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地籍調査の対象地が市街化調整区域なら?確認する5項目

地籍調査と市街化調整区域の関係を整理する

地籍調査の対象となる土地が市街化調整区域にある場合は、「筆界や面積を調べる手続」と「土地利用規制を調べる手続」を分けて考える必要があります。同じ土地に関する制度でも、目的と担当部署は異なります。

地籍調査は、国土調査法に基づき、主に市町村等が一筆ごとの土地について所有者、地番、地目を調査し、筆界の位置と面積を測量して、地籍図と地籍簿にまとめるものです。認証等を経た成果の写しは登記所へ送付され、登記記録や登記所備付地図の整備に利用されます。地籍情報ポータル+1

一方、市街化調整区域は都市計画法上の区域区分の一つで、市街化を抑制すべき区域とされています。開発行為には都市計画法第33条の技術基準に加え、第34条の立地基準が適用され、開発行為を伴わない建築物の新築、改築または用途変更についても、同法第43条の許可が問題となる場合があります。ただし、法令上の適用除外や許可不要の取扱いもあるため、市街化調整区域内の工事や建築がすべて一律に禁止されるわけではありません。国土交通省+2e-Gov 法令検索+2

したがって、地籍調査が実施されたからといって、市街化調整区域の指定が解除されたり、建築や造成が認められたりするわけではありません。反対に、市街化調整区域であることだけを理由に、通常の地籍調査の対象外となるものでもありません。

地籍調査で主に確認するのは、登記された一筆ごとの土地の筆界、地番、地目、面積などです。市街化調整区域に関する確認では、その土地で予定する造成、建築、用途変更などについて、都市計画法、自治体の条例・審査基準、関連法令に適合するかを検討します。

なお、「筆界」と「所有権界」は一致することが多いものの、同じとは限りません。筆界は登記された土地を区画する公法上の線で、所有者同士の合意だけで自由に動かせるものではありません。境界問題が所有権の範囲に関する争いである場合は、地籍調査だけで解決しないことがあります。法務局+1

この区別をしないまま進めると、「地籍調査で筆界を確認できれば建築できる」「登記地目が宅地なら住宅を建てられる」「以前から建物があるので同じ条件で自由に建て替えられる」といった誤解につながります。

実務では、地籍調査によって土地の位置、形状、面積、隣接関係を把握しながら、別途、市街化調整区域における開発や建築の条件を確認することが重要です。地籍調査の成果は土地利用を検討する基礎資料になりますが、土地利用の許可そのものではありません。

確認項目1 市街化調整区域の指定範囲と土地の位置

最初に確認したいのは、対象地が市街化調整区域内に含まれているか、また区域境界が土地のどこを通っているかという点です。売買資料、固定資産関係資料、民間の地図サービスだけで結論を出さず、自治体が管理する都市計画図、区域区分図、都市計画情報システムなどで確認します。

特に注意が必要なのは、一筆の一部だけが市街化調整区域に含まれるケースです。都市計画上の区域境界が一筆を横断している場合や、隣接地との近くを通っている場合は、地番だけでは正確な位置関係を判断できないことがあります。

都市計画図は規制の概況を確認する重要な資料ですが、通常、筆界を確認または証明するための図面ではありません。縮尺、精度、作成目的が異なるため、都市計画図の線と、公図、地積測量図、地籍図、現地の境界標を見た目だけで一致させないようにします。

地籍調査によって筆界の位置や土地の形状が従来より明確になれば、対象地と都市計画上の区域境界との関係を検討しやすくなる場合があります。ただし、地籍調査の実施主体が都市計画上の区域境界を変更するわけではありません。

区域境界付近の土地では、自治体の都市計画担当部署に対象地を示し、どの資料や手続で区域区分を判断するのか確認します。地番、住所、案内図だけでなく、公図、地積測量図、地籍調査の案内図、現況測量図などを用意すると、相談の前提を共有しやすくなります。

