LRTKレフィクシア株式会社

現場で土量管理の残土処分費を膨らませない搬出前5確認

現場で土量管理を搬出前に行う重要性

掘削工事では、発生した土を現場外へ搬出する段階になってから、想定より数量が多いことに気づく場合があります。施工前の計画では処理できると考えていたにもかかわらず、搬出台数が増え、受入先との調整や運搬工程の見直しが必要になることも珍しくありません。

残土処分費が膨らむ原因は、単に掘削量が多かったことだけではありません。設計数量と現場の掘削範囲が一致していない、地山状態とほぐした状態の体積を混同している、現場内で再利用できる土まで搬出している、含水状態や混入物によって搬出先の受入条件から外れているなど、複数の要因が重なって発生します。

そのため、現場で土量管理を行うときは、搬出伝票や車両台数を集計するだけでは不十分です。どの範囲から、どのような土が、どれだけ発生し、どこへ運ばれるのかを一連の流れとして管理する必要があります。特に重要なのが、最初の車両を出す前の確認です。

搬出を開始すると、土は現場から物理的に離れていきます。後から数量差が見つかっても、すでに運び出した土の状態や発生位置を正確に確認することは難しくなります。写真や伝票が残っていても、掘削範囲、仮置き量、積込量の関係が整理されていなければ、差が生じた理由を説明できません。

搬出前に土量を確定する目的は、計算上の数量を一つに決めることではありません。設計図から求めた数量、現況測量から求めた数量、施工計画上の数量、実際に積み込む数量という複数の値を比較し、それぞれの違いを把握することが目的です。

土量には、測定時点や状態による違いがあります。掘削前の地山体積、掘削してほぐれた土の体積、運搬車両に積み込んだ状態の体積、受入先で計測される重量や体積は、必ずしも同じ値にはなりません。これらを同じ基準で比較すると、見かけ上の数量差が生まれます。

現場で土量管理を安定させるには、搬出前に数量の基準を決め、発生土の区分を整理し、再利用可能量を差し引き、搬出先の条件を確認したうえで、搬出実績を記録する仕組みをつくることが重要です。ここからは、残土処分費を必要以上に膨らませないために確認したい五つの項目を解説します。

確認1 発生土の区分と搬出対象範囲を確定する

最初に確認したいのは、どの土を搬出対象とするのかです。現場内にある土をすべて同じ残土として扱うと、本来は再利用できる土や別工種で使用する予定の土まで搬出してしまう可能性があります。

土工事の数量を確認するときは、掘削範囲を工区、測点、構造物、施工時期などで区分します。道路工事であれば、本線、路肩、側溝、構造物基礎、交差点部などに分けて整理すると、どの範囲から土が発生したのかを追いやすくなります。造成工事では、切土部、盛土部、調整池、擁壁、排水施設などに分ける方法が考えられます。

区分を細かくする目的は、計算を複雑にすることではありません。搬出対象となる土と、現場内で利用する土を混同しないようにすることが目的です。掘削量が同じでも、全量を搬出する場合と、一部を埋戻しや盛土に利用する場合では、必要な搬出台数が大きく変わります。

発生土の性状も確認が必要です。砂質土、粘性土、礫を多く含む土、植物の根や有機物を含む表土などでは、現場内で利用できる用途や搬出先の受入条件が異なる場合があります。土質を見た目だけで判断せず、設計図書、地質資料、試験結果、発注者との協議内容などを確認します。

また、土の中にコンクリート片、舗装片、木くず、金属片、廃材などが混ざっていないかも確認します。掘削によって発生した土であっても、異物が混入した状態では、通常の建設発生土と同じ条件で取り扱えない場合があります。油臭、変色、不自然な混入物などが確認されたときは、そのまま搬出せず、現場の管理手順や関係者との協議に従って対応することが大切です。

既設構造物の撤去を伴う現場では、土砂と撤去材が混ざりやすくなります。掘削機械で一括してすくい上げ、同じ仮置き場所へ集めてしまうと、分別のための作業が増えるだけでなく、搬出先を変更しなければならない可能性もあります。掘削段階から土砂と異物を分けることで、余計な搬出や積み替えを防ぎやすくなります。

搬出範囲を確定するときは、施工図面上に範囲を示すだけでなく、現地でも区画を共有します。掘削境界、仮置き場所、再利用土の置場、搬出土の置場を明確にし、重機オペレーターや土工担当者が同じ認識を持てる状態にします。

