地籍調査で法定外公共物の確認が必要になる理由
対象地の隣に細い通路や水路状の土地がある場合、その部分が法定外公共物に該当する可能性があります。法定外公共物とは、一般に道路法、河川法などの公物管理法の適用または準用を受けない公共物をいい、代表例として里道や水路があります。地域によっては、旧公図での着色に由来して、里道を赤道、赤線、赤地、水路を青道、青線、青地などと呼ぶことがあります。ただし、農道、私道、土地改良施設、普通河川などは、それぞれ別の制度や権利関係で管理されていることがあるため、現地での呼び名だけで法定外公共物と判断してはいけません。([財務局][1])
地籍調査は、一筆ごとの土地について、所有者、地番、地目を調査し、境界と地積に関する測量を行って、地籍図と地籍簿を作成する調査です。したがって、対象地に法定外公共物が隣接するときは、民有地同士の境界だけでなく、公共用財産と民有地との境界についても、関係する所有者または管理者を確認しながら調査する必要があります。([地籍情報システム][2])
法定外公共物が関係する土地では、公図上の位置と現況の道路、水路、側溝、擁壁などが一致しないことがあります。公図に水路状の区画があるのに現地では埋められている場合や、現地の側溝が公図上の水路敷からずれている場合もあります。舗装端、コンクリート壁、石積み、フェンスなどは境界を検討する資料になりますが、それ自体が筆界であるとは限りません。
地籍調査における筆界の調査では、登記記録、登記所地図、附属書類、筆界特定手続の記録、地形や地物、慣習などの情報を総合的に考慮します。現地で目立つ構造物だけを根拠にするのではなく、資料と現況を対応させて判断することが重要です。
また、現在も公共的な機能を有する里道や水路と、機能を失った旧法定外公共物では、管理主体や手続きの窓口が異なることがあります。立会日を決める前に、対象部分の種類、公共的機能の有無、所有者、管理者、境界確認の方法を整理しておくことが、再調査や再協議を減らす基本です。
確認すべき点1 隣接地が本当に法定外公共物か確認する
最初に確認したいのは、対象地に接する細長い土地が、本当に法定外公共物なのかという点です。現地が通路や水路に見えても、認定道路、準用河川、普通河川、民有地内の私道、土地改良区などが管理する施設、行政が地番を取得した公共用地である可能性があります。
まず、対象地と周辺を含む公図を確認します。対象地の脇に細長い無地番の区画や二本線で表された帯状部分があれば、里道や水路の可能性があります。ただし、無地番であることだけで法定外公共物と断定することはできません。逆に、地番が付いている公共用地もあるため、地番の有無は一つの確認材料として扱います。
古い公図では里道が赤色、水路が青色で示されたことから、赤道や青道という呼称が残っていますが、現在取得できる公図の写しに着色が残っているとは限りません。色の有無ではなく、区画の形状、前後への連続、周辺地番との関係を確認します。([財務局][1])
里道が疑われる場合は、公道、集落、農地、山林、墓地などへのつながりを確認します。通行の痕跡、階段、門の向き、わだち、舗装、石積みなどは参考になりますが、公共性や所有関係を単独で証明するものではありません。
水路が疑われる場合は、上流と下流、取水口、排水先、集水桝、管渠、吐口などを確認します。調査時に水が流れていなくても、農繁期だけ使う用水路や、降雨時に機能する排水路である可能性があります。反対に、水が流れていても、その敷地が法定外公共物とは限りません。
現地と公図が食い違う場合は、施設が移設されたのか、公図の精度や作成経緯に由来するのか、別の土地に施設が設置されているのかを分けて考えます。現況施設の位置へ公図上の公共用地を機械的に移すことはできません。
行政への照会では、対象地番、公図、位置図、現況写真を用意し、対象区間を明確に示します。「北側の水路」などの曖昧な説明では、別の施設と取り違えるおそれがあります。最初から法定外公共物と断定せず、「法定外公共物の可能性がある細長い土地」として管理資料の有無を確認する方法が安全です。
確認すべき点2 所有者と管理者を特定する
法定外公共物である可能性が高いと分かったら、所有者と管理者を確認します。法定外公共物は、全国一律に同じ機関が所有し、同じ部署が管理しているわけではありません。
