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地籍調査で地番が飛んでいる土地は?照合すべき5資料

地番が飛んで見える土地で最初に押さえたいこと

地籍調査の準備で登記所の地図や登記事項を確認すると、隣り合って見える土地の地番が連続していないことがあります。道路沿いに101番、102番、104番と並び、103番が図面上に見当たらない場合や、200番の隣が350番になっている場合、枝番の途中だけが抜けている場合などです。

実務では、このような状態を「地番が飛んでいる」「飛び番になっている」「欠番がある」と表現することがあります。ただし、これらは土地の法的状態を一律に示す正式な分類ではありません。地番の数字が連続していないという外見を説明する言葉にすぎないため、その表現だけから土地の有無や権利関係を判断することはできません。

地番が飛んでいるからといって、直ちに土地が消失した、未登記の土地がある、登記が誤っている、隣接所有者が土地を取り込んでいると結論付けるのは危険です。過去の分筆や合筆、地番区域の変更、地番の変更、道路や水路の整備、土地区画整理、換地、図郭の分割、古い図面の表現など、複数の事情が考えられます。

最初に整理したいのは、何が飛んで見えるのかという点です。地番の数字だけが抜けているのか、登記所の図面に対象地番の図形が見当たらないのか、登記記録は存在するのに位置を特定できないのか、現地に独立した区画があるように見えるのに対応する地番が分からないのかで、調査の進め方は変わります。

例えば、103番の現在の登記記録が存在するにもかかわらず、一枚の図面では位置を確認できない場合があります。このときは、別図郭、異なる字、離れた場所にある同一地番区域内の土地、図面の文字重なりなどを確認する必要があります。一方、103番が過去の合筆によって閉鎖され、現在は104番など別の筆に含まれているのであれば、数字の不連続は登記沿革によって説明できる可能性があります。

地籍調査は、一筆ごとの土地について所有者、地番、地目を調査し、境界と地積に関する測量を行うものです。一筆地調査では、登記簿、登記所の地図、附属書類、現地の地形や地物、慣習などの情報を総合して筆界を調べます。したがって、地番の飛びを見つけたときも、数字だけを追うのではなく、現在の登記、図面、測量成果、沿革資料、行政資料、現地の状況を対応付けることが基本になります。 ([Chiseki][1])

地番の並びだけで土地の有無を判断できない理由

地番は土地を識別する番号ですが、現在の道路順や位置関係に沿って必ず連続しているわけではありません。地番は座標ではないため、数字が近い土地同士が必ず隣接するとは限らず、数字が大きく離れた土地が隣り合うこともあります。

分筆が行われると、一筆の土地が複数の筆に分かれます。支号のない地番を分筆する場合には、元の地番に枝番を付した地番が定められるのが一般的です。ただし、既に枝番がある土地の再分筆や、特別な事情がある場合などでは地番の付け方が異なることがあります。単純な例だけを当てはめず、実際の登記記録で確認する必要があります。

合筆では、複数の土地が一筆にまとめられ、合筆により閉鎖された地番が数字の並びから抜けて見えることがあります。閉鎖された地番は通常そのまま欠番として残ることがあるため、現地に番号分の空白地が残るわけではありません。

ただし、隣り合って見える土地なら自由に合筆できるわけではありません。相互に接続していない土地、地目や地番区域が異なる土地、所有権の登記名義人が異なる土地など、法令上合筆できない場合があります。そのため、「飛んだ地番は合筆されたはずだ」と推測だけで処理せず、登記原因と対象筆の関係を確かめることが重要です。 ([e-Gov 法令検索][2])

地番は地番区域ごとに定められます。大字や字などの境界をまたぐ場所では、現地では連続した土地に見えても別の番号体系になっていることがあります。道路や水路の反対側で字が変わる場合、行政区域や町名の変更があった場合、土地区画整理によって新しい地番体系へ移った場合には、隣接地との番号差が大きくなることがあります。

道路、水路、堤防、里道などの細長い土地が間にある場合も注意が必要です。現地では舗装、側溝、法面が一体に見えても、登記上の筆、公共施設の管理区域、構造物の施工範囲は別の概念です。公図上の細長い区画が読み取りにくい場合や、複数の図郭にまたがっている場合もあります。

さらに、登記所に備え付けられた図面は、種類や作成年代によって精度と性質が異なります。不動産登記法上の地図と、地図に準ずる図面を同じ精度の図面として扱うことはできません。電子化されていても、元になった図面の精度が自動的に高くなるわけではありません。