仮置き場所が不足している現場では、掘削した土をすぐに搬出する運用になりがちです。しかし、発生土の区分が終わる前に積み込むと、再利用できる土まで現場外へ出してしまい、後から埋戻し材などを別途手配する事態につながることがあります。場所が限られている場合でも、短時間だけ判定を待つ区画を設けるなど、搬出前の確認時間を確保することが重要です。

現場で土量管理を行う際は、土の総量だけでなく、搬出対象、現場内利用対象、判定保留というように状態を分けて記録します。対象範囲と土の区分が明確になれば、搬出数量の根拠が整理され、後の数量照合もしやすくなります。

確認2 設計数量と現場実測数量の差を確認する

二つ目は、設計数量と現場実測数量の差を搬出前に確認することです。設計図書に記載された土量は重要な基準ですが、施工時点の現地形状や実際の掘削範囲と完全に一致するとは限りません。

設計数量は、設計時の地形データ、計画断面、測点間隔などを基に算出されています。その後、現場条件の変化、既設物の位置、施工方法、仮設計画などによって、実際の掘削形状が変わることがあります。施工前の現況測量を行わず、設計数量だけを搬出計画に使用すると、実際の発生量との差を見落としやすくなります。

特に注意したいのが、余掘りや施工上必要となる作業空間です。構造物基礎の掘削では、図面上の構造寸法だけでなく、型枠の設置、作業員の動線、排水設備、法面勾配などを考慮した掘削が行われます。これらが数量に反映されていなければ、現場の発生土は設計上の本体数量より多くなります。

一方で、掘削範囲が重複して計上されている場合もあります。複数の構造物や工種が近接する場所では、個別に計算した掘削数量を単純に合計すると、同じ部分を二重に計上する可能性があります。搬出前には、平面図と断面図を重ねて見ながら、重複範囲や控除範囲を確認します。

数量を比較するときは、何の状態を表す体積なのかを統一する必要があります。掘削前の地山体積と、掘削後にほぐれた土の体積は異なります。一般に、土は掘削すると空隙が増え、見かけの体積が変化します。しかし、その変化の程度は土質、含水状態、掘削方法、積込方法などによって異なります。

そのため、設計上の地山数量を、そのまま車両の荷台容積で割って搬出台数を求めると、実際の台数と合わないことがあります。搬出計画では、地山数量、ほぐした状態の想定数量、車両一台当たりの管理数量を分けて整理することが重要です。

土量換算に用いる条件は、現場ごとに設定し、根拠を残します。過去の経験値だけを無条件に使用すると、土質が異なる現場で大きな差が生じる可能性があります。試験掘削や初期搬出の結果を使って換算条件を見直す方法も有効です。

現況と計画形状を比較できる測量データがある場合は、面積や体積を面的に確認します。測点ごとの断面だけでは把握しにくい局所的な凹凸、旧水路、既設盛土、法面の張り出しなども、面的な比較によって見つけやすくなります。

ただし、測量データから求めた体積も、取得範囲や境界線の設定によって変化します。仮設道路や資材置場まで計算範囲に含めていないか、構造物部分を正しく控除しているか、掘削前後で同じ座標系と高さ基準を使用しているかを確認しなければなりません。

搬出前には、設計数量と実測数量の差を一覧化するだけでなく、差が生じた理由を整理します。現況地盤の違い、設計変更、余掘り、土質区分の変更、測量範囲の違いなど、説明できる差であれば、工程や搬出計画へ反映できます。

理由が分からないまま数量だけを増やすと、搬出実績がさらに増えたときに、どこまでが妥当な差なのか判断できません。現場で土量管理を行ううえでは、数値の一致よりも、差の発生箇所と原因を追跡できる状態をつくることが大切です。

確認3 現場内利用と搬出量の振り分けを見直す

三つ目は、発生土をすべて搬出する前提になっていないかを確認することです。掘削によって発生した土の中には、現場条件や品質条件を満たせば、埋戻し、盛土、整地、仮設施設の造成などに利用できるものが含まれている場合があります。