地方分権に伴う制度では、現に公共の用に供されていた里道や水路について、市町村への譲与が進められ、機能管理と財産管理を市町村の事務とする方針が示されました。一方、公共的な用途に使われていない旧法定外公共物は、財務局や財務事務所が管理するものがあります。したがって、「里道や水路は必ず市町村所有」「使われていないから所有者がいない」という理解はいずれも不正確です。([財務省][3])
実務では、まず対象地の市区町村に照会し、法定外公共物の管理台帳や譲与関係資料の有無を確認します。市区町村が管理対象ではないと回答した場合は、機能を失った旧法定外公共物として財務局の所管になっていないか、都道府県や別の公共団体が関係していないかを確認します。
自治体内でも、財産管理、道路、水路、河川、農林、土地改良などの担当が分かれている場合があります。土地の所有部署、施設の機能を維持する部署、境界確認を担当する部署が一致しないこともあります。
地域の水利組合、農区、町内会などが清掃や草刈りを行っていても、その団体が土地所有者であるとは限らず、境界確認の権限を持つとも限りません。日常的な維持管理者と、財産上の境界について意思確認を行う主体を区別します。
照会時には、担当部署名だけでなく、対象区間が管理台帳に記録されているか、境界確認を地籍調査の工程内で行うのか、別途申請が必要か、必要書類は何かを確認します。自治体によっては、法定外公共物との境界確定について個別の申請手続きを設けています。([仙台市公式ウェブサイト][4])
問い合わせの経緯は、連絡日、担当部署、回答者、提示した資料、回答内容、次の照会先まで記録します。口頭回答だけで終えると、担当者の異動や調査期間の長期化により、管理主体を確認した根拠が分からなくなることがあります。
確認すべき点3 公図や管理図面などの資料を照合する
法定外公共物との境界を検討するときは、公図だけで結論を出さず、複数の資料を照合します。公図は土地の配列やおおまかな形状を確認する重要資料ですが、作成時期や地域によっては、現地復元性や縮尺精度が十分でない場合があります。
公図は対象地に接する部分だけでなく、里道や水路の前後を含む範囲で取得します。細長い公共用地は連続性が重要であり、道路との交点、上流と下流、曲がり点、終点まで見ることで、対象区間の位置関係を把握しやすくなります。
登記事項証明書では、対象地と周辺地の所有者、地目、分筆や合筆などの履歴を確認します。地積測量図が備え付けられている場合は、作成年月日、作成目的、辺長、座標値、境界標、隣接地番、基準点を確認します。図面が新しいという理由だけで、法定外公共物との境界が確定済みとは判断できません。
過去に境界確認が行われていれば、境界確定図、境界確認図、道路境界図、水路境界図、協議書、立会記録、座標一覧などが残っている可能性があります。図面名は自治体や管理者によって異なるため、名称を限定せず、対象区間に関する境界資料の有無を尋ねます。
管理者側の資料としては、法定外公共物管理台帳、譲与図面、公共用財産位置図、道路台帳、水路台帳、改修工事図面などが考えられます。ただし、管理図面の幅員が公共用地全体の幅なのか、通行可能部分の幅なのか、水路の内幅なのか、構造物の外幅なのかは、資料の定義を確認しなければ分かりません。
工事図面も有力な参考資料ですが、施設施工を目的とする図面であり、土地境界の確定を目的としていないことがあります。舗装端や側溝位置が記載されていても、筆界と一致するとは限りません。
古い航空写真、地形図、換地図、土地改良事業の確定図、区画整理関係資料、道路改良や河川改修の図面も、旧位置や土地の成り立ちを確認する材料になります。特に、暗渠化、付け替え、造成、換地が行われた地域では、事業前後の資料を区別して整理します。
資料同士が一致しないときは、作成年月日、作成目的、測量方法、座標系、基準点、縮尺、現地との整合性を比較します。古い公図を拡大して現況図へ重ねただけで、数センチ単位の境界位置を決めることはできません。
調査に使用した資料は、名称、取得先、取得日、版、縮尺、対象範囲を記録します。複数の版があるときは、立会や図面等調査でどの資料を提示したのか追跡できるようにします。
