LRTKレフィクシア株式会社

3D CADで分解図を作り組立手順を伝える7つのコツ

3D CADで分解図を作る目的

3D CADで作成する分解図は、完成状態のアセンブリを構成部品ごとに離して表示し、部品同士の位置関係や組立順序を伝えるための図です。完成した装置や製品の外観だけでは見えない内部構造も、分解図にすることで理解しやすくなります。どの部品がどの位置に入り、どの方向から取り付けられ、周辺部品とどのようにつながるのかを一つの図で示せる点が大きな利点です。

設計者にとっては、3D CADモデルを見れば部品構成を理解できることがあります。しかし、組立担当者、検査担当者、保守担当者、教育を受ける作業者が、同じようにモデルを読み取れるとは限りません。完成状態の3Dモデルでは部品が重なり、内部にあるねじ、軸、座金、配線、支持部品などが見えなくなるためです。分解図は、設計者が持っている構造の知識を、ほかの担当者が確認できる形へ変換する役割を持ちます。

分解図は、組立手順の説明だけでなく、部品表との照合、保守部品の特定、交換作業の確認、製品構造の説明などにも活用できます。特に部品点数が多い装置では、文章だけで組立手順を伝えるよりも、分解図と短い説明を組み合わせた方が、部品の取り違えや向きの間違いを抑えやすくなります。

ただし、部品を単純に四方へ広げれば、分かりやすい分解図になるわけではありません。部品の移動方向に規則がなく、組立順序とも一致していなければ、見る人は元の位置を推測しなければなりません。間隔を広げすぎると対応関係が分かりにくくなり、狭すぎると部品同士が重なります。部品番号や引出線が交差すると、図の情報量が増えても理解しにくくなります。

実務で使える分解図にするには、見栄えよりも、図を逆順にたどれば実際に組み立てられるかという視点が重要です。部品の位置、向き、順序、移動経路、締結関係を整理し、作業者が迷わない情報として構成する必要があります。

分解図を作る前に確認したい準備

分解図の作成を始める前に、最初に利用目的と対象者を明確にします。同じアセンブリを扱う場合でも、製造現場の組立担当者向けの図と、保守担当者向けの図では必要な情報が異なります。

組立担当者向けであれば、部品を取り付ける順序、挿入方向、仮固定の位置、工具を入れる方向などが重要です。保守担当者向けであれば、交換対象へ到達するまでに外す部品、再利用できる部品、交換後に確認する箇所などが重要になります。製品構造を説明する資料では、細かな締結順序よりも、主要な機能ユニットの関係が分かることが優先されます。

次に、3D CAD上のアセンブリが最新の状態であるかを確認します。旧版の部品、検討用の仮部品、重複して配置された部品、非表示の部品、部品表に含めない補助形状などが残っていると、それらが分解図へ混入する可能性があります。分解図を作った後で構成の誤りに気づくと、部品位置、番号、注記、手順文などをまとめて修正する必要が生じます。

部品の構成階層も確認します。3D CAD上では設計管理の都合からサブアセンブリに分かれていても、実際の現場では異なる単位で組み立てることがあります。反対に、3D CAD上では別部品でも、現場には事前に組み立てられた状態で供給される場合があります。そのため、設計データの階層だけで分解単位を決めるのではなく、供給単位、作業単位、検査単位も考慮することが大切です。

締結部品をどこまで表示するかも事前に決めます。すべてのねじ、座金、ナットを個別に離すと、図が複雑になりやすくなります。一方で、締結部品を省略しすぎると、数量や取り付け順序が分かりません。向きや重なり順が重要な部品は個別に表示し、同一仕様の締結部品が繰り返し使われる箇所は、代表的な表示と数量情報を組み合わせる方法があります。

実際の組立方法がすでに確立している場合は、作業手順書、現場の記録、担当者への確認結果も参考にします。設計上は取り付けられる構造でも、工具が入らない、部品を保持できない、ほかの部品を先に付けると作業できないといった問題があるためです。分解図は3Dモデルを装飾する作業ではなく、現実の組立作業を分かりやすく再構成する作業と考える必要があります。

コツ1 基準部品と表示方向を最初に決める

分解図を作るときは、最初に動かさない基準部品を決めます。基準部品には、装置のフレーム、筐体、ベース、中心軸を含む部品など、ほかの部品が取り付く中心的な部品を選ぶと分かりやすくなります。

