LRTKレフィクシア株式会社

地籍調査で土地が区分所有建物の敷地なら?確認4点

区分所有建物の敷地で地籍調査が複雑になりやすい理由

分譲マンションや区分所有型の店舗、事務所、複合施設では、土地と建物の権利関係が一対一になっていないことがあります。一筆の土地を多数の区分所有者が共有している場合もあれば、建物が所在する土地のほかに、庭、通路、駐車場などの別筆が建物の敷地として扱われている場合もあります。

区分所有建物を所有するための敷地に関する権利は、所有権に限られません。地上権や賃借権などが敷地利用権となることもあります。また、専有部分と分離して処分できない敷地利用権が登記上の敷地権として記録されている建物と、区分建物の所有権とは別に土地の共有持分が登記されている建物があります。

そのため、「マンションの土地だから管理組合だけで判断できる」「区分所有者全員が必ず同じ日時に現地へ集まる必要がある」と一律に考えるのは適切ではありません。誰が地籍調査に対応できるかは、土地の登記名義、敷地利用権の内容、管理規約、決議や委任の有無、地籍調査の実施主体が求める確認方法によって変わります。

さらに、日常的に一体利用している範囲と、登記上の一筆の範囲は同じとは限りません。敷地内に見える駐車場が別筆であったり、少し離れた通路や駐車場が規約によって建物の敷地とされていたりすることがあります。地籍調査は一筆ごとの土地について、所有者、地番、地目、筆界、地積などを調査するため、施設全体の外周だけを見ていると対象地を取り違えるおそれがあります。

ここで注意したいのは、地籍調査で確認する筆界と、塀や舗装の端、専用使用部分の区画、日常の管理範囲が同じとは限らないことです。筆界は登記された土地同士を区画する公法上の線であり、当事者が現地で自由に動かして新しく決めるものではありません。既存資料や現地の状況を基に調査し、確認できない場合には筆界未定として扱われることもあります。

区分所有者数が多い建物では、通知の共有、資料収集、内部手続き、現地参加者の選定に時間がかかります。地籍調査の通知を受け取った段階で、対象地番、土地と建物の関係、連絡窓口、保管資料、現地状況を整理し、実施主体へ早めに相談することが重要です。

確認1 土地と建物の登記関係を整理する

最初に確認したいのは、地籍調査の対象となる土地と区分所有建物が、登記上どのように結び付いているかです。土地の登記事項だけでは、各専有部分との関係を十分に把握できない場合があります。土地と区分建物の登記事項証明書、登記所備付けの地図または地図に準ずる図面、必要に応じて地積測量図などを確認します。

土地側では、所在、地番、地目、地積、所有者、共有持分を確認します。所有権以外の権利が敷地利用に関係している場合もあるため、地上権や賃借権などの登記の有無にも目を通します。ただし、登記記録だけで契約関係の全てが分かるとは限らないため、借地契約書、使用契約書、承諾書などが保管されていれば併せて確認します。

建物側では、一棟の建物の所在や構造、各専有部分の家屋番号に加え、敷地権の目的である土地の表示、敷地権の種類、敷地権の割合などを確認します。敷地権の目的となる土地が複数筆ある場合は、地籍調査の対象区域にどの筆が含まれているかを一筆ずつ照合します。

敷地利用権と敷地権は同じ意味ではありません。敷地利用権は専有部分を所有するための敷地に関する権利を指し、そのうち専有部分と分離して処分できないものとして登記された権利が、登記上の敷地権として扱われます。記事や内部資料で両者を混同すると、必要な確認先や書類を誤る可能性があります。

古い区分所有建物などでは、敷地権の登記がなく、専有部分の所有権と土地の共有持分が別々に登記されていることがあります。その場合は、土地の共有者と現在の区分所有者が対応しているかを確認します。売買や相続の後に土地持分の名義変更が完了していないと、通知先や確認を求められる関係者が現在の利用実態と一致しないことがあります。