地番の飛びは、一枚の図面だけで原因を説明できないことが多い問題です。現在の登記状態を確認し、図面上の位置関係を見て、地積測量図などの測量成果を探し、過去の履歴をたどり、必要に応じて行政資料と現地を確認する流れが必要です。

照合資料1 土地の登記事項証明書

最初に確認したいのは、対象地と周辺地の土地の登記事項証明書です。飛んで見える番号だけを調べるのではなく、その前後の地番、枝番、図面上で隣接する可能性がある土地を含めて確認します。

土地の登記事項証明書の表題部では、所在、地番、地目、地積などを確認できます。分筆、合筆、地目変更、地積更正などが記録されている場合には、原因と日付の記載から沿革を追えることがあります。ただし、現在の証明書だけで古い経緯のすべてを確認できるとは限らず、閉鎖記録や過去の登記簿が必要になる場合があります。

例えば、公図上で301番の隣が303番になっている場合には、302番の現在の登記記録の有無を調べます。302番が見つからなければ、301番や303番などの表題部に分筆や合筆の記録がないかを確認します。302番が過去に303番へ合筆されたことを確認できれば、数字が飛んでいる理由を説明できる可能性があります。

一方、302番の現在の登記記録が存在する場合は、単純な欠番として扱えません。別図郭に表示されている、同じ地番区域内の離れた位置にある、字や地番区域の認識が異なる、図面上の文字が読みにくいなどの可能性を確認します。

登記記録を請求するときは、住居表示による住所と土地の地番を混同しないことが大切です。郵便物などに使う住所と登記上の地番が一致しない地域は多くあります。所有者から聞き取った住所だけを基に検索すると、対象外の土地を調べるおそれがあります。

また、登記事項証明書を取得できなかったという事実だけで、その地番が存在しないと断定してはいけません。所在の指定、字名、枝番、旧字名、地番区域、閉鎖記録の検索方法が適切だったかを再確認します。必要に応じて管轄登記所に照会し、どの記録を請求すべきか整理します。

実務では、対象地と周辺地について、所在、地番、地目、地積、原因及びその日付、現在の状態を一覧化します。数字順だけでなく、登記所図面上の隣接関係に沿って並べると、番号の不連続と土地の配置を分けて確認しやすくなります。

照合資料2 登記所備付地図と地図に準ずる図面

二つ目の資料は、登記所に備え付けられている地図または地図に準ずる図面です。どちらも土地の区画や地番を確認するために使われますが、法的な位置付けや精度が同じではありません。一般に公図という言葉が広い意味で使われることもありますが、資料の分類欄を確認し、不動産登記法上の地図なのか、地図に準ずる図面なのかを区別して扱います。 ([e-Gov法令検索][3])

地番が飛んでいる場合は、対象地番の表示だけでなく、周囲の筆の形状、道路や水路との関係、字界、図郭の端、枝番の配置を確認します。地番表示がないように見える空白部分を見つけても、直ちに無地番地や未登記地と判断してはいけません。

特に注意したいのが図郭の境目です。対象地番が接続する別の図面に記載されているのに、一枚だけを見て存在しないと判断することがあります。飛び番に見える場所が図郭端に近い場合は、接続する図面を確認し、道路、水路、字界などの連続性を見ます。

字界や地番区域の境界も重要です。道路や水路の反対側で字が変わっていれば、地番が連続しないことは不自然ではありません。証明書や図面を取得するときは、地番だけでなく、市区町村、大字、字を省略せずに確認します。

地図に準ずる図面では、現況の形状や位置関係とずれている場合があります。その図面上の線をそのまま現地へ移せるとは限りません。筆の並び、外周、道路や水路、既知の筆、分筆前の形状、過去の空中写真などを手掛かりに、他の資料と対応付ける必要があります。

不動産登記法上の地図であっても、取得した写しだけから現地作業の結論を出すのではなく、地図の作成時期、座標情報の有無、後続する分筆や合筆、現地の基準点の状態を確認します。地図は重要な資料ですが、調査目的に応じて地積測量図や既往測量成果と組み合わせます。

