地籍調査の対象地が里道に接している場合は、民有地同士の境界確認とは異なる準備が必要です。現地では細い通路や草地にしか見えなくても、登記所の地図や地図に準ずる図面では道路状の土地として表されていることがあります。反対に、地域で里道と呼ばれている通路が私有地であったり、かつて公共用に使われていた土地が用途を失った旧法定外公共物として国の管理になっていたりすることもあります。
機能を有する里道などの法定外公共物は、市区町村への譲与を経て市区町村が所有・管理しているのが一般的です。一方、公共的な用途に使われていない旧里道などは、原則として財務局または財務事務所が管理します。ただし、国有林、土地改良施設、港湾関係など別の所管に属する土地や、譲与・登記・用途廃止の経緯が個別に異なる土地もあるため、外観だけで管理者を決めることはできません。([国土交通省][1])
また、地籍調査は、現在の利用状況に合わせて境界を自由に引き直す手続きではありません。主に市町村などが一筆ごとの所有者、地番、地目を調査し、境界の位置と面積を測量して地籍図と地籍簿を作成する事業です。里道に接する土地では、公図等、過去の測量成果、公共財産の管理資料、境界標識、現況などを総合し、もともとの筆界を確認していく必要があります。([地籍ポータル][2])
この記事では、土地所有者、地籍調査担当者、測量担当者、自治体の財産管理担当者などが立会前に確認したい4つの項目を整理します。自治体や土地ごとに取扱いが異なるため、最終的には調査実施者と管理機関の案内に従ってください。
里道に接する土地で地籍調査が難しくなる理由
里道は一般に、道路法の適用を受けない道路状の公共物を指す実務上の呼称です。旧公図で赤色に着色されていた経緯から、赤道、赤線、赤地などと呼ばれる地域もあります。ただし、地域で里道と呼ばれている通路がすべて法定外公共物であるとは限りません。私道、農道、林道、土地改良施設内の道路、国有林内の道など、別の制度や所有関係にある可能性があります。
里道に接する土地の確認が難しい理由は、現地の道形と筆界が一致するとは限らないためです。長年の通行や耕作によって道幅が広がったように見える場合もあれば、草木、盛土、塀、駐車、構造物などによって道形が狭くなったり消えたりしている場合もあります。現在の通行範囲は現況を知る資料にはなりますが、それだけで筆界の位置を決めることはできません。
側溝、擁壁、石積み、舗装、フェンス、電柱なども同様です。構造物は境界に沿って設置されることがありますが、施工や維持管理のために境界から控えて設置されることもあります。構造物の外縁、中心、内側のどこかが当然に筆界になるわけではありません。
さらに、地籍調査を行う部署と、里道を財産として管理する部署が同じとは限りません。市区町村が地籍調査の実施主体であっても、里道側の確認には道路、土木、公有財産、法定外公共物などを担当する別部署の判断や内部手続きが必要になることがあります。旧法定外公共物であれば、財務局等との調整が必要になることもあります。
地籍調査と、自治体などが行う官民境界確認または公共用地境界確定の手続きも、目的や完了要件が同一とは限りません。現地立会で認識が一致しただけで、別制度上の境界確定手続きまで完了したと判断しないことが重要です。
チェック1 里道の法的な位置付けと管理者を確認する
最初に確認するのは、対象となる道路状の土地が何に当たり、誰が所有または管理しているかです。管理者が不明なままでは、立会の相手、照会先、参照すべき資料を特定できません。
まず、対象地を管轄する市区町村の地籍調査担当部署に、調査区域内での里道の取扱いと担当部署を確認します。次に、法定外公共物、公有財産、道路、土木などの担当部署に、対象区間が市区町村へ譲与された財産か、現在も公共用の機能を有するか、過去に用途廃止や売払いが行われていないかを照会します。
機能を有する法定外公共物は市区町村が管理するのが一般的ですが、すべての道路状土地に一律に当てはまるわけではありません。市区町村の管理台帳にない場合は、旧法定外公共物として財務局等が管理している可能性のほか、都道府県、国の別機関、土地改良区、森林管理関係機関、民間所有者などが関係する可能性もあります。市区町村で管理対象外とされたことだけを理由に、直ちに所有者不明と扱わないようにします。([国土交通省研究所][3])