登記名義人が死亡している、法人の合併や商号変更がある、住所移転が反映されていないなどの事情がある場合は、管理会社や居住者だけで対応方針を決めないほうが安全です。地籍調査の実施主体へ事情を説明し、相続関係を示す資料、法人の承継関係を示す資料、委任状など、どの書類が必要かを確認します。

「マンション敷地」という一つの名称で管理されていても、登記上は複数筆に分かれていることがあります。建物が所在する土地、車路、平面駐車場、機械式駐車場の敷地、集会施設用地、ごみ置場、植栽帯、私道持分などが別の地番になっている例です。

地籍調査の対象区域に、これら全ての土地が含まれるとは限りません。建物が所在する土地だけが対象で、駐車場や通路は対象区域外という場合もあります。反対に、建物所在土地と附属施設用地が同時に対象となる場合もあります。通知書に記載された地番と、登記資料、管理規約、配置図を照合してください。

登記地積、管理規約に記載された敷地面積、売買時の資料、固定資産関係資料などで数値が異なることもあります。ただし、数値の違いだけで誤りと決めつけることはできません。対象範囲、作成時期、測量方法、端数処理が異なる可能性があるため、各資料がどの土地をどの基準で表しているかを確認します。

地籍調査で測量されるのは、施設全体のおおよその面積ではなく、一筆ごとの筆界を基に計算される地積です。現地参加者が管理規約や販売時のパンフレットだけを持参するのではなく、対象地番ごとの位置関係が分かる資料を準備することが重要です。

確認2 誰が対応方針を決めて調査に参加するか確認する

区分所有建物の敷地では、地籍調査の通知を受け取る人、土地の登記名義人、建物を日常管理する人、管理組合の意思決定を担う人が異なることがあります。そのため、通知の受領者だけで判断せず、誰が資料を集め、誰が実施主体と連絡し、誰が現地調査や図面等による確認に参加し、誰が区分所有者へ報告するかを整理します。

土地が多数の区分所有者の共有である場合でも、全共有者が必ず同じ場所へ集合するとは限りません。地籍調査では、現地立会いのほか、条件に応じて図面等を用いた確認が行われることもあります。代理人による対応の可否や必要書類も含め、通知書の案内と実施主体の運用を確認する必要があります。

管理組合には、管理者、理事長、理事などが置かれていることがあります。管理業務を外部の管理受託者へ委託している建物もあります。しかし、日常の管理業務を担当していることと、土地所有者を代理して筆界確認に対応できることは別の問題です。

管理受託者は、過去の図面や工事記録を保管し、現地設備を把握し、区分所有者への連絡を補助できる場合があります。一方で、土地の権利者ではなく、境界に関する判断権限を当然に持つわけではありません。現地へ同行する場合も、資料説明、鍵の開錠、安全管理、設備案内など、担当できる範囲を明確にします。

管理規約では、敷地、共用部分、附属施設、管理組合の業務、管理者の権限、集会や理事会の決議事項などが定められています。地籍調査という名称の条項がなくても、敷地の管理や権利保全に関する規定から、必要な内部手続きを検討できる場合があります。

ただし、既存資料を提出して筆界の調査に協力することと、土地の一部を処分すること、隣地との間で新たな使用関係を設定すること、越境に関する和解を行うことは同じではありません。対応内容によって必要な権限や決議が変わるため、地籍調査の場で別の法律行為まで安易に約束しないことが大切です。

実務では、まず通知内容、対象地番、期限、予定されている確認方法を整理します。そのうえで、登記関係と管理規約を確認し、管理組合として誰を窓口にするかを決めます。代表者が参加する場合は、その役職や選任状況、委任の範囲を説明できる資料を準備します。

総会議事録、理事会議事録、管理規約、委任状、代表者資格を示す書類などが候補になりますが、必要書類は一律ではありません。実施主体が指定する様式や本人確認方法があることも考えられるため、独自の判断で書類を作る前に担当窓口へ確認します。

