LRTKレフィクシア株式会社

地籍調査で土地に根抵当権がある時の確認4項目

地籍調査と根抵当権の関係を整理する

地籍調査の対象となった土地に根抵当権が設定されている場合、最初に整理したいのは、地籍調査と根抵当権の登記では確認する対象が異なるという点です。

地籍調査では、一筆ごとに土地の所有者、地番、地目などを調べ、土地所有者等の関係者による確認を踏まえて筆界を調査し、測量によって地籍図と地籍簿を作成します。作成された成果は閲覧を経た後に登記所へ送付され、登記簿の土地の表示や登記所備付地図の整備に利用されます。国土交通省の案内では、地籍図と地籍簿の閲覧期間は通常20日間とされ、成果送付後は登記所が地籍簿を基に登記簿を修正し、地籍図を正式な地図として備え付ける流れが示されています。地積ポータル

一方、根抵当権は、一定の範囲に属する不特定の債権を、定められた極度額の限度で担保するための抵当権です。根抵当権の登記には、根抵当権者、債務者、極度額、担保すべき債権の範囲などが記録されます。e-Gov法令検索

したがって、地籍調査によって土地の地積や形状が整理されても、それだけで根抵当権が消滅したり、極度額や債権の範囲が変更されたりするわけではありません。土地の面積や地目など物理的な状況を公示する表示に関する登記と、所有権や抵当権などの権利関係を公示する権利に関する登記は、別の種類として扱われます。法務局も、不動産登記を表示に関する登記と権利に関する登記に分けて案内しています。法務局

ここで注意したいのは、根抵当権が登記されていること自体は、通常、地籍調査を実施できない理由にはならないことです。根抵当権付きの土地でも、一筆地調査、筆界の確認、地籍測量、成果閲覧は進められます。ただし、分筆、合筆、一部売却、公共用地への提供、担保の一部解除などを予定している場合は、地籍調査の手続きと根抵当権に関する手続きを分けて確認する必要があります。

また、現地で筆界を確認する立場と、担保権を有する立場も同じではありません。地籍調査では、境界を挟む土地所有者等の関係者が資料と現地を確認することが基本です。根抵当権者は担保権者ですが、根抵当権者であるという理由だけで土地所有者に代わって筆界を決められるわけではありません。代理人が立ち会う場合の要件や必要書類は実施主体ごとに確認する必要があります。

根抵当権がある土地では、地籍調査を止めるのではなく、現在の登記内容、調査で整理される土地の表示、今後予定する処分、根抵当権者との協議が必要になる場面を順番に整理することが重要です。以下では、公開前に誤解が生じにくいよう、四つの確認項目に分けて解説します。

確認項目1 登記事項証明書で根抵当権の内容を確認する

第一の確認項目は、対象地の最新の登記事項証明書を確認し、どの土地にどのような根抵当権が登記されているかを把握することです。

地籍調査の通知、過去の売買契約書、融資時の書類、古い登記事項証明書だけでは、現在の登記状態を正確に把握できないことがあります。その後に根抵当権の変更、移転、一部抹消、全部抹消などが行われている可能性があるため、実務判断には最新情報を用います。

最初に表題部を見て、所在、地番、地目、地積を確認します。調査通知や調査図に記載された地番と一致しているか、同じ区域に似た地番がないか、分筆や合筆によってすでに地番が変わっていないかを照合します。複数筆を所有している場合は、隣接地や旧地番の証明書を対象地のものと取り違えないよう注意が必要です。

次に権利部の甲区で所有権の登記名義人を確認します。実際の管理者と登記名義人が異なる場合、登記名義人が死亡している場合、共有地である場合、住所や氏名の表示が現状と異なる場合は、誰が一筆地調査や成果閲覧に対応するのかを実施主体へ早めに確認します。相続、売買、贈与などによる所有権移転は、地籍調査だけで処理されるものではありません。

続いて、権利部の乙区で根抵当権の内容を確認します。確認対象は、根抵当権者、債務者、極度額、担保すべき債権の範囲、受付年月日、受付番号、順位番号、変更や移転の履歴、抹消の有無です。現在事項だけで経過が分からない場合は、必要に応じて履歴事項を確認します。