確認すべき点4 現況の道路、水路、構造物を確認する
資料調査と並行して、現況を詳しく確認します。目的は、見た目だけで境界を決めることではなく、資料に描かれた公共用地と、現在の道路、水路、構造物、境界標との対応関係を把握することです。
里道の場合は、現在の通行状況、前後への連続、住宅や農地への進入機能、途中の閉塞、舗装や階段の有無を確認します。未舗装でも公共的に使われていることがあり、舗装されていても私道や敷地内通路であることがあります。
水路の場合は、水の流れ、上流と下流、護岸、側壁、底面、暗渠、桝、排水管、取水施設などを確認します。暗渠化された水路では、地表の蓋や桝の位置が公共用地の中心とは限りません。改修により流路が寄せられたり、別の位置へ付け替えられたりしている可能性があります。
舗装端、水路壁、側溝、擁壁、石積み、塀、フェンス、法面の裾などは、占有や利用の経緯を読み取る手掛かりです。しかし、施工性のために敷地内へ控えて設置された構造物や、隣地へ越境した構造物もあり得るため、その端をそのまま筆界と扱わないようにします。
境界標が見つかった場合は、種類、刻印、状態、傾き、周辺工事の痕跡を記録します。コンクリート杭、金属標、鋲、石杭、プレートなどがあっても、今回調査する筆界点を示す標識かどうかは、過去の図面、座標、辺長、周辺点との整合で確認します。
対象部分が庭、駐車場、資材置場、農地などとして一体利用されていても、長年の利用だけで公共用地が民有地へ変わるわけではありません。反対に、公図上の里道や水路と別の位置に、現在の通路や排水施設がある場合もあります。
橋、通路板、排水管、門扉、階段、擁壁などが公共用地上にあるときは、使用許可、工事承認、占用に類する手続きの有無を管理者へ確認します。自治体によっては、法定外公共物の使用や工事、境界確定について個別の許可や申請を求めています。([仙台市公式ウェブサイト][4])
写真は、対象地の全景、里道や水路の両方向、道路との接続、上流と下流、境界標、構造物、占用物を体系的に撮影します。接写だけでなく、周辺との位置関係が分かる写真を残し、撮影位置と方向を平面図や現地メモに対応させます。
現況測量を行う場合は、使用した基準点、座標系、測地基準、観測方法を記録します。過去の座標成果と比較するときは、座標系や測地成果の時期が同じかを確認します。
確認すべき点5 立会者と境界確認の手続きを整理する
法定外公共物の種類、管理主体、資料、現況を整理したら、境界確認に必要な関係者と手続きを確認します。公共用財産との境界について、隣接する民有地所有者だけで確認を完結させるのは適切ではありません。公共用財産の所有者または権限を持つ管理者を、実施主体の手続きに従って関与させる必要があります。
ただし、現在の地籍調査では、すべての案件で全員が現地へ集まる方法だけが認められているわけではありません。図面や写真を用いる図面等調査が利用されることがあり、一定の要件の下では、通知に反応しない所有者等について、筆界案の公告を経るみなし確認制度もあります。したがって、「必ず現地立会が必要」と一律に説明せず、実施主体が採用する調査方法を確認します。
自治体によっては、地籍調査の工程内で公共物管理者の確認を得る場合もあれば、個別の境界確定申請や境界協議を先行させる場合もあります。申請者、提出書類、測量図の要件、隣接者の範囲、処理順序は管理者ごとに異なるため、一般的な官民境界確認の経験だけで進めないことが大切です。([仙台市公式ウェブサイト][4])
確認対象の範囲は、図面上で起点、終点、曲がり点、接続点を明確にします。里道や水路は細長く連続するため、対象地の正面部分だけでは方向を判断できないことがあります。前後の既知点や道路との交点も含めて検討します。
境界候補を提示するときは、公図、登記資料、過去の境界図、既存標識、座標、現況構造物、前後の筆界点など、位置を考えた根拠を説明できるようにします。「側溝の外側だから」「昔からそう言われているから」という理由だけでは不十分です。
筆界の確認と、通行、排水、水利用、占用、越境、構造物の維持管理は分けて整理します。利用上の合意や使用許可があっても、それだけで筆界が移動するわけではありません。地籍調査は、将来の利用に合わせて新しい筆界を任意に創設する手続きではなく、既存の筆界を調査するものです。([国土交通省][5])