基準部品を決めず、すべての部品を均等に移動させると、完成状態における位置関係が分かりにくくなります。どの部品が装置の中心で、どの部品がその周辺へ取り付くのかを読み取れないためです。基準部品を固定しておけば、離した部品を元の方向へたどったとき、どの面や穴へ取り付くのかを理解しやすくなります。

次に、分解図を表示する視点を決めます。正面だけでは奥行き方向の部品が重なり、側面だけでは左右の配置が見えない場合があります。そのため、一般的には主要な面と奥行きが同時に見える斜め方向から表示すると、立体的な関係を把握しやすくなります。

ただし、常に斜め方向が適切とは限りません。軸方向へ複数の部品を差し込む構造では、軸の長さと部品の並びが見える方向を選ぶ必要があります。上から部品を積み重ねる構造では、高さ方向の順序が分かる視点が適しています。実物を作業台へ置く向きや、作業者が装置に向き合う方向を意識すると、図と現場の姿勢を対応させやすくなります。

3D CADの座標軸が、実際の組立方向と一致しているとは限りません。設計時の正面や上面が、現場での正面や上面と異なる場合もあります。分解図では設計上の座標系へ固執せず、作業者が理解しやすい向きを優先します。

表示方向は、分解作業を始めた後に何度も変更しない方が安全です。視点を変更すると、部品の重なり、移動距離、番号の位置、引出線の交差などが変わります。最終的な文書へ配置した状態を想定し、主要な取り付け面、内部構造、部品の移動方向が確認できる視点を早い段階で決めることが重要です。

複数工程に分ける装置では、全体の基準部品に加えて、各サブアセンブリ内の基準部品も設定します。全体分解図では筐体を基準にし、駆動部の詳細図では支持部品を基準にするなど、図の目的に応じて基準を切り替えると、複雑な構造でも整理しやすくなります。

コツ2 部品を組立単位ごとに段階的に分解する

部品点数の多いアセンブリを一度にすべて分解すると、部品が画面全体へ広がり、対応関係を追いにくくなります。そこで、最初は機能単位や作業単位ごとにまとめ、主要なユニットを分けることから始めます。

たとえば、外装部、支持部、駆動部、操作部、配線部などに分けると、装置全体の構造を段階的に説明できます。全体分解図では主要ユニットの取り付け位置を示し、必要に応じて各ユニットをさらに分解した詳細図を用意します。この方法なら、一枚の図へ細かな情報を詰め込みすぎずに済みます。

組立単位は、3D CAD上のサブアセンブリと必ずしも一致させる必要はありません。設計データは部品管理や再利用を考慮した階層になっていることがあります。一方、現場では複数のサブアセンブリにまたがる部品を一つの工程で取り付ける場合があります。分解図は、元の構成を壊すのではなく、説明に適した表示グループを作る考え方で整理します。

段階的な分解では、最初に外側の部品を外し、その後に内部の部品を見せる流れが自然です。外装部品を残したまま内部部品だけを遠くへ移動させると、どの開口部から組み付けるのか分かりません。外装を外した状態、内部ユニットを取り出した状態、ユニット内部を分解した状態というように、実際の作業へ近い段階を作ります。

似た形状の部品が複数ある場合は、取り付け位置との対応を維持します。左右の部品を同じ場所へまとめたり、同一形状だからといって一つだけ表示したりすると、現場で左右や前後を取り違える可能性があります。穴位置、切り欠き、表裏、配線口などに違いがある部品は、元の位置との関係が分かる配置にします。

締結部品も組立単位に合わせて動かします。ねじと座金を取り付け対象から離れた場所へまとめると、どこに使う部品なのか分からなくなります。締結対象の近くへ置き、挿入する軸や穴の方向と一致させます。同じ締結部品を複数箇所で使う場合も、少なくとも使用位置が把握できる表現が必要です。

部品を段階的に整理すると、設計変更があったときの更新範囲も限定しやすくなります。変更されたユニットの詳細図だけを見直し、全体図への影響を確認する流れにできるためです。分解図を継続的に使用する場合は、初期作成時から更新しやすい単位でまとめることが重要になります。

コツ3 部品の間隔と移動方向に規則を持たせる

分解図の読みやすさは、部品を離す距離と方向によって大きく変わります。間隔が狭すぎると部品が重なり、形状や接続位置を確認できません。間隔が広すぎると、部品と取り付け位置の関係を視線で追いにくくなります。