根抵当権の登記があるからといって、現在も債務残高があるとは限りません。反対に、関係者から返済済みと聞いていても、登記記録から根抵当権が抹消されているとは限りません。現在の債務残高がゼロであることと、根抵当権の登記が抹消されていることは別の確認事項です。根抵当権は継続的取引から生じる債権を担保する仕組みであるため、残高が一時的にゼロになっただけで当然に登記記録から消えるものではありません。

地籍調査の担当部署が、返済済みの根抵当権を調査の一環として解除することもありません。自治体の公式案内でも、地籍調査では抵当権の解除を行うことはできず、別途、法務局で手続きを行う必要があると説明されています。取手市公式ホームページ

共同担保目録の記載がある場合は、対象地以外にどの土地や建物が同じ根抵当権の共同担保になっているかも確認します。対象地の一部を売却したり、公共用地として提供したりする場合、対象地だけを見て担保解除の可否を判断できるとは限りません。根抵当権者は、共同担保全体の状況、残存する担保価値、債務の状況、契約条件などを踏まえて判断する可能性があります。

根抵当権者の商号や所在地が古い場合には、組織再編、商号変更、権利移転などが生じていないかを確認します。ただし、登記事項証明書に古い表記があることだけを理由に、現在の権利者を推測してはいけません。登記経過、関係書類、根抵当権者からの案内を照合し、必要であれば司法書士など権利登記の専門家へ相談します。

実務では、地番ごとに登記確認の結果を整理すると見落としを減らせます。整理する内容は、現在の地番、旧地番、所有者、根抵当権者、極度額、共同担保の有無、分筆や合筆の予定、売却や用地提供の予定、地籍調査担当部署への連絡状況などです。

ただし、整理した一覧は補助資料にすぎません。最終判断では登記事項証明書や正式な登記情報に戻って照合します。順位番号や受付番号を記録しておけば、変更前の登記、抹消済みの登記、現存する登記を取り違えるリスクを抑えられます。

確認項目2 地籍調査で変更できる事項とできない事項を確認する

第二の確認項目は、地籍調査の成果によって整理される事項と、当事者が別途手続きをしなければならない権利関係を区別することです。

地籍調査では、土地の所有者、地番、地目、筆界、地積などを調査し、地籍図と地籍簿を作成します。国土調査法に基づき成果が登記所へ送付された後、登記所はその成果を基に土地の表示を整理します。一定の条件を満たす分筆や合筆が成果に含まれる場合には、国土調査法に基づく登記が行われる仕組みもあります。e-Gov法令検索

ただし、地籍調査で所有者が希望すれば、どのような分筆や合筆でも自由に行えるという意味ではありません。分筆や合筆を成果へ反映できる条件、必要な同意、権利関係の制限、実施主体の運用を満たす必要があります。自治体の案内例でも、分筆には土地利用や管理上の必要性などの条件があり、合筆には所有者、地目、接続関係、所有権以外の権利の状態などの条件が示されています。取手市公式ホームページ

一方、根抵当権の設定、極度額の変更、債権の範囲の変更、根抵当権者の変更、根抵当権の移転、根抵当権の抹消は権利に関する登記です。これらは地籍調査の成果だけで自動的に変更されるものではありません。

例えば、地籍調査によって登記上の地積より広い面積が測定されたとしても、極度額が自動的に増えるわけではありません。反対に、地積が小さくなっても極度額が自動的に減るわけではありません。極度額の変更には、民法上の要件や関係者の合意、登記手続きの確認が必要です。

境界の確認についても、地籍調査の実施主体が民有地間の筆界を一方的に決めるという理解は適切ではありません。国土交通省の案内では、境界を挟む土地所有者が双方の合意の上で境界を確認し、その後に測量する流れが示されています。地積ポータル

したがって、根抵当権が設定されている土地であっても、現地確認の中心となるのは土地所有者等の関係者です。所有者本人が対応できない場合の代理人、委任状、本人確認資料などは、実施主体の案内に従います。根抵当権者であること自体は、土地所有者の代理権を意味しません。

現地では、公図、地積測量図、過去の境界確認書、道路や水路との境界資料、造成図、境界標、塀、擁壁、側溝、利用状況などを照合します。ただし、塀や舗装の端、植栽の列、占有の境目が必ず筆界と一致するわけではありません。現況物だけで結論を出さず、資料と関係者の認識を合わせる必要があります。