自治体のウェブ地図には「参考表示」「位置を証明するものではない」といった注意書きが付されていることがあります。建築や売買など重要な判断に使う場合は、窓口相談、証明・照会制度の有無、必要な図面を確認してください。許可の要否や区域の扱いは、図面と計画内容に基づく個別判断となるのが一般的です。川崎市公式サイト

また、市街化調整区域の指定状況だけでなく、都市計画道路、公園、都市施設、地区計画など、ほかの都市計画が重なっていないかも確認します。河川区域、砂防関係区域、災害リスクに関する指定など、都市計画法以外の規制が重なることもあります。

同じ市街化調整区域内でも、都市計画法第34条各号の類型、自治体の条例、開発審査会の基準、地区計画などによって、許可の検討条件は異なります。全国共通の一般論だけで利用可能性を断定しないことが大切です。国の運用指針も技術的助言であり、地域の実情に応じた自治体運用があり得ます。国土交通省+1

実務担当者は、地籍調査の対象範囲図と都市計画図を照合できるよう、対象地の地番、筆界の概略、区域境界、周辺道路を整理するとよいでしょう。境界線が近接している場合は、図面上の見た目だけで結論を出さず、自治体への照会内容と回答の前提を記録します。

電話や窓口で確認した場合は、担当部署、確認日、提示した図面、質問内容、回答の前提を残します。後日、分筆や事業計画の変更で前提が変われば、改めて確認が必要です。

確認項目2 地番・地目・筆界・現況利用の整合性

二つ目の確認項目は、登記上の情報、地籍調査で確認する筆界、現地の利用状況がどのような関係にあるかです。地番、地目、登記面積、登記名義人、土地の形状、隣接地、境界標、現況の利用範囲を整理します。

市街化調整区域では、農地、山林、雑種地、宅地などが混在している地域があります。現地では一体的に利用されていても、登記上は複数筆に分かれていたり、一部だけ名義人や権利関係が異なっていたりする場合があります。

反対に、登記上は一筆でも、現地では道路、水路、法面、農地、建物敷地などに分かれて利用されていることがあります。外見上の利用境界、占有範囲、所有権界、筆界を同じものとして扱わないことが重要です。

地籍調査で確認する筆界は、現在使用している範囲をそのまま測量するものではありません。公図、地積測量図、過去の境界資料、現地の境界標や地形、土地の成立経緯、関係者の認識などを踏まえて調査します。通常の一筆地調査では、関係する土地所有者等が筆界を確認し、その後に測量が行われます。地籍情報ポータル

長年畑として耕作している範囲が、登記上の一筆の範囲と一致するとは限りません。畦畔、農道、水路、擁壁、フェンス、樹木の列なども、必ず筆界を示すとは限りません。

関係者間で筆界を確認できず、客観的資料による調査もできない場合は、筆界未定として扱われることがあります。地籍調査の案内を受けたからといって、すべての筆界が必ず決まると断定しないようにします。国土交通省+2川崎市公式サイト+2

登記地目が宅地であっても、市街化調整区域における建築可能性を保証するものではありません。地目は不動産登記上の土地の主な用途を示す情報であり、都市計画法上の許可の要否や可否は別に判断されます。

同様に、登記地目が田や畑である土地について、地籍調査で筆界や面積を確認しただけで宅地利用が可能になるわけではありません。農地を農地以外に利用する場合は、農地法上の転用許可・届出の要否や、農業振興地域の農用地区域に該当するかなどを確認する必要があります。農林水産省+2農林水産省+2

現地に住宅、倉庫、作業場などがある場合は、建物の外壁や塀の位置だけでなく、建物がどの筆に建っているかを確認します。建物が複数筆にまたがる場合や、敷地として利用する範囲に他人名義の土地が含まれる場合は、建て替え、売買、相続、担保設定などに影響する可能性があります。

立会い前には、登記事項証明書、公図、地積測量図、過去の境界確認資料を確認し、現地と異なる点を整理します。資料同士で形状や辺長が大きく異なる場合は、その違いを地籍調査の担当者へ伝えられるようにします。