意見が一致しない場合や資料が不足する場合は、その場で無理に結論を出さず、争点を記録します。必要に応じて追加調査、再協議、筆界特定手続などの検討が必要になることがあります。
共有地、相続未登記、代理人参加の場合は、誰が確認に関与できるかを実施主体へ確認します。行政側についても、維持管理担当者と財産境界の確認権限を持つ担当者が異なる場合があります。
確認結果は、確認日、方法、参加者または確認者、対象区間、使用資料、境界点、標識、未確認事項を記録します。仮杭を設置した場合は、恒久的な境界標と混同しないよう、座標や固定物からの距離を残します。
法定外公共物の境界で起こりやすい問題
よくある誤解の一つが、「法定外なので所有者がいない」という理解です。法定外とは、道路法や河川法などの適用または準用を受けないという意味であり、無主の土地という意味ではありません。現在も機能する法定外公共物は市町村が管理するものがあり、機能を失った旧法定外公共物は財務局が管理するものがあります。([財務局][1])
「地番がないから土地ではない」「現在使われていないから隣接地へ含められる」という考えも危険です。公図上で無地番に見えても公共用財産である場合があり、機能を失っていても、用途廃止、境界確定、売払いなどの手続きを経ずに民有地として扱うことはできません。
「舗装端や水路壁が境界」という思い込みにも注意が必要です。構造物は有力な資料になり得ますが、筆界上に施工された保証はありません。公共工事の構造物が公共用地内へ控えて設置されることも、民有地側の工作物が公共用地へ越境することも考えられます。
「公図を現況図に重ねれば位置が決まる」という考えも適切ではありません。公図の作成時期、精度、縮尺、変形を確認せず、画像の拡大縮小だけで境界を決めることはできません。
「関係者が合意すれば筆界を自由に動かせる」という理解も誤りです。筆界と所有権界、利用境界、占用範囲は同じとは限りません。境界付近の工作物や利用上の問題は、筆界の調査と分けて解決方法を検討します。
法定外公共物の機能が失われているように見えても、用途廃止の可否は管理者が、通行、排水、代替施設、埋設物、周辺への影響などを確認して判断します。自治体によっては、境界確定後に用途廃止と売払いの手続きを進める運用があります。([仙台市公式ウェブサイト][4])
地籍調査を円滑に進める事前準備
最初に、対象地の所在、地番、所有者、地目、地積を整理し、周辺の公図を取得します。細長い無地番地、道路状の区画、水路状の区画に印を付け、照会対象を明確にします。
次に、現地の予備確認を行い、通行や流水の状況、接続先、構造物、境界標、占用物を記録します。この段階では境界を決定せず、管理者への照会と資料収集に必要な情報を集めます。
公図、位置図、現況写真を用意して市区町村へ問い合わせ、管理台帳、譲与資料、境界資料の有無を確認します。市区町村の管理対象でなければ、回答内容を踏まえて財務局などの所管を確認します。
登記事項、地積測量図、過去の境界確定図、道路や水路の台帳、工事図面、航空写真などを収集し、作成時期と目的を整理します。資料が多いほど、取得先、版、対象範囲を一覧化することが重要です。
現況測量では、既存境界標だけでなく、側溝、水路壁、擁壁、舗装端、法面、桝、占用物も測定すると、管理図面との比較がしやすくなります。
資料と現地が食い違う場合は、どの位置がどの資料に基づくのかを図面上で区別します。境界候補が複数ある場合は、それぞれの根拠と不足資料を整理し、追加調査の課題を明確にします。
対象地所有者には、法定外公共物の管理者確認が必要であること、通常の民有地間の確認より手続きに時間を要する場合があることを説明します。日程を先に固定するのではなく、管理者の手続きと必要資料を確認してから調整します。
立会当日に確認したい実務上の注意点
現地立会を行う場合は、参加者の氏名、所属、立場、代理権の範囲を確認します。対象地所有者、隣接地所有者、公共物管理者、代理人が、どの範囲について確認する立場なのかを記録します。
最初に、確認対象の境界線、起点、終点、曲がり点を全員で共有します。対象地に接する一辺全部なのか、一部区間なのかを明確にします。
