荷台上の体積が常に一致するわけではありません。

締固め後土量は、材料を敷き均し、転圧して仕上げた状態の体積です。盛土完成面の形状確認や埋戻し完了後の数量確認で扱います。ただし、締固め後の形状体積が分かっただけでは、密度や強度などの品質基準を満たしたことにはなりません。

地山土量をVn、ほぐし土量をVl、締固め後土量をVcとすると、土量変化率は次の関係で表されます。

L=Vl÷Vn

C=Vc÷Vn

地山土量からほぐし土量を求める式は次のとおりです。

Vl=Vn×L

地山土量から締固め後土量を求める式は次のとおりです。

Vc=Vn×C

反対方向へ換算する場合は、対応する変化率で割り戻します。

Vn=Vl÷L

Vn=Vc÷C

ほぐし土量から締固め後土量へ換算する式は次のとおりです。

Vc=Vl×C÷L

締固め後土量から必要なほぐし土量へ換算する式は次のとおりです。

Vl=Vc×L÷C

国土交通省の積算資料でも、地山、ほぐし、締固め後の三状態と、1、L、C、1÷C、L÷Cの関係が示されています。換算方向を取り違えないためには、いったん地山土量へ戻してから目的の状態へ換算すると理解しやすくなります。国土交通省+1

たとえば、仮置き場で計測したほぐし土量から完成盛土体積を予測する場合は、最初にVlをLで割って地山土量へ戻し、その後にCを掛けます。計算表に二段階で残せば、係数の掛け方と換算方向を後から確認できます。

測定値の名称にも状態を付けます。「土量500立方メートル」とだけ記録すると、地山、ほぐし、締固め後のどれを示すのか判断できません。「施工前後差による地山土量」「仮置き場の実測ほぐし体積」「締固め後の完成形状体積」のように記録すると、異なる担当者でも前提を追跡できます。

換算基準2:土質区分に対応した土量変化率を選定する

二つ目の換算基準は、対象材料の土質区分に対応した変化率を選ぶことです。土のほぐれ方や締まり方は、れき分、砂分、細粒分、有機質分、粒度構成、岩の硬さや破砕状態などによって変わります。

粗粒材では粒子のかみ合わせや粒度分布が空隙量に影響します。砂質土では細粒分と含水状態によって締固め特性が変わります。粘性土では含水比が施工性や密度に強く影響し、岩材料では掘削・破砕方法と破砕後の粒径によってほぐし体積が変わります。

国土交通省の積算資料には、統一分類法による土質区分ごとの標準的なLとC、および細分が難しい場合の簡略区分が示されています。ただし、これらは積算や土量配分計画に用いる標準値であり、個別現場の実測値を無条件に保証するものではありません。採用に当たっては、当該工事の設計図書、特記仕様書、数量計算書、積算条件、発注機関の基準を確認します。国土交通省+1

発注時に土質区分や変化率が指定されている場合は、現場判断だけで別の数値へ置き換えないようにします。実績と差がある場合は、測定方法、対象範囲、土質試験、施工条件を整理し、必要に応じて発注者または監督職員と協議します。積算上の係数と施工管理上の実績係数は、目的が異なる場合があるため別々に記録します。

事前調査では一つの土質とされていても、実際の掘削では表土、砂質土、粘性土、れき混じり土、風化岩などが層状または不規則に現れることがあります。全体に一つの係数を掛けると、土質構成が変わった区間で換算誤差が大きくなる可能性があります。

点群や三次元モデルから直接分かるのは主に表面形状です。粒度組成、含水比、内部の層構成を形状データだけで確定することは困難です。そのため、掘削面の観察、ボーリング資料、土質試験、試料採取位置、施工写真、測点、施工日報を組み合わせて土質区分を判断します。

一つの掘削区域に複数の土質がある場合は、施工区画、深度、施工日、搬出先などで数量を分け、各区分の地山土量へ対応する係数を適用してから合計します。土質別数量が分かっているのに、LやCを単純平均して全体へ掛ける方法は避けます。

区分ごとの計測が難しく、代表的な混合状態を設定する場合は、その値を確定値として扱わず、推定の根拠と適用範囲を残します。掘削面で確認した割合、搬出回数、試料採取結果、過去の施工実績などを用い、条件が変化した時点で見直します。