また、長年にわたって隣地の一部を相互に利用している場合でも、地籍調査だけで所有権を実質的な利用者へ移せるわけではありません。所有権移転が必要であれば、原因となる契約や相続関係を整理し、別途、所有権移転登記を検討します。

返済済みの根抵当権が残っている場合も同様です。地籍調査の担当者へ返済済みであることを説明するだけでは、根抵当権の登記は抹消されません。根抵当権者から必要書類の交付を受けるなど、個別の権利関係に応じた抹消登記の準備が必要です。

実務では、地籍調査で確認する事項、表示に関する登記として整理される事項、所有者が別途申請する権利登記、根抵当権者との協議が必要な事項を分けて管理します。実施主体によって取り扱いが異なる項目もあるため、一般論だけで決めず、通知書や説明会資料、担当部署の案内を優先することが安全です。

確認項目3 境界や面積の変更が担保関係に与える影響を確認する

第三の確認項目は、地籍調査によって整理される筆界、地積、形状、接道部分が、今後の土地処分や担保管理にどのような影響を与える可能性があるかを確認することです。

地籍調査では、従来の登記地積と測量後の地積に差が生じることがあります。過去の測量精度、面積計算方法、分筆経過、図面の精度などが異なるため、調査前後の地積が一致しないこと自体はあり得ます。

地積の数値が変わっても、根抵当権は原則として登記された土地を対象として存続します。地積の増減だけを理由に、地籍調査の段階で根抵当権が消滅したり、極度額が自動変更されたりすることはありません。

ただし、根抵当権者が担保評価を見直す場面では、面積だけでなく、形状、接道状況、利用可能性、法令上の制限、残存部分の使いやすさなどが確認される可能性があります。地積が増えれば評価も同じ割合で上がる、地積が減れば評価も同じ割合で下がると断定することはできません。

特に注意が必要なのが分筆です。根抵当権が設定された一筆の土地を二筆以上に分けても、売却予定部分が当然に根抵当権の対象から外れるわけではありません。

不動産登記法には、分筆の登記と併せて、分筆後の一部の土地について所有権以外の権利が消滅した旨を登記する仕組みがあります。ただし、登記された権利者の承諾情報など法令上必要な情報が関係し、個別の登記手続きとして要件を満たす必要があります。地籍調査で分筆線が確認されたことだけで一部解除が完了するものではありません。e-Gov法令検索+1

根抵当権付きの土地の一部を売却する場合は、分筆の計画と根抵当権の一部抹消または解除の計画を別々に確認します。根抵当権者が求める条件は、債務の状況、残存担保の内容、契約条件などによって異なります。代替担保、債務の一部返済、追加書類などが求められる可能性はありますが、具体的条件を一般化して断定することはできません。

分筆後に初めて相談すると、予定していた売買日程や用地取得手続きに影響する場合があります。地籍調査の段階で一部売却や公共用地への提供が決まっているなら、境界線が最終確定する前から、計画の概要を根抵当権者や専門家へ共有することが望まれます。ただし、閲覧前の図面は最終成果ではないため、確定図として説明しないようにします。

合筆にも制限があります。不動産登記法は、所有者や登記された権利の状態が異なる土地などについて、合筆登記を制限しています。根抵当権者が同じというだけでは足りず、権利の目的、受付順位、内容などの整合性を確認しなければならない場合があります。e-Gov法令検索

そのため、一体利用している隣接地を地籍調査で合筆したいと考えても、一方の土地にだけ根抵当権がある場合や、両方にある根抵当権の内容が一致しない場合は、そのまま合筆できない可能性があります。具体的な可否は、登記記録と法令上の要件を確認した上で判断します。

道路や水路、公共用地として利用される部分を分ける場合も、土地の形状を分ける手続き、所有権を移転する手続き、根抵当権を外す手続きを区別します。公共用地になる予定だからといって、根抵当権が自動的に消えるわけではありません。

筆界を確認できない場合は、筆界未定として処理されることがあります。筆界未定になっても所有権や既存の根抵当権が当然に消えるわけではありませんが、将来の分筆、合筆、地積更正、売買、追加担保設定などが進めにくくなる可能性があります。自治体の公式案内でも、筆界未定は分筆、合筆、地積更正、地目変更ができず、売買や抵当権設定が難しくなる要因として説明されています。取手市公式ホームページ