照会には、隣接地の地番、位置図、登記所の地図または地図に準ずる図面の写し、現況写真、確認したい区間を示した図を用意します。里道自体に地番や住居表示がないことも多いため、住所だけでは対象箇所を特定できない場合があります。屈曲点、分岐点、周辺道路、河川、建物などを示し、どの区間について確認したいのかを明確にします。
登記情報も確認します。道路状の区画に独立した地番が付いている場合は、登記事項証明書で名義、地目、原因日付などを確認します。ただし、地番がない、旧省庁名義が残っている、表示と管理実態が一致しないなど、登記情報だけでは判断できないこともあります。公図等と自治体の譲与図面、法定外公共財産図面、国有財産関係資料を照合することが必要です。
過去に境界確認が行われていないかも確認します。自治体や財務局等に、境界確定図、官民境界協議図、立会記録、測量図、決裁資料、用途廃止資料、売払いや交換に関する資料が残っている可能性があります。図面が見つかった場合は、対象区間、確定した点、未確定区間、作成年月日、座標系、基準点、関係者を確認します。
ここで注意したいのは、管理者が判明することと筆界位置が判明することは別だという点です。市区町村が所有・管理する里道であると分かっても、それだけで隣接民有地との境界線が確定するわけではありません。管理者を特定した後に、どの資料と現況を根拠として筆界を確認するかを整理します。
チェック2 公図や地籍図などの資料を重ねて読む
2つ目のチェックは、境界を検討する資料を集め、作成目的と精度の違いを理解したうえで照合することです。一つの図面だけで里道の位置や幅を判断するのは危険です。
最初に、登記所に備え付けられた地図または地図に準ずる図面を確認します。一般に公図と呼ばれる資料の中でも、現地復元性を備える地図と、土地の概略的な位置・形状を示す地図に準ずる図面では性質が異なります。対象地と里道の配列、屈曲、分岐、隣接地番、道路状区画の表現を確認しつつ、図面上の幅をそのまま現地幅員とみなさないようにします。
旧公図の着色が確認できる場合は、赤色で示された道路、青色で示された水路などの区分が手掛かりになります。ただし、着色は土地の沿革を知る資料であり、現在の管理者や正確な筆界位置を単独で証明するものではありません。白黒の写しでは着色の情報が失われていることもあるため、必要に応じて原図や管理機関の資料を確認します。
次に、隣接地の地積測量図を調べます。分筆、地積更正、土地表題登記などの際に提出された図面があれば、里道側の境界点、辺長、座標、方位、境界標識、作製年月日などを確認します。ただし、すべての土地に地積測量図があるわけではなく、古い図面は現在と測量方法や座標系が異なることがあります。図面が存在することと、そのまま現地復元できることは同じではありません。
自治体の法定外公共財産図面、譲与図面、道路台帳、境界確定図、土地境界確認書、公共事業の用地測量成果も確認対象です。道路改良、圃場整備、土地改良、河川改修、災害復旧などが行われた地域では、工事図面と用地境界図を分けて読みます。舗装や側溝の施工位置が変わっていても、用地の筆界は別の位置にある可能性があります。
過去の地籍調査成果が隣接地区にある場合は、地籍図、地籍簿、地籍測量成果、図根点成果との接続も検討します。地籍調査では境界点が座標で管理されるため、既存成果に接続できれば有力な資料になりますが、点番号、座標系、基準点、成果の認証範囲を確認する必要があります。
航空写真、オルソ画像、古い現況写真は、道形や利用状況の変化を把握する補助資料になります。以前は明瞭だった道が現在は草木に覆われている場合や、耕作地と一体化している場合には有用です。ただし、画像の撮影時期、解像度、位置ずれを考慮し、画像上の道路端をそのまま筆界にしないようにします。
集めた資料は、作成年月日、作成者、作成目的、縮尺、座標の有無、基準点、対象区間、原本か写しかを一覧化します。新しい資料が常に優先されるわけではなく、古い境界確定図に復元可能な座標があり、新しい管理図が概略図にとどまることもあります。
複数資料で里道の位置や幅が異なる場合は、どれか一つを選んで終わらせず、差の理由を検討します。図面の伸縮や転写、測量精度、道路工事、占用、耕作、塀の移設、地形変化などが原因として考えられます。立会前に差異を図面上で可視化すると、当日に確認すべき地点を絞りやすくなります。
チェック3 現地の道形と境界標識を確認する