積算基準や出来形管理要領は改定されるため、過去工事の資料をそのまま流用せず、当該工事に適用される年度、発注機関、工種、仕様書を確認します。国土交通省の公開ページでも、三次元計測技術を用いた出来形管理要領の改定版が掲載されています。国土交通省

換算基準3:含水状態と乾燥密度で換算結果を照合する

三つ目の換算基準は、含水状態と乾燥密度を使って換算結果の妥当性を照合することです。LとCは体積比であり、土の重量や水分量を直接示す係数ではありません。雨天後の土と乾燥した土では、同じ体積でも湿潤重量が異なります。

土は土粒子、水、空気で構成されています。掘削や締固めでは主に粒子配列と空隙が変化しますが、降雨、排水、乾燥、散水が加わると水分量も変わります。そのため、湿潤重量の増減をそのまま土粒子量の増減とみなすことはできません。

乾燥質量をMd、乾燥密度をρd、体積をVとすると、基本的な関係は次のとおりです。

Md=ρd×V

同じ材料が追跡され、流出、混入、選別、改良材添加などが無視できるという条件では、移動前後の乾燥質量はおおむね対応します。この考え方を利用すれば、地山、ほぐし、締固め後の体積と乾燥密度の関係から、換算結果に大きな矛盾がないか確認できます。

ただし、地山状態の乾燥密度を正確に把握できない現場もあります。試料採取位置が代表性を欠く場合や、れきが多い材料では、少数の密度試験だけで全体を代表させると誤差が生じます。密度による照合は、試験位置、土質区分、測定方法、ばらつきを考慮して行います。

締固め度と土量変化率Cは同じ指標ではありません。締固め度は、現場乾燥密度を基準となる乾燥密度と比較して施工品質を評価する指標です。一方、Cは締固め後土量を地山土量で割った体積比です。国土技術政策総合研究所の資料でも、締固め管理には乾燥密度と基準乾燥密度の比、土質によっては飽和度や空気間隙率が用いられると整理されています。国土交通省国土技術政策総合研究所

したがって、締固め度が基準を満たしていても、地山密度が想定と異なれば、実際のCが標準値と一致しないことがあります。反対に、体積換算が予定したCに近くても、盛土内部の全範囲で締固め品質が確保されたとは限りません。出来形体積と品質管理は関連しますが、相互に代替できません。

重量記録を体積管理へ利用する場合は、計量時の含水状態を記録し、必要に応じて乾燥質量へ換算して比較します。高含水材料では排水や乾燥によって湿潤重量が減り、降雨や散水では増えることがあります。搬出時と搬入時の重量差を、すべて土砂の損失または増加として扱うのは適切ではありません。

また、現場では泥水の流出、異物除去、過大粒径の選別、他材料の混入、固化材の添加などが起こり得ます。乾燥質量が完全に保存されるという前提が成立しない場合は、その影響を別途整理します。密度換算は三次元体積計測を置き換えるものではなく、異常値を発見するための照合手段として位置付けます。

換算基準4:試験施工と現場実績で換算係数を補正する

四つ目の換算基準は、試験施工や現場実績を使って、標準的な変化率が現場条件に合っているか確認することです。土質、掘削方法、破砕方法、運搬条件、仮置き期間、敷均し厚、転圧機械、転圧回数、含水状態が変われば、実際の体積変化も変わる可能性があります。

土量が大きい工事では、係数の小さな差が運搬回数、仮置き容量、残土処分量、盛土材の不足量へ影響します。施工初期に代表区間を設定し、同一材料を追跡できる条件で地山、ほぐし、締固め後の体積を測れば、現場実績に基づく係数を検討できます。

実績Lを求める場合は、同じ対象材料について掘削前後差から地山土量Vnを求め、他材料と混ざる前に仮置き土のほぐし体積Vlを測定します。両数量の対応が確認できれば、L=Vl÷Vnとして算出できます。

実績Cを独立して確認するには、同じ材料の掘削前地山体積Vnと、その材料を用いて完成した締固め後体積Vcの対応を追跡する方法が基本です。地山体積を直接追跡できない場合は、代表的な乾燥密度と乾燥質量の収支を併用する方法があります。

ここで注意したいのは、仮置き場のほぐし土量を既存のLで地山換算し、その値からCを求めると、推定したい係数の一部を前提に含むことです。この方法で得たCは完全に独立した実測値とはいえません。実績係数として扱う場合は、どの値を直接測定し、どの値を既定係数から換算したのかを明記します。