境界標がある場合は、その種類、位置、周辺状況を確認します。傾いている、移動した可能性がある、土砂や舗装で隠れている、工事で失われた可能性がある場合は、現状を写真で記録します。

写真は境界標の接写だけでなく、道路、水路、建物、電柱、樹木などとの位置関係が分かるものも残します。撮影日、撮影位置、方向を記録すると、立会い時や閲覧時の照合に役立ちます。

地籍調査で算出した面積が登記面積と異なる場合もあります。差の数値だけで得失を判断せず、筆界の根拠、測量方法、土地の形状、隣接地との関係を含めて確認することが重要です。

確認項目3 開発許可と建築物の許可履歴

三つ目の確認項目は、対象地に関する開発許可、都市計画法上の建築許可、建築確認、用途変更などの履歴です。これらは同じ手続ではないため、書類名と根拠法令を区別して確認します。

都市計画法上の開発行為とは、主として建築物の建築または特定工作物の建設を目的として行う土地の区画形質の変更をいいます。開発許可が必要な場合、市街化調整区域では第33条の技術基準と第34条の立地基準の両方が問題になります。国土交通省+1

一方、開発行為を伴わない場合でも、市街化調整区域のうち開発許可を受けた開発区域以外の区域では、建築物の新築、改築または用途変更に都市計画法第43条の許可が必要となる場合があります。適用除外や自治体の取扱いがあるため、工事内容と既存建物の状況を示して確認します。e-Gov 法令検索+1

対象地に建物があるという事実だけでは、どの用途で、どの敷地範囲を前提に、どの許可・確認を経て建築されたかは分かりません。現存建物が適法に建てられたものであっても、用途変更、増築、建て替え、敷地分割に別の手続や再確認が必要となることがあります。

まず、建物が建築された時期を確認します。区域区分が定められる前から存在する建物か、区域区分後に許可等を受けた建物かによって、調査する資料や自治体の扱いが変わる場合があります。

次に、建物の用途を確認します。住宅を店舗、事務所、宿泊施設などとして使う場合は、都市計画法上の用途変更のほか、建築基準法、消防法、旅館業法など別の法令が関係することがあります。市街化調整区域の既存建築物の用途変更には、許可が必要となる場合があります。国土交通省+1

許可時の敷地範囲と、現在利用している土地の範囲が一致しているかも確認します。地籍調査で筆界と面積が整理された結果、過去の許可図面で示された敷地と、現在認識している敷地に差が見つかることがあります。

例えば、過去の許可図面では一筆全体を敷地としていた後に分筆されている場合があります。反対に、複数筆を一体の敷地として許可を受けた後、その一部だけを売却しようとしている場合もあります。

このようなケースでは、所有権移転や分筆が登記上可能かという問題と、残る土地・建物が都市計画法や建築基準法上の条件を満たすかという問題を分けて検討します。登記手続ができることと、開発・建築の許可条件を満たすことは同じではありません。

確認資料としては、開発許可書・許可通知書、開発行為の検査済証、都市計画法第43条の許可書、建築確認済証、建築基準法上の検査済証、配置図、土地利用計画図、建物図面、用途変更関係書類などが考えられます。書類の正式名称や有無は、時期と自治体によって異なります。

所有者の手元に資料がない場合は、自治体の開発許可、建築指導、都市計画などの担当部署へ、閲覧・証明・台帳記載事項証明等の制度があるか確認します。保存期間や交付対象は自治体と資料の種類によって異なるため、必ず入手できるとは限りません。

地籍調査の立会いで、過去の許可内容まで判断してもらえるとは限りません。筆界に関する疑問は地籍調査の担当者へ、土地利用や許可に関する疑問は開発許可・建築指導等の担当部署へ照会します。

相談時は「建てられるか」だけでなく、新築、建て替え、増築、用途変更、造成、駐車場整備、資材置場への変更など、予定行為を具体的に伝えます。敷地範囲、建物用途、利用者、規模、造成の有無によって確認事項が変わります。

確認項目4 道路・農地・水路など周辺条件

四つ目の確認項目は、対象地に接する道路、水路、農地、公共用地、法面などの状況です。市街化調整区域では、筆界だけでなく、接道、排水、農地規制、インフラ整備の条件が土地利用に大きく影響します。

