LRTKレフィクシア株式会社

3D CADで配管ルートの干渉と曲げ不足を防ぐ7つの確認

建築設備、工場設備、プラント、機械装置などの設計では、配管ルートを平面図だけで検討すると、施工段階で干渉や曲げ不足が見つかることがあります。平面上では配管同士が重なっていなくても、高さ方向で梁やダクト、ケーブルラック、機器、支持材と接触する可能性があるためです。

また、3D CAD上で配管が目的地までつながっていても、実際の施工に必要な曲げ半径、継手寸法、工具の作業空間、保温厚さ、勾配、支持間隔などが考慮されていなければ、そのルートを現場で再現できない場合があります。形状として成立していることと、施工可能な配管ルートであることは同じではありません。

こうした問題を減らすには、単純な干渉チェックだけでなく、配管の外形、曲げ条件、施工手順、維持管理、現況との差異まで含めて確認する必要があります。本記事では、3D CADを使って配管ルートの干渉と曲げ不足を防ぐために、実務で確認したい7つのポイントを詳しく解説します。

3D CADで配管ルートを確認する重要性

配管設計では、始点と終点を結ぶだけでなく、その途中にある構造体や設備を避けながら、施工可能な曲げと接続を成立させなければなりません。さらに、使用する配管の材質、口径、接続方法、内部を流れる物質、温度、圧力、必要な勾配などによって、適切なルートは変わります。

二次元図面では、平面図、断面図、詳細図を見比べながら立体的な位置関係を判断します。しかし、変更が繰り返される案件では、一つの図面だけが修正され、ほかの図面との整合が崩れることがあります。高さ情報の読み違いや、別系統の配管を同じ高さに配置してしまう問題も起こりやすくなります。

3D CADを使用すると、配管、構造体、機器、ダクト、電気設備などを同じ空間上で確認できます。任意の方向からモデルを表示し、断面を切り替えながら狭い部分を確認できるため、高さ方向の重なりや奥行き方向の干渉を発見しやすくなります。

ただし、3D化しただけで問題が自動的になくなるわけではありません。配管が中心線だけで表現されていたり、保温材や継手が省略されていたりすると、干渉チェックを実行しても実際の占有範囲を判定できません。モデルの精度と確認条件が不十分であれば、三次元モデルでも施工時の問題は残ります。

配管ルートの検討では、完全な接触だけを干渉として扱わないことも重要です。数ミリメートルの隙間があったとしても、施工誤差や振動、熱変位、保温施工、ボルト締結などに必要な余裕がなければ、実務上は干渉に近い状態です。3D CADでは、接触の有無だけでなく、必要な離隔距離を満たしているかを確認する必要があります。

確認1 配管外径と保温材を含めた占有範囲を設定する

最初に確認したいのは、3D CAD上の配管外形が実際の占有範囲を表しているかどうかです。配管モデルを呼び径や中心線だけで作成すると、設計上は通っているように見えても、実物を配置したときに周囲の設備と接触する可能性があります。

配管の占有範囲を考える際は、管本体の外径だけでなく、保温材、保冷材、防露材、耐火被覆、外装材などの厚さを考慮します。必要な被覆は配管の用途や設置環境によって変わるため、全系統に同じ厚さを設定するのではなく、系統ごとの条件を整理してモデルに反映することが大切です。

例えば、配管本体と構造体の間に隙間があるように見えても、その隙間より保温材が厚ければ施工できません。また、管本体を先に設置できたとしても、後から保温材を巻く作業ができなければ、施工可能なルートとはいえません。保温材同士が接触すると補修や点検が難しくなり、結露水や汚れの状態を確認しにくくなることもあります。

継手部分の外形にも注意が必要です。フランジ、バルブ、ユニオン、分岐継手、異径継手などは、直管より外側へ張り出します。直管部分だけを円筒形状で表現していると、接続部の干渉を見落とします。特に大きな接続部が連続する場所では、隣接する配管との中心間距離を広めに確保しなければなりません。