同じ組立軸上に並ぶ部品は、できるだけ同じ方向へ移動させます。軸、軸受、座金、固定部品が一列に組み付く構造であれば、中心線をそろえて配置すると、どの順序で差し込むのか理解しやすくなります。各部品を少しずつ異なる方向へ移動させると、図の見た目は広がっても、組立軸が分からなくなります。

部品間隔には一定のリズムを持たせます。小さな部品と大きな部品で必要な間隔は異なりますが、同じ種類の部品が並ぶ箇所では、極端に異なる距離を設定しない方が順序を追いやすくなります。部品が重なる場合は、必要な範囲で移動量を増やし、全体のまとまりが失われないように調整します。

間隔を決めるときは、部品形状だけでなく、部品番号や引出線を配置する余白も考慮します。3D CAD上で部品だけを見て配置を整えても、図面へ番号を追加したときに線が交差し、再配置が必要になることがあります。最終的な出力サイズを想定し、番号や注記を置ける空間を残します。

主な組立方向が複数ある場合は、優先順位を決めます。主要な部品は上下方向へ分解し、カバーは前方へ移動し、ピンだけを横方向へ抜く構造などが考えられます。この場合、すべての方向へ大きく広げると図が散らばります。主要な組立の流れを中心にし、補助方向の部品は必要な距離だけ移動させます。

部品を見やすくするために、実際には通過できない方向へ移動させることは避けます。分解図を見た作業者は、表示された方向から取り付けられると解釈する可能性があります。実際の組付けに回転や斜め移動が必要であれば、単純な直線配置だけで表さず、途中状態や移動経路を示す必要があります。

小さな部品を見せるために、必要以上に遠くへ移動させることにも注意します。ねじ、止め輪、ピンなどは、大きな部品から遠ざけるほど使用位置が分かりにくくなります。対象となる穴や軸の近くへ置き、引出線や軌跡を使って関係を示すと、図の広がりを抑えられます。

コツ4 実際の組立順序に沿って配置する

分解図は完成状態から部品を離して作成しますが、組立担当者は、その図を逆方向にたどって作業を理解します。したがって、分解する順序を逆にすれば、実際の組立順序になる構成が理想です。

外側の部品を図の手前に置き、先に組み付ける内部部品を基準部品に近い位置へ配置すると、順序を直感的に読みやすくなります。見た目を整えるためだけに部品の順番を入れ替えると、作業時に先に付けるべき部品と後から付ける部品が逆になる可能性があります。

組立順序を決めるときは、部品同士の接触関係だけでなく、工具を入れる空間や作業者の手の動きも考えます。カバーを先に付けるとねじを締められない、軸を入れた後では止め輪を装着できない、支持部品を固定すると配線を通せないといった問題は、完成状態のモデルだけでは気づきにくいものです。

仮止めや位置調整が必要な工程も考慮します。複数の部品を仮止めしてから位置を合わせ、最後に締め付ける構造では、単純に一部品ずつ完成させる図にすると、実際の作業と異なります。この場合は、仮止め状態を一つの工程として示し、調整後に本締めする流れを説明します。

配線や柔軟部品の組付けでは、完成位置だけでなく、途中の取り回しが重要です。配線を固定部品の内側へ通してから外装を付ける場合、完成状態の位置へ直接移動させる図では経路が伝わりません。途中の状態を別の図で示し、どの開口部を通り、どの位置で固定するのかを分かるようにします。

二人以上で持つ部品や、治具を使って位置決めする部品は、一般的な小部品と同じ表現だけでは不十分な場合があります。保持する位置、支持する方向、仮固定する箇所を組立手順書の文章で補い、分解図と対応させます。

工程番号を付ける場合は、部品番号と混同しないようにします。部品番号は部品表と対応し、工程番号は作業の順番を示します。同じ数字だけを使用すると意味が分かりにくくなるため、配置する場所や表記方法を区別します。

分解図を作成した後は、完成状態へ戻すつもりで工程を逆に確認します。各部品を表示された方向から移動させたとき、周囲へぶつからず、必要な工具を使用でき、後工程を妨げないかを確かめます。この逆順確認が、図を組立手順として成立させるための重要な作業です。

コツ5 部品番号と引出線を読みやすく整理する

分解図では、部品形状だけでなく、部品番号と対象部品の対応を明確にする必要があります。形状が正しく表示されていても、番号を追えなければ、部品表から名称、数量、仕様を確認できません。