区分所有者への周知では、単に立会日時を知らせるだけでなく、対象地番、確認予定の筆界、管理組合が保管する主な資料、対応者、成果閲覧の予定などを伝えます。通知が一部の区分所有者だけに届いた場合も、共用の敷地に関係する可能性があれば、管理者や役員へ共有します。

専用庭、専用駐車場、店舗前面、住戸に付随する通路など、専用使用部分の近くに筆界がある場合は、使用者が改修履歴や境界標の位置を知っていることがあります。現地情報を集めるうえでは有益ですが、専用使用権があることだけを理由に、その使用者が筆界を単独で確認できるとは限りません。

内部で見解が分かれている場合や、過去資料と現地が一致しない場合は、現地調査の日までに結論を急がず、未確認事項を一覧化して実施主体へ伝えます。必要に応じて、土地家屋調査士、弁護士、司法書士など、問題の内容に対応できる専門家へ相談します。

確認3 敷地の範囲と現地利用の違いを確認する

三つ目の確認点は、登記上の土地、区分所有法や管理規約上の敷地、日常的な管理範囲、専用使用部分を分けて把握することです。

現地では、建物、駐車場、駐輪場、車路、植栽、ごみ置場などが一体的に整備されているため、全てが同じ一筆に含まれているように見えることがあります。しかし、登記上は複数筆であったり、一部が借地であったり、通行や設備利用のための権利だけが設定されていたりする場合があります。

建物が所在する土地は区分所有建物の法定敷地となります。これとは別に、建物と一体として管理または使用する庭、通路、駐車場などを規約によって敷地とする場合があります。規約上は同じ建物の敷地であっても、地籍調査では各土地の地番と筆界を個別に確認します。

まず、建物配置図と各筆の位置関係を確認します。建物の外壁、庇、バルコニー、外階段、スロープ、受水槽、機械設備、避難経路などが筆界に近い場合は、図面上の距離だけでなく、どの基準点から作図された図面なのかも確認します。

建築物が境界付近に見えるからといって、直ちに越境しているとは判断できません。古い図面の精度が十分でない場合、改修後の現況が反映されていない場合、図面の縮尺や印刷状態に誤差がある場合もあります。簡易な巻尺測定だけで結論を出さず、測量資料と現地の境界標を照合します。

塀、フェンス、擁壁、側溝、縁石、舗装の切れ目、植栽列なども、必ずしも筆界を示すものではありません。構造物を自敷地内に収めて施工した場合は、その外側に土地が残っていることがあります。共同で設置した塀でも、中心が筆界とは限りません。所有者、施工経緯、図面、境界標との位置関係を確認する必要があります。

区分所有建物では、建築後に外構が変更されていることもあります。駐車場の改修、車路の拡幅、駐輪場の増設、植栽帯の縮小、フェンスの更新、擁壁補修、排水設備の改修などにより、現在の構造物の線が竣工時と異なっている場合です。

境界付近で工事が行われた場合は、工事記録、完成図、写真、施工会社との打合せ記録を確認します。工事中に境界標が一時撤去された、舗装で覆われた、別の標識と取り違えられたなどの可能性があるときは、標識を任意に動かさず、実施主体へ状況を伝えます。

専用庭や専用駐車場の区画線も、筆界とは限りません。土地自体は区分所有者全員の共有で、管理規約や使用細則により特定の区分所有者へ専用使用が認められている場合があります。その区画の端は、管理組合内部の利用区分であり、隣接地との筆界とは別に確認しなければなりません。

電気、通信、給排水、ガス、防災設備などが境界付近にある場合も、設備位置と筆界を分けて考えます。引込柱、設備盤、マンホール、ます、配管、消火設備があるからといって、その中心や外端が筆界になるわけではありません。設備事業者の使用範囲や契約上の管理範囲も別途確認します。