試験区間では、搬出元、材料区分、施工範囲、施工日、敷均し層、転圧条件を限定し、どの材料がどの完成体積へ対応したか追跡できるようにします。途中で追加搬入、材料選別、改良材添加、流出がある場合は、数量収支に反映します。

一回の測定結果だけで係数を確定すると、裾部の境界設定、データ欠損、降雨、重機走行、仮置き中の沈下などの影響を受けるおそれがあります。条件をそろえた複数回の結果から傾向を確認し、異常値が出た場合は計測条件と材料条件を見直します。

試験施工で得た係数を全工区へ一律適用できるとは限りません。掘削深度の変化で土質が変わった場合、含水状態が大きく変わった場合、施工機械や敷均し厚を変更した場合は、継続使用の妥当性を再確認します。

設計や契約で指定された係数を、施工者が任意に実績値へ置き換えられるとは限りません。実績係数を数量変更や精算に用いる場合は、発注者側と事前に協議し、測定方法、対象範囲、採用理由、適用時期、再確認条件を整理します。

4つの換算基準を使った出来形体積の計算手順

換算ミスを防ぐには、体積を測った後で係数を探すのではなく、計測計画の段階で換算経路を決めます。

最初に、最終的に必要な数量の状態を定めます。設計切土量との比較では地山土量、運搬や仮置き容量の検討ではほぐし土量、完成盛土の形状確認では締固め後土量が中心になります。ただし、契約上の数量区分は発注図書によって異なるため、一般論だけで決めず適用条件を確認します。

次に、直接計測できる状態を確認します。施工前後の地表面を適切に取得できるなら地山土量を算出できます。仮置き土だけが残っているなら、直接得られるのは計測時点のほぐし形状体積です。転圧が完了しているなら、完成面と基準面から締固め後の形状体積を求めます。

その後、入力値の状態から必要な状態までの換算式を決めます。計算表には、入力値、入力状態、使用したL、使用したC、係数の根拠、換算式、換算後の状態を分けて記載します。

地山土量から仮置き容量を予測する場合は、地山土量にLを掛けます。地山土量から完成盛土体積を予測する場合は、地山土量にCを掛けます。

仮置き場のほぐし体積から完成盛土体積を予測する場合は、ほぐし土量をLで割って地山土量へ戻し、その値にCを掛けます。式は「ほぐし土量×C÷L」です。

完成盛土の不足分を補うために必要なほぐし土量を求める場合は、「不足する締固め後土量×L÷C」です。ただし、材料の利用率が100パーセントとは限らないため、表土除去、異物選別、過大粒径除去、流出、こぼれ、付着、施工余剰などは別項目として扱います。

計算結果は、逆算して元の値へ戻るか確認します。地山土量からほぐし土量へ換算した後、その値をLで割って元の地山土量に戻れば、係数の方向を取り違えていないことを確認できます。

さらに、運搬記録、仮置き場体積、完成盛土体積、密度試験、材料の搬入出記録を並べ、差の原因を説明できるか確認します。完全一致を前提にするのではなく、計測誤差、含水変化、材料損失、対象範囲の違いを分けて整理します。

3次元計測で換算前の体積を正しく求める方法

係数が適切でも、元になる幾何学的な体積が不安定であれば、換算後の数量も信頼できません。出来形体積計測では、計測品質と土量換算を別の確認項目として管理します。

体積は上面だけでなく、底面または基準面によって決まります。仮置き土の表面を高密度で取得しても、山の下の地盤面が誤っていれば体積は変わります。可能であれば仮置き前の地盤を計測し、難しい場合は周辺地盤から補間できる条件と補間方法を記録します。

切土量を求める場合は、施工前と施工後のデータで座標系、高さ基準、対象範囲、単位を一致させます。一定の高さずれでも、対象面積が広いほど体積差が大きくなります。基準点や既知点で重ね合わせを確認し、独自の自動補正だけに依存しないようにします。

盛土量を求める場合は、施工前地盤と完成面の間に構造物、排水材、地盤改良層、路盤材、既設土、沈下量などが含まれていないか確認します。地形差には土以外の材料や控除対象が含まれる場合があるため、設計数量と比較する範囲を統一します。

仮置き場では、土砂山の裾部が重機走行跡や周辺地盤と連続し、境界が不明確になりやすくなります。作業前に境界をマーキングし、計測範囲を閉じた形で設定できるようにすると、測定者ごとの差を抑えやすくなります。