最初に道路との接続状況を確認します。現地で車両が通行していても、その道が建築基準法上の道路に該当するか、管理者は誰か、幅員はいくつか、敷地がどの範囲で接しているかは別途確認が必要です。名古屋市公式ウェブサイト+1

道路との間に側溝、法面、擁壁、植栽帯、水路などがある場合は、どこまでが対象地で、どこからが道路・水路用地なのかを確認します。舗装の端や側溝の縁が、そのまま筆界とは限りません。

地籍調査では、道路や水路などの公共用地と民有地との筆界を確認する機会があります。過去に官民境界の確認が行われている場合は、その図面や協議記録が重要な資料になります。

筆界の位置が把握できても、建築に必要な接道条件、開発許可の道路基準、乗入口設置の承認などを満たすとは限りません。境界確認と、道路法・建築基準法・都市計画法等の手続を分けて確認します。

農地が関係する場合は、登記地目だけでなく現況も確認し、農地法上の農地に該当するか、農用地区域に含まれるか、転用や除外の手続が必要かを農業委員会や農政担当部署へ相談します。開発許可の担当部署への相談だけで完結しないことがあります。農林水産省+1

対象地の一部が農地で、残りが宅地や雑種地の場合は、どの筆のどの範囲をどの用途に使うかを明確にします。地籍調査で筆ごとの位置と面積が整理されると、転用や造成を検討する範囲を把握しやすくなりますが、許可の可否は別途判断されます。

水路については、現に排水施設として使われているか、管理者は誰か、独立した地番があるか、占用や乗入れに許可が必要か、対象地からの排水を接続できるかを確認します。水が流れていないように見えても、無断で埋めたり通路化したりできるとは限りません。

農道、里道、法定外公共物など、現地の利用状況と登記表示だけでは管理関係が分かりにくい土地もあります。進入路として使う場合は、通行権限、幅員、管理者、工事や占用の可否を確認します。

上水道、下水道、電気、通信、雨水排水などの整備状況も確認します。市街化調整区域では、市街化区域と同じ条件で公共インフラを利用できるとは限りません。引込み距離、負担、放流先、施設能力などが事業計画に影響する場合があります。

既存の配管や排水経路が隣地を通る場合は、その位置と利用権限を確認します。長年使っているという事情だけで将来の利用が保証されるとは限らないため、売買や建て替えの前に図面と契約関係を整理します。

擁壁や法面がある場合は、構造物の位置、所有者、築造時期、許可・確認資料、維持管理の分担を確認します。擁壁が境界上、対象地内、隣地内のどこにあるかで、工事や補修の進め方が変わります。

山林や傾斜地を含む土地では、安全確保も重要です。急斜面、倒木、崩落箇所、河川、水路などがある場合は、立会い前に担当者へ伝え、無理に立ち入らず調査方法を相談します。

確認項目5 調査後の土地利用と手続の見通し

五つ目の確認項目は、地籍調査後に対象地をどのように利用する予定かです。目的が明確になると、立会いで特に確認したい筆界や、追加で集めるべき資料が見えてきます。

現在の用途のまま保有する土地と、売却、相続、分筆、合筆、建築、造成などを予定する土地では、必要な準備が異なります。計画が未確定でも、想定する選択肢を整理しておきます。

住宅の新築や建て替えを検討する場合は、建物用途、敷地範囲、接道状況、造成の有無、既存建物の許可履歴を確認します。市街化調整区域では、建物の用途だけでなく、立地理由、利用者、敷地の形成経緯などが許可判断に関係する場合があります。

事業所、倉庫、店舗、福祉施設、農林水産業関連施設なども、用途名だけで可否を判断できません。事業内容、規模、利用者、周辺環境、その場所に立地する必要性などを具体化して自治体へ相談します。