道路側では、公道と民有地の間に水路、法面、植樹帯、道路敷などが存在することがあります。見た目では歩道と敷地が直接接していても、細長い別筆が挟まっている場合があります。道路境界、河川や水路の区域、土地の筆界は同じとは限らないため、対象地番と管理者を確認します。

私道についても、通路として一体利用していても、建物敷地とは別筆で共有されていることがあります。管理組合が維持管理している範囲と、土地所有権の範囲、通行権の範囲を混同しないようにします。

現地確認では、「マンションの外周」「フェンスの端」「専用庭の端」といった呼び方だけで済ませず、どの地番とどの地番の間の筆界を確認しているかを記録します。対象地番、境界点番号、周辺構造物、写真の撮影方向を結び付けると、後日の説明がしやすくなります。

確認4 境界資料と現地状況を照合する

四つ目の確認点は、筆界に関する資料を集め、現地の境界標や構造物と照合することです。地籍調査では、登記所備付けの図面だけで機械的に位置が決まるわけではありません。資料の作成目的、作成年月、精度、現地との整合を確認する必要があります。

登記関係では、土地と区分建物の登記事項証明書、地図または地図に準ずる図面、地積測量図などを確認します。全ての土地に地積測量図が備え付けられているとは限らず、図面があっても作成時期によって記載項目や精度が異なります。

管理組合や区分所有者が保管する資料としては、確定測量図、境界確認書、敷地求積図、建物配置図、開発関係図面、造成計画図、外構図、竣工図、売買時の図面、借地関係書類、過去の工事記録などが考えられます。

図面の名称だけで証明力を判断しないことが重要です。敷地求積図や配置図に座標や辺長が記載されていても、登記手続や隣接地との確認に用いられた測量図なのか、建築計画のための参考図なのかで意味が異なります。作成者、作成日、測量目的、座標系、基準点、隣接所有者の確認欄、添付書類との対応を見ます。

境界確認書がある場合は、対象地番、確認した当事者、確認年月日、添付図面、境界点番号を確認します。現在の所有者と署名者が異なっていても、過去の確認経緯を示す資料となる可能性があります。ただし、確認書があるだけで、現在の現地標識との対応まで自動的に分かるわけではありません。

現地では、コンクリート杭、金属標、鋲、刻印、プレートなどを探します。土や植栽に埋もれていたり、舗装や補修材で覆われていたりする場合があります。管理組合だけで掘削や撤去を行わず、必要な作業方法を実施主体へ確認します。

境界標らしいものが見つかっても、現在確認している筆界点とは限りません。建築工事や外構工事の基準点、敷地内部の区画標、測量作業用の仮設点などである可能性があります。標識の材質だけで判断せず、図面上の点番号、辺長、周囲の構造物、隣接する境界点との関係を照合します。

事前に現地写真を撮影する場合は、標識の近景だけでなく、周辺構造物が分かる中景、建物や道路との位置関係が分かる遠景も残します。撮影日、撮影位置、方向、対象地番、境界点番号を記録すると、理事会や区分所有者への報告に利用しやすくなります。

駐車車両、自転車、植木鉢、物置などが確認を妨げる場合は、所有者や使用者へ事前に周知します。私物を無断で移動したり、植栽を勝手に掘り返したりすると別のトラブルになるため、確認に必要な範囲と日時を明確にします。

隣接地側からしか見えない場所や、施錠された設備区域を通る必要がある場所もあります。擁壁下部、塀の外側、店舗裏、機械室付近などへの立入りが必要な場合は、隣接地所有者、占有者、施設管理者と事前に調整します。

資料同士が一致しない場合は、その場で都合のよい図面を選んで結論を出さないことが重要です。各資料の作成目的と時期、現地標識との対応、不一致の内容を整理し、地籍調査の担当者へ提示します。筆界に争いがある場合や、越境、取得時効、借地、共有持分などの問題が絡む場合は、地籍調査だけで解決しようとせず、適切な専門家へ相談します。