急斜面、重機、壁際、植生などでデータ欠損があると、処理ソフトが面を補完する場合があります。補完結果が見た目に自然でも、実形状と一致するとは限りません。点群密度だけでなく、欠損位置、外れ値、補完面、境界線、不要物の除去範囲を確認します。

複数回の増減を比較する場合は、座標系、底面、境界、処理条件を固定します。毎回異なる境界を描けば、土砂が増減していなくても差が生じます。基準点、境界データ、処理設定、使用した原データを保存します。

国土交通省は、三次元計測技術を用いた出来形管理要領と工種別の監督・検査要領を公開しています。実際の工事で計測結果を出来形管理や提出資料に使う場合は、使用する技術、対象工種、要求精度、計測密度、提出形式が当該工事の適用要領に合うか確認します。国土交通省

同じ対象を短時間内に二回計測し、再現性を確認する方法も有効です。大きな差が出る場合は、LやCより先に、座標、底面、境界、欠損、不要点除去、計測時の対象変化を点検します。

土質が混在する現場で体積を分けて管理する考え方

現場では、単一土質だけを掘削し、同じ状態のまま運搬、締固めできるとは限りません。表層の有機質土、その下の粘性土、砂質土、れき混じり土、風化岩が連続して現れることがあります。

このような現場で全体土量に一つの変化率を適用すると、土質構成が変わる区間で換算結果が実態から離れる可能性があります。施工区画、掘削深度、土質区分、搬出先、利用目的ごとに数量を分けることが基本です。

施工前に土質境界が分かっている場合は、設計データや平面図へ境界を反映し、区画別に体積を算出します。掘削後に境界が判明した場合は、掘削面写真、測点、標高帯、施工日、掘削深さを記録し、どの期間にどの土質が発生したか整理します。

異なる材料を別々の仮置き場へ運ぶ運用にすれば、土質別のほぐし体積を測定しやすくなります。一つの仮置き場で混合すると、元の土質別数量を後から復元することが難しくなります。

盛土へ流用する場合も、土質ごとに使用箇所を管理します。下部盛土、上部盛土、路体、路床などで材料条件が異なる場合があり、全体体積が確保できているだけでは、必要な場所に適切な材料が配置されたことを示せません。

土質別体積を完全に分けられない場合は、混合割合を推定して計算することになります。この場合は、推定値であること、割合の根拠、適用した範囲、見直し条件を明記します。

複数土質の換算では、各土質の地山土量へ個別のLまたはCを適用してから合計します。全体地山土量へ単純平均係数を掛けると、土質ごとの数量割合を反映できません。

平均係数を使用する必要がある場合は、土量割合による加重平均であることを示します。ただし、土質別土量が把握できているなら、個別計算のほうが根拠を追跡しやすく、後から係数を変更する際にも再計算しやすくなります。

出来形体積計測で起こりやすい換算ミス

代表的なミスは、ほぐし土量にLを掛けて地山土量を求めることです。Lは地山からほぐしへ換算するときに掛ける係数なので、反対方向はLで割ります。

締固め後土量から必要なほぐし土量を求める際に、Cだけで割るミスもあります。Cで割ると地山土量へ戻りますが、ほぐし土量へ換算するにはさらにLを掛けます。

運搬車両の公称容量と出来形の体積差を直接比較することにも注意が必要です。積載形状、空隙、走行振動、荷こぼれ、重量制限によって実積載量は変わります。運搬回数から体積を推定する場合は、現場条件に基づく一台当たり実績量を確認します。

重量を体積へ換算するときに、湿潤密度と乾燥密度を混同するケースもあります。降雨後は水分の分だけ重量が増えますが、土粒子量が増えたとは限りません。異なる日時の重量を比較するときは含水状態を確認します。

標準的なLやCを、締固め品質の合否判定へ使うことも避けます。土量変化率は状態間の体積換算に用いる値であり、密度、強度、支持力、含水状態などは別の品質管理項目で確認します。

計測時期の違いも見落とされやすい点です。掘削直後の仮置き土と、降雨や重機走行を受けた数週間後の仮置き土では、同じ材料でも形状体積が変わることがあります。実績Lを求める場合は、掘削から計測までの時間と仮置き条件を記録します。

重機、敷鉄板、資材、残雪、水たまり、植生などが残った状態で体積を算出すると、それらが形状へ含まれる場合があります。対象外点を除去し、除去前後のデータと処理範囲を残します。