境界に疑問がある場合は、立会い当日に初めて問題を示すのではなく、通知を受けた段階で過去資料を集め、担当部署へ相談します。隣接所有者との認識が異なるときは、何が一致し、何が一致していないかを整理し、資料不足のまま無理に同意しないことも重要です。

地積や形状が大きく変わる場合は、その理由を記録します。測量精度の差、過去資料との不整合、道路や水路との境界整理、分筆や合筆、筆界確認の結果など、変化の原因によって後日の説明内容が異なります。

根抵当権者や買主へ説明するときは、地積が増えた、減ったという結論だけでなく、調査前後の地番、図面、地積、形状、分筆や合筆の有無、成果の段階、登記反映予定を区別して示します。閲覧中の成果と登記反映後の正式な登記情報を混同しないことが大切です。

確認項目4 関係者への連絡と成果閲覧の体制を整える

第四の確認項目は、地籍調査の各段階で誰に何を連絡するかを決め、現地立会いから成果閲覧、登記反映後まで継続して確認できる体制を整えることです。

関係者には、土地所有者、共有者、隣接所有者、相続人、代理人、地籍調査の担当部署、調査作業の受託者、根抵当権者、売買や用地取得の相手方、登記の専門家などが含まれる可能性があります。ただし、全員へ同じ情報を共有する必要はありません。各手続きに必要な範囲で連絡し、債務内容や契約条件など不要な個人情報を広げないことが重要です。

地籍調査の担当部署には、所有者や連絡先の変更、共有や相続の状況、代理人による立会い、調査期間中の売買や分筆、合筆の予定、過去の境界問題、所在不明の境界標などを早めに伝えます。

地籍調査中に所有権移転、分筆、合筆などの登記を行うことが一律に禁止されているわけではありません。しかし、調査資料と登記記録の不一致を避けるため、異動を行った場合や予定している場合は実施主体へ連絡することが必要です。自治体の公式案内でも、調査期間中の土地の異動は禁止されていない一方、異動や予定がある場合は担当部署へ連絡するよう案内されています。取手市公式ホームページ

根抵当権者への連絡が必要かどうかは、予定する行為によって異なります。単に筆界を確認し、地籍測量を受けるだけで、処分や担保変更を予定していない場合、根抵当権があるという理由だけで現地立会い前に常に根抵当権者の承諾が必要だと断定することはできません。

一方、分筆後の一部売却、公共用地への提供、合筆、根抵当権の一部抹消、担保の差し替えなどを予定している場合は、早い段階で根抵当権者へ相談します。説明するときは、地番、現在の登記地積、計画の目的、想定する分筆線、売却または提供予定部分、希望する時期を整理します。

境界が確定していない段階の図面には、地籍調査の結果によって変更される可能性があることを明記します。口頭説明だけで確定図と誤解されないよう、資料の日付と作成段階を残します。

現地立会いでは、根抵当権の契約内容や債務額を隣接所有者へ説明する必要は通常ありません。筆界確認に必要なのは、対象地の範囲、関係資料、現地の境界標、隣接関係などです。担保に入っているから特定の位置が境界になるという説明も適切ではありません。

立会い後は、確認した境界点、保留事項、追加確認が必要な資料、担当者とのやり取りを記録します。写真を残す場合は、撮影日、対象地番、境界点番号、撮影方向、隣接地番が分かるよう整理します。写真だけが残り、どの地点を撮影したか不明になる状態を避けます。

成果閲覧の通知を受けたら、閲覧期間内に地籍図と地籍簿を確認します。国土交通省の案内では、閲覧期間は通常20日間で、誤り等がある場合は申し出ることができ、必要に応じて修正が行われるとされています。地積ポータル

閲覧では、地番、地目、地積、土地の形状、隣接関係、境界点、分筆や合筆の表示を確認します。根抵当権そのものを変更する閲覧ではありませんが、担保の対象となる土地の表示を確認する重要な機会です。

特に、地積の増減が大きい場合、接道部分の形状が想定と異なる場合、分筆線が計画と異なる場合、合筆を希望していない土地が一体に表示されている場合は、閲覧期間内に担当部署へ確認します。疑問があるときは、どの図面のどの点が想定と違うのかを具体的に示します。

登記所への成果送付後は、最新の登記事項証明書と地図を確認します。旧地番と新地番、旧地積と新地積、分筆や合筆の経過、根抵当権の記録、共同担保目録の記載を照合します。