現場内利用の検討では、単に土が余っているかどうかを見るのではなく、使用時期、使用場所、必要品質、運搬距離、仮置き条件を確認します。将来必要になる土であっても、長期間の仮置きによって施工の妨げになる場合や、降雨によって状態が悪化する場合は、保管方法まで含めて判断する必要があります。

埋戻しに使用する場合は、設計図書や施工計画で求められる材料条件を確認します。粘性が高く締固めにくい土、含水量が高い土、大きな礫や異物を含む土などは、使用場所によって適否が変わります。利用できるかどうかを現場担当者だけで決めず、必要に応じて発注者、監督員、設計担当者などと確認します。

現場内利用量を見込むときは、必要な締固め後の体積と、仮置きされているほぐれた土の体積を同じものとして扱わないことが重要です。盛土や埋戻しでは、敷き均しと締固めによって体積が変化します。必要数量を地山、ほぐし、締固め後のどの状態で管理するかを明確にします。

例えば、埋戻しに必要な完成体積だけを見て、同量の仮置き土を残すと、実際には不足する可能性があります。反対に、安全側を見込みすぎて大量の土を残すと、工事終盤に余剰土が発生し、急いで搬出先を確保することになります。

現場内利用の計画では、利用予定量と予備量を分けて管理すると判断しやすくなります。利用予定量は、設計数量や施工計画に基づいて確保する土です。予備量は、沈下、不陸調整、掘削形状の変化などに対応するために一時的に残す土ですが、保有期限を決めなければ、不要な土が現場に残り続けます。

工区が複数ある現場では、ある工区で余った土を別の工区で利用できる場合があります。ただし、工程がずれていると仮置き期間が長くなり、置場の確保や場内運搬が必要になります。土量だけでなく、工程表と照らし合わせながら、いつ発生し、いつ使用するのかを確認することが大切です。

仮設工事に利用した土の最終的な扱いにも注意します。仮設道路や仮設ヤードを盛土で造成した場合、その土を工事終盤に撤去する計画であれば、将来の搬出土として見込む必要があります。工事中に使用しているからといって、最終的な残土量が減ったとは限りません。

反対に、仮設盛土を本設盛土の一部として利用できる計画であれば、二重に搬出量へ計上しないようにします。仮設と本設の境界、使用材料、施工履歴を記録しておくことで、最終数量を整理しやすくなります。

現場内利用を増やすことだけを優先すると、品質や施工性に問題が生じる可能性があります。利用可能量は、品質条件を満たし、施工計画上無理なく使用できる範囲で設定します。現場外搬出を減らすことは重要ですが、無理な転用によって手直しや再施工が発生すれば、結果的に作業量が増えてしまいます。

搬出前には、発生見込量から現場内利用量を差し引き、最終的な搬出予定量を更新します。このとき、未確定の利用量を確定量として差し引かないようにします。使用場所や承認が決まっていない土は、保留数量として別に管理すると、過度に楽観的な搬出計画を防げます。

確認4 搬出先の受入条件と運搬条件を確認する

四つ目は、搬出先の受入条件を確認することです。搬出先が決まっていても、どのような土でも無条件に受け入れられるとは限りません。土質、含水状態、礫の大きさ、異物の混入、搬入時間、車両条件などが定められている場合があります。

搬出直前になって受入不可と判断されると、別の搬出先を探す、仮置き場所へ戻す、土を分別する、含水状態を調整するといった追加作業が発生します。こうした手戻りは、搬出工程を乱すだけでなく、現場内の掘削や構造物施工にも影響します。

受入条件は口頭確認だけで済ませず、関係者間で共有できる形に整理します。受入可能な土質、受入できない混入物、必要な事前手続き、搬入時に必要となる記録、受付時間、休業日、車両の大きさなどを確認します。

降雨時や降雨後の対応も重要です。土の含水量が増えると、荷台から降ろしにくくなったり、搬出先の受入条件に合わなくなったりする場合があります。現場内では積み込めるように見えても、運搬中の水分移動や振動によって状態が変わることがあります。

雨天が予想されるときは、仮置き土への雨水流入を抑える、排水を確保する、搬出順序を調整するなどの対策を検討します。ただし、土の状態を変えるために場当たり的な材料混合などを行うのではなく、現場の施工計画や受入条件に沿って対応する必要があります。