部品番号は、対象となる部品の近くへ配置します。ただし、部品の輪郭や重要な形状へ重ねないようにします。番号を図の周囲へ整列させる方法は見た目を整えやすい一方、引出線が長くなり、交差しやすくなります。図の複雑さに応じて、周囲へ整列させる部分と部品の近くへ置く部分を使い分けます。

引出線は、できるだけ短くし、ほかの部品や線と交差しない経路にします。引出線の先端がどの部品を示しているか分かりにくい場合は、部品の中央ではなく、識別しやすい外形や特徴部分を指すように調整します。

同一部品が複数使用されている場合は、代表的な一つだけに番号を付ける方法があります。ただし、使用位置が離れている場合や、取り付け方向が異なる場合は、代表表示だけでは見落としが発生する可能性があります。必要に応じて同じ番号を複数箇所へ表示し、数量と使用位置の両方を把握できるようにします。

似た形状の部品には特に注意が必要です。長さ、穴位置、厚さなどがわずかに違う部品は、縮小された分解図では見分けにくくなります。番号を明確にし、左右や前後の区別が必要な場合は、向きを示す短い注記を加えます。

注記は、図だけでは判断できない重要事項に限定します。表裏、上下、挿入方向、仮止め、潤滑、調整、再使用の可否などが該当します。すべての条件を一つの分解図へ書き込むと、部品形状が見えにくくなるため、詳細な作業条件は組立手順書へ分けます。

部品番号は部品表と一致させることが基本です。分解図だけで独自の番号を付けると、設計データや調達資料との対応を確認する作業が増えます。工程番号を別に使う場合も、部品番号とは異なる役割であることが分かる構成にします。

最終的には、実際に使用する大きさで確認します。3D CADの画面上では読みやすくても、文書へ縮小配置したときに番号が小さくなり、引出線が重なって見える場合があります。出力後の状態で判読性を確認し、必要なら全体図と拡大図へ分けます。

コツ6 組付け経路と干渉を3D CAD上で確認する

分解図を作る過程は、組立性を確認する機会にもなります。完成状態のアセンブリで干渉がない場合でも、部品を完成位置へ移動させる途中で周辺部品と接触することがあります。

たとえば、部品をまっすぐ差し込めないため、一度傾けてから回転させる必要がある構造があります。分解図で部品を直線上に配置すると、作業者はその方向からそのまま挿入できると考える可能性があります。実際の経路が複雑であれば、途中状態を追加し、斜め移動や回転を含む手順を示します。

3D CAD上で部品を移動させるときは、周辺部品だけでなく、工具や治具が入る空間も確認します。ねじを締めるための工具先端や作業角度を確保できなければ、形状上は組み付いても現場では作業できません。必要に応じて工具を想定した簡易形状や作業空間を使い、進入方向を確認します。

部品の向きにも注意します。左右対称に見える部品、表裏が分かりにくい板部品、穴位置だけが異なる部品などは、誤った向きで分解位置へ置いても気づきにくい場合があります。取り付け面、切り欠き、基準穴、端部形状などを確認し、実際の取り付け姿勢を保ちます。

アセンブリの拘束が不足していると、部品を移動したときに姿勢が変わったり、基準位置がずれたりすることがあります。分解状態を作る前に、完成状態で部品の位置と向きが正しいかを確認します。手作業で角度を整えた場合は、元の姿勢へ戻せるかも確認します。

締結部品については、使用箇所だけでなく、長さや重なり順も確認します。ねじ、座金、ばね部品、ナットの順番が異なると、締結機能へ影響する場合があります。分解図では小さな違いが見えにくいため、部品情報と照合しながら配置します。

確認作業は設計担当者だけで完結させない方が効果的です。可能であれば、組立や保守を担当する人にも分解図を見てもらい、作業順、工具の使用、部品の保持、取り回しなどを確認します。設計者には自然に見える経路でも、現場では姿勢や設備の制約によって実行しにくい場合があります。

指摘を受けた場合は、図を見やすくするための修正だけでなく、設計自体の改善につながる可能性もあります。部品を取り付けるために多くの周辺部品を外す必要がある、工具を斜めに入れなければならない、向きを判別する特徴がないといった問題は、組立性や保守性を見直す材料になります。