道路や水路が関係する場所では、図面上の線と現況の舗装端、側溝端、擁壁、法肩が一致するとは限りません。施設の管理境界と土地の筆界を混同しないことが重要です。

照合資料3 地積測量図

三つ目の資料は地積測量図です。地積測量図には、登記申請の対象となった土地の形状、辺長、地積、方位、隣接地番、境界標、基準点、座標、求積方法などが記載されている場合があります。記載内容は作成年代、登記目的、当時の制度によって異なるため、すべての図面に同じ情報があるわけではありません。

飛んでいる地番に関係する地積測量図があれば、分筆前後の土地の関係を確認できることがあります。現在の登記所図面では消えたように見える枝番でも、過去の分筆図に当時の位置や隣接関係が示されている場合があります。

ただし、地積測量図があるからといって、その一枚だけで現在の筆界を確定できるとは限りません。図面作成後に合筆、再分筆、地積更正、道路拡幅、河川改修、区画整理などが行われている可能性があります。作成年月日と、その後の登記履歴を併せて確認する必要があります。

地積測量図を読むときは、対象地番、登記目的、縮尺、方位、隣接地番、境界標、辺長、座標、基準点、求積方法を確認します。図面の地番が現在の地番と異なる場合は、登記事項証明書や閉鎖記録で変遷を追います。

複数の地積測量図が存在する場合は、新しい図面だけを優先するのではなく、作成順に並べます。分筆図、地積更正図、再分筆図という順で見れば、どの時点で地番の不連続が生じたのかを把握しやすくなります。

対象地に地積測量図がないときは、隣接地の図面も確認します。隣地の図面に対象地番や共有する筆界点が記載されていることがあるためです。ただし、隣地図面に描かれた対象地の外形は、その図面の作成目的と精度の範囲で評価します。

座標が記載されている場合でも、座標系や基準点を確認せずに現在の測量データへ重ねることは避けます。任意座標と公共座標では扱いが異なり、同じ数値形式でも原点、軸方向、縮尺、標高基準が違うことがあります。基準点の現存状況や後続測量との整合も確認します。

照合資料4 閉鎖登記簿と旧土地台帳などの沿革資料

四つ目は、閉鎖登記簿、閉鎖された登記記録、旧土地台帳、旧図面など、土地の過去の状態を確認する沿革資料です。現在の登記事項証明書で見つからない地番が以前に存在していたのか、どの筆に承継されたのかを調べる際に重要になります。

合筆された土地や地番変更の対象となった土地では、現在の登記記録だけでは経緯の全体を追えない場合があります。閉鎖された記録を確認すると、閉鎖前の地番、地目、地積、分筆や合筆の原因と日付などを確認できることがあります。

例えば、現在の図面で700番の隣が705番になっていても、701番から704番までが同じ理由で閉鎖されたとは限りません。ある地番は合筆、別の地番は道路用地の分筆、別の地番は地番区域の変更、さらに別の地番は現在も別図郭に存在している可能性があります。

複数の番号を一括して欠番と扱うと、調査図素図の作成や関係者の特定を誤る原因になります。地番ごとに、いつ、どの登記によって状態が変わったのか、現在のどの筆に関係するのかを整理します。

旧土地台帳や旧図面は、現在の筆界や権利関係を単独で確定する資料ではありません。それでも、旧字名、旧地番、旧地目、当時の地積、所有者名義の変遷などから、現在の図面と現地を対応付ける手掛かりになることがあります。

沿革資料を扱うときは、作成目的と年代を意識します。古い図面の線が現在の筆界と一致するとは限りません。旧地積と現在の地積が異なっていても、直ちにどちらかが誤りとは判断できません。測量方法、単位、地積更正、分筆や合筆の履歴を含めて評価します。

保存状況や取得できる範囲は、記録の年代や管轄によって異なります。資料が見つからない場合は、地番が存在しなかったと決めつけず、旧字名、地番変更、管轄変更、閉鎖記録の検索条件、保存状況を再確認します。

調査では、現在地番から過去へ逆向きにたどるだけでなく、飛んでいる旧地番から現在の承継先を探す双方向の確認が有効です。どの土地から分筆され、どの土地に合筆されたのかを時系列で整理すると、数字の不連続と土地の実体を分けて説明できます。

照合資料5 市町村や施設管理者が保有する行政資料

五つ目は、市町村や道路、水路、河川などの施設管理者が保有する行政資料です。固定資産関係の地番参考図、道路台帳図、水路管理図、官民境界に関する既往資料、用地取得図、土地区画整理や換地の資料、過去の地籍調査成果などが候補になります。