運搬経路については、現場から搬出先までの距離だけでなく、道路幅、交差点、通学路、住宅地、橋梁の制限、時間帯による交通状況などを確認します。搬出台数を増やせば一日の搬出量が必ず増えるとは限りません。現場出入口や搬出先の受付能力が限られていれば、車両の待機時間が長くなります。

車両が現場内で長時間待機すると、積込場所が混雑し、掘削作業や資材搬入の妨げになります。反対に車両の到着が遅れると、重機が待機する時間が増えます。搬出台数は、掘削量だけでなく、一台当たりの往復時間、積込時間、荷下ろし時間、受付能力を考慮して設定します。

一台当たりの管理数量についても確認が必要です。荷台の公称容積だけで数量を決めると、土の盛り方や含水状態によって実際の積載状態との差が生じます。安全な積載を前提とし、過積載を起こさない運用を徹底したうえで、現場で使用する数量基準を定めます。

搬出先で重量計測が行われる場合は、現場側の体積管理と受入先の重量管理を直接比較できないことがあります。重量を体積へ換算するには土の密度が必要ですが、密度は土質や含水状態によって変化します。固定した換算値を無条件に適用せず、数量の性質が異なることを理解したうえで照合します。

受入先が複数ある場合は、どの土をどこへ搬出するのかを事前に決めます。現場の判断だけで搬出先を変更すると、数量記録や受入条件の確認が追いつかなくなることがあります。搬出先ごとに対象土、車両、必要書類、予定数量を整理しておくと、誤搬出を防ぎやすくなります。

現場で土量管理を行う際は、搬出可能な数量だけでなく、受入先が一日に処理できる数量も確認します。掘削工程を先行させすぎると、搬出できない土が現場内に滞留し、仮置き場を圧迫します。掘削能力、積込能力、運搬能力、受入能力のうち、最も小さい能力に合わせて工程を組むことが重要です。

確認5 積込量と搬出台数を記録できる体制を整える

五つ目は、搬出実績を継続的に記録できる体制をつくることです。搬出前に数量を精査しても、搬出開始後の実績が記録されていなければ、計画数量との差を確認できません。

最低限記録したいのは、搬出日、車両、搬出元の工区、土の区分、搬出先、台数、受入記録との対応関係です。現場によっては、積込時刻、搬出時刻、帰着時刻、積載状態、天候なども記録すると、工程遅延や数量差の原因を分析しやすくなります。

車両台数を記録するときは、単に一日の合計台数だけを残すのではなく、どの場所から積み込んだ土なのかを関連付けます。複数工区で同時に掘削している場合、積込元が分からなければ、設計数量との照合ができません。

積込場所に担当者を配置できない場合でも、運転者が記入する搬出票、車両ごとの識別、積込場所の写真などを組み合わせることで記録できます。ただし、記録方法を複雑にしすぎると入力漏れが増えるため、現場の運用に合わせて必要項目を絞ることが重要です。

写真を残す場合は、車両だけを撮影するのではなく、積込場所や土の状態が分かるようにします。毎回同じ方向から撮影し、日付や工区を関連付けると、後から確認しやすくなります。写真だけで正確な体積を算定することは難しいため、数量記録を補足する資料として扱います。

搬出台数から土量を求める場合は、一台当たりの数量を固定してよいかを確認します。すべての車両が同じ大きさとは限らず、土の状態や積み方も一定ではありません。車両区分ごとに管理数量を設定し、積載量が明らかに異なる場合は補正できるようにします。

日々の集計では、計画累計量と実績累計量を比較します。実績が計画を上回った場合は、単に搬出が順調と判断せず、掘削の進捗量と対応しているかを確認します。掘削進捗が半分なのに搬出量が大部分へ達している場合は、計画数量の不足、掘削範囲の拡大、換算条件の違いなどが考えられます。

反対に、掘削が進んでいるのに搬出量が少ない場合は、仮置き量が増えている、現場内利用が進んでいる、車両一台当たりの管理数量が実態より大きいといった可能性があります。搬出量だけを見るのではなく、掘削量、仮置き量、利用量との収支を確認します。

土量収支は、掘削発生量が、現場内利用量、仮置き残量、搬出量などに分かれる考え方で整理できます。それぞれを同じ時点、同じ体積基準で比較できるようにすることが大切です。地山数量とほぐし数量が混在している場合は、別欄で管理し、無理に一つの数字へまとめないほうが安全です。