配管の識別情報もモデルに設定しておくと確認しやすくなります。系統、口径、材質、保温条件、設計高さなどを属性として整理すれば、同じ用途の配管だけを表示したり、保温対象だけを抽出したりできます。表示色に依存するだけでなく、属性を使って絞り込める状態にすると、設計変更後の確認漏れを減らせます。

干渉チェックでは、実形状同士の接触に加えて、必要離隔を加えた仮想的な範囲を設定する方法も有効です。配管外面から一定距離の確認領域を設ければ、接触してはいないものの施工余裕が不足している箇所を抽出できます。必要な余裕は、配管の口径、接続方法、周辺設備、施工方向によって異なるため、案件ごとに確認基準を定めます。

重要なのは、モデルを細かくすること自体ではありません。配管ルートを判断するために必要な範囲を、過不足なく表現することです。小さな部品まで無条件に作り込むとモデルが重くなりますが、干渉に影響する外形を省略すると検証の意味が薄れます。設計段階に応じて必要な精度を決め、外径、被覆、接続部の順に占有範囲を整えると効率的です。

確認2 最小曲げ半径と継手寸法を反映する

配管ルートの曲げ不足は、3D CAD上で線が折れ曲がっているだけでは判断できません。実際の配管には、材質や口径に応じた最小曲げ半径があり、使用する継手にも固有の寸法があります。設計段階では、配管中心線が通るかどうかではなく、選定した施工方法で曲がり部を作れるかを確認します。

曲げ加工を行う配管では、曲げの内側と外側で変形の状態が異なります。曲げ半径が小さすぎると、内側にしわが生じたり、外側が薄くなったり、断面がつぶれたりする可能性があります。許容される曲げ半径は、配管の材質、外径、肉厚、加工方法、使用条件によって異なるため、一般的な目安だけで決めず、採用する配管や施工方法の条件を確認する必要があります。

曲がり部に既製の継手を使用する場合は、その継手の中心から端部までの寸法を3D CADに反映します。中心線を直角に折っただけのモデルでは、継手が占有する範囲を表現できません。曲がりの直前や直後に別の継手、バルブ、分岐が配置される場合は、差し込み長さ、溶接部、ねじ込み部などを含めて成立するかを確認します。

特に注意したいのが、短い区間で方向を何度も変える配管です。二つの曲がり部の間に十分な直管長がなければ、現場での曲げ加工や継手接続が難しくなります。3D CAD上ではわずかな直線が存在していても、実際には工具を掛ける長さや接合部を設ける長さが不足している可能性があります。

分岐部の近くに曲がりを配置する場合も同様です。分岐継手の外形と曲がり継手の外形が重ならないことに加え、接合や検査を行うための作業範囲が必要です。溶接を伴う場合は、作業者が適切な姿勢を取れるか、周囲に火気対策のための空間を確保できるかなども確認対象になります。

柔軟性のあるホースやチューブを使用する場所では、直管とは異なる検討が必要です。柔らかく見える部材でも、急激に折り曲げると流路が狭くなったり、繰り返し変形による劣化が進んだりします。接続口の直後から曲げるのではなく、一定の直線区間を設けたうえで緩やかに方向を変えることが重要です。

3D CADの配管作成機能に曲げ半径や継手規格を登録できる場合は、使用予定の条件に合わせて設定します。ただし、機能が自動的にルートを生成したとしても、施工可能性まで保証されるとは限りません。自動作成された曲がり部について、継手の種類、直管長、周囲の空間を目視でも確認します。

曲げ不足を防ぐには、ルート確定後に曲がり部だけを抽出し、狭い半径、短い直管、連続した方向変更がないかを横断的に確認する方法が有効です。個別の系統を始点から終点まで追う確認と、すべての曲がり部をまとめて調べる確認を組み合わせることで、見落としを減らせます。

