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地籍調査で土地区画整理中の土地は?確認する5点

地籍調査の対象地が土地区画整理事業の施行地区に含まれている場合、通常の土地よりも資料の読み分けが難しくなります。登記記録や公図などが示す従前の土地、事業中に使用収益の対象となる仮換地、換地計画で定められる換地、造成中の道路や宅地の形状が、同じ時期に並行して管理されることがあるためです。

現地に新しい道路、側溝、擁壁、フェンス、杭などが設けられていても、それらが地籍調査で確認する筆界を示しているとは限りません。工事の施工線、仮換地の使用範囲、換地設計上の画地界、公共施設の管理境界、従前地の筆界は、それぞれ目的と基準時が異なる可能性があります。見た目が明確な線ほど、その法的または事業上の意味を資料で確かめる必要があります。

地籍調査は、一筆ごとの土地について所有者、地番、地目を調査し、筆界の位置と面積を測量して、地籍図と地籍簿に取りまとめる制度です。一方、土地区画整理事業は、公共施設の整備改善と宅地の利用増進を図るため、土地の区画形質を変更し、換地の手法によって権利関係を整理する事業です。両者は土地の位置や境界を扱いますが、目的、手続、成果、基準時が同じではありません。

土地区画整理中の区域だからといって、地籍調査が一律に中止または対象外になると断定することはできません。ただし、土地区画整理事業の成果によって地籍が一定程度明らかになっている区域では、既存成果の活用や実施時期の調整が検討されることがあります。反対に、地籍調査済みであっても、区画整理側で仮換地、換地設計、工事、登記などの確認が不要になるわけではありません。

実務では、施行地区との重なり、現在の事業段階、従前地と仮換地の対応、採用する図面と測量成果の基準時、関係者の役割分担を順番に確認します。そのうえで、今回の作業が従前地の筆界確認なのか、仮換地の現地表示なのか、換地処分後を見据えた資料整理なのかを明確にすることが重要です。

土地区画整理中の土地で地籍調査が複雑になる理由

土地区画整理事業では、事業前の土地を従前地として把握し、道路、公園などの公共施設と宅地を再配置していきます。事業の途中では、将来の換地に対応する位置や範囲として仮換地が指定され、建物移転、道路築造、宅地整地などが進められることがあります。その後、換地計画に基づいて換地処分が行われ、公告の翌日から換地処分の法的効果が生じるのが基本的な流れです。

この過程では、一つの権利関係を示す情報が複数の資料に分かれます。登記記録に従前地の地番が残っていても、権利者が現実に使用収益している場所は仮換地であることがあります。現地には造成後の宅地外周が見えていても、その線が換地処分後の筆界として登記所に反映済みとは限りません。

工事現場には、仮設杭、丁張り、測量基準点、街区点、画地点、道路工事の施工管理点、構造物の位置を示す印などが混在する場合があります。標識の材質や外観が境界標に似ていても、その設置目的を確認しなければ筆界点として扱うことはできません。点番号、座標成果、設置記録、使用図面を照合して、何を示す点なのかを確かめます。

また、土地区画整理事業の確定測量などの成果は、一定の要件を満たし、国土調査法に基づく指定を受けることで、国土調査の成果と同様に取り扱われる場合があります。しかし、土地区画整理事業が実施されたという事実だけで、すべての測量成果が自動的に地籍調査成果と同じ扱いになるわけではありません。申請予定なのか、指定済みなのか、対象区域はどこまでか、登記所での備付や登記への反映がどの段階かを個別に確認する必要があります。

したがって、地籍調査と土地区画整理事業のどちらが常に優先すると単純化するのは適切ではありません。今回確認する線の種類、線が表す時点、成果の利用目的を整理し、目的の異なる線を同じ境界として扱わないことが、手戻りを防ぐ基本になります。

確認点1 地籍調査区域と土地区画整理施行地区の重なり

最初の確認点は、地籍調査の調査区域と土地区画整理事業の施行地区が、どの範囲で重なっているかです。市町村単位の進捗図や事業名だけで判断せず、地籍調査の調査区域図、土地区画整理事業の事業計画図、施行地区界を示す正式図書、工区図などを照合します。