資料の名称、内容、閲覧方法、精度、保存期間は、自治体や担当部署によって異なります。すべての地域で同じ資料が存在するわけではなく、個人情報や内部資料に当たるため閲覧範囲が制限されることもあります。特定の資料が必ずあると決めつけず、対象地の状況と調査目的を説明し、担当部署に確認します。

固定資産関係の地番参考図は、地番の概略位置を探す手掛かりになることがあります。ただし、課税事務などの目的で作成された資料であり、筆界を確定する図面とは限りません。登記所図面と違いがあっても、どちらかを直ちに正しいと決めるのではなく、作成時期と作成目的を確認します。

道路沿いで地番が飛んでいる場合は、道路台帳図や用地取得関係資料が有効なことがあります。過去の道路拡幅に伴い、民有地の一部が分筆され、用地取得後に合筆や地番整理が行われている場合があるためです。

水路や河川の周辺では、水路管理図、河川区域関係図面、改修工事の用地図などを確認します。公図上の水路幅と現地の護岸幅が違って見えても、現況施設の端がそのまま筆界とは限りません。管理区域、構造物の施工範囲、土地の筆界を分けて扱います。

土地区画整理事業や換地処分が行われた地域では、従前地と換地後の地番を対応させる資料が重要です。旧地番を現在の図面だけで探しても見つからない場合があるため、換地関係資料で新旧の対応を確認します。

地籍調査が完了した地域では、所定の閲覧、認証などの手続を経た地籍図や地籍簿の成果が登記所へ送付され、登記記録や地図の整備に利用されます。 ([地積ポータル][4]) 一方、調査中の調査図素図、地籍調査票、筆界案などは途中資料であり、確定した成果と同じ扱いはできません。利用できる時期と範囲は実施主体に確認します。

行政資料は登記所資料を置き換えるものではありません。地番参考図だけで筆界を決める、道路台帳図だけで所有権の範囲を判断する、工事図面の構造物端を筆界とみなすといった使い方は避けます。

5資料を使って地番の飛びを調べる実務手順

地番の飛びを効率よく調べるには、資料を手当たり次第に集めるのではなく、確認したい問題を先に定義します。「101番と103番の間に102番が見当たらない」という番号の問題なのか、「102番の登記記録はあるが図面上の位置が分からない」という位置特定の問題なのかを分けます。

最初に、対象地の所在、現在地番、所有者から示された位置、飛び番に気付いた資料、周辺地番、道路や水路との関係を整理します。市区町村、大字、字、地番、枝番を省略せずに記録します。

次に、対象地と周辺地の登記事項証明書を確認します。分筆、合筆、地目変更、地積更正、地番変更などの記録を時系列に並べます。飛んでいる番号の証明書が取得できない場合は、閉鎖記録や旧字名も確認します。

その後、登記所備付地図または地図に準ずる図面を確認します。資料の種類、図郭、接続図、字界、道路、水路、枝番の配置を見ます。一枚の図面で結論を出さず、周辺図郭と外周のつながりを確認します。

続いて地積測量図を調べます。対象地に図面がなければ、隣接地や分筆前地番の図面も確認します。作成年月日、登記目的、辺長、座標、境界標、基準点、隣接地番を比較し、現在の登記履歴と対応させます。

その次に、閉鎖登記簿や旧土地台帳などの沿革資料をたどります。現在の記録に表れない地番について、いつ、どの処理で閉鎖されたのか、別の筆へ承継されたのかを整理します。

道路拡幅、河川改修、区画整理、換地、公共用地取得などが関係する可能性があれば、市町村や施設管理者の行政資料を確認します。事業図面に旧地番と新地番の対応が残っていることがあります。

資料を照合するときは、取得日だけでなく、資料そのものの作成年月日と基準日を記録します。同じ土地について異なる形状が示されていても、分筆や工事の前後を表している可能性があります。新しい資料を無条件に優先するのではなく、何を目的に作られた資料かを考えます。

最終的な整理では、飛んでいる地番が合筆などにより閉鎖されたのか、別の場所に現存するのか、地番区域が異なるのか、換地後の地番へ移行したのか、資料不足で確認できないのかを区別します。確認できない事項を推測で埋めず、未確認として残すことが重要です。