コツ7 全体図と工程別の詳細図を使い分ける

複雑なアセンブリを一枚の分解図だけで説明しようとすると、部品、番号、引出線、注記が増え、かえって分かりにくくなります。そこで、全体分解図と工程別の詳細図を使い分けます。

全体分解図では、主要ユニットが装置のどこへ取り付くのかを示します。細かなねじや内部部品をすべて見せるのではなく、外装部、駆動部、支持部などの関係が分かる構成にします。作業者は最初に全体図を見ることで、完成までの大まかな流れを把握できます。

工程別の詳細図では、特定のユニットや作業範囲を拡大します。締結部品の順序、配線の経路、部品の表裏、工具を入れる方向など、全体図では表現しきれない情報を示します。一つの図へ一つの主要作業を割り当てると、何を確認すべきかが明確になります。

複数工程を連続して示す場合は、視点をできるだけ統一します。工程ごとに視点が大きく変わると、装置の向きを読み直す必要があり、部品の位置関係を見失いやすくなります。内部が見えない工程だけ一時的に視点を変える場合は、全体図との関係が分かるようにします。

断面表示や透過表示を使う場合も、対象を限定します。多くの部品を同時に透過させると、輪郭が重なって分かりにくくなります。外装だけを透過し、内部の対象部品を通常表示にするなど、見るべき箇所が明確になる構成が必要です。

動きを表現できる環境では、組立の流れを連続的に確認する方法もあります。ただし、動きだけでは部品番号や締結位置をじっくり確認しにくいため、静止した工程図も用意します。全体の流れは動きで理解し、実際の作業は工程別の静止図で確認できる構成が実用的です。

紙面や閲覧端末の画面が小さい場合は、特に図を分割する必要があります。全体図を無理に縮小すると、部品番号や小部品が読めなくなります。使用する媒体を想定し、全体構造を把握する図と、作業内容を確認する図の役割を分けます。

分解図から組立手順書へ展開する方法

3D CADで作成した分解図は、組立手順書の中心となる資料へ展開できます。まず、組立工程の区切りに合わせて3D CADの表示状態を整理します。外装を取り付ける前、内部ユニットを固定する前、配線を接続する前など、作業上の意味が変わる地点で状態を保存します。

各状態には工程番号を割り当て、手順書の文章と対応させます。図の工程番号と文章の番号が一致していれば、作業者は現在確認すべき図をすぐに判断できます。部品番号は部品を識別するために使用し、工程番号は作業順序を示すために使用します。

手順文は、作業者が行う動作の順に記載します。対象部品を確認し、所定の方向から挿入し、基準面へ合わせ、仮固定し、位置を確認してから締め付けるというように、実際の行動へ沿って構成します。図を見れば分かる形状説明を繰り返すよりも、図だけでは分からない条件を補うことが大切です。

工程の区切りは、部品数だけで決めません。工具の変更、部品の持ち替え、位置調整、検査、別作業者への引き渡しなども考慮します。一工程へ多くの作業を詰め込むと、途中の確認が抜けやすくなります。一方、細かく分けすぎると全体の流れを追いにくくなるため、作業上のまとまりを基準にします。

組立途中で確認すべき検査項目も、該当する分解図の近くへ配置します。外装を取り付けると見えなくなる締結部、内部配線、位置合わせ部分などは、完成後に確認できない場合があります。隠れる前に確認し、必要に応じて記録する工程を設けます。

初回組立や試作を行った場合は、実際の作業結果を手順書へ反映します。図では分かりやすく見えても、部品を保持しにくい、向きを間違えやすい、工具の交換が多いなどの問題が見つかることがあります。現場の改善結果を3D CADの分解状態と手順文の両方へ戻すことで、次回以降の作業を安定させやすくなります。

分解図で起こりやすい失敗と対策

分解図で起こりやすい失敗の一つは、部品を広げすぎることです。すべての部品を大きく離すと、図全体を収めるために縮小する必要があり、細部や番号が読めなくなります。主要な組立軸を中心に配置し、細かな部分は別の詳細図へ分けることが有効です。

反対に、間隔が狭すぎる分解図も問題です。部品同士が重なり、形状や締結位置が見えません。取り付け面を確認できる程度の間隔を確保し、番号や引出線を置く余白も残します。

見栄えを優先して、実際の組付け経路と異なる方向へ部品を移動させる失敗もあります。作業者が図の方向をそのまま組立方向だと判断すると、周辺部品へ衝突したり、工程をやり直したりする可能性があります。実際の経路を確認し、複雑な動きは途中図で示します。