確認3 梁やダクトなど周辺設備との離隔を確認する

配管干渉の代表例は、梁、柱、壁、床、ダクト、ケーブルラック、ほかの配管、機械装置との重なりです。3D CADでは、それぞれのモデルを統合し、位置関係を確認します。ただし、モデル同士が接触していないだけでは十分ではありません。

構造体の近くでは、配管外面から仕上げ面までの距離を確認します。構造モデルが躯体寸法だけで作成されている場合、仕上げ材、耐火被覆、天井下地などが省略されていることがあります。その状態で配管を限界まで近づけると、後から追加された仕上げや下地と干渉する可能性があります。

梁下の配管では、天井高さやほかの設備との上下関係を意識します。単に梁を避けるために配管を下げると、天井内の有効高さが不足したり、点検口と重なったりすることがあります。反対に、配管を梁の近くまで上げると、支持金具を設置できなくなる場合があります。

ダクトとの調整では、設備ごとの優先順位を決めておくことが重要です。大きなダクトは急な方向変更が難しく、一定の断面積を保つ必要があります。一方で、配管も勾配や曲げ半径によって自由に移動できるとは限りません。どちらか一方を無条件に優先するのではなく、変更可能な範囲と影響を比較してルートを決めます。

ケーブルラックの近くでは、ラック本体との干渉だけでなく、ケーブルを出し入れする方向や蓋を開閉する空間も確認します。配管がラックの直上にあると、ケーブルの増設や交換が難しくなる可能性があります。水分を扱う配管の場合は、漏れが発生した際の影響も考慮し、上下配置を慎重に検討します。

配管同士の交差部分では、中心線間の高さ差だけでなく、外径と保温厚さを含めた離隔を確認します。交差する二本の配管が太い場合は、高さ差が十分にあるように見えても、曲がり部や継手部分で接触することがあります。交差箇所の前後で配管高さが変化している場合は、断面表示を移動させながら確認する必要があります。

干渉チェック機能を利用する際は、検出対象の組み合わせを分けると結果を整理しやすくなります。配管と構造、配管とダクト、配管同士、配管と機器など、目的別に確認すれば、重要度や担当者を判断しやすくなります。すべてのモデルを一度に確認すると、軽微な接触が大量に表示され、優先すべき問題が埋もれることがあります。

また、完全な重なりを検出する確認と、一定距離以内への接近を検出する確認を分けることも有効です。重なりは設計修正が必要な問題として扱い、接近は施工性や維持管理性を個別に判断します。問題の種類を区別して管理すると、修正の必要性を関係者間で共有しやすくなります。

確認4 勾配と高さ変化を含めてルートを検討する

排水や自然流下を利用する配管では、勾配がルート成立の重要な条件になります。平面図上で最短距離を選んでも、必要な勾配を確保すると終点の高さが下がり、梁や天井、ほかの設備と干渉する場合があります。

3D CADでは、配管の始点高さと終点高さを設定し、途中の勾配を連続的に確認します。経路の一部だけに勾配を設定すると、水平区間との接続部に不自然な段差が生じることがあります。配管全体を始点から終点まで追い、勾配の方向が途中で逆転していないか、局所的なくぼみがないかを確認します。

長い配管では、わずかな勾配でも高低差が大きくなります。設計初期に終点側の必要高さを確認せずにルートを決めると、途中までは問題がなくても、末端で接続先より低くなったり、天井下へ露出したりする可能性があります。最初に接続先の高さと経路長を確認し、成立する高さ範囲を把握しておくことが重要です。

勾配配管が梁を通過する場合、梁の手前では通過できても、勾配によって徐々に高さが変わり、梁の反対側で干渉することがあります。一つの断面だけでは判断しにくいため、配管方向に沿った縦断面で確認します。配管中心線、外形、保温外形を同時に表示すると、必要な空間を把握しやすくなります。

圧送系統などで自由に高さを変えられる配管でも、不要な上下移動は避ける必要があります。高い位置と低い位置を繰り返すルートは、空気や液体が滞留する場所を生じさせる可能性があります。設備の用途によっては、空気抜き、ドレン、清掃、排出などのための追加部品が必要になります。