受入先の伝票や計量記録がある場合は、現場側の搬出記録と定期的に照合します。伝票を工事終盤まで保管するだけでは、数量差が発生していても対応が遅れます。毎日または一定台数ごとに確認し、差が大きくなる前に原因を調べます。

記録の訂正方法も決めておきます。誤った工区名や搬出先が記録されたときに、元の記録を消して書き換えると、後から経緯が分からなくなります。訂正前後の内容と理由が分かる形で残し、誰が確認したのかを明確にします。

搬出実績を正確に記録することは、数量精算のためだけではありません。工程管理、車両配置、近隣対策、仮置き場管理、安全管理にも利用できます。現場で土量管理を日常業務へ組み込むことで、搬出量が想定から外れた段階を早く発見できます。

残土処分費が膨らみやすい現場の共通点

残土処分費が膨らみやすい現場には、いくつかの共通点があります。最も多いのは、設計数量を搬出数量と同じものとして扱い、施工条件による増減を確認していないケースです。

設計数量は契約や施工計画の重要な基準ですが、実際の車両台数を直接示すものではありません。余掘り、土のほぐれ、含水状態、現場内利用、仮設撤去などを考慮しなければ、搬出計画との差が生じます。

次に、仮置き土の数量が把握されていない現場です。掘削のたびに空いている場所へ土を置くと、どの工区から発生した土なのか分からなくなります。複数の土質が混ざり、再利用の判断も難しくなります。

仮置き土は、平面的な広さだけでなく、高さを含めて把握する必要があります。目視では少なく見えても、広い範囲に薄く置かれた土は相当量になる場合があります。反対に、山積みされた土は大きく見えますが、空隙や斜面形状によって単純な直方体として計算できません。

施工範囲の変更が数量へ反映されていない現場も注意が必要です。現場判断で掘削幅を広げた、軟弱な部分を追加掘削した、構造物の位置が変更されたといった場合は、その都度数量を更新します。変更内容だけを図面へ記録し、土量計算を工事終盤まで先送りすると、搬出量との差が蓄積します。

土工事を複数の担当者や協力会社が分担している場合は、数量基準の違いも起こりやすくなります。ある担当者は地山体積で管理し、別の担当者は車両台数で管理していると、同じ土量について異なる数字が使われます。会議資料、施工計画、日報で使用する数量基準をそろえることが重要です。

搬出を急ぐあまり、再利用判定を行わず積み込む現場もあります。掘削作業を止めないことだけを優先すると、利用可能な土まで搬出され、後の工程で土が不足する場合があります。搬出速度と判定速度のバランスを取り、判断できない土を一時的に保留する仕組みが必要です。

工事終盤だけ土量収支を確認する運用も、費用が膨らむ原因になります。工事が進んだ後では、余分に掘削した位置や、どの仮置き土を搬出したのかを確認しにくくなります。土量収支は、月末だけでなく、掘削範囲の切替時や一定数量の搬出ごとに確認することが有効です。

搬出開始後も土量を継続的に照合する

搬出前の確認を終えた後も、土量管理は続きます。初日の搬出結果は、その後の計画を見直すための重要な情報になります。

初期搬出では、一定範囲の掘削量と、その範囲から実際に搬出した台数を対応させます。設計数量、測量数量、車両台数、受入記録を比較することで、現場で使用している換算条件が妥当かを確認できます。

初期段階で差が見つかった場合は、全体数量へ単純に倍率を掛ける前に原因を調べます。土質の違い、掘削深さの増加、仮置き土の混入、車両ごとの積載差など、局所的な要因かもしれません。差の原因を特定せずに全体計画を変更すると、別の工区では逆方向の誤差が生じる可能性があります。

工区ごとに土質や施工方法が異なる場合は、換算条件も分けて管理します。表土、路床土、構造物掘削土などを一つの条件で扱うと、搬出台数の予測が不安定になります。施工の進行に合わせて実績値を蓄積し、次の工区の計画に反映します。

仮置き量も定期的に確認します。搬出実績が計画どおりでも、仮置き土が増えている場合は、掘削量が計画を上回っている可能性があります。搬出量だけではなく、現場に残っている土まで含めて収支を確認する必要があります。

残りの掘削範囲についても、最新の現況に基づいて見込数量を更新します。施工済み範囲の実績を反映することで、最終的な搬出台数や搬出期間を早めに予測できます。受入先や運搬車両の追加調整が必要な場合も、工事終盤になってから判明するより対応しやすくなります。