都市計画法第34条では、周辺居住者の日常生活に必要な施設、農林水産物の処理・貯蔵・加工施設、地区計画等に適合する開発など、許可対象となり得る類型が定められています。さらに条例や審査基準で条件が具体化されるため、他地域の事例だけで判断しないことが重要です。国土交通省

売却を予定する場合は、市街化調整区域であることに加え、建物の許可履歴、接道、農地の有無、上下水道、筆界確認の状況、筆界未定の有無などを整理します。「市街化調整区域の土地」という説明だけでは、買主は利用条件を判断できません。

既存建物がある土地を「建て替え可能」と表示する場合は、特に慎重な確認が必要です。建物が存在することと、同じ用途・規模・敷地条件で建て替えられることは同じではありません。自治体の担当部署から個別計画に対する確認を得ずに断定的な広告表現を使わないようにします。

分筆を予定する場合は、分筆後の各土地について、接道、敷地面積、既存建物との関係、許可を受けた開発区域・敷地範囲との整合を確認します。一体の敷地として許可を受けた土地を分割すると、残地の法適合性や許可条件に影響する可能性があります。

合筆を予定する場合も、所有者、地目、地番区域、抵当権など登記上の条件を確認するとともに、合筆後の土地利用計画を整理します。複数筆を一体利用していることだけで、希望どおり合筆できるとは限りません。

相続を予定する土地では、筆ごとの位置、面積、接道、利用状況、規制、収益性などを確認してから分割方法を検討します。面積だけで分けると、道路に接しない土地や、利用方法が大きく制限される土地が生じることがあります。

地籍調査の成果によって登記面積や形状が従前資料と変わる場合があります。相続、売買、融資、事業計画で面積条件が重要な場合は、地籍調査の進行状況、閲覧時期、成果が登記へ反映される時期を確認します。

現地立会いの場で建築や開発の可否を即断しないことも重要です。立会いでは筆界に関する確認を中心に行い、土地利用の可否は必要な資料と具体的計画をそろえて所管部署へ相談します。

地籍調査の立会い前に準備する資料

市街化調整区域内の土地について地籍調査の立会いを行う場合は、土地に関する資料を早めに整理します。資料が多ければ必ず筆界を判断できるわけではありませんが、土地の成立経緯や過去の確認内容を検討する手掛かりになります。

基本資料は、登記事項証明書、公図、地積測量図などです。古い測量図、境界確認書、筆界確認書、土地売買契約書、相続関係書類、工事図面、道路・水路との境界確認資料があれば、あわせて確認します。

土地取得時に前所有者から受け取った書類も見直します。名称だけで判断せず、対象地の地番、作成年月日、作成者、関係者、縮尺、境界点番号、座標の有無を確認します。

現地の境界標について過去の写真があれば、現在の状況と比較します。造成、舗装、擁壁工事、道路工事、災害、農地整備などで、境界標が埋没・亡失・移動している可能性があります。

建物がある場合は、配置図、求積図、建築確認関係図面、開発許可図面を確認します。建築時の図面は筆界を直接証明するとは限りませんが、当時どの範囲を敷地として計画したかを検討する資料になります。

開発許可を受けている場合は、開発区域、予定建築物、公共施設、敷地境界が記載された図面を確認します。現況、現在の筆界、許可当時の図面に差がある場合は、その経緯を整理します。

隣接土地所有者との間で境界に関する話合いをしたことがある場合は、合意書、覚書、立会記録、写真を確認します。ただし、所有者間の合意内容が直ちに筆界を変更するものではない点にも注意します。法務局

土地所有者本人が立会いに参加できない場合は、地籍調査の実施主体から届いた案内に従い、代理人、委任状、本人確認書類等の要否を確認します。自治体や調査方法によって取扱いが異なるため、自己判断せず案内窓口へ問い合わせます。

共有地の場合は、共有者の氏名、住所、持分、連絡状況を整理します。共有者の一人だけで対応できるとは限らないため、担当者と早めに相談します。

法人所有地では、現在の法人情報と登記名義を確認します。商号変更、合併、解散などがある場合は、権利承継や立会権限を示す資料が必要となることがあります。

現地立会いで確認したいポイント

現地立会いでは、対象地の地番、隣接地、確認対象となる筆界を最初に把握し、筆界点ごとに位置と根拠を確認します。説明を十分に理解しないまま署名・押印等を行わないようにします。