地籍調査の通知から成果閲覧までの実務手順

通知を受け取ったら、最初に対象区域、対象地番、説明会、現地調査または図面等による確認の予定、回答期限、担当窓口を確認します。通知が一人の区分所有者に届いた場合でも、共用の敷地に関係する可能性があるため、管理者や役員へ速やかに共有します。

次に、対象地番ごとに土地と建物の登記関係を整理します。敷地権の目的となる土地なのか、土地共有持分が別に登記されているのか、借地上の建物なのかを確認します。対象区域外の関連地も配置図上で把握しておくと、現地で別の筆界を取り違えにくくなります。

管理組合内部では、連絡窓口、資料収集担当、現地参加者、区分所有者への周知担当、調査後の記録担当を決めます。代表者や代理人が対応する場合は、実施主体へ必要な委任方法と本人確認書類を確認します。

その後、管理規約、議事録、登記資料、測量図、境界確認書、建築関係図面、借地関係書類、外構工事記録などを集めます。原本を現地へ持ち出す必要があるときは、紛失を避けるため写しを準備し、原本の保管場所を記録します。

現地調査前には、対象となる筆界付近を一度確認します。境界標が見えるか、立入りができるか、私物や植栽が作業を妨げないか、足元や設備に危険がないかを見ます。機械式駐車設備、擁壁上部、急な法面、水路沿いなどでは、安全確保のため管理員や設備担当者の同行が必要になることがあります。

現地調査や図面等による確認では、どの地番間の筆界を調べているのかを意識します。担当者が示す筆界案と保管資料が一致するか、境界標や構造物との関係に不自然な点がないかを確認します。

疑問がある場合は、その場の流れで安易に判断せず、確認できていない資料や経緯を具体的に伝えます。隣接地所有者との認識が異なる場合も、塀の位置や長年の使用状況だけで筆界を決めつけず、双方の資料を整理します。

地籍調査は、私人間のあらゆる権利紛争を解決する手続ではありません。筆界を確認できない場合には筆界未定となることもあり、必要に応じて別の制度や専門家による対応を検討します。

調査後は、確認した地番、境界点、使用した資料、担当者からの説明、未解決事項を記録し、理事会や関係する区分所有者へ報告します。代表者だけの記憶に頼ると、役員交代後に経緯が分からなくなるため、写真、図面、議事録を関連付けて保存します。

地籍図と地籍簿の案が作成されると、通常は一定期間の閲覧手続が行われます。一般的な地籍調査では閲覧期間は二十日間ですが、具体的な場所、日時、申出方法は実施主体の案内を確認してください。

閲覧時は、土地の形状、筆界点のつながり、地番、地目、所有者に関する表示、地積などを確認します。現地で確認した内容や提出資料と異なる点がある場合は、期間内に担当窓口へ申し出ます。

従前の登記地積と調査後の地積が異なる場合は、増減だけを見て有利または不利と判断しないことが大切です。筆界点の位置、対象範囲、計算方法、地目や地番の扱いを確認し、不明点を実施主体へ質問します。

閲覧を経て地籍調査の成果が認証されると、その写しが登記所へ送付され、登記記録や地図に反映されます。ただし、反映の時期や具体的な処理は地域や案件によって異なるため、必要な時点で登記情報を改めて確認します。

地籍調査後に確認しておきたい影響

地籍調査の成果が登記へ反映された後は、管理組合が保管する土地関係資料との整合を確認します。対象地の地番、地目、地積、形状に変更がある場合は、管理規約の別表、敷地一覧、長期修繕計画の図面、保険関係資料、外構図などに古い表示が残っていないかを確認します。

地積が変わったからといって、各専有部分の敷地権割合が自動的に変わるとは限りません。敷地権割合は、各専有部分に対応する敷地利用権の割合として登記される事項であり、土地全体の地積とは別に扱われます。登記や規約の変更が必要かどうかは、個別の権利関係を確認して判断します。