図面を重ねる場合は、縮尺だけでなく座標系、測地基準、作成時点、原図の精度を確認します。異なる基準で作られた図面をそのまま重ねると、実際には一致する線がずれて見えることがあります。画像化された参考図しかない場合は、位置関係を把握する資料として利用し、細かな境界位置を図上計測だけで決めないようにします。

対象筆の全体が施行地区内にある場合でも、地区内のすべてが同じ段階で進んでいるとは限りません。仮換地指定済みの区域、工事中の区域、未整備の区域、使用収益の開始前または停止中の区域などが混在することがあります。事業計画上は一つの施行地区でも、現場作業に必要な前提は街区や工区ごとに異なる場合があります。

対象筆が施行地区界に接している場合や、一部だけ施行地区に含まれる場合は、特に慎重な確認が必要です。施行地区界は土地区画整理事業を施行する範囲を示す線であり、既存の筆界と必ず一致するものではありません。道路、河川、水路、法面などを目安に地区界が定められていても、構造物の外形、施設の管理境界、登記上の筆界が別の位置にある可能性があります。

区域変更が行われている場合は、当初の図面ではなく、変更手続後の正式図書を確認します。図面の更新日が新しいだけでは足りません。事業計画を示す正式図書なのか、住民説明用の参考図なのか、工事施工用の図面なのかを区別します。施行者によって図書の名称や管理方法が異なるため、図面名だけで確定度を判断しないことも重要です。

地籍調査の計画上、土地区画整理事業などで地籍が一定程度明らかになっている地域は、優先的に調査する地域から除かれることがあります。ただし、個別の土地について既存成果が現在の利用目的を満たすか、土地異動が反映されているか、地区界周辺に未整備部分が残っていないかは別途確認が必要です。

実務担当者は、対象筆ごとに地区内、地区外、地区界に接する、一部重複という区分を付けると、その後の資料収集を進めやすくなります。地区界の座標成果が存在する場合は、その成果と既存筆界の関係を施行者に確認します。座標成果がない場合は、正式図書の位置付けと現地での表示方法を確認し、推測だけで地区界を復元しないようにします。

確認点2 仮換地指定や換地処分など現在の事業段階

二つ目の確認点は、その土地が土地区画整理事業のどの段階にあるかです。「区画整理中」という表現には、事業計画の決定後、従前地調査中、仮換地指定前、仮換地指定後、建物移転や造成工事中、換地計画の作成中、換地処分前、換地処分後で登記整理中など、異なる状態が含まれます。段階が違えば、現地で確認できる線の意味も、使用すべき資料も変わります。

仮換地指定前であれば、従前地の登記情報、既存の筆界資料、現況、施行者が行った従前地調査の成果が主な確認資料になります。ただし、道路工事や造成準備が始まっている場合は、従前地の境界標や地物が撤去、埋没、移設されている可能性があります。過去の写真、測量成果、標識の保全記録なども施行者に確認します。

仮換地指定後は、従前地と仮換地を混同しないことが重要です。仮換地が指定されると、通知で定められた効力発生日や使用収益に関する条件に従って、従前地の使用収益が制限され、仮換地を使用収益する関係が生じることがあります。一方、仮換地指定だけで、登記記録上の地番、地積、所有権の表示が直ちに換地後の内容へ書き換わるわけではありません。

換地処分前の売買、担保設定、相続などでは、通常、登記記録上の従前地を基礎に手続を検討することになります。ただし、契約内容、仮換地指定の状況、施行者への届出、登記手続などは案件ごとに異なります。取引の可否や具体的な手続を記事の一般論だけで判断せず、施行者、登記所、司法書士などの専門家に確認する必要があります。

工事中の段階では、仮換地の外周が現地に示されていても、切土、盛土、擁壁、側溝、道路築造、埋設物工事などによって標識の位置や周辺状況が変化することがあります。工事施工図の線は、最終的な画地界と一致する場合もありますが、掘削範囲、仕上がり線、構造物中心線などを示しているだけの場合もあります。図面の用途を確認せずに境界資料として転用しないことが重要です。

換地計画の作成から換地処分に近い段階では、換地の位置、地積、権利関係、清算などが整理されます。ただし、作成途中の案、縦覧など所定手続に用いる版、認可や決定後の図書、換地処分通知に用いる図書では確定度が異なります。事業の施行者や施行形態によって必要な手続が異なるため、受領した図面がどの手続段階のものかを確認します。