境界標がある場合は、標識の種類、設置時期、過去の図面との一致、移動の可能性を確認します。境界標がない場合は、どの資料、地形、地物、証言を参考に筆界案を検討しているか説明を受けます。

塀、フェンス、擁壁、側溝、畦畔、樹木などが境界付近にある場合は、それ自体が筆界なのか、筆界から離れて設置された構造物なのかを区別します。所有者や施工時期が分かれば、その情報も担当者へ伝えます。

道路や水路との境界では、公共用地管理者が確認する範囲と、民有地間で確認する範囲を整理します。舗装や側溝の見た目だけで判断せず、官民境界資料や既存測量成果との関係を確認します。

現地の利用範囲と示された筆界案が異なる場合は、その場で無理に結論を出す必要はありません。いつから現在の状態になっているか、過去の工事や利用経緯、追加確認できる資料があるかを説明し、今後の調査方法を相談します。

隣接土地所有者と認識が異なる場合も、感情的なやり取りを避けます。資料、現地状況、双方の認識を整理し、担当者へ伝えます。調査を尽くしても筆界を確認できない場合は、筆界未定となる可能性があります。必要に応じて、法務局の筆界特定制度や、弁護士・土地家屋調査士への相談も検討します。法務省+1

市街化調整区域に関する質問は、地籍調査担当者が回答できる範囲を確認します。区域指定、開発許可、建築許可、農地転用、接道などは別部署の所管となることがあるため、相談先を分けます。

立会い後は、確認した筆界点、保留事項、追加提出資料、次の連絡方法を記録します。土地全体と各筆界点の写真を、撮影日・位置・方向が分かる形で整理しておくと、共有者や担当者への説明に役立ちます。

地籍調査後に成果を確認する方法

地籍調査では、一筆地調査と地籍測量の結果を基に地籍図と地籍簿が作成されます。作成された成果は国土調査法に基づき閲覧に供され、通常の閲覧期間は20日間です。誤りがあると考える場合は、案内された方法と期間に従って申出を行います。地籍情報ポータル

閲覧時には、対象地の地番、所有者、地目、面積、形状、筆界点、隣接地との関係を確認します。現地立会いで確認した内容が、図面と簿冊にどのように反映されているかを見ます。

従来の公図や測量図と形状が異なる場合は、違いの理由を確認します。古い資料と数値が一致しないこと自体だけで誤りとは限りません。

面積が変わった場合は、増減値だけでなく、筆界点の位置と土地の形状を確認します。細長い土地、曲線状の道路に接する土地、傾斜地では、面積だけでは変更内容を理解しにくいことがあります。

所有者表示、地番、地目、筆界、面積に誤りがあると考える場合は、閲覧期間内に担当窓口へ具体的に申し出ます。閲覧後に成果が認証され、登記へ反映された後は、修正に別の手続が必要となる可能性があります。

成果の写しが登記所へ送付された後は、地籍簿を基に土地の表題部の登記事項等が改められ、地籍図が登記所備付地図として扱われます。ただし、地籍調査後の権利変動や個別事情などにより、成果の記載がそのまま全項目へ機械的に反映されるとは限りません。e-Gov 法令検索+1

登記への反映後は、必要に応じて登記事項証明書、地図証明書等を取得し、地番、地目、地積、図面の内容を確認します。

地籍調査の成果が登記へ反映されても、市街化調整区域の指定や許可基準が自動的に変わるわけではありません。土地利用を計画する場合は、最新の都市計画情報、自治体の条例・審査基準、関連法令を改めて確認します。

地籍調査前に開発や建築について相談していた場合は、調査後の地積、形状、接道部分を示して再相談します。当初の想定から敷地面積や造成範囲が変われば、計画や許可申請図面の見直しが必要となることがあります。