3つ目のチェックは、立会前に現地を確認し、里道の形状、利用状況、境界標識、周辺構造物を記録することです。資料だけで筆界案を検討しても、現地との対応関係が分からなければ説明できません。
最初に、道路状の土地が現在どのように使われているかを確認します。徒歩、農作業車、山林管理、隣接地への進入などに利用されているか、長期間通行されていないかを観察します。ただし、短時間の観察だけで公共的機能の有無を断定しないようにします。季節的に利用される道や、見た目では通行が分からない管理道もあるため、管理者の資料や聞き取りと合わせて判断します。
現況幅は複数地点で測り、どこからどこまでを測ったかを記録します。舗装端、路肩、側溝の内側・外側、擁壁面、法肩、法尻など、基準とした位置を明示します。現況幅は資料照合のための情報であり、その数値だけで道路敷の幅や筆界を決めるものではありません。
境界標識も確認します。コンクリート杭、石杭、金属標、鋲、刻印、境界プレートなどを探し、形状、表示、破損、周辺状況を撮影します。草木や土砂に隠れていることがありますが、管理者や土地所有者の許可なく掘削、撤去、移動を行ってはいけません。
標識が見つかっても、直ちに正しい筆界点と断定しないことが重要です。工事で移設された標識、仮杭、測量作業用の点、所有者が独自に設置した目印である可能性があります。過去図面の標識種別、辺長、座標、隣接点との関係を確認します。
塀、フェンス、生け垣、畦、石積み、擁壁、側溝も記録します。これらは境界を意識して設置された可能性がある一方、境界から控えている場合や越えている場合もあります。特に側溝は、排水機能や施工条件から道路敷内、民有地内、境界上のいずれにも設置され得るため、外側が当然に境界だと考えないようにします。
里道が途中で消えているように見える区間にも注意します。庭、駐車場、農地、建物敷地と一体的に利用されていても、用途廃止、売払い、交換、払い下げなどの処理が完了しているとは限りません。長期間の使用だけで土地の表示や権利関係が自動的に変わるわけではないため、現況を記録して管理者に照会します。
写真は、周辺関係が分かる全景、境界候補点の近景、標識や構造物の詳細を分けて撮ります。撮影地点、方向、日時、点番号を現況図と対応させると、立会後の整理が容易になります。
GNSS測位や点群計測を使う場合も、取得データだけで筆界を決めないことが大切です。座標付き写真や点群は、標識、地形、構造物の位置関係を再確認するための補助記録として有効ですが、公式な地籍測量の方法、精度区分、点検、管理者との確認に置き換わるものではありません。
安全面も事前に確認します。急斜面、山林、河川沿い、交通のある区間では、立会参加者の進入経路、足元、草木、落石、車両などの危険を把握します。草刈りや枝払いが必要でも、所有者や管理者の了承なく実施しないようにします。
チェック4 立会関係者と確認事項を整理する
4つ目のチェックは、誰が確認に関与し、どの地点について何を確認するのかを整理することです。現在の地籍調査では、現地立会だけでなく、図面等を用いた調査や一定の要件を満たすみなし確認の手続きが用いられる場合があります。そのため、必要な参加者や確認方法は、調査実施者の通知と作業方法に従って確認します。欠席しただけで直ちに筆界未定になると決めつけることはできません。([地籍ポータル][4])
民有地側では、登記名義人、相続関係者、共有者、代理人の範囲を整理します。登記名義人が亡くなっている場合や共有地の場合は、誰から確認を得るかについて地籍調査担当部署の指示を受けます。代理人が対応する場合の委任状や本人確認書類も、自治体が示す様式と手続きに従います。
里道側では、市区町村の法定外公共物管理、公有財産、道路、土木などの担当部署を特定します。旧法定外公共物であれば財務局等、別所管の土地であれば該当機関との調整が必要です。現地に来た職員が境界確認の権限を持つか、庁内決裁や後日の書面確認が必要かも事前に確認します。
里道を挟んだ反対側の土地や、屈曲点・分岐点に接する土地の所有者も確認します。一つの点に複数の筆が接する場合、その点の扱いが周囲の筆界に影響します。対象区間だけでなく、点ごとの関係者を図面で整理します。
案内には、日時、集合場所、対象地番、確認区間、進入経路、安全上の注意、代理人手続き、持参資料を記載します。長い里道では、対象区間を位置図に明示し、どの地点から確認を始めるかを共有します。