境界線を広く取りすぎれば周辺地盤や別の土砂を含み、狭すぎれば裾部を除外します。増減比較では同一の境界と底面を使い、変更した場合は変更理由と影響を記録します。

小数点以下の丸めを途中で行うと、土質別、区画別、日別の集計で差が生じます。計算途中は十分な桁数を保持し、最終提出数量で指定された単位と方法に従って丸めます。

計測結果の説明性を高める記録と確認方法

出来形体積計測では、最終的な立方メートルの数値だけでなく、算出過程を再現できることが重要です。

計測記録には、工事名、施工区画、計測日、計測時刻、担当者、対象材料、土量状態、座標系、高さ基準、基準点、計測範囲、底面または基準面、使用データ、処理条件を残します。再計測した場合は、変更した条件も記録します。

換算記録には、換算前体積、換算前の状態、採用したL、採用したC、係数の出典または決定根拠、計算式、換算後体積、換算後の状態を記載します。標準係数と実績係数を併用する場合は、どちらをどの目的で使ったか明確にします。

土質が混在する場合は、区画図と数量表を対応させます。「粘性土部分」「砂質土部分」と文章だけで記録せず、平面範囲、測点、標高帯、施工日、搬出先などで対象を特定します。

写真では、土砂の全景だけでなく、土質を確認できる近景、仮置き場の裾部、基準地盤、計測時の障害物、降雨や水たまりの状況を残します。撮影位置と方向が分かれば、三次元データ上の位置と照合しやすくなります。

施工前後のデータは上書きせず、原データ、処理後データ、体積計算用データを分けて保存します。不要点を除去した場合も、元の点群を残します。処理後データだけでは、除去や補完が妥当だったか検証できません。

計算結果には実測体積と換算体積を併記します。「仮置き場実測体積」と「地山換算体積」を別欄にすれば、計測値と計算値を混同しません。元の実測値を保存しておけば、係数や土質区分が見直された場合にも再計算できます。

数量差が生じたときは、直ちにどちらかの計測を誤りと決めず、土量状態、土質区分、含水状態、計測時期、範囲、底面、材料損失、途中在庫を順に確認します。確認手順を固定すると、担当者による判断差を抑えられます。

関係者へ共有する資料では、Lが地山からほぐし状態への体積比、Cが地山から締固め後状態への体積比であることを記載します。記号だけでなく、換算方向と式を併記すれば、計算の前提を説明しやすくなります。

まとめ:実測体積と換算土量を分けて管理する

土質の膨張・収縮を考慮した出来形体積計測では、計測機器が示した体積をそのまま設計数量、運搬数量、盛土数量へ転用しないことが重要です。三次元計測などで直接得られるのは、設定した範囲と基準面に基づく計測時点の形状体積です。その値が地山、ほぐし、締固め後のどの状態に当たるかを確認し、必要な状態へ換算します。

一つ目の基準は、地山土量、ほぐし土量、締固め後土量を区別し、比較する数量の状態を統一することです。二つ目は、土質区分に対応したLとCを選び、異なる土質をできる限り分けて計算することです。

三つ目は、含水状態と乾燥密度を確認し、体積換算だけでは発見しにくい矛盾を照合することです。締固め度と土量変化率は目的が異なるため、出来形体積と施工品質を別々に確認します。

四つ目は、試験施工や現場実績を用いて、標準係数が現場条件に合っているか検証することです。ただし、実績係数を算出するときは、直接測定値と既定係数による推定値を区別し、契約数量や精算へ使う場合は関係者と協議します。

出来形体積計測の信頼性は、計測精度だけでは決まりません。土量状態、土質、含水状態、密度、換算係数、計測時期、底面、境界を一つの流れとして管理することで、設計数量、施工数量、運搬数量、残土数量の関係を説明しやすくなります。

実測体積と換算後体積を分けて保存し、使用した式、係数、適用範囲を追跡できる状態にしておけば、土質条件や係数が変更された場合にも再計算できます。最終的には、当該工事の設計図書、発注機関の基準、適用される出来形管理要領、監督職員との協議内容を優先し、一般的な換算式だけで契約上の数量を確定しないことが安全な運用につながります。

現場を3Dで残して、あとから測る。
実際の画面と動画で使い方を確認できます。

LRTK Phoneの使い方・実例を見る
資料請求導入相談
現場をスマホで3DスキャンLRTK Phone実例を見る