市街化調整区域で起こりやすい誤解

市街化調整区域について多い誤解の一つは、「建物を一切建てられない」というものです。市街化を抑制する区域として厳しい制限がありますが、都市計画法の適用除外に該当する場合や、法令・条例等の基準を満たして許可を受けられる場合があります。国土交通省

反対に、「申請すれば必ず許可される」という理解も誤りです。予定する行為が許容される類型に該当するか、技術基準を満たすかなどが個別に審査されます。

「登記地目が宅地なら建築できる」という理解にも注意が必要です。宅地という地目は都市計画法上の建築可能性を保証しません。過去に宅地利用されていても、新築、建て替え、用途変更に許可や確認が必要となることがあります。

「地籍調査で宅地として調査されれば建築できる」という理解も適切ではありません。地籍調査は所有者、地番、地目、筆界、面積等を調査する制度で、開発・建築を許可する制度ではありません。地籍情報ポータル

「現地に通れる道があるので接道に問題はない」とも限りません。通行できることと、建築基準法上の道路に接していること、開発許可上必要な道路条件を満たすことは別です。名古屋市公式ウェブサイト+1

「以前の所有者が使っていたので同じ用途で使える」とも限りません。過去の許可が特定の用途、利用者、敷地範囲、立地理由を前提としている場合、用途や利用主体の変更で新たな手続が必要となることがあります。

「土地を分筆すれば売却や建築がしやすくなる」とも限りません。分筆で接道しない土地が生じたり、既存建物の敷地条件や許可区域との整合が崩れたりする可能性があります。

「隣地所有者と合意すれば筆界を自由に動かせる」という理解も誤りです。所有権の範囲に関する合意と、登記上の筆界は区別する必要があります。筆界は所有者の合意だけで変更できません。法務局

実務では、筆界、所有権、登記、都市計画、農地、道路、建築、排水などを一つの窓口だけで解決しようとしないことが大切です。所管部署や専門家へ論点を分けて相談します。

まとめ

地籍調査の対象地が市街化調整区域にある場合は、地籍調査と土地利用規制を別の制度として整理することが重要です。地籍調査は、一筆ごとの土地について所有者、地番、地目を調査し、筆界の位置と面積を測量して地籍図・地籍簿を作るものです。地籍情報ポータル

一方、市街化調整区域では、都市計画法により開発行為や建築物の新築・改築・用途変更が制限されます。地籍調査で筆界と面積が明らかになっても、建築や造成が自動的に認められるわけではありません。

実務で確認したいのは、市街化調整区域の指定範囲と対象地の位置、地番・地目・筆界・現況利用の整合性、開発許可や建築物の許可履歴、道路・農地・水路などの周辺条件、地籍調査後の土地利用と手続の見通しという五つの項目です。

区域境界付近では、都市計画図と地籍図を同じ目的の図面として扱わず、自治体に判断資料と確認方法を照会します。登記地目が宅地であっても、市街化調整区域での建築可能性を保証するものではありません。

既存建物がある場合は、建築時期、用途、都市計画法上の許可、建築確認、許可・確認時の敷地範囲を確認します。道路や水路に接する土地では、現地の構造物だけで筆界や管理関係を判断せず、官民境界資料や管理者の記録を照合します。

立会い前には、登記関係資料、過去の測量図、境界確認資料、開発許可図面、建物配置図などを整理します。現地では、境界標、塀、擁壁、側溝、畦畔などが筆界と一致するかを一つずつ確認します。

成果の閲覧時には、面積だけでなく、形状、筆界点、隣接地、所有者表示、地目を確認します。そのうえで土地利用を予定する場合は、地籍調査後の図面と面積を使い、自治体の開発許可・建築指導・農政・道路等の担当部署へ改めて相談します。

本記事は一般的な制度整理です。許可の要否や土地利用の可否は、所在地、区域指定、既存建物の履歴、具体的な計画、自治体の条例・審査基準によって異なります。重要な売買、建築、造成、分筆等を行う前に、最新の公式資料を確認し、所管行政庁や土地家屋調査士、建築士、行政書士、弁護士など適切な専門家へ相談してください。

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