ただし、地籍調査による分筆と、根抵当権の一部抹消を別に進める場合、両方が同時に完了するとは限りません。地籍調査が終了したという連絡だけで、予定した担保解除まで完了したと判断しないことが大切です。

専門家へ相談する場合は、相談内容を分けます。法務局の案内では、土地の分筆など表示に関する登記の申請代理は土地家屋調査士、所有権移転や抵当権設定など権利に関する登記の申請代理は司法書士の分野として案内されています。法務局

複数の手続きを同時に進めるときは、地籍調査の担当部署、土地家屋調査士、司法書士、根抵当権者などの役割を整理し、一つの相談先だけで全手続きが完了したと思い込まないことが安全です。

根抵当権がある土地で起こりやすい実務上のミス

根抵当権付きの土地の地籍調査では、制度の誤解よりも、確認の順序や関係者の役割を混同することで問題が起こりやすくなります。

一つ目のミスは、借入金を返済したため根抵当権もなくなったと思い込むことです。返済状況と登記記録は別に確認します。最新の登記事項証明書で抹消登記の有無を確認し、残っている場合は根抵当権者や権利登記の専門家へ必要手続きを確認します。

二つ目のミスは、根抵当権者の承諾がなければ一筆地調査に立ち会えないと考え、地籍調査への対応を止めることです。筆界確認の主体と、担保変更の協議相手は分けて考えます。ただし、一部売却や担保解除を予定している場合は、別の段階で根抵当権者との協議が必要になる可能性があります。

三つ目のミスは、地籍調査で分筆すれば、売却予定部分が自動的に根抵当権から外れると考えることです。分筆と一部抹消は同じではありません。売却予定部分を担保から外す必要があるなら、根抵当権者の承諾や登記手続きの要件を確認します。

四つ目のミスは、根抵当権者が同じなら合筆できると判断することです。合筆には法令上の制限があり、権利者の一致だけでなく、権利の内容や順位などの確認が必要になる場合があります。

五つ目のミスは、地積の増減率と担保価値の増減率が同じだと判断することです。担保評価は面積だけで決まるとは限りません。地籍調査の担当部署が担保価値を決定するわけでもないため、測量結果と担保評価を区別します。

六つ目のミスは、現地立会いへの出席で確認が終わったと思うことです。立会い後には測量、地籍図と地籍簿の作成、成果閲覧、登記所への成果送付があります。閲覧で図面上の形状や地積を確認し、登記反映後に正式な登記記録を確認します。

七つ目のミスは、地籍調査期間中に売買、相続、分筆などがあったのに担当部署へ連絡しないことです。調査開始時の資料と最新の登記がずれると、通知、立会い、閲覧、成果作成の各段階で混乱が生じます。

八つ目のミスは、旧地番と新地番の対応を残さないことです。分筆、合筆、地番変更があると、契約書、図面、固定資産関係資料、賃貸借契約などに記載された地番と新しい地番が異なる場合があります。旧地番がどの新地番に対応するのかを記録します。

九つ目のミスは、閲覧段階の図面を登記完了後の確定資料として扱うことです。閲覧後に修正される場合や、登記所への反映まで時間差がある場合があります。資料には閲覧用、成果送付後、登記反映後などの段階を明記します。

十個目のミスは、写真だけを残し、位置や方向を記録しないことです。境界標や擁壁の写真があっても、地番、境界点番号、撮影方向が分からなければ後日の説明に使いにくくなります。図面上の点番号と写真を対応させて保管します。

地籍調査の通知から登記反映までの進め方

地籍調査の通知を受けたら、最初に対象地番と通知の宛名を確認します。所有している土地がすべて含まれているか、すでに売却した土地が混在していないか、相続や共有の状況が通知内容に反映されているかを確認します。

次に、最新の登記事項証明書を取得し、表題部、甲区、乙区を確認します。根抵当権については、根抵当権者、債務者、極度額、債権の範囲、受付番号、順位、共同担保目録の有無を整理します。

返済済みなのに根抵当権が残っている、所有者の表示が現状と異なる、相続登記が未了である、根抵当権者の表示が古いなどの課題が見つかった場合は、地籍調査の問題と権利登記の問題を分けて対応方針を決めます。