高さ変更部では、曲がり部の寸法も合わせて確認します。配管を少しだけ上下へ移動したい場合でも、二つの曲がり継手とその間の直管を配置すると、想定以上の長さが必要です。3D CAD上で中心線を小さくずらしただけでは、実際の継手構成が成立しないことがあります。

複数の勾配配管が同じ空間を通る場合は、交差位置の調整が難しくなります。一方の配管を上げたり下げたりすると、必要勾配が変わり、上流側や下流側に影響が広がります。局所的な干渉だけを見て修正するのではなく、変更後の配管全体を再確認することが大切です。

勾配値や高さを属性として管理すると、設計変更後の確認に役立ちます。配管の端点高さ、基準面からの距離、流れ方向などを明確にし、図面上の注記と3D CADモデルの情報を一致させます。モデルだけが正しくても、施工図へ出力した情報が誤っていれば現場では再現できません。

確認5 支持材と施工スペースをモデル化する

配管本体が周辺設備を避けていても、支持材を設置できなければ施工できません。配管ルートの検討では、吊り材、架台、ブラケット、固定金具、振れ止めなどが占める空間も確認します。

天井内の配管では、配管の上側に吊り材を設置するための空間が必要です。配管を梁や床の下面に近づけすぎると、金具を取り付けられなかったり、工具を入れられなかったりします。配管外面と構造体の間に隙間があっても、その隙間が施工に十分とは限りません。

複数の配管を共通架台で支持する場合は、配管同士の間隔と架台の幅を合わせて確認します。配管ルートだけを先に決め、後から架台を追加すると、ダクトやケーブルラックと干渉することがあります。配管の本数が多い場所ほど、早い段階で支持方法を仮定し、必要な幅と高さをモデル化することが重要です。

支持間隔は、配管の材質、口径、内容物、温度、設置方向などによって変わります。3D CAD上で支持位置を検討する際は、一定間隔で配置するだけでなく、バルブや分岐、曲がり部、重量物の近くに追加支持が必要かを確認します。重い部品の荷重を細い配管や接続部だけで支える状態は避けなければなりません。

熱による伸縮が想定される配管では、固定点、案内点、可動部の考え方もルートに影響します。配管が伸びる方向に障害物があると、運転時に接触したり、接続部へ無理な力が加わったりする可能性があります。静止状態のモデルだけでなく、変位の方向と必要な余裕を考慮します。

施工スペースの確認では、配管を設置する順序も重要です。完成後の位置に十分な空間があっても、長い配管をその場所まで搬入できなければ施工できません。曲がりくねった狭い空間へ長尺材を入れる場合は、搬入口、回転範囲、仮置き場所を検討します。

継手を現場で接合する場合は、接合方法に応じた作業範囲が必要です。工具を回す作業、ボルトを締める作業、溶接する作業、接着する作業などでは、必要な方向と空間が異なります。完成形の外形だけを見て判断せず、作業時に人や工具が入る範囲を想定します。

3D CAD上にすべての工具や作業者を詳細に作成する必要はありませんが、重要な場所では簡易的な確認領域を配置すると効果的です。例えば、バルブ周辺に操作範囲を示す空間、フランジ周辺にボルト作業用の空間、配管端部に接合作業用の空間を設定すれば、施工性を視覚的に確認できます。

配管本体、支持材、施工領域を別の分類にしておくと、段階的な確認が可能です。まず配管ルートを検討し、次に支持材を表示し、最後に施工領域を重ねることで、問題の原因を整理しやすくなります。

確認6 機器接続部と点検動線を確認する

配管ルートの干渉は、途中の経路だけでなく、機器への接続部でも多く発生します。ポンプ、タンク、熱交換器、処理装置、衛生器具などの接続口周辺には、複数の配管、バルブ、計器、支持材が集中するためです。