当日に確認したい事項も事前に整理します。過去の立会記録の有無、境界標識の設置や移設、道路・側溝工事の時期、塀や擁壁の施工経緯、利用範囲が変わった時期などです。関係者の記憶は重要な情報ですが、それだけで筆界を決めず、誰が、いつ、どのような根拠で説明したかを記録します。
筆界候補が複数ある場合は、候補ごとの根拠を整理します。過去の境界確定図を復元した位置、現存標識の位置、現況構造物に沿う位置などを比較し、各案が周辺の辺長、道路幅、隣接筆とどのように整合するかを説明できるようにします。
立会当日に確認を進める手順
現地立会を行う場合は、最初に参加者の氏名、立場、対象地との関係、代理権、公共用地側の担当権限を確認します。調査区域、対象地番、対象区間、使用する資料も共有します。
次に、地籍調査の目的を説明します。確認するのは、現在の利用に合わせて新しい境界を作ることではなく、資料や現地情報をもとに既存の筆界の位置を調査することです。筆界と所有権の範囲が一致しないこともあり、通行や占用の問題は別の検討を要する場合があります。
公図等、地積測量図、公共財産図面、境界確定図、現況図を示し、現地の道路の曲がり、側溝、建物、電柱、標識などと対応させます。図面の縮尺、作製時期、座標の有無、対象範囲が違う場合は、その違いも説明します。
境界候補点では、既存標識、辺長、座標、構造物、地形、周囲の点とのつながりを順番に確認します。里道の片側だけでなく、可能な範囲で反対側の境界や道路全体の連続性も見ます。一点だけを局所的に合わせると、別区間で不自然な幅や折れが生じることがあります。
参加者から新しい資料や記憶が示された場合は、資料名、保管者、内容を記録します。その場で真偽を断定せず、既存資料や測量結果との整合を後で確認します。
認識が一致しても、許可なく恒久標を設置したり既存標を動かしたりしてはいけません。地籍調査の作業手順、測量、点検、公共用地管理者の内部手続きを経て正式な成果になるため、現地での一致と手続きの完了を区別します。
意見が一致しない場合は、反対者の氏名だけでなく、地点、主張する位置、根拠資料、所有権に関する主張か筆界に関する主張かを記録します。追加測量、資料照会、管理者協議、再確認のいずれが必要かを整理します。
所有者等が通知に反応しない場合でも、一定の要件のもとで、筆界案の送付、意見申出期間、到達確認などを経て確認を得たものとみなす制度が使われることがあります。ただし、この制度を適用するかは調査実施者の判断であり、すべての欠席や未回答に自動適用されるものではありません。([地籍ポータル][4])
終了時には、確認できた点、未確認点、追加資料、次の連絡方法、正式確認までの流れを共有します。結論が出なかった場合でも、何が不足しているかを明確にすることで次の協議を進めやすくなります。
里道境界で起こりやすい誤解と注意点
公図等に赤道が描かれていれば、現在の通路部分がそのまま公共用地だという考え方には注意が必要です。旧公図の表示は沿革と配列を把握する重要資料ですが、現地の正確な位置、幅、現在の所有者・管理者を単独で示すとは限りません。
舗装端や側溝外側が境界だという思い込みも避けます。構造物は施工性、排水、維持管理のために境界から離して設置されることがあります。改良工事で位置が変わった可能性もあるため、工事図面と用地境界資料を区別します。
塀、石積み、畦が長期間存在するから確定境界だとも限りません。所有者が境界から控えて設置した場合、正確な境界を確認せず設置した場合、補修で位置が変わった場合があります。設置時の図面や立会記録と照合します。
長年、隣接所有者が里道部分を使っていることだけで民有地になったと結論付けることもできません。占用、使用許可、用途廃止、売払い、交換、登記などの手続きが行われているかを管理者に確認します。反対に、現在使われていないから国または市区町村の財産ではないとも断定できません。
登記上の地目が公衆用道路であることと、法定外公共物であることも同じではありません。民間所有地でも地目が公衆用道路のことがあり、法定外公共物には地番がない場合もあります。地目、所有名義、法令上の位置付け、管理状況を分けて確認します。
里道境界と通行権も別の論点です。筆界が確認されても、誰がどのように通行できるかがすべて解決するとは限りません。地域住民が通行している事実だけで筆界が決まるわけでもありません。地籍調査では、まず調査対象の筆界を確認し、通行や占用の問題は必要に応じて別途整理します。