続いて、過去の境界資料を集めます。公図、地積測量図、境界確認書、売買時の図面、道路境界や水路境界の資料、造成図、境界標の写真などを確認します。資料ごとに作成年月日と作成者を記録し、古い資料を最新資料と誤認しないようにします。

現地では、境界標の有無、塀や擁壁との位置関係、隣接地の利用状況、道路や水路との接点を確認します。境界標が見つからない場合でも、所有者の判断だけで新しい杭を設置せず、調査担当者へ状況を伝えます。

分筆、合筆、一部売却、公共用地への提供、建築、造成などの予定がある場合は、地籍調査の担当部署へ事前に伝えます。根抵当権の一部抹消や担保条件の変更が必要になる可能性があれば、根抵当権者や司法書士へも早めに相談します。

現地立会いでは、調査担当者の説明を聞き、隣接所有者等の関係者と筆界を確認します。過去資料と現況が一致しない場合は、何が不一致なのか、追加で確認する資料は何か、保留する境界点はどこかを記録します。

立会い後は、確認した境界点、設置または確認した標識、協議事項、保留事項を整理します。口頭でおおよその位置を確認しただけでは、後から認識が分かれる可能性があります。調査担当者が付した点番号と手元の図面、写真、記録を対応させます。

成果閲覧の通知を受けたら、期間内に地籍図と地籍簿を確認します。調査前後の地番、地目、地積、形状、境界点、隣接関係、分筆や合筆の内容を比較します。

根抵当権付きの土地では、将来の売却や担保管理に影響する可能性があるため、地積だけでなく、接道部分、間口、残存地の形状、売却予定部分との対応も確認します。ただし、担保価値の判断を地籍調査担当者へ求めるのではなく、必要に応じて根抵当権者へ相談します。

成果に疑問があれば、閲覧期間内に担当部署へ申し出ます。地番、境界点番号、図面上の位置、想定と異なる内容を具体的に示すと確認しやすくなります。

登記所への反映後は、最新の登記事項証明書と地図を取得します。旧地番と新地番、旧地積と新地積、分筆や合筆の経過、根抵当権の記録、共同担保目録を照合します。

分筆後の一部について根抵当権を外す予定がある場合は、地籍調査の登記反映とは別に、一部抹消など予定した権利登記が完了しているかを確認します。どちらか一方の完了だけで全手続きが終わったと判断しないことが重要です。

資料は地番ごとにまとめて保管します。登記事項証明書、地籍調査の通知、立会い記録、境界点の写真、閲覧資料、旧新地番の対照、根抵当権者との連絡記録、専門家からの説明資料を対応させます。

将来、土地を売却する、担保を解除する、相続人へ引き継ぐといった場面で、地籍調査の経過と登記の変化を説明できれば、対象土地の特定と関係者間の確認を進めやすくなります。

まとめ

地籍調査の対象地に根抵当権が設定されていても、それだけで地籍調査ができなくなるわけではありません。重要なのは、地籍調査で整理される土地の表示と、根抵当権という権利関係を分けて確認することです。

最初に最新の登記事項証明書を確認し、対象地の地番、所有者、根抵当権者、債務者、極度額、債権の範囲、共同担保の有無を把握します。

次に、地籍調査で扱われる筆界、地積、地目、分筆や合筆の条件と、別途手続きが必要な所有権移転、根抵当権の変更や抹消を区別します。

さらに、分筆、一部売却、公共用地への提供、合筆を予定している場合は、根抵当権が分筆後の土地にどのように残るか、合筆制限に該当しないか、担保解除に何が必要かを事前に確認します。分筆すれば売却部分が自動的に担保から外れるという理解は避けなければなりません。

最後に、土地所有者、隣接所有者、地籍調査の担当部署、根抵当権者、土地家屋調査士、司法書士などの役割を整理し、現地立会い、成果閲覧、登記反映後の確認まで継続して対応します。

地籍調査や登記の取り扱いには、個別の登記内容、自治体の運用、契約条件によって異なる部分があります。判断に迷う場合は、地籍調査の進め方を実施主体へ、表示に関する登記を土地家屋調査士へ、根抵当権など権利に関する登記を司法書士へ確認し、必要に応じて根抵当権者とも協議することが安全です。

現場を3Dで残して、あとから測る。
実際の画面と動画で使い方を確認できます。

LRTK Phoneの使い方・実例を見る
資料請求導入相談
現場をスマホで3DスキャンLRTK Phone実例を見る