機器モデルに接続口の位置が正確に設定されていないと、配管ルート全体を正しく設計できません。機器の概略外形だけを使う場合でも、接続口の中心位置、向き、口径、高さを確認します。接続口の情報が確定していない段階では、仮定した条件であることをモデル上に明示し、確定後に再確認できるようにします。

機器へ接続する直前の配管には、バルブ、可とう部、計器、ストレーナーなどが配置されることがあります。これらを省略して直管だけで接続すると、実際の部品を追加した際に必要長さが不足します。配管方向を変える直前に部品を詰め込みすぎると、継手同士が重なったり、操作部分が壁側を向いたりする可能性があります。

バルブは本体外形だけでなく、操作に必要な範囲を確認します。ハンドルやレバーが壁、天井、ほかの配管に当たると、開閉できません。操作位置が高すぎたり、別の設備の奥に隠れたりすると、日常点検や緊急操作が難しくなります。

計器についても、表示面の向きと読み取り位置を考慮します。3D CAD上で配管に取り付けられていても、表示面が壁側を向いていれば実用的ではありません。センサーや計器の交換に必要な引き抜き方向が確保されているかも確認します。

機器本体には、点検扉、フィルター交換部、モーター引き抜き部など、保守のために空けておく領域があります。配管を機器へ近づけすぎると、点検扉を開けられなかったり、部品を取り外せなかったりします。機器の外形だけでなく、保守領域を簡易形状として3D CADに配置すると、配管との干渉を発見しやすくなります。

床置き機器の周辺では、作業員が通る動線も確認します。配管が床近くを横断すると、つまずきや移動の妨げになる可能性があります。通路上を避ける、上部へ持ち上げる、保護を設けるなど、設備用途と作業環境に合わせた検討が必要です。

配管の分解や交換を想定することも大切です。完成後に接続部を外せても、配管を横へ移動する空間がなければ取り出せません。狭い機械室では、分割位置や取り外し方向を事前に決め、交換対象の部材が搬出できるかを確認します。

機器接続部の確認では、正常運転時だけでなく、点検、清掃、交換、緊急操作の状態を想像します。3D CADを完成形の確認だけに使わず、設備の運用中に必要となる動作や空間を検証することで、長期的に扱いやすい配管計画になります。

確認7 現況と施工順序を踏まえて最終検証する

3D CAD上で干渉がなくても、モデルと現況が一致していなければ施工時に問題が発生します。改修工事や既存施設への配管追加では、図面に反映されていない梁、配管、金具、設備、段差などが残っていることがあります。

既存図面をそのまま正しいものとして扱わず、重要なルート周辺は現地で確認します。特に、天井裏、機械室、シャフト、床下、貫通部周辺など、設備が集中する場所では、既存図面と現況の差が配管ルートへ大きく影響します。

現況確認では、単に障害物の有無を見るだけでなく、基準位置を明確にします。現地で測定した寸法を3D CADへ反映する際に、測定の起点や座標系が異なると、個々の寸法が正しくても全体の位置がずれます。柱、壁、床、通り芯など、確認しやすい基準を決めて情報を統合します。

貫通部は特に慎重な確認が必要です。3D CAD上で壁や床を通過できても、構造上の制約や防火上の条件により、希望する場所へ開口を設けられない場合があります。既存の貫通部を使用する場合は、開口寸法、空き容量、周囲の配管、閉塞処理などを確認します。

新たな開口を計画する場合は、配管外径だけで開口寸法を決めないことが重要です。スリーブ、保温材、充填材、施工誤差などを考慮し、必要な範囲を確保します。斜めに貫通する配管では、壁面や床面に投影される開口が大きくなるため、断面と方向を確認します。

施工順序も最終検証に含めます。複数の配管が狭い場所を通る場合、完成後は納まっていても、先に別の設備を設置すると後続の配管を入れられないことがあります。大口径配管、ダクト、架台、小口径配管の順序を想定し、搬入方向と組立方法を確認します。

仮設設備や足場が必要な場所では、それらの設置範囲も考慮します。高所の配管へ作業員が到達できるか、吊り上げ経路が確保されているか、周囲の設備を傷つけずに搬入できるかを確認します。完成モデルだけでは見えにくい問題であるため、施工担当者を交えた確認が効果的です。

設計変更が発生した場合は、変更箇所だけでなく関連範囲を再検証します。一つの干渉を避けるために配管を移動すると、別の場所で曲げ半径不足、勾配不良、支持困難、点検動線の遮断が起こる可能性があります。変更前後のモデルを比較し、影響範囲を追跡できる状態にしておくことが大切です。

最終確認では、干渉チェックの結果を一覧化し、未解決、修正中、確認済みなどの状態を管理します。検出された問題を画面上で見ただけでは、後から対応状況が分からなくなります。位置、対象設備、問題内容、担当、対応方針を記録し、モデルの修正と管理情報を一致させます。

3D CADによる配管確認の進め方

配管ルートの確認は、一度にすべてを判定しようとすると複雑になります。まず、建築や構造の基準モデルを整え、機器の位置と接続口を確認します。その後、主要な配管ルートを配置し、最後に細かな分岐や付属部品を追加すると、検討を進めやすくなります。

初期段階では、配管の大まかな通過領域を決めます。この段階で重要なのは、天井内、シャフト内、機械室内などに、各設備が使用できる空間を配分することです。細かな継手を作り込む前に、主要な配管、ダクト、ケーブルラックが無理なく共存できるかを確認します。

次に、配管の口径、外径、保温条件、勾配を反映します。大まかな中心線だけで成立していたルートが、実外形を与えることで干渉する場合があります。問題が見つかったら、局所的に曲げを増やすだけでなく、ルート全体の高さや通過位置を見直します。

主要ルートが固まった後は、継手、バルブ、分岐、支持材を追加します。ここでは、曲げ半径、直管長、接続方向、操作空間を確認します。部品の追加によってルートが成立しなくなった場合は、部品を小さく見せて回避するのではなく、実際に使用できる構成へ修正します。

干渉チェックは、モデル作成の最後に一度だけ実行するのではなく、設計の節目ごとに行います。主要ルート確定時、機器接続確定時、支持材追加時、施工図作成前などに確認すれば、問題を小さいうちに修正できます。

確認結果は、画面上の色分けだけに頼らず、問題の内容を記録します。同じ場所で複数の設備が干渉している場合、どの設備を移動するかは、勾配、口径、施工性、保守性、変更による影響を踏まえて判断します。干渉を検出することと、適切な解決策を選ぶことは別の作業です。

関係者との確認では、全体モデルを回転させて見せるだけでなく、問題箇所の断面や拡大表示を用意します。どの方向にどれだけ移動する必要があるのか、変更後に別の問題が発生しないかを共有すると、判断が早くなります。

最終的には、3D CADモデルと施工に使用する図面の整合を確認します。モデル内で修正した内容が平面図、断面図、詳細図、部材情報へ反映されているかを確認し、古い図面が残らないように管理します。

配管干渉を見逃しやすいモデルの特徴

干渉を見逃しやすい3D CADモデルには、いくつかの共通点があります。代表的なのは、配管が中心線だけで表現され、外径や保温厚さが設定されていないモデルです。この状態では、見た目がすっきりしていても、実際の占有範囲を判断できません。

継手やバルブが省略されたモデルも注意が必要です。直管同士がきれいにつながっていても、実際の接続部品を配置すると寸法が足りないことがあります。特に、壁際、梁際、機器接続部などでは、部品を追加した段階で干渉が発生しやすくなります。

異なる基準で作成したモデルを統合している場合も、位置ずれが起こります。建築、構造、設備の各モデルで原点、高さ基準、回転方向が異なると、統合時にわずかなずれが生じます。大きな空間では気づきにくくても、狭い貫通部や機器接続部では重大な差になります。

更新日や版が異なるモデルを使用している場合も危険です。構造変更前のモデルと設備変更後のモデルを重ねても、正しい干渉チェックにはなりません。確認前に、各モデルの更新状態と対象範囲をそろえる必要があります。

モデルの分類が不十分な場合は、必要な設備が非表示のまま確認を終えてしまうことがあります。表示を軽くするために一部の設備を非表示にした後、元へ戻さずに干渉チェックを実行すると、結果に漏れが生じます。確認用の表示状態をあらかじめ決めておくと安全です。

干渉判定の条件が厳しすぎたり、緩すぎたりする場合も問題です。接触だけを検出する設定では、施工余裕不足を見つけられません。一方、必要以上に広い範囲を干渉として扱うと、軽微な候補が増え、重要な問題が見えにくくなります。対象設備ごとに適切な確認距離を設定することが重要です。

自動判定の結果だけを信頼するモデル運用にも注意が必要です。自動機能は形状同士の関係を抽出するために有効ですが、施工順序、工具の作業範囲、点検動線、部材の搬入方法までは判断できません。自動チェックと人による施工性確認を組み合わせる必要があります。

形状が過度に簡略化された機器モデルも、接続部の問題を見逃す原因になります。機器本体の箱形状だけでなく、接続口、点検扉、突出部など、配管計画に影響する要素を表現します。反対に、内部の細かな部品まで作り込んだ重いモデルは操作性を低下させるため、確認目的に合った簡略化が必要です。

モデルの見た目が整っていることと、施工可能であることは別です。きれいに平行配置された配管でも、支持材が入らない、バルブを操作できない、継手を接続できないといった問題が残る場合があります。完成イメージだけで評価せず、施工と維持管理の視点から確認します。

まとめ

3D CADで配管ルートを検討する際は、配管中心線が目的地までつながっているだけでは不十分です。配管外径、保温材、継手、曲げ半径、勾配、支持材、作業空間、点検動線まで含めて確認することで、施工段階の干渉や曲げ不足を減らせます。

最初の確認では、配管本体と被覆を含めた占有範囲を正しく設定します。次に、選定する配管材や施工方法に応じた曲げ半径と継手寸法を反映し、短い区間で無理な方向変更が生じていないかを確認します。

周辺設備との調整では、完全な接触だけでなく、施工や保守に必要な離隔を確認することが重要です。梁、ダクト、ケーブルラック、ほかの配管との位置関係を断面で確認し、必要に応じて接近範囲も抽出します。

勾配配管については、始点から終点までの高さ変化を連続的に確認します。局所的な干渉回避によって勾配が崩れたり、不自然な上下移動が生じたりしていないかを確認しなければなりません。

さらに、支持材を取り付ける場所、工具を使用する空間、機器を点検する動線、部品を交換する方向を検討します。完成時に納まるだけでなく、搬入、接続、検査、交換まで実行できるルートにすることが大切です。

既存施設や改修現場では、3D CADモデルの前提となる現況情報の精度が設計結果を左右します。重要なルート周辺を現地で確認し、構造物や既設設備の位置をモデルへ正しく反映する必要があります。

現況把握を効率化する方法の一つが、現地で取得した三次元情報を配管設計へ活用することです。LRTK Phoneで現場の位置や形状を記録し、既存設備の状態を確認できる資料として利用すれば、図面だけでは把握しにくい障害物や高さ関係を検討しやすくなります。

3D CADによる配管検討とLRTK Phoneを用いた現況確認を組み合わせることで、設計モデルと実際の現場との差を把握しやすくなります。施工直前に初めて干渉を発見するのではなく、設計段階から現況、曲げ条件、施工性を重ねて確認することが、手戻りの少ない配管計画につながります。

現場を3Dで残して、あとから測る。
実際の画面と動画で使い方を確認できます。

LRTK Phoneの使い方・実例を見る
資料請求導入相談
現場をスマホで3DスキャンLRTK Phone実例を見る