一筆地調査と現地確認で押さえるポイント

資料照合で地番の沿革を整理した後は、現地の状況と対応させます。ただし、現地確認は飛んでいる番号を地面の上で探す作業ではありません。資料から整理した筆の関係を基に、筆界に関する情報を確認する作業です。

現地では、境界標、石杭、金属標、コンクリート杭、刻み、鋲、塀、擁壁、側溝、畦畔、法肩、法尻、道路端、水路端などを確認します。ただし、構造物や地形の変化点が必ず筆界であるとは限りません。設置時期や施工経緯を調べ、登記所資料や既往測量成果と照合します。

関係者からは、長年の利用範囲、所有地だと認識している範囲、以前の道路や水路の位置、境界標の由来などを聞き取ります。利用範囲、所有権に関する認識、不動産登記上の筆界は同じとは限らないため、分けて記録します。

現地精通者の説明は、古い土地利用や地形の変遷を知る手掛かりになりますが、証言だけで筆界を決めるものではありません。いつの状況を知っているのか、本人が見た事実か、他者から聞いた話かを区別します。

地籍調査では、原則として土地所有者等に筆界の確認を求めます。現在は、複数回の通知にも反応がない所有者等について、一定の要件と所定の手続を満たす場合に、筆界案への意見がないことをもって確認したものとみなせる制度があります。ただし、この制度は筆界について明確な異議がある場合を自動的に解決するものではありません。適用の可否は実施主体が法令と運用基準に沿って判断します。 ([国土交通省][5])

道路や水路が関係する場合は、民有地同士の確認だけでなく、管理者との連絡調整が必要になることがあります。舗装端、側溝外側、擁壁天端などを管理境界や筆界と決めつけず、官民境界資料や用地図と照合します。

現地説明では、現在地番だけでなく、必要に応じて旧地番、分筆前地番、換地前地番を併記すると理解されやすくなります。「旧102番は合筆後の103番の一部に関係する」といった沿革を図上で示すことで、数字上の欠番と現地の筆界を混同しにくくなります。

関係者の認識が一致しない場合は、その場で無理に結論を出さず、相違する範囲と根拠を記録します。追加資料や再確認が必要な状態を明示し、根拠の弱い線を確定線として扱わないことが重要です。

地番が飛んでいる土地で起こりやすい誤解

最も起こりやすい誤解は、番号が見当たらない土地は現地にも存在しないと考えることです。現在も有効な登記記録が別図郭や別の位置に存在する場合があります。

反対に、地番が飛んでいる場所には必ず未登記地があると考えるのも誤りです。合筆により地番が閉鎖されていれば、現地にその番号分の空白地が残るわけではありません。

図面上の空白を所有者不明土地とみなすことも避けます。文字の重なり、図郭の接続、道路や水路の表現、地番区域の違いなどを確認する必要があります。所有者が不明であることと、地番表示が読み取れないことも別の問題です。

現地で使われている範囲を登記上の一筆の範囲と考えることも危険です。長年一体利用されていても複数筆の場合があり、塀で分かれていても一筆の場合があります。

固定資産関係の地番参考図、道路台帳図、工事図面を筆界確定図として扱うこともできません。作成目的が異なるため、位置や履歴を探す補助資料として使い、登記所資料や測量成果と照合します。

地積測量図に座標があれば無条件で現地復元できるという理解も適切ではありません。座標系、基準点、測量時期、後続登記、現地基準点の状態を確認しなければ、誤った位置に重ねるおそれがあります。

地番が飛んでいる原因を一つに限定することも避けます。同じ範囲内で、ある番号は合筆、別の番号は換地、さらに別の番号は地番区域の違いというように、複数の事情が混在することがあります。

地籍調査が始まれば、すべての不明点が自動的に解消されるわけでもありません。地番が明らかでない土地、分割や合併があったものとして調査する土地、新たに表題登記を要する可能性のある土地、滅失した可能性のある土地などには、それぞれ所定の処理があります。調査担当者が独自に新しい地番を決めたり、登記記録を消したりするものではなく、実施主体と登記所が法令に沿って処理します。 ([e-Gov法令検索][6])

筆界について関係者の認識が対立している場合や、資料を総合しても位置を明らかにできない場合には、筆界未定となる可能性があります。無反応所有者等に関するみなし確認制度は、積極的な異議や資料上の矛盾を省略する制度ではありません。