一枚の図へすべての部品を表示することも、分かりにくさの原因になります。内部部品、外装部品、締結部品、配線が重なる場合は、工程別やユニット別に図を分けます。全体図で構造を示し、詳細図で作業を示す考え方が適しています。

部品番号と工程番号が混在する失敗にも注意します。番号が何を示すのか分からなければ、部品表と手順を正しく参照できません。部品番号と工程番号の役割を分け、配置方法も統一します。

締結部品を省略しすぎると、数量や順序が伝わりません。一方、すべてを個別に並べると図が混雑します。向きや順序に影響する締結部品は表示し、繰り返し箇所は代表表示と数量情報を組み合わせます。

分解状態を作った後に、完成状態へ戻せるか確認しないことも問題です。部品の姿勢が変わったり、順番が入れ替わったりしている可能性があります。図を逆順にたどり、実際に無理なく組み立てられる構成か確認します。

色だけに依存する表現にも注意が必要です。閲覧環境によって色の見え方が変わり、白黒で出力される場合もあります。部品番号、線、形状、注記などを組み合わせ、色がなくても意味を理解できる分解図にします。

設計変更に強い分解図の管理方法

分解図は、設計変更が行われた後も正しく更新されなければなりません。古い部品構成や組立順序を示す図が現場に残ると、誤組立や確認漏れにつながる可能性があります。

まず、分解図がどのアセンブリと改訂状態に対応しているかを明確にします。図の名称、対象モデル、改訂情報、作成日などを管理し、設計データとの対応を確認できるようにします。

設計変更時には、変更された部品の形状だけでなく、組立手順への影響も確認します。穴位置や部品厚さの変更が、工具の進入や挿入経路へ影響することがあります。部品が追加された場合は、取り付け順、締結部品、検査箇所、部品番号も見直します。

分解位置を個別に手作業で管理していると、部品形状の変更によって配置が崩れやすくなります。部品を機能単位や工程単位で整理し、移動方向に規則を持たせておけば、変更後の確認範囲を限定しやすくなります。

図面上の部品番号や引出線が、モデルの変更へ完全に追従するとは限りません。部品が入れ替わった後も古い番号が残る、引出線が別の部品を指す、注記が重なるといった問題が起こり得ます。モデルを更新した後は、最終出力状態で図全体を確認します。

現場へ配布した資料の差し替え方法も決めておきます。更新版を作成しても、旧版が作業場所に残っていれば誤って使用される可能性があります。どの資料が有効かを判断できる状態を保ち、旧版の扱いを統一します。

現場から得られた改善情報も、分解図の改訂へ反映します。向きを間違えやすかった部品、分かりにくかった引出線、実際には変更された組立順などを記録し、次回の更新に利用します。分解図を設計者から現場へ一方的に渡す資料ではなく、作業結果を設計情報へ戻すための資料として運用することが重要です。

まとめ

3D CADで分解図を作るときは、完成状態の部品を単純に広げるのではなく、実際の組立手順を再現できる情報として整理する必要があります。最初に基準部品と表示方向を決め、部品を組立単位ごとに段階的に分解すると、全体構造と細かな作業の両方を伝えやすくなります。

部品の間隔と移動方向には規則を持たせ、取り付け位置との関係を追えるようにします。実際の組立順序、工具の進入、配線の取り回し、部品の保持方法まで考慮すると、現場で使いやすい分解図になります。

部品番号と引出線は、対象部品を迷わず確認できる位置へ整理します。情報を一枚へ詰め込みすぎず、全体分解図と工程別の詳細図を使い分けることも大切です。分解図を逆順にたどり、各部品を表示された経路から完成位置へ戻せるか確認すれば、順序や向きの誤りを発見しやすくなります。

完成した分解図は、組立手順書、検査資料、保守資料、教育資料などへ展開できます。ただし、設計変更後も正しい状態を保つには、対象モデルや改訂情報を管理し、部品番号、注記、組立順序を継続的に更新しなければなりません。

現場で3D CADの情報を確認するときは、必要な図や手順へ作業場所からアクセスできる環境を整えることも重要です。設計情報と現場の状況を結び付け、位置を含む情報共有を効率化する方法を検討する際は、LRTK Phoneの活用へつなげることができます。

現場を3Dで残して、あとから測る。
実際の画面と動画で使い方を確認できます。

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