筆界は、土地が登記された際に区画するものとして定められた線で、当事者の合意だけで自由に変更できません。所有権の範囲を示す所有権界とは一致しない場合があります。地籍調査で解決できない筆界問題については、法務局の筆界特定制度などを検討することがあります。筆界特定は新しい筆界を作る制度ではなく、もともとあった筆界の位置または範囲を調査して明らかにする制度です。([法務省][5])
立会後に残す記録と次の対応
立会後は、写真、現況図、測量記録、聞き取り、資料を地点番号で関連付けます。時間が経つと、誰がどの地点で何を説明したかが曖昧になるため、できるだけ早く整理します。
記録には、日時、天候、参加者、立場、対象地番、確認区間、使用資料、境界候補点、標識の種類、関係者の説明、確認の有無、未確認事項を残します。意見が一致しなかった場合は、単に不調とせず、争点、根拠、追加調査を具体的に記録します。
測量した場合は、使用した基準点、座標系、測量方法、観測結果、点検結果を整理します。過去座標と差がある場合は、標識の移動、座標系の違い、基準点の変動、点番号の取り違え、計算条件などを確認します。
公共用地管理者の内部確認や境界確定手続きが必要な場合は、現地で認識が一致しても正式な処理が完了していないことがあります。地籍調査の成果作成と、管理者が行う官民境界確認、用途廃止、売払いなどを区別し、それぞれの完了時点を確認します。
追加資料を預かる場合は、提出日、提供者、原本または写し、返却予定、複写の可否を記録します。古い境界図や契約書は原本しか残っていないこともあるため、紛失や混同を防ぐ取扱いが必要です。
地籍図と地籍簿の案が作成された後は、通常20日間の閲覧期間が設けられ、誤り等がある場合は申し出ることができます。確認された成果は登記所へ送付され、登記簿の修正や地図の更新に用いられます。立会時の認識が図面と簿冊に正しく反映されているか、境界点だけでなく地番、地目、隣接関係なども確認します。([地籍ポータル][6])
里道上に塀、物置、排水施設などがあり、越境や無許可使用の可能性が判明しても、地籍調査の立会だけで撤去や権利処理まで決めることは避けます。筆界確認の結果を整理し、管理担当部署が必要な占用、是正、用途廃止、売払いなどの手続きを案内します。
建築、造成、塀の設置、出入口の整備、側溝工事などを予定している場合は、地籍調査とは別に管理者との協議や許可が必要になることがあります。境界が確認できたことと、工事が自由にできることは同じではありません。
まとめ 里道は資料と現地を分けずに確認する
地籍調査で里道に接する土地を確認するときは、現地に道があるか、公図等に赤道があるかだけで判断してはいけません。最初に、対象地が市区町村の所有・管理する法定外公共物、国が管理する旧法定外公共物、別所管の公共用地、私道のいずれに当たるかを資料で確認します。
次に、公図等、地積測量図、地籍調査成果、法定外公共財産図面、譲与図面、境界確定図、用地測量成果を集めます。作製目的、縮尺、座標、基準点、対象範囲を確認し、一つの資料だけで結論を出さないことが重要です。
現地では、道幅、通行状況、標識、側溝、擁壁、塀、石積み、地形を記録します。ただし、現在の道路端や構造物は筆界の候補資料であり、それ自体が筆界とは限りません。資料と現況の差を整理し、必要な関係者に説明できる状態にします。
立会前には、民有地側の所有者等、里道の管理担当、境界点に接する他の土地所有者、地籍調査実施者の役割を整理します。現地立会、図面等調査、みなし確認などの方法は実施主体の案内に従い、欠席や意見不一致だけで処理を決めつけないようにします。
里道のように細長く現況が変化しやすい土地では、写真、点番号、座標、現況図を対応させた記録が有効です。スマートフォン対応のGNSS測位機器を使えば、測点、位置情報付き写真、点群、メモなどを関連付けて保存できる場合があります。ただし、機器の記録は補助資料として扱い、地籍調査の正式な測量、精度管理、筆界確認手続きを省略しないことが前提です。
LRTK Phoneは、対応する端末、アプリ、利用環境の条件下で、測点座標、測位写真、点群、メモなどの現場記録とクラウド共有に活用できます。里道沿いの標識や構造物を再確認しやすい形で残したい場合は、調査実施者の作業方法と情報管理ルールに適合するかを確認したうえで活用を検討してください。([Lefixea Irtk][7])