使用する図面は、図面名、作成年月日、版、縮尺を確認します。参加者が別の資料を持参した場合は、作成経緯を確認し、写真や写しを残せるか検討します。
境界標がある場合は、種類、刻印、状態、周辺との関係を確認します。標識が動いている可能性や、工事後に復元された可能性があるときは、その場で確定標として扱わず、座標や過去資料を照合します。
構造物を境界の参考にする場合は、設置者、設置時期、工事図面、施工目的を確認します。参加者から昔の通行、水路改修、造成に関する説明があった場合は、伝聞と確認済み資料を区別して記録します。
意見が一致しないときは、位置の差、主張の根拠、追加で確認する資料を具体的に整理します。一部区間だけ確認できた場合は、境界線全体が確認済みであるかのような記録を残さないようにします。
写真は、境界点の接写だけでなく、参加者が確認した範囲、前後の線形、周辺構造物との位置関係が分かるように撮影します。個人情報の取扱いは、地籍調査の実施主体や管理者の運用に従います。
地籍調査後に必要となる可能性がある手続き
地籍調査で筆界を確認しても、占用、越境、用途廃止、売払いなどが自動的に解決するわけではありません。
橋、排水管、擁壁、通路板などが法定外公共物上にある場合は、管理者の条例や規則に基づく使用許可、工事承認などが必要になることがあります。既存物についても、許可記録の有無や今後の取扱いを確認します。([仙台市公式ウェブサイト][4])
公共的な機能を失った法定外公共物を取得したい場合は、用途廃止や売払いの手続きが必要になることがあります。境界を確認したことと、公共用地の所有権を取得することは別です。国が管理する旧法定外公共物については、財務局への境界確定や購入手続きが必要となる場合があります。([財務局][1])
現況の道路や水路が公図上の位置からずれている場合は、筆界を現況施設へ単純に合わせるのではなく、施設の移設、土地の交換、付け替え、用途廃止などを管理者と協議する場合があります。
越境物がある場合は、筆界の確認結果を前提として、撤去、移設、使用承諾、維持管理などを別途協議します。地籍調査だけで私法上の紛争や施設管理上の問題がすべて解決するとは限りません。
地籍調査の成果は、地籍図と地籍簿として取りまとめられ、閲覧などの工程を経て登記所へ送付されます。現地調査の直後に登記記録や地図が更新されるわけではないため、売買、造成、建築を予定している場合は、成果がどの段階にあるかを実施主体へ確認します。([地籍情報システム][6])
まとめ
地籍調査の対象地に法定外公共物が隣接している場合は、現地で道路や水路に見える部分だけを確認するのではなく、公共物の種類、公共的機能の有無、所有者、管理者、資料上の位置、現在の利用状況を総合的に整理する必要があります。
一つ目の確認点は、隣接する土地が本当に法定外公共物なのかを確認することです。公図上の形状、前後への連続、現況の通行や流水を調べ、外観や地域での呼び方だけで判断しないようにします。
二つ目は、所有者と管理者の特定です。現在も機能する里道や水路には市区町村が管理するものがあり、機能を失った旧法定外公共物には財務局が管理するものがあります。日常的な維持管理者と、財産境界の確認権限を持つ主体が異なる場合にも注意が必要です。
三つ目は、公図、登記事項、地積測量図、管理台帳、過去の境界資料、工事図面などを照合することです。一つの図面だけを根拠にせず、作成時期、目的、精度、現地との整合性を確認します。
四つ目は、現況の道路、水路、構造物を詳しく確認することです。舗装端、側溝、水路壁、擁壁、塀などは参考になりますが、それ自体が筆界であるとは限りません。
五つ目は、公共物の所有者または権限を持つ管理者を確認し、実施主体が採用する境界調査の方法を整理することです。現地立会、図面等調査、個別の境界確定協議など、必要な方法は案件と管理者によって異なります。
法定外公共物が関係する地籍調査では、資料名、取得先、確認者、写真、測量座標、未確認事項を一つの記録体系で管理することが重要です。断定を急がず、地籍調査の実施主体、公共物の管理者、必要に応じて土地家屋調査士などの専門家へ確認しながら進めることで、再立会や成果修正のリスクを抑えやすくなります。