調査結果を後から再確認できる形で残す方法

地番の飛びに関する調査は、結論だけでなく、結論に至った経過を残すことが重要です。「102番はない」「103番へ合筆済み」といった短いメモだけでは、後任者や土地所有者が根拠を確認できません。

まず、確認した資料の名称、取得日、作成年月日、基準日、対象地番、図面番号、確認範囲を記録します。登記事項証明書であれば現在の記録か閉鎖記録かを区別し、地積測量図であれば登記目的と作成年月日を記録します。

次に、地番の変遷を時系列でまとめます。「旧100番から100番1と100番2へ分筆」「100番2を101番へ合筆」「現在は100番1と101番が隣接」というように、旧地番と現在地番の関係を文章と図面の両方で示します。

図面では、現在確認できる筆界情報、過去資料にだけある線、検討中の線、資料間で不一致のある箇所を区別します。推定線と確認済みの線を同じ表現にすると、後から推定が確定事項として扱われるおそれがあります。

現地写真は、境界標の近接写真だけでなく、周囲との位置関係が分かる写真も残します。撮影方向、対象地番、撮影日、境界標の種類、周辺構造物との関係を記録します。同じ形の杭が複数ある場所では、写真だけでは特定できないため、位置情報や見取図と結び付けます。

位置情報を取得する場合は、使用した座標系、測位方法、基準点、観測条件、取得日時を残します。概略位置の記録なのか、所定の精度管理を行った測量成果なのかも区別します。位置情報があることだけで正式な筆界点になるわけではありません。

土地所有者や現地精通者から聞き取った内容は、客観資料で確認できた事項と分けて記録します。「以前は水路がこの位置にあったとの説明あり」と残し、旧図面や管理資料で裏付けを確認します。

行政機関や施設管理者と協議した場合は、担当部署、協議日、確認資料、回答内容、未確認事項を残します。口頭説明だけで処理せず、どの図面のどの箇所について確認したのかを明確にします。

調査後に新たな分筆や合筆、地番変更が行われれば、整理した関係が変わる可能性があります。成果には基準日を明記し、どの時点の登記状態を整理したものかを分かるようにします。

こうした記録を案件単位でまとめれば、地籍調査成果の閲覧、登記所との照合、所有者への再説明、将来の境界確認で活用しやすくなります。第三者が同じ資料をたどり、同じ経緯を確認できる状態にすることが重要です。

まとめ

地籍調査で地番が飛んでいる土地を見つけても、数字の欠けだけで土地の有無や登記の誤りを判断してはいけません。分筆、合筆、地番区域の違い、地番変更、道路や水路の整備、区画整理、換地、図郭の分割など、さまざまな理由が考えられます。

最初に土地の登記事項証明書で現在の登記状態を確認し、登記所備付地図または地図に準ずる図面で筆の配置を把握します。続いて地積測量図で分筆前後の形状や測量情報を確認し、閉鎖登記簿や旧土地台帳などから沿革をたどります。必要に応じて、市町村や道路、水路、河川などの管理者が保有する行政資料も照合します。

大切なのは、一つの資料だけで結論を出さないことです。登記記録は現在の状態や履歴を確認する資料、登記所図面は筆の配置や隣接関係を確認する資料、地積測量図は特定の登記時点における測量情報を確認する資料、行政資料は事業や施設管理の経緯を補う資料として、それぞれの作成目的と限界を理解して使い分けます。

現地では境界標、地形、構造物、道路、水路、利用状況を確認しますが、見た目の境や利用範囲をそのまま筆界と判断しません。資料、現地、関係者の説明を総合し、確認できたこと、推定にとどまること、未確認のことを分けます。

調査後は、旧地番と現在地番の関係、確認資料、作成年月日、基準日、現地写真、位置情報、協議記録を案件単位で保存します。担当者だけが理解できる記録ではなく、後任者や土地所有者が経緯を再確認できる状態にすることで、将来の問い合わせや再調査を減らしやすくなります。

現地で確認した境界標、道路、水路、構造物の位置関係を座標付き写真やメモとして残す運用では、LRTK Phoneを記録手段の一つとして検討できます。取得した情報をLRTKクラウドで案件ごとに整理・共有し、必要に応じてLRTK点群CADで点群や図面との対応を確認すれば、現地記録と資料照合を結び付けやすくなります。ただし、これらの記録や表示は、登記所資料、地籍調査の正式成果、法令に基づく筆界調査を代替するものではありません。 ([Lefixea Irtk][7])

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