換地処分が行われると、公告の翌日から換地処分の効果が生じるのが原則です。その後、施行者が法令に基づいて土地や建物の変更に伴う登記をまとめて申請または嘱託する流れがあります。ただし、換地処分の公告日と登記記録が更新される日は同一とは限りません。公告済みでも登記整理中という期間があるため、公告、通知、登記情報を分けて確認します。

地籍調査にも、調査開始、現地調査、測量、成果閲覧、認証、登記所送付という時間差があります。その間に仮換地指定の変更、所有権移転、分筆、合筆、区域変更、換地処分が行われる可能性があります。どの時点の法的な土地表示を成果へ反映するかは、実施主体が関係法令、作業規程、登記所との協議、事業工程を踏まえて判断する必要があります。

確認点3 従前地・仮換地・換地後の土地の対応関係

三つ目の確認点は、従前地、仮換地、換地処分後の土地がどのように対応しているかです。対象を地番だけで管理すると混乱しやすいため、従前地の所在と地番、仮換地の街区番号や画地番号、換地後の予定表示が示されている場合はその内容、所有者や権利者、面積の種類、資料名を対応付けます。

従前地は、区画整理前から登記記録に表示されている土地です。仮換地は、事業中に将来の換地に対応する位置や範囲として指定される区画ですが、換地処分前に所有権の対象そのものが従前地から仮換地へ移転したことを意味するものではありません。換地は、換地処分の効果によって従前地に代わるものとして扱われる土地です。

従前地と仮換地、換地の対応は、一筆対一画地とは限りません。複数の従前地をまとめて一つの画地に対応させる場合や、一つの従前地に複数の換地が定められる場合、共有、借地権、地役権などを含めて調整する場合があります。対応表を作るときは、図形だけでなく権利の種類と資料の基準日も記録します。

面積を比較するときは、登記地積、従前地の実測面積、基準地積、仮換地地積、換地地積などの名称を区別します。施行者によって用語や算定方法が異なることがあるため、数字だけを抜き出して比較しないことが大切です。道路や公園などの公共用地を生み出す減歩や、土地の利用価値を踏まえた換地設計により、従前地と換地の面積が単純に一致しないことがあります。

換地計画では、原則として従前地と換地について位置、地積、土質、水利、利用状況、環境などが照応するように定める考え方があります。しかし、照応は面積だけを同一にする考え方ではありません。また、事業の種類や個別事情によって例外的な取扱いがあり得るため、具体的な換地内容は換地計画や関係図書で確認します。

境界線の種類も整理します。従前地の筆界、仮換地の使用収益範囲、換地設計上の画地界、道路や公園の計画線、工事施工上の仕上がり線、構造物の外形、占有の境は、それぞれ異なる可能性があります。新設道路の側溝外側が目立っていても、換地境界が同じ位置にあるとは限りません。擁壁の中心、外面、上端、下端のどこが境界かも、現況だけでは判断できません。

境界標らしいものを見つけた場合は、材質や形状だけで判断せず、点番号、設置目的、設置時期、座標成果、復元に使用した図面を確認します。区画整理施行者が設置した画地点、道路境界点、工事基準点と、地籍調査で確認する筆界点が同じ位置を示すこともありますが、名称が似ていても用途が異なることがあります。

所有者情報にも時間差が生じます。登記上の所有者、区画整理事業の権利者名簿に記載された者、仮換地指定通知の宛先、現地使用者が一致しない場合があります。相続、売買、法人の変更、住所変更、共有持分の移転などが事業期間中に生じると、資料ごとの更新時期がずれます。立会や通知の対象者を決める際は、古い名簿だけに頼らず、最新の登記情報と施行者が把握する異動情報を照合します。

確認点4 図面・測量成果・登記情報の基準時

四つ目の確認点は、利用する図面、測量成果、登記情報の基準時と正式性です。土地区画整理中の区域では、従前地を示す公図や地積測量図、従前地調査図、現況測量図、仮換地指定図、換地設計図、街区を示す図面、道路計画図、造成計画図、工事竣工図、換地図など、多数の資料が作られます。名称は施行者によって異なるため、名称だけで用途を決めず、作成目的を確認します。

資料管理では、作成者、作成日、改訂日、基準日、承認や決定の状況、縮尺、座標系、測地基準、原図か写しか、利用目的を記録します。同じ図面名でも改訂版が存在することがあります。ファイル名だけで管理すると、どの版を判断根拠にしたのか追跡できなくなるおそれがあります。