同様に、管理費、修繕積立金、議決権割合などが、地籍調査による面積変更だけで当然に変わるわけではありません。これらは管理規約や区分所有関係に基づいて定められているため、見直す場合は規約と必要な手続きを確認します。

新しい地籍図により、建物、擁壁、塀、排水設備、配管などと筆界の位置関係を把握しやすくなることがあります。その結果、従来気付かなかった越境の可能性が見つかる場合もあります。

ただし、図面上で構造物が筆界付近にあるだけで、直ちに越境と断定することはできません。構造物の正確な位置、施工時期、所有者、図面の精度、測量方法などを確認します。越境が疑われる場合も、管理組合だけで撤去や補償を約束せず、権限と手続きを整理します。

地籍調査は筆界や地積などを明らかにするための調査ですが、借地権、通行権、地役権、使用承諾、越境物の処理、取得時効などの私法上の問題を全て解消するものではありません。建替え、敷地売却、大規模修繕を予定している場合は、別途必要な権利調査を行います。

地籍調査後の資料は、外構改修、擁壁補修、災害復旧、売却、建替えなどで役立つ可能性があります。地籍図、閲覧時の資料、現地写真、提出した測量図、担当窓口とのやり取り、管理組合の議事録を一体として保存します。

紙だけで保管すると、役員交代や管理室の移転で所在が分からなくなることがあります。電子データには、対象地番、資料名、作成年月、作成者、原本の保管場所を付け、検索しやすい状態にします。

現地の境界標についても、位置と状態を記録します。外構工事、舗装工事、植栽工事、配管工事で境界標付近を施工するときは、施工会社へ事前に位置を伝え、保全方法を確認します。

境界標を誤って動かした可能性がある場合は、任意の位置へ戻さないことが重要です。工事前後の写真、図面、測量記録を整理し、必要に応じて実施主体や土地家屋調査士へ相談します。

大規模修繕では、足場、仮囲い、資材置場、車両動線が隣接地との筆界に近づくことがあります。地籍調査成果を確認しておけば、隣接地への立入りや一時使用が必要かを早い段階で検討しやすくなります。

まとめ

地籍調査の対象となる土地が区分所有建物の敷地である場合は、土地の筆界だけでなく、区分建物との登記関係、敷地利用権、管理組合の内部手続き、規約上の敷地、現地の利用状況を一体的に確認する必要があります。

一つ目の確認点は、土地と建物の登記関係です。対象地番、土地所有者、共有持分、区分建物の敷地権の目的となる土地、敷地権の種類と割合を確認します。敷地権登記がない建物では、土地共有持分が別に登記されている可能性にも注意します。

二つ目は、誰が対応方針を決め、誰が調査に参加するかです。管理者、役員、管理受託者、区分所有者、代理人の役割を整理し、実施主体が求める委任方法や確認書類を確認します。

三つ目は、敷地の範囲と現地利用の違いです。建物所在土地、規約敷地、借地、私道、専用使用部分、設備の管理範囲を区別し、塀や舗装の端をそのまま筆界と考えないようにします。

四つ目は、境界資料と現地状況の照合です。登記所の資料、測量図、境界確認書、建築図面、工事記録を集め、境界標や周辺構造物との対応を確認します。資料が一致しない場合は、その場で結論を急がず、不一致の内容を実施主体へ伝えます。

地籍調査は現地確認だけで終わりません。通知の共有、権利関係の整理、内部調整、資料収集、現地または図面等による確認、成果閲覧、登記反映後の資料管理までを一つの流れとして捉えることが大切です。

区分所有建物では役員が定期的に交代します。確認した地番、境界点、資料、写真、未解決事項を整理し、次の担当者へ引き継げる状態にしておけば、将来の修繕工事や災害対応でも活用しやすくなります。

現場を3Dで残して、あとから測る。
実際の画面と動画で使い方を確認できます。

LRTK Phoneの使い方・実例を見る
資料請求導入相談
現場をスマホで3DスキャンLRTK Phone実例を見る