土量管理の会議では、数字だけを報告するのではなく、計画との差と今後の見込みを共有します。現在までの掘削量、現場内利用量、搬出量、仮置き量、残工事の見込量を同じ資料で確認すると、関係者の認識をそろえやすくなります。

現場で土量管理を標準化する進め方

現場で土量管理を安定して行うには、担当者の経験だけに依存しない仕組みが必要です。土量計算に詳しい担当者がいても、記録方法や確認時期が決まっていなければ、現場が変わるたびに管理品質がばらつきます。

まず、工事着手前に土量管理の基準を決めます。どの図面や測量データを基準にするのか、地山量とほぐし量をどのように区別するのか、現場内利用量を誰が承認するのか、搬出台数を誰が集計するのかを明確にします。

次に、掘削範囲の区分方法を統一します。工区名、測点、構造物番号など、現場で日常的に使用する単位に合わせると、日報や写真との関連付けが容易になります。土量管理専用の複雑な番号を新たに作るより、既存の施工管理区分と合わせたほうが運用しやすくなります。

測量の時期も決めておきます。掘削前、掘削完了後、仮置き完了時、搬出完了時など、数量を確定したい時点で記録を残します。埋戻しや次工程が始まった後では、掘削面を再確認できません。

現場写真は、土量を直接証明する唯一の資料ではありませんが、施工範囲や土の状態を確認するうえで役立ちます。撮影位置、方向、対象工区をそろえ、測量結果や日報と関連付けることで、数量差が生じたときの確認資料になります。

日々の管理では、入力項目を増やしすぎないことも大切です。詳細な記録表を作っても、現場で入力されなければ意味がありません。搬出管理に必要な項目を絞り、現場担当者、積込担当者、事務担当者の役割を分けます。

定期的な照合では、計画値と実績値の差に基準を設けます。わずかな差を毎回問題にするのではなく、一定の差が発生した場合に掘削範囲や換算条件を再確認する運用にすると、管理負担を抑えながら異常を発見できます。

ただし、差の許容範囲を一律に設定するのではなく、工事規模、測量方法、土質、施工段階などを考慮します。工事初期は実績データが少ないため、こまめに確認し、条件が安定してから確認間隔を調整する方法が現実的です。

土量管理の記録は、工事完了時の数量説明にも利用できます。どの範囲からどれだけ土が発生し、どれだけ再利用し、どれだけ搬出したのかが時系列で整理されていれば、設計数量との差を説明しやすくなります。

現場で土量管理を標準化する本質は、計算精度だけを高めることではありません。掘削、測量、仮置き、積込、運搬、受入という工程をつなぎ、数量の変化を関係者が共有できる状態をつくることです。

まとめ

残土処分費を必要以上に膨らませないためには、搬出を始める前の確認が重要です。最初に発生土の区分と搬出対象範囲を明確にし、設計数量と現場実測数量の差を確認します。そのうえで、現場内で利用できる土を適切に振り分け、搬出先の受入条件と運搬能力を整理し、搬出実績を継続的に記録できる体制を整えます。

土量は、掘削前、掘削後、積込時、受入時で状態が変わります。異なる状態の数量を同じ基準で比較すると、実際には問題がなくても大きな差があるように見えたり、反対に本当の数量超過を見落としたりします。どの状態の数量を扱っているのかを明確にすることが、現場で土量管理を行う基本です。

また、搬出量だけを確認するのではなく、掘削発生量、現場内利用量、仮置き残量との収支を継続的に確認する必要があります。搬出開始後も、計画と実績を一定の間隔で照合し、差が小さい段階で原因を調べることが重要です。

土量管理を工事終盤の集計作業として扱うのではなく、日々の施工管理へ組み込むことで、搬出台数の増加、受入先との不整合、再利用土の不足といった問題を早期に把握できます。現場の地形や仮置き土を記録し、数量の根拠を関係者間で共有することが、安定した管理につながります。

現場の土量をより分かりやすく把握し、搬出前後の状況を記録する方法を検討するときは、身近な端末から計測や情報共有を始められるPhoneの活用へつなげてみてください。

現場を3Dで残して、あとから測る。
実際の画面と動画で使い方を確認できます。

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