登記事項証明書、公図、地積測量図などは、取得後に所有権移転、分筆、合筆、地目変更、住所変更などが行われる可能性があります。過去に取得した資料をそのまま使わず、現地調査前や成果確定前などの節目で異動の有無を確認します。登記情報の取得日を資料に明記しておくことも重要です。

区画整理側の図面が正式図書か参考資料かも区別します。住民説明用の概略図は全体像を理解しやすい反面、個々の境界点を確定する精度や法的な位置付けを備えていない場合があります。工事用の詳細図は寸法が細かくても、宅地の境界ではなく施工範囲を示していることがあります。図面の精細さと、事業上の確定度は別の問題です。

測量成果では、基準点の系統、座標系、測地基準、測量方法、観測時期、点検記録を確認します。古い成果と新しい成果を重ねたときに差が生じても、直ちにどちらかが誤りとは限りません。座標変換、基準点の改測、地殻変動への補正、図面の伸縮、数値化、丸め処理などが影響することがあります。異なる基準の座標値を同一条件として直接比較しないようにします。

地籍調査済みの区域であれば、地籍図、地籍簿、筆界点番号を示す資料、測量成果簿などの有無を確認します。区画整理側で従前地を調査するときに、利用可能な地籍調査成果があれば、既存筆界や基準点の確認に役立つ場合があります。ただし、地籍調査後に分筆や合筆、道路整備などが行われている可能性があるため、現在の登記情報と合わせて確認します。

土地区画整理事業の成果を国土調査の成果と同様に取り扱うには、国土調査法に基づく指定の状況を確認します。申請準備中、申請済み、指定済み、登記所への送付済み、登記所での備付や登記整理済みという段階は区別して管理します。また、指定の対象区域から除外された部分がないか、指定後に土地の異動が生じていないかも確認します。

資料間に不一致がある場合は、単純に作成日が新しい図面を採用するのではなく、各資料が何を示すために作られたかを比較します。従前地の筆界を確認するなら従前地関係の一次資料を中心にし、仮換地の使用範囲を確認するなら仮換地指定関係資料を中心にします。換地処分後の土地表示を整理するなら、換地計画、換地図、公告、登記関係資料を確認します。

確認点5 担当部署・施行者・権利者の役割分担

五つ目の確認点は、誰がどの情報を管理し、誰がどの判断に関与するかです。地籍調査の実施主体、土地区画整理事業の施行者、測量業務の受託者、道路や公園などの施設管理者、登記所、土地所有者や隣接する権利者では、保有資料と役割が異なります。一つの窓口から得た説明だけで、すべての論点が確定したと考えないことが重要です。

地籍調査の実施主体は、調査区域、調査方法、所有者調査、筆界の調査、測量、成果の閲覧、認証、登記所への送付などを担当します。土地区画整理事業の施行者は、施行地区、事業計画、従前地調査、仮換地指定、換地設計、工事工程、換地処分などに関する資料を管理します。

道路、水路、公園などの公共施設が関係する場合は、事業中の管理者と事業完了後の管理者が異なることがあります。公共施設との境界を確認するときは、現在の管理権限、将来の引継先、立会権限を確認します。施工会社が現地を管理していても、境界や権利関係を最終判断する権限を持つとは限りません。

土地所有者や隣接権利者には、確認の目的を事前に説明します。従前地の筆界を確認するのか、仮換地の使用範囲を現地で示すのか、換地処分後を見据えた画地界の説明なのかが曖昧なままでは、参加者が別の線を確認したと受け止めるおそれがあります。通知には、必要に応じて従前地番と仮換地の街区・画地を併記し、当日の確認対象を明確にします。

現地作業前には、地籍調査担当部署と区画整理施行者の間で事前協議を行い、対象筆一覧、区域の重なり、従前地と仮換地の対応、使用する図面、工事予定、未解決事項を共有します。協議記録には、採用資料の名称と版、基準日、担当者、保留事項、次の確認先を残します。

判断が分かれる事項は、現場で無理に結論を出さず、どの手続で整理するかを決めます。従前地の筆界について関係者の認識が一致しない場合は、地籍調査における取扱いと、区画整理事業の従前地調査や換地設計への影響を分けて確認します。換地設計が進んでいることだけで、従前地の筆界に関する問題が自動的に解消するとは限りません。

一方、区画整理事業の確定測量成果などが所定の要件を満たし、利用可能な形で整備されている場合は、地籍整備に活用できることがあります。重複調査を避けるためにも、成果の法的な位置付け、対象区域、精度、基準時、登記への反映状況を確認したうえで役割分担を決めます。

現地立会で境界線を取り違えない進め方

現地立会を行う場合は、開始前に参加者へ確認対象を説明します。現在立っている場所が従前地なのか仮換地なのか、今回確認する線が筆界なのか使用収益範囲なのか、工事によって変化する可能性があるのかを共有します。

図面を配布するときは、従前地と仮換地を同じ図面に重ねるだけでなく、線種、点番号、注記などで区別します。色分けだけに頼ると、白黒印刷や屋外での閲覧時に判別しにくくなります。図面の凡例には、筆界、画地界、道路計画線、施工線などの意味を明記します。

現地では、利用する基準点や既知点の状態を確認してから対象点へ進みます。標識を発見したら、周囲を含む全景、近接写真、点番号、構造物との位置関係を記録します。座標を取得する場合は、使用基準点、観測方法、観測日時、機器や補正の条件など、再確認に必要な情報を残します。

写真、座標、図面注記を別々に管理すると、後から対応関係が分からなくなることがあります。共通の点番号や管理番号を付け、どの写真がどの点を示し、どの図面のどの成果と対応するのかを追跡できるようにします。

工事中の区域では、安全管理と工程調整を優先します。重機の作業範囲、掘削予定地、資材置場、立入制限区域で作業する場合は、施行者や現場管理者の指示に従います。確認した点が工事で失われる可能性がある場合は、標識を独断で設置せず、保全、移設、控え点、座標による復元などの方法を関係者で協議します。

構造物を境界判断の資料として扱う場合は、設置経緯を確認します。古い塀や擁壁が従前地の境界に沿っていることはありますが、施工誤差、越境、改修、建替えがあり得ます。新しい側溝や縁石も、画地界に合わせて設置されている場合と、道路構造上の位置に設置されている場合があります。構造物の存在だけで筆界を確定したと扱わないことが重要です。

関係者の認識が一致しない場合は、多数決や強い誘導で結論を出しません。それぞれの主張位置、根拠資料、確認できた共通点、未確認点を記録し、実施主体の手続に戻します。どの点が確認できず、周辺のどの土地へ影響するかを整理しておくと、その後の追加調査を進めやすくなります。

土地区画整理中に起こりやすい資料の読み違い

起こりやすい読み違いの一つは、仮換地の街区番号や画地番号を、現在の登記地番と同じものとして扱うことです。街区番号や画地番号は事業中の位置を管理するために用いられますが、換地処分後の正式な地番と同じ表記になるとは限りません。数字が似ていても、何を表す番号なのかを確認します。

次に、仮換地指定図の外周を、その時点ですでに登記された筆界と考える誤りがあります。仮換地指定後であっても、換地処分前は登記記録上の従前地と現地の使用収益位置が異なることがあります。調査記録では、従前地の表示と仮換地の位置を分けて管理します。

面積の読み違いにも注意が必要です。登記地積と仮換地地積に差があるからといって、直ちに資料が矛盾しているとはいえません。各面積の算定目的、基準日、確定度が異なる場合があります。面積値を引用するときは、単位だけでなく面積の名称と基準日を併記します。

縮尺の小さい総括図を拡大し、細かな境界位置を読み取ることも避けるべきです。画面上で拡大しても、元図の精度が高くなるわけではありません。スキャン画像では歪みが生じることもあります。座標成果がある場合は数値成果と照合し、図上計測は資料の精度に応じて扱います。

工事が終わっているから換地処分も済んでいる、新しい道路が供用されているから登記も更新済みと考えるのも危険です。工事完了、使用収益の開始、換地計画の決定、換地処分の公告、登記整理は別の節目です。外観だけでは手続の進捗を判断できないため、公告、通知、証明、登記情報などで確認します。

担当者間で同じ言葉を異なる意味で使うこともあります。境界、筆界、画地界、宅地界、道路境界、地区界、引渡し線などは、図面や組織によって用法が異なる場合があります。協議の冒頭で用語を確認し、記録には抽象的な名称だけでなく、点番号、図面名、線種を併記します。

実務担当者が使える確認フロー

最初に、対象土地の識別情報を一枚にまとめます。所在地、従前地番、登記上の所有者、土地区画整理事業名、施行者、街区や工区、仮換地指定の状況、地籍調査の調査区、担当部署を記録します。換地後の予定表示が正式資料に示されている場合は、その資料名と基準日も併記します。

次に、地籍調査区域と施行地区を照合し、対象筆が地区内、地区外、地区界に接する、一部重複のどれに当たるかを整理します。地区界付近では、地区界の正式図書、座標成果の有無、既存筆界との関係、区域変更、分筆の有無を優先して確認します。

その後、事業段階を時系列で確認します。仮換地指定の有無、指定や変更の効力発生日、使用収益に関する通知、工事の進捗、換地計画の手続状況、換地処分の予定または公告、登記整理の状況を並べます。予定は変更される可能性があるため、地籍調査の主要工程ごとに更新を確認します。

資料は、従前地関係、仮換地関係、換地関係、工事関係、登記関係、地籍調査関係に分けて管理します。各資料には取得日、提供元、版、基準日、正式性、座標系、利用目的を記録します。参考図と正式図書を同じ扱いにしないことが重要です。

現地作業前には、確認対象点を分類します。既存成果から復元できる点、現地標識が残る点、工事で失われた可能性がある点、関係者の認識が一致しない点、公共施設管理者との調整が必要な点を区別します。難しい点を事前に抽出し、必要な資料と立会者を準備します。

現地作業後は、確認済み、追加資料待ち、施行者確認待ち、再調査が必要、判断保留などの状態を付けます。未解決事項には確認先と処理期限を設定し、単に要確認とだけ記録しないようにします。事業工程が進むと現地状況や図面版が変わるため、保留事項を定期的に見直します。

成果作成前には、基準時と土地異動を再確認します。調査開始後に所有者変更、分筆、合筆、仮換地変更、区域変更、換地処分などがあった場合は、実施主体が施行者や登記所と協議し、法令と作業手続に沿って成果や工程への反映方法を決めます。担当者の判断だけで従前地と換地後の表示を混在させないことが重要です。

最後に、判断根拠を残します。採用した図面、採用しなかった図面と理由、座標変換や重ね合わせの方法、現地確認の結果、施行者の回答、関係者の確認状況、未解決事項の処理を記録します。結論だけでなく判断過程を残すことで、換地処分後の照会、登記所との調整、担当者交代、将来の位置復元に対応しやすくなります。

まとめ

地籍調査の対象地が土地区画整理中である場合、確認の中心は五つです。地籍調査区域と施行地区の重なり、仮換地指定や換地処分などの事業段階、従前地・仮換地・換地後の土地の対応関係、図面や測量成果と登記情報の基準時、担当部署・施行者・権利者の役割分担です。

特に重要なのは、現地に見えている線をそのまま筆界と判断しないことです。新しい道路、側溝、擁壁、杭、フェンスがあっても、それぞれが何を示すかは正式図書、座標成果、設置記録で確認する必要があります。反対に、登記情報や公図だけを見て、仮換地指定や工事の進捗を無視することも適切ではありません。

土地区画整理事業は長期にわたることがあり、その途中で図面、現地、権利者情報、登記情報が変化します。調査開始時に一度確認して終わりにせず、現地作業前、測量成果の整理時、成果確定前などの節目で最新状況を確認します。事業の進捗予定だけを確定情報として扱わず、公告、通知、正式図書、登記情報で裏付けることが大切です。

現場で取得した位置、写真、点番号、説明内容は、共通の管理番号で関連付けて保存します。紙図面と手書きメモだけに依存せず、位置情報付き写真や測量記録を整理できる方法を採用すると、工事後の再確認や関係者間の情報共有に役立ちます。ただし、使用する機器や管理方法にかかわらず、記録の基準時、点番号、根拠資料を明確にし、正式な境界判断と単なる現況記録を混同しないことが前提です。

制度の運用、必要書類、図面名称、立会方法は、施行者、地域、事業段階によって異なる場合があります。個別の土地について判断するときは、地籍調査の実施主体、土地区画整理事業の施行者、登記所、必要に応じて土地家屋調査士や司法書士などの専門